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この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2012 【ベスト100+α】

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:この装丁がすごい!  »2013年01月22日 更新

20132012201120102009

1万人装丁好きが集まれば1万通り、1億人装丁好きが集まれば1億通り存在する装丁ランキング、
そのうちの1通り、『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2012』、ベスト100+αの発表です。

2012年のコミック装丁を振り返るお供に、気になるデザイナーさんのチェックに、
読みたい作品の発掘に、買い忘れのチェックに、目の保養に、時間つぶしに。
投げた玉数300+α、1発でも当たってくれることを期待して発表します。
ベスト100+α、どうぞご覧ください。


    【100位以降 200/300】【おまけ


●画像をクリックするとamazonに飛びます。
 作品の内容の方が気になった方はそちらをご参照ください。
●画像下にマークが付いている作品は、
 画像の上にポインタを乗せると別画像に切り替わります。


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【第1位】 竜のかわいい七つの子 / 九井諒子

竜のかわいい七つの子


現代日本風に昔話風、西欧風。さまざま世界のファンタジーと絆を描いた7篇の物語を収録した作品集。

銀や赤のカラーリングに鳥のような足という個性を持った竜。日本昔話的と言っても背に乗せるにはミスマッチな、大きな魚を携えた少女、そしてグリフォン(これも物語の中では竜と呼ばれている)。これらのイラストと共に、作者名の振り仮名などを含む、日本語・英語の混ざった沢山の文字情報の全てが白い背景の上で装飾を行うようなバランスで配置されている。古来日本的な細く長いフォルムを持つ竜を大きく目立たせながらも和に偏らせず、様々な世界を内包する作品集としての雰囲気の構成の仕方がお見事で、みっちりとイラストを描きこんだ前作『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』とのアプローチと好対照になっていて面白い。
また、この竜の長い体は、落ちていくように描かれた各エピソードのキャラと共にカバー全体に広がっているが、背表紙をまたがっておらず、左の袖から右の袖に続く、分断を挟んだ続き絵として構成されており、これがまた印象的で、実に外して眺めて見たくなる。そうして外したカバーの下の本体には、鮮やかな赤(画像右上)、そしてカバー裏にはおまけマンガ。カバーの魅力が引き金となるおまけの発覚、これは個人的な体験だが粋を感じずにはいられない。

カバー以外の部分でも、各エピソードは黒いページでかっこよく始まり(画像右下)、描き下ろしのほっこりイラストが添えられた白いページで閉じられるなど、非常に丁寧に作られているポイントが多く、作品の印象に強い影響を及ぼすほどに行き届いた作りが心地よい装丁だった。

出版:エンターブレイン
装丁:コードデザインスタジオ

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【第2位】 なのはな / 萩尾望都

なのはな

地震の爪あとに原子力の功罪。3.11を目の当たりにして描かざるを得なかった5篇を収録した作品集。ハードカバーで刊行された。

白地のカバーにエンボスで幻のように浮かび上がる雨ふる街の風景、銀箔の菜の花と、種をまく少女。文字は黒く。厳かな祈りをささげるように静かなカバーを外すと、そこには鮮やかな菜の花の黄色が広がっている(図右上)。見返しは銀色で、裏にのみ菜の花が白抜きで描かれている(図右下)。白いカバーの内側に秘めた鮮やかな黄色は、ハードカバーの仕様で厚みを持った本体表紙を包んで見返し部分に少しかかっているため、本を閉じた状態でも見る角度で黄色が少し顔を出す、このバランスが美しい。本が本であることの必然を持った装丁だと思える。

出版:小学館
装丁:note 芥陽子

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【第3位】 アルキヘンロズカン 上下巻 / しまたけひと

アルキヘンロズカン


作者の実体験を下地に虚実を入り混ぜて描かれた、マンガ家の男、無職の女、それぞれのお遍路ストーリー作品。

直線で構成されたカクカクな黒いロゴ、上巻は黄色、下巻は黄緑色と等しく同じ色で統一された群像的な味付けの登場人物たち、古地図的なデザインの四国の地図。ロゴ、人物、背景の要素がそれぞれ表紙全体に均等に広がりつつ、同程度に存在感を主張して気持ちのいいコントラストを生んでいる表紙。上下巻で繋がって四国の地図を形成し、お遍路マップを完成させている。そこはもちろん面白いポイントであるので、そこを強調して書影を繋げているが、この順位で紹介していることの主要因ではないと言うか、まず1冊の本として触れた時点で、キャラを沢山載せるタイプの表紙の中でもその異質さが魅力を放っていて強く紹介したいと思ったことはきちんと主張しておきたい。

ちなみに自分は「帯は捨てない派」であると同時に「表紙は帯がない状態を完成系として鑑賞する」という考えを基本としているが、この作品の帯があまりにも好みで、表紙を邪魔せず、他の情報を載せることなく、ただ作品を補助することに徹した、作品のためだけの、作品の一部としてもいいくらいにカバーとまとまっていたため、ポインタを載せて見れるようにしてみたので是非ご参照いただきたい。

出版:双葉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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【第4位】 いとしのムーコ 1巻 / みずしな孝之

いとしのムーコ1


ガラス職人に飼われている愛犬ムーコの、騒がしく楽しい日常が描かれた作品。

モデルとなっている工房を背景として、飼い主の前に出て写真に写りたがるように大きく描かれた元気いっぱい、可愛さいっぱいのムーコ。表紙の中心部分には、ムーコのアピールポイントである「おはなツヤツヤ」がピンポイントの特殊装丁で再現されていて、手に取ったとき気がつくと触ってしまう。背表紙には、布をピーッと伸ばしてしまうムーコの癖が縦長のエリアに面白い見せ方で配置されている。

少しカラーのついた目次(右上)、ムーコにロゴ遊いばせる幕間ページ(右下)、カバー袖の4コマがレイアウト的にもよかったり、他色々と盛り込まれた拘りに作品への愛が感じられて気持ちのよい1冊だった。

出版:講談社
装丁:Maniackers Design 佐藤正幸
   Rocket Bomb


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【第5位】 チキュウズィン / 木内達朗

チキュウズィン


主人公は「地球」。極大から極小まで、ワイドレンジなナンセンスが繰り広げられる8コママンガ。

その表紙を飾るのは一目瞭然、地球擬人化キャラ。手描き風のロゴと版画のようなイラスト、シックな色使いによるレトロな雰囲気と、ユルキャラ的なその佇まいの不思議なマッチング。カレーを食す優雅(?)な姿には、集中線にも見える背景によって妙な迫力が宿っている。なんともカオスでユーモラスな表紙。これがこの上なく適切に作品を伝えているのだから、装丁は奥が深い。*

出版:新人物往来社
装丁:名久井直子

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【第6位】 暗殺教室 1巻 / 松井優征

暗殺教室

地球を滅ぼすらしい謎の生命体「殺(ころ)せんせー」が先生を務める教室で、唯一先生の暗殺を許可された生徒たちが、ターゲットの先生から殺しの手ほどきを受けるなかで成長していく学園暗殺コメディ。

背表紙側にまで広がる無地の黄色背景の上に、ニコちゃんマークのごとく簡潔に載せられた「ころせんせー」の人を食った笑顔。「殺」の文字だけフォントと色が変えられた、全体としてはシンプルなタイトルロゴや、作者名が、と共に大人しく整然と配置されて、全てが静かに調和している。ジャンプコミックスでおなじみの巻のタイトルや「JUMP COMIS」表記などのレーベルのルールを守りながらも、作者渾身のカラーイラストが少年のわくわくを刺激する既存のジャンプコミックスラインを大きく離れたこのカバーの異質さは、本屋さんで積まれたジャンプコミックうスの中で本当に良く目立っていた。顔の表情と色の解説が入ったカバー下(右上)もおまけ的ではあるが、やはりデザイン的で、目次(右下)もテストの答案風と凝っている。

ちなみに、担当のデザイナーさんは「200ちょっとの作品を並べてコミックの通巻デザインを眺める」の特集を組んだときに沢山の担当作品を取り上げていたりして、そこちらの通巻でのデザインが自分好みということがわかった。本作品の2巻を見るにしばらくは鉄板の顔表情シリーズが続くと思われるので、次はネタをやりつくして転じるときのデザインに注目したい。

出版:集英社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子

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【第7位】 おもいでだま 1巻 / 荒井ママレ

おもいでだま


記憶を取り出して保存できる不思議なキャンディーを巡る、オムニバスSF。

優しい手触りのカバーと水彩画のような柔らかい女性のイラスト、そこで目に付くのが手に持つ飴玉。巻数が記されたその部分は、カバーがくり貫かれており、穴から覗く飴玉が、カバーとの質感の違いでよく目立つ。一見すると女性向け作品のような装丁。そこに異質に映る飴玉、デジタル風な巻数表記やタイトルが、作品のSF的な世界観をさりげなく訴えかけてくる。*

タイトルページ(画像右上)、目次(右下)、各章のタイトルページ(画像切り替え後右上)、次巻予告ページ(画像切り替え後右下)など、各種のページが、世界観に合わせる形で美しくデザインされていて見所が多かった。

出版:小学館
装丁:GENI A LOIDE 小林満

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【第8位】 さらば、やさしいゆうづる / 有永イネ

ゆうづる


ちょっぴり不思議で瑞々しい、日常ファンタジー系4篇の物語を収録した短編集。

箱からあふれ出るビー玉と少年。少女。宙を舞う夕鶴。空を思わせる深い青と各アイテムの色とのコントラストが美しい、心地よい空想空間で満たされた表紙。ひらがなの白タイトルがやさしく目に入ってきて、その表題作の語感が本のイメージをとても良く押し上げているが、短編の各タイトルを見ていると、これは必然だなと思わされた。

カバー全体としての配色にもこだわっていて、袖⇒表紙+背表紙⇒裏表紙⇒袖と、黄色と水色を繰り返し、その区切りから生まれるコントラストが目に爽やかな刺激を与える。さらにカバー下の本体は赤色(図右上)、カバー裏はピンク色になっていて、浮き上がったカバーからちらりと見えたときにまた美しい。

ちなみに、表紙を含むカバーの各エリアで、エピソードをまたがる形で関係性のないキャラ同士が競演している。そういう小ネタが短編達を丁寧に1つの作品に纏め上げているのだな、と感心した。

出版:講談社
装丁:川谷デザイン

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【第9位】 秋津 1巻 / 室井大資

秋津


息子に、アシスタントに、編集に。全方位に迷惑とストレスをかける性悪マンガ家日常コメディ。主人公の苗字はもちろん秋津。

奇妙な服装センスを発揮して悪目立ちしてしまう類のオッサンが、質感の良いキャンバスのような凹凸のあるカバーに発色よく載せられることで、ちょっとかっこよく見えてきてしまう渋い男枠の表紙。オッサンが巻く紫色のスカーフは、背表紙を跨いで息子の背中合わせの息子の頭にかかっていて、これがあらすじを入れることなく作品を語っている。

巻数表記は(1)と謎の括弧つきの主張、(その1)、(その2)、(その3)…と味もそっけもない各話タイトルにも括弧がつけられて妙に主張している(右下、目次参照)。


こうやって記事を書いている最中参加した俺マン発表イベントで、
『秋津』サイン本が現れて、そして幸運な幾人かの手に渡っていった。
目の前でサイン本を拝めた、その事実を喜びたい(震え声)。

出版:エンターブレイン
装丁:Pri graphics 川名潤

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【第10位】 成程 / 平方イコルスン

成程

あるあ・・・ねーよ!でも1割くらいは・・・やっぱりねーよ!的な少女日常系の皮を被った何らかである作品。

奇妙な歪みを持ちながら、1文字1文字は正方形の枠にはまる収まりの良い作者名と特大2文字タイトルに挟まれた3人の少女。一人一人のポーズは止め絵的でありながら、3人合わせて(あー)、(ポンっ)、「なるほど」という動きをつくっているのが実にマンガチックで面白く、背表紙にも2文字タイトルの1字1字を挟み込む独特の流用の仕方で個性を出している。

全体のまとまりで眺めて見ると、余白を大胆に使ったシンプル系のカバーに見えるが、はみ出の広いツルツルの表面加工によってシールで貼られているに見えるキャラや地味に仕込まれた白背景のなかの白い模様や、何故か靴を履いていないキャライラストなど、細かい拘りが多く散りばめられていて、そういうところが集まって、手に取るととても面白いを感じさせるカバーだった。そして、数々の装丁に狂った楽園作品を差し置いて、単行本は特大B5サイズ。どこかの家の本棚でナウシカやAKIRAの脇にこの作品が収まっていると想像すると、何となく笑ってしまう。

出版:白泉社
装丁:30A 柴田昌房

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【第11位】 ハイスコアガール 1巻 / 押切蓮介

ハイスコアガール1

1991年、ゲーマー少年×お嬢様ゲーセンラブコメ。

色味のきつい古き良き時代のアーケードゲームを匂わせるような黄色+紫色の配色でまとめられたイラスト。ロゴは、巻数表記と一緒に、アーケードゲームのコントローラー的にデザインされている。キャライラストの上には格闘ゲームのコマンドが無色で載せられていて、これがあるのとないのでは大違い。手に取ったときに、その印象が大きく変わったカバーでもあった。

目次(画像右上)は、ゲームのスコアランキング風。


装丁の話とは少しずれるが、この作品には実際のゲームが固有名詞を伴って作中に堂々と登場する。そのために、ゲーム会社に敬意を称するように丸々1ページもうけられたクレジット用の「SPECIAL THANKS」ページ(画像右下)には感動すら覚える。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:MHz メチクロ

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【第12位】 森薫拾遺集 / 森薫

森薫拾遺集


フェローズなどで発表された短編集のほか、『エマ』や『乙嫁語り』など既刊作品のサイン会のペーパーやグッズのおまけマンガなど、散らばった作者の痕跡が幅広く集められているため、
『拾遺集』というすごいタイトルがつけられている(画像右下目次の中段・下段はだいたい膨大なオマケ系・資料系のフォローになっている)。

表紙を飾っているのはメイド、バニーガール、眼鏡っ娘。左の人物を大きく、右の人物を小さく、真ん中の人物を奥にというこの構図で、普通はこんなに濃ゆく、3人とも妙な存在感を発揮するような表紙には仕上がらない(少ないサンプルに基づいた超主観)。いつにも増して作者の趣味性が強くにじみ出たカバー。まず買いたい、と思わされた。

出版:エンターブレイン
装丁:8823 DESIGN 内田圭祐

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【第13位】 マスタード・チョコレート / 冬川智子

マスタード・チョコレート

携帯向けに発表されたWEBマンガ媒体の作品で、
美大を目指す女子高生の、人との係わり合いによる恋と成長の物語。

タイトルがマスタードとチョコレート、そしてデザインが新上氏、とくればこういう配色になるのは必然だよな~、と事後にとても納得してしまうマスタード色のベースとチョコレート色の文字の発色が本当にきれいに出ているカバー。作者イラストと共にたくさんの美術アイテムの実写が散りばめられてるが、作中の架空のCDジャケットが載地味に凝っている。

作品は2章構成になっていて、章の開始時には右下のような写真が挟まれている。

おまけとか隠しとかもったいぶるような物でもないし、読んだ人にしか伝わらないが、カバーを外してみるタイミングは、作品を読み終えた直後がいいかもと提案はしておきたい。

出版:イースト・プレス
装丁:NARTI;S 新上ヒロシ

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【第14位】 夜のスニーカー / 星里もちる

夜のスニーカー


夜のウォーキングで距離をつめる、奥手な二人の恋愛ストーリー。

作品毎にその雰囲気を大きく変えてくるのが星里×関タッグの作品装丁。本作品は抽象的な夜の町の風景を背景に添えた、マンガらしさを抑えた大人びたデザインに仕上げている。同じ方向を向いているのがめずらしい横並びの二人の間には大きな月と、1箇所にまとまめられた文字情報。英語表記を盛り込んだ、タイトルと作者名のバランスのとり方がおもしろい。

出版:集英社
装丁:VOLARE 関善之

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【第15位】 NONSCALE / mebae

NONSCALE.jpg

イラストレーターとして活躍している作者によるオールカラー短編集で、
ファンタジーやSFなどのお題に絡めて女の子かわいいが描かれた8篇が収録されている。

躍動するチア軍団のピンクの衣装にはラメが載せられいて、白く明るい表紙上でさらにキラキラと光る。10位に引き続き、こちらもB5サイズで、このサイズになると表紙のアプローチが画集っぽいものが増えるが、こちらは白の余白による雰囲気作りにコミックのそれが感じられて好みだった。

各エピソードごとに別途タイトルページが設けられていて、カバーのチアガールの一人がそれぞれ割り振られている(図右下)。カラーで画集的な美しさを持ちながら、中身の9割以上は漫画。物語の間を繋ぐページの丁寧な仕事を含め、カバーの美麗なイメージが漫画本としてスムーズに最後まで続く。「豪華」が最大限に生きている良いオールカラー作品だった。

出版:ワニマガジン社
装丁:LOGGIA 川瀬豊
   エリオット・ソーバン


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【第16位】 人類は衰退しました のんびりした報告

/ 見富拓哉,田中ロミオ,戸部淑 

人類は衰退しました


人類が衰退し、"妖精さん"のものになった世界をゆるやかに描いた同名のガガガ文庫小説のコミカライズ作品。

主人公と風景のイラストや文字を黒で印刷したカバーには穴があけられ、カバー下からカラフルな"妖精さん達が顔をのぞかせている。カバーを外すと、そこには思っていたよりも多く、そして各種取り揃えたさままな"妖精さん"の姿がお目見えする。

図の右下表紙の一部に見えるのはカラーで印刷された1枚の目次ページで、「カバーの穴から"妖精さん"と一緒に各話タイトルが見える」というメタなデザイン構成を採用している。

出版:小学館
装丁:chutte

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【第17位】 クレムリン 5巻 / カレー沢薫

クレムリン5


「誰が関羽なんだ?」という問いかけに皆で手を上げる、何とかダディの三つ子のように名前の揃った関羽と関羽と関羽。1+4で5巻。これは意味がわからない。こんな意味がわからないことをしたがるのは、わからない漫画を描く作者か、わからないデザインをしたがるデザイナーか、きっとその両方なのだろう。そんな作品に目を光らせる『クールジャパンデザイン』。日本はきっと、まだまだ安泰だ。

前回は作者名を「カレー」と誤植してご本人の目に触れてしまったため、今回は細心の注意を払った。

出版:講談社
装丁:Local support Department シマダヒデアキ

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【第18位】 にげまどうし みんなにげたがり / 三友恒平

にげまどうし


逃げたい人の前に現れて別世界にいざなう「にげまどうし」という存在を題材にした、4篇のオムニバス作品。

暗くて現実味の無いな色使いで描かれた、マンションとぽつんと人のどんよりとしたイラスト、不気味だが恐怖を煽るようでもない白色のタイトルが、中央で奇妙な存在感を出している。裏表紙、タバコを吸う女性のずっと右には人ではなくなった何か。異形の存在も登場し、笑いもないし暗いがホラーとも言い切れない独特な作品の雰囲気がカバーに個性として現れていて上手い。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室

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【第19位】 ほしのうえでめぐる 1・2巻 / 倉橋ユウス

ほしのうえでめぐる

近未来、完成間近の宇宙エレベーターに関わる人たちの人間模様を描いた、全2巻の恋愛群像SFオムニバス作品。

1巻は町中と宇宙エレベーター、2巻は土手道と宇宙船、とリアルな風景描き込みの中にSFが混じった背景。空に散りばめられた作中の台詞や下に横一列に配置されたタイトル。キャラ達はタイトルより少し上のラインで一列に並んでいて、そこは、役者達がそれぞれの役割を演じる舞台の上のようにも目に映る。物語を告知するポスターのような印象を受けたデザインで、この群像感がたまらない。

出版:マッグガーデン
装丁:BALCOLONY.

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【第20位】 I Care Because You Do / 西島大介

アイケア

庵野秀明、リチャード・D・ジェームス、そしてYOSHIKI。神様と共に在った日々について綴られた、90年代ポエム作品。

タイトル部分以外に白が印刷されたクリアカバーと真っ白なカバー下。白に白が重なって、リチャードのCDアルバムタイトルから取った英文タイトルが、影によって浮かび上がる。

中身の装丁も特徴的で、最初に目次もタイトルページもなく、エピソード間のつなぎのページもなければあとがきも存在しない。とにかく白い。

出版:講談社
装丁:戸塚泰雄

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【第21位】 orange 1・2巻 / 高野苺

orange.jpg


未来から届いた自分からの手紙で起こりうる未来を幸せに変える、変則タイムトラベル系の青春作品。

お話の最重要アイテムである「手紙」をモチーフにカラフルな装飾が切り貼りされたコラージュ系のデザインになっていて、キャラはノートに書かれた鉛筆書きの切り抜き状になっている。
表紙が1・2巻で繋がることに最初気がつかなくて、繋げてみたとき、このコラージュデザインでこういうことをやりたかったのかと軽い感動を覚えた。

表紙も裏表紙も、イラストが袖まで繋がっていて、袖の作者コメント部分や作者の既刊作品紹介部分までもがデザイン性高くまとまっている。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン

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【第22位】 ふうらい姉妹 2巻 / 長崎ライチ

ふうらい姉妹2

ネジがぶっ飛んだ姉と相対的にはネジがぶっ飛んでいない妹が織り成すシュール4コマ作品。

シュールな一コママンガをなにこれオシャレっぽい表紙に仕立てあげているデザイン力の高さに恐れおののく表紙。定価表示をアイテムとして活用して生きてくる表紙はそうあるものではない。なぜ2巻になって取り上げたかというと、これは色の好みとしか言いようがない。

出版:エンターブレイン
装丁:コードデザインスタジオ

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【第23位】 千年万年りんごの子 1巻 / 田中相

千年万年りんごの子1


りんごの村の婿に入った男が、愛する妻を救うために因習に立ち向かう。
民族学的なオカルトの怖さがある、多分愛の物語。

自然の景色に大きく重ねられた主人公、太陽のように大きなりんご、タイトルの「りんご」部分に重ねてられて目立つヒロイン。大きな物語を予感させるイメージ豊かな和の表紙。イラストはカバー全体で1枚絵になっていて、カバーを広げて完成する花のアーチや裏表紙から袖に続く岩木山など、全体で見たときまたイメージが変わる。

『地上波ポケットの中の庭』に続き、デザインとしても美しくカバー全体とどちらを画像で紹介するか迷った、熱のこもったカバー裏のオマケも必見。

出版:講談社
装丁:本瀬智美

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【第24位】 東京メイト / 戸田誠二

東京メイト


東京に住む様々な人の思いをありったけ詰め込んだ日常系作品。

行き交う人々がこまごまと描かれたにぎやかな表紙。背表紙を飾る女性も行き交う人々の一構成員で、カバーを広げたときにその絶妙な配置のバランスに気づく。人々の足元に大きく広がるタイトルは、交差点の白線を表しているようにも見えて、不思議とそこに感じられる都会の空気。そして、散りばめられた手描き風のフキダシが、ひとりひとりにそれぞれのストーリーを与えている。「背景」がなくとも、「東京の喧騒」が確かにそこにある。*

出版:竹書房
装丁:GENI A LOIDE 小林満

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【第25位】 犯罪王ポポネポ 1・2巻 / 小路啓之

ポポネポ

“犯罪王”に仕立て上げられてしまった小市民、変貌の物語。

便器に三角木馬と、あまり表紙を飾らないアイテムを椅子座ってオモチャの様な色の銃を向けるキャラ。白黒のボーダーに赤いラインをかけてた背景にして囚人をイメージさせつつもポップなデザインでまとめた表紙。1巻と2巻の、不等幅ボーダーの色を反転させた対構造が印象的だった。これは繰り返し系になるのだろうか、3巻が出るのを楽しみにしている。

出版:集英社
装丁:Local support Department シマダヒデアキ

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【第26位】 それは私と少女は言った / タカハシマコ

それは私と少女は言った

奇跡のような美少女・駒沢鳥子の
自死の瞬間に居合わせた5人の少女たち、3年後の邂逅の物語。

マザー・グースの1篇「クックロビン」の一節に絡められたタイトル。距離を持って並べられた1人と5人の少女たち。そして散りばめられた焦げ跡。少女たちをおしゃれにディスプレイしながら、その奥に潜む暗闇を暗示させる張り詰めた空気を纏った表紙。物語とコードデザインスタジオらしさが出たデザインが非常によく噛み合った装丁。背表紙のデザインは、表紙のキャラをとトリミングするタイプの中で屈指の出来栄えだと思える。

出版:講談社
装丁:コードデザインスタジオ

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【第27位】 戦闘破壊学園ダンゲロス 1巻 初回限定版
/ 横田卓馬, 架神恭介 


ダンゲロス

魔人と呼ばれる覚醒した生徒達が学園で命をかけた能力バトルを繰り広げる、同名小説のコミカライズ作品。

既にで多くのキャラがイラスト化されているため1巻でなかなかできない、かつ1巻にふさわしい大集合系の表紙。主人公を中心に、大小に重み付けして曲者感の強いキャラ達を、左右対称的に散りばめた抗争前的なイラストに中央に配置されたロゴ色の強いタイトルが載せられている。くっきりとした彩色も手伝って、映像化作品のパッケージのような雰囲気が出ている。

紹介しているのは初回限定版で、基本イラストは同じく、イラストの周りや背表紙が通常版は黒でこちらは白。そして限定版はここぞとプリズムが仕込まれていて、これが非常にかっこよい。通常版と限定版が全然違うと限定版の特典が欲しいけれどもカバーは通常版がいい、などやきもきする場合もあるが、こちらはいい具合に上位互換になっていて、迷わず限定版を手に取った。

出版:講談社
装丁:banjo

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【第28位】 さきくさの咲く頃 / ふみふみこ

さきくさの咲く頃

のぞき趣味の少女と幼馴染の双子姉弟、交わらない想いを抱えた3人の高校最後の1年間を描いた青春作品。

表紙には草むらが描かれ、人物と文字の入った枠が右に配置されている。目を引くポイントが端に固まることで、それらを囲むように描かれた風景が、目に見える以上に広がりを与えられ、逆に固まった3人を浮き立たせて、切ないストーリーを予感させる。カバー全体はシックな色使いや控えめなキャラ配置、飾り気のないタイトルによって小説を思わせる上品な装丁に仕上がりに。漫画らしくないという選択に漫画の装丁の懐の深さを見た。*

…と雑誌で紹介させてもらった作品。カバー的な語りに限定すると上記のようになるが、装丁全体で語ると250文字では収まらないがもう一つ伝えたいポイントがあって、それが「さきくさ」。タイトル的にカバーに広がっていそうなイメージと裏腹に、調べると黄色いその花はカバーに描かれておらず、カバー下と目次の前のページに銀色+白抜きで印刷されている(図右下)。そしてさきくさの黄色が使われているのは、目次の前のページの前面にあたるタイトルページのタイトル部分(図右上)と本体の背表紙部分のみ。こういう演出の奥ゆかしさが日本的な美なんだろうな~としみじみできた。

出版:太田出版
装丁:セキネシンイチ制作室 森敬太

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【第29位】 のろい屋姉妹 ヨヨとネネ 上巻 / ひらりん

のろい屋姉妹上

のろい屋を営む魔法使い姉妹の日常を描いた前作『のろい屋しまい』の過去について紐解かれた作品。

空を飛ぶ姉、それを見つめる妹。背景は水色で、姉の周りだけ円状にくり貫かれて空が映り、楽器が宙を舞っている。ごくシンプルにファンタジーを構築しているな~と思った表紙。これが実に物語にふさわしいものになっていたのだと読んでわかった(アニメ化もするので予習しておきましょう、という宣伝)。

出版:徳間書店
装丁:BROSS 松本ムネユキ

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【第30位】 いつかティファニーで朝食を 1巻 / マキヒロチ

いつかティファニーで朝食を1


「朝食女子」たちが美味しい朝食のお店を巡りながら生き方を見つめなおす、朝食グルメ系作品。

これから働く男達で賑わう定食屋に、高級レストランでコースを待つように着飾ったお嬢様がお朝食を、というイラスト。オードリー・ヘプバーン主演の有名映画をもじったタイトルが、これまた優雅に飾られており、場違い感がユーモラスな表紙に仕上がっているが、背表紙の薄いグリーンが合わさるとさらに上品なイメージなる。二つの袖にはそれぞれスプーンとフォーク。非1枚絵系カバーの中でもカバーが綺麗にまとまっている。

出版:新潮社
装丁:NARTI;S 橋本清香

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夜回り先生 希望編 (IKKI COMIX)【第31位】 夜回り先生 希望編 / 土田世紀,水谷修




3、2、3で真中を空けて等間隔に配置された8文字のタイトル。
中心に、夜回り先生の背中に重ねるように載せられた著者名。

別れと希望。

出版:小学館
装丁:井上新八

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【第32位】 欠番


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きみの家族 (芳文社コミックス)【第33位】 きみの家族 / サメマチオ


長女の結婚を控えたありふれた四人家族、その愛しい日々の物語。

縁側に座る夫婦。二人の記憶を引き出すかのように描かれた、
長女と長男の成長の奇跡を示す3つの姿。
陽だまりのようなな黄色とオレンジのカバー。
裏表紙には若い頃の夫婦のひとコマが描かれている。

出版:芳文社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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ひばりの朝 1 (Feelコミックス)【第34位】 ひばりの朝 1巻 / ヤマシタトモコ

14歳少女が意識の外で引きずり出す
周囲の人間のいびつな感情、そういうお話。
凹凸のついた白いカバー。横に載せられた淡い少女の顔、その上に被せられたタイトル、
作者名、巻数は加工でツルっと浮きでいる。こだわりの先に行き着いたシンプルなまとまりのカバー、という印象を受けた。イラストはカバー全体で一枚絵になっていて、開いたときにもインパクトがある。

出版:祥伝社
装丁:GENI A LOIDE 小林満

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ぼくらのフンカ祭 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)【第35位】 ぼくらのフンカ祭 / 真造圭伍

突然温泉が出た街でくすぶる少年二人の友情の物語。

街の屋根に少年二人。
もやもやする心情が現れたような湯気の立つ街と灰色の空。
それでも赤と青が重なった3Dメガネで飛び出しそうなタイトルは
休火山下で出番を待つマグマのようにぐらついている。
静かに力強さを感じる装丁。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室

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ジョジョリオン 3 (ジャンプコミックス)【第36位】 ジョジョリオン 3巻 / 荒木飛呂彦



再び杜王町を舞台とした、『ジョジョの奇妙な冒険』第8部。

緑の車体、クリーム色の背景。
高さ1cm程度の空の描き方が非常にかっこいいと思ったイラスト。
非常に今更ながら、黄緑色の唇で違和感を持たせないセンスがすごい。

出版:集英社
装丁:成見紀子

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俺物語!! 2 (マーガレットコミックス)【第37位】 俺物語!! 2巻 / アルコ,河原和音

2010年『終電車』、2011年『リトルポップ』ときて、この企画にアルコ的切ない少女枠を空けておいたら、いつの間にかオッサン(高校生)が鎮座していた。書影を一目見て、笑いと感動と衝撃を引き起こされてしまったのだから、これはしょうがない。これはしょうがないよ。

「青年漫画へ行け!」と突っ込みたくなる男気溢れるイラストを、
少女漫画のものにしてしまうデザインの仕事もお見事。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン

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五大湖フルバースト 大相撲SF超伝奇 上 (シリウスKC)五大湖フルバースト 大相撲SF超伝奇 下 (シリウスKC)【第38位】 五大湖フルバースト
上下巻 / 西野マルタ
SF相撲大活劇。
ヒエロニムス・ボス『快楽の園』がモチーフにになったと思われる背景は、金・銀の着色によって雰囲気背景っぽく上品にまとまっているが、よく見ると実に細かく描かれた一大大相撲絵巻になっているので、買ってよく眺めると(第三部が出るかもいれないので)良いと思う。

出版:講談社
装丁:Red Rooster 下山隆

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ドロヘドロ 17 (IKKI COMIX)【第39位】 ドロヘドロ 17巻 / 林田球





ドクロを思わせる顔を持った異形のキャラを、黒、灰色の色調で。
背景の白部分には波打つ凹凸、タイトルはシルバー。
白、黒、灰の色でまとめも放てる圧倒的な存在感がすごい。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室

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花もて語れ 4 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)【第40位】 花もて語れ 4巻 / 片山ユキヲ


定形タイトルを入れ、キャラに本を持たせ、
後はガラリと変えてくる朗読漫画のカバー。
昨年の一位とか、こういうのが好きでやっぱり選んでしまう。
今回は芥川龍之介『トロッコ』を扱っているので、
本の中にはトロッコに乗った別のキャラが
また別の本を読んでいる。色ムラある絵画的な空の青がとても気持ちいい。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジスタジオ 黒木香

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タイニープリニウス (ヤングキングコミックス)【第41位】 タイニープリニウス / 大石まさる

元人間、アンドロイド、お化け。
変わり者トリオのスペース珍道中。
塗りが油絵のようなイラストなっていて、
キャラの周りに散りばめられたブロックにはたくさんの星、
そして花、動物、食べ物、乗り物,etc…。
とてもポップな宇宙の箱庭が構成されている。

出版:少年画報社
装丁:川谷デザイン

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特火点 花沢健吾短篇集 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)【第42位】 特火点 花沢健吾短篇集 / 花沢健吾

15年の間に描かれたすべての短・中編7作を収録した短編集。

うねるマグマのようにも感じられる茶褐色のさびの柄と、
書道家によるシルバーの題字で、力強さを秘めたカバー。
特火点(トーチカ)は鉄筋コンクリート製の防御陣地を指す軍事用語とのこと(wiki)。

出版:小学館
装丁:井上則人デザイン事務所
墨書:咲登子


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路地裏第一区 ―ムライ作品集― (IKKI COMIX)【第43位】 路地裏第一区 ―ムライ作品集― / ムライ

童話的、寓話的、詩的な世界観のファンタジーがたくさんつまった短編集。

描き文字的なタイトル。
中央の少女を除き、電球人間に鳥人間など、ここではない世界の住人達全員が
真っ直ぐ正面を向いているイラスト。
幻想的な雰囲気の中に混じった怖さが隠し味になって、
その不思議な世界を恐る恐る覗いてみたくなる、そんな表紙。

出版:小学館
装丁:chutte

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後遺症ラジオ(1) (シリウスKC)【第44位】 後遺症ラジオ 1巻 / 中山昌亮

調節の狂ったラジオのように
断続的に流れる、とある怪異のお話。

表紙を埋め尽くすのは、スピーカーのような何か。
タイトルと作者名はかなり小さい文字で
端に寄せて置かれているため存在感が薄く、情報を与えない。
純粋に正体不明の何かがこちらを覗いてくるだけの、ホラーな表紙。

出版:講談社
装丁:加藤敏和

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僕らはみんな河合荘 3 (ヤングキングコミックス)【第45位】 僕らはみんな河合荘 3巻 / 宮原るり

机にうつ伏せになって本を読むヒロインと、
ヒロインの顔を囲むように個性的かつ大胆に配置されたロゴ。
瞳が吸い込まれてしまうぐらい丁寧に描かれている。

3巻のイラストは少年画報社の前の自動販売機にも使われているようだが、
その表情の単行本のものとの違いに注目して欲しい。
 ⇒参考リンク:「僕らはみんな河合荘」の痛自動販売機(なつみかん。)

出版:少年画報社
装丁:川谷デザイン

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乱と灰色の世界 4巻 (ビームコミックス)【第46位】 乱と灰色の世界 4巻 / 入江亜季



この企画とともに1冊ずつ紹介していって企画の回数と同じ4つめの巻。
今回はイラストに「動」を取り入れながら、相変わらず流用の効かない
描き込みにより形成された枠のデザインで目を楽しませてくれる。

2013年は、2冊出てくれても困りませんよ。

出版:エンターブレイン
装丁:コードデザインスタジオ

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むかしむかしのきょうのぼく 2 ?週刊はじめての初音ミク? (ヤングジャンプ愛蔵版)【第47位】 むかしむかしのきょうのぼく
週刊はじめての初音ミク 2巻 / 林健太郎

ヤングジャンプ掲載の、公式初音ミク4コマ作品。
大きく描かれた主人公の手には、看板状のタイトル。
目に付く要素と目に付く要素が合わさってとても気になる。テッテレー。
マユなしで目つきが悪くても、「初音ミク」の文字が小さくても
それと認識でき、かつインパクトがある、優秀なキャラだと思う。
そして変容に寛容すぎるとつくづく思う。

出版:集英社
装丁:L.S.D. シマダヒデアキ

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おもひでまほら (フラワーコミックス〔スペシャル〕)【第48位】 おもひでまほら / 井上ナヲ



薄暗めのファンタジー系エピソードが収録された短編集。

枠の中に横になった女性の顔と、背表紙に金魚が泳ぐ本の山。
表面には水滴のような加工が仕込まれていて、
赤い空間に不思議な水中らしさを感じられる、幻想的なデザインになっている。

出版:小学館
装丁:next door design 波澄智子

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霧の中のラプンツェル (アクションコミックス)【第49位】 霧の中のラプンツェル / あらい・まりこ

グリム童話をモチーフにして語られる、ホロコーストの時代と、少女と、その家族の運命。表紙の色は完全な白と黒で、異国の家族団欒の風景が、絵画のように飾られている。ずっと幸せが続くかのような1枚絵。しかしそうはならない、それを暗示するのが作品名の入った枠。白抜きで作品名が入った黒く塗りつぶされた四角、この小さなエリアが表紙にさりげなくも、深く影を落とし、不吉を匂わせている。その部分を手で隠してみて、そんな風に感じた。重い内容と白黒のおしゃれな装丁が調和がする、ダークな意欲作。*

出版:双葉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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ちろちゃん (5) (4コマKINGSぱれっとコミックス)【第50位】 ちろちゃん 5巻 / 結城心一



万感の、または大団円、という行仰々しさはなくも、
軽く閉じていく雰囲気のある最終巻のイラスト。

文字レイアウトがいつにもましておかしい、
しかし読めてしまう。

出版:一迅社
装丁:里見英樹

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アイアムアヒーロー 8 (ビッグ コミックス)【第51位】 アイアムアヒーロー 8巻 / 花沢健吾


8巻がアグレッシブな表紙、9巻がグラマラスな表紙、
10巻がクールな表紙ということで8巻をチョイス。

「ア」イ「ア」ム「ア」で
「アアア」とタイトルがうめき声をあげている。
裏表紙は「ヒ」「ー」ロ「ー」。

出版:小学館
装丁:井上則人デザイン事務所

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TARI TARI(1) (ガンガンコミックスJOKER)【第52位】 TARi TARi 1巻 /
EVERGREEN,鍵空とみやき,tanu,尚村透 

江ノ島を舞台とした合唱系青春アニメのコミカライズ作品。

アニメでも登場している、いわゆる“聖地”的なスポット弁天橋が、
イラスト的誇張でキャラを引き立てるように描かれた背景。
タイトルにはアニメと別の漫画向きのロゴが使われて、
このうるさくないカラフルさが良い。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:BALCOLONY. 大石恵

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海獣の子供 5 (IKKI COMIX)【第53位】 海獣の子供 5巻 / 五十嵐大介





ミノカサゴのとホオジロザメ(でいいのかな)の海を泳ぐイラスト、これでラスト。
海中という縛りの中で
様々な表情の海中を見せてくれた。

出版:小学館
装丁:chutte

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GREEN BLOOD(2) (ヤンマガKCスペシャル)【第54位】 GREEN BLOOD 2巻 / 柿崎正澄


19世紀半ば、ニューヨーク西部劇系活劇作品。

銃口を向け合う二人を斜めのタイトルで分割して
それぞれのアップにして描写。
生死を賭けたその瞬間を、
実に表紙映えする形で構成している。

出版:講談社
装丁:フラミンゴスタジオ リッキー

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ごきチャ (1) (まんがタイムKRコミックス)【第55位】 ごきチャ 1巻 / るい・たまち



世界一健気なGの奮闘を描いた4コマ作品。

Gが日常生活で遭遇しうる最怖イベントの
一つであることは絶対に揺らがないが、
イラストも構図もタイトルも、きちんとGのエッセンスを匂わせつつ可愛い。

出版:芳文社
装丁:BALCOLONY.

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艶やかな女 (ビームコミックス)
【第56位】 艶やかな女 / 冨明仁


全7篇の読切作品を収録した短編集。

まさにタイトル通りのカバー。
前回の短編集『柔らかい女』がピンクで今回がシルバー。
光に当てるとイラスト部分が鈍く光を反射して、
手に取ってみるとゴージャスに感じる。

出版:エンターブレイン
装丁:コードデザインスタジオ

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Dr.DMAT?瓦礫の下のヒポクラテス? 2 (ジャンプコミックスデラックス)【第57位】 Dr.DMAT 瓦礫の下のヒポクラテス 2巻
/ 菊地昭夫,高野洋



生と死の行き交う災害現場の医療活動を描いたドラマ作品。

灰色の風景と、色味を抑えた主人公のイラスト。
トリアージ・タッグ(傷病者の識別表)の黒・赤・黄・緑を強調したデザイン。

出版:集英社
装丁:LOGGIA 川瀬豊

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NIGHTMARE MAKER 5 (ヤングチャンピオン烈コミックス)【第58位】 NIGHTMARE MAKER 5巻 / Cuvie




寝そべった女性達が並ぶ通巻デザイン。
4巻まで1冊につき表紙に一人だったのが5巻では3人。
さらに、これまでにないカラフルなボーダーの背景が
カバーのプリズム加工と高い相乗効果を生み出している。

出版:秋田書店
装丁:芦田慎太郎

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王国の子(1) (KCx(ITAN))【第59位】 王国の子 1巻 / びっけ


イギリスの王位継承問題をモチーフにした、
エリザベス1世と、その影武者となった少年の物語。

鮮やかなドレスに身を包んだ少年。
イラストをよけさせる様に堂々と配置したタイトル、
作者名、巻数の逆三角形中心線配置が印象的。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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魔女系~タカハシマコ短編集~ (アクションコミックス(コミックハイ!))【第60位】 魔女系~タカハシマコ短編集~
/ タカハシマコ 

魔女にまつわる5つのエピソード、
その他4つのエピソードを収録した短編集。

表紙・裏表紙合わせて5つのビン、
そのひとつひとつに物語別の魔女が入っている。
アイディアも見せ方も上手い。

出版:双葉社
装丁:神楽坂マガジン社 古谷昌博

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音楽と漫画と人 (Next comics)【第61位】 音楽と漫画と人 / 戸田誠二


見開き2ページで様々な人達の音楽と人生を綴った、ショートショート系作品。

タイトルの「人」くずしが固さを和らげた、
(色はあるけれど)モノクロ系のカバー。
タイトルの人物が○○っぽくて気に入った。
(○○には好きなミュージシャンをお入れください)

出版:宙出版
装丁:コードデザインスタジオ

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猫背を伸ばして 新装版 (フレックスコミックス)【第62位】 猫背を伸ばして 新装版 / 押切蓮介


作者の自伝的作品の新装版。

押切蓮介、そして押切母。
日本の食卓感と日本のお母さん感が大変落ち着く表紙。
11位と同じ作者作品に見えない、
そこがいい。

出版:ほるぷ出版
装丁: 與座巧

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あしたの今日子さん 1 (電撃コミックス)【第63位】 あしたの今日子さん 1巻 / いわさきまさかず

女子高生勇者とヘタレ魔王の戦わない戦いを描く、地元の日常系ハルマゲドン。
背中に伝説の剣を背負い街中を歩く女子高生。キャライラストはそのままに、背景の部分だけ取り除いて文字を配置した下部の白帯エリア。よく、こういう感じにキャラだけ印刷した帯があって、帯をとると帯部分が普通に背景になったりしした場合に帯があったほうが好みの場合もあって、そういう意味で良い帯のようなデザイン。

出版:アスキー・メディアワークス
装丁:里見英樹

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おやすみプンプン 10 (ヤングサンデーコミックス)【第64位】 おやすみプンプン 10巻 / 浅野いにお






銀色のカバーに浮き出た、妖怪のような目、目、目。
ちゃんと本編に出てきた。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジスタジオ 黒木香

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夢喰い王子の憂鬱(1) (エフコミック) (F COMICS)【第65位】 夢喰い王子の憂鬱 1巻 / 阿仁谷ユイジ

叶えられなくて苦しい夢を食べてくれる、謎の王子様のお話。

仰向けの女性の顔を反対側から覗き込む王子様。
単純な向かい合わせよりも二人の距離が近く感じる構図。
濃ゆい王子を上端に持ってきてタイトルを重ね、
若干その存在感を抑えつつ、目線をこちらに向ける女性に視線が行くバランス。
とても官能的。

出版:太田出版
装丁:NARTI;S 新上ヒロシ

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Wet Moon 1 (ビームコミックス)【第66位】 Wet Moon 1巻 / カネコアツシ


60年代。混濁する記憶の中で
殺人事件の被疑者の女性を追う刑事のラブ・サスペンス。

黒ドットの入った赤黒い背景と、影の深いグレーの人物イラスト。
すっきりとスマートなタイトルと作者名。
ミステリアスでクール。そしてカバーの質感もとても良い。

出版:エンターブレイン
装丁:セキネシンイチ制作室

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豚飼い王子と100回のキス (ワイドKC)【第67位】 豚飼い王子と100回のキス / 海野つなみ


アンデルセン童話『豚飼い王子』をアレンジした、恋と愛欲のファンタジー。

金色の文字に、王冠、金髪、黒い背景に黒い衣装。
表紙を広く金と黒が覆っている。
皇女のドレスが緩やかに背景と同化しており、
まるで宇宙が広がっているかのように神秘的。

出版:講談社
装丁:CHProduction 内古閑智之

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ロンジコーン 2 (ヤングジャンプコミックス)【第68位】 ロンジコーン 2巻 / 吉村拓也



美容室漫画。

ヤングジャンプに掲載されたときには井上武彦風の絵柄になんじゃこりゃと驚いたけれども、WEB連載に移行した後の物語が素直に面白く、良い装丁も素直な気持ちで良いと伝えていいかなと思えてきた。しかし終わってしまった。

出版:集英社
装丁:成見紀子

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式の前日 (フラワーコミックス)【第69位】 式の前日 / 穂積

“ふたりきり”という情景を温かく、鮮やかに切り取った6篇からなる短編集。
表題作ありのタイトルを間に挟み、式の前日の食事の風景であることを似合わせる
男女のイラストを左右からはみ出させて配置。
シンプルなタイトルロゴも「の」曲線に合わせた英字の存在で印象的に。
新人の初単行本にして驚きの知名度上昇には、
作者の端正なイラストの魅力を伝えるカバーのデザインワーク
も大きく手伝っている、と思えた良いカバー。

出版:小学館
装丁:R.1.D 藤田隆一

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バンギャルちゃんの日常【第70位】 バンギャルちゃんの日常 / 蟹めんま

バンギャル(ビジュアル系バンドのファン)についてのあれこれを綴った
コミックエッセイブログ『蟹めんまのバンギャル漫画』の書籍化作品。
バンギャルちゃん達を主役としたライブ会場のイラスト。ボーカルさんがシャウトするようなタイトルロゴもかみ合って、コミカルな絵柄のなかに熱気に溢れるライブの雰囲気が上手く落とし込まれている。カバーを広げると特にライブっぽい。主線や髪などの黒部分とステージ部分はツルツル。また、カバー全体にチェッカープレート(滑り止め用の突起を付けた鋼板)のような凹凸がV系なカバーによく馴染んでいる。
出版:エンターブレイン
装丁:葛西恵

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モブサイコ100 1 (裏少年サンデーコミックス)【第71位】 モブサイコ100 1巻 / ONE

100になると爆発する、カウント式超能力少年物語。
赤いタイトルと、白黒のイラスト。
ボコボコと浮かび上がる漫画記号的なエスパー瓦礫
は加工によってツルっと目立ち、
地味なようで豪華なカバーに仕上がっている。
『ワンパンマン』で有名な作者の名前と巻数を
主人公の上に載せるという主張ある配置が面白い。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジスタジオ 志村泰央

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はじおつ。 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)はじおつ。 (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)【第72位】 はじおつ。
1・2巻 / 卯花つかさ


主人公アップ系の表紙。赤らめた頬の上に、ショックを表す縦線の上にと、顔の上の漫画的な感情表現記号の上に載せられたタイトル。自然と目に行くところがさらに強調されて、小さくてもとても印象に残る。

出版:芳文社
装丁:BALCOLONY.

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予告犯 1 (ヤングジャンプコミックス)【第73位】 予告犯 1巻 / 筒井哲也


動画投稿サイトで犯行予告動画を投稿する謎の男を巡るサスペンススリラー。

新聞紙の背景と、挑戦的な新聞紙の覆面男。タイトルはフォントを組み合わせて犯罪予告風に。イラストの黄色とタイトルの黒の組み合わせは、現代社会に警告を促すかのようにも見える。背景の新聞紙はカバー一面に広がっており、作中の事件を扱った記事としてある程度読めるようになっている。

出版:集英社
装丁:GENI A LOIDE 小林満

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ひとりぼっちの地球侵略 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)【第74位】 ひとりぼっちの地球侵略 1巻 / 小川麻衣子


月夜の空に浮かぶ、逆さまの少女。大きな月に載せた黒いタイトルの主張、緻密な背景描き込みやキャラのポージングによるリアルな浮遊感など、空ふわり系のなかでも際立った表紙になっていた。

(今から2巻の解説を文字に起こしておくぐらい計画的に進めておくと
年末苦労しないんだよな…)

出版:小学館
装丁:ベイブリッジスタジオ 黒木香

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新世紀エヴァンゲリオン (13) 【プレミアム限定版】 (カドカワコミックス・エース)【第75位】 新世紀エヴァンゲリオン 13
プレミアム限定版 / 貞本義行


『Q』を観に行ったその勢いで手にとってしまった限定版。
漫画と付属品をまとめたそのパッケージの表紙に、
見慣れたロゴとは違う英字表記のタイトルが載っていてかっこよかった。
パッケージサイズ(高さと幅)がほぼ通常版と同じで、
丸々既刊と一緒に並べて置けるのはポイントが高い。

出版:角川書店
装丁:BE-ENTO 鹿住忠広

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東京ボイジャーレコード (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)【第76位】 東京ボイジャーレコード / たし

タイトルは作中の骨董屋の名前から来ていて、
物語は高校生の成長を描いた青春ストーリーになっている。

窓の構図で明と暗を使い分けたイラストや、
さりげなくコードデザインスタジオっぽい文字組みの良さは言わずもがな、
このタイトルだけでもぐっときた人は
結構いるのではないだろうか。

出版:一迅社
装丁:コードデザインスタジオ

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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1) (ガンガンコミックスONLINE)【第77位】 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
1巻 / 谷川ニコ
モテない女子校生の残念な生態を描いた日常コメディ。表紙には内気そうな主人公のイラストを、ライトノベルのように長いタイトルが大胆に横断していて目立つ。さらに背景には本編のコマが配置されていて、読めば主人公の笑える痛さが垣間見える。コマを表紙に入れる作品は、作品アピールに必死で暑苦しくなりがちな印象。、しかしこの表紙の場合はコマを背景として一歩引かせ、ポップにまとめられており、スキがない。さらにギャグ作品には珍しい、手触りの質感が品良く感じられる表面加工も手伝って、見栄えと面白さが両立した貪欲な装丁。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:沢田雅子

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NieA7 Recycle (カドカワコミックス・エース)【第78位】 NieA7 Recycle / 安倍吉俊


全2巻だった同名作品を1冊にまとめたリサイクル版。

旧版は2冊でそれぞれに分けて青空と共に爽やかにきめていた二人を、
今回はまとめてコミカルに。中身のイメージ的にはこちらがに近い。
全2巻オススメ漫画50選』でオススメしたいほどに好きなので、
かっこよく復活したら宣伝のチャンスは当然見逃さない。

出版:角川書店
装丁:8823design 内田圭祐

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よんでますよ、アザゼルさん。(8) (イブニングKC)【第79位】 よんでますよ、アザゼルさん。8巻 / 久保保久




個々のイラストは面白系なのに組み合わせで見ると
かっこよくも見えるかもしれないフレーム構成の表紙。
これまでからのあまりの変わりように「デザイナーさんが変わった?」
という疑問の声も見かけたが、わりと平常運転だと思う。

出版:講談社
装丁:L.S.D. シマダヒデアキ

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いなみさんちのネコ【第80位】 いなみさんちのネコ / 印南里香



作者の4匹の猫との暮らしを描いたショート系エッセイまんが。

絶妙にまとまった4匹の猫をポップに飾る日本語タイトルと、
下の帯でスタイリッシュに引き締めるローマ字タイトル。
ねこぐるい美奈子さんが100回悶絶死できる程度には可愛い。

出版:リブレ出版
装丁:NARTI;S 橋本清香

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謎のあの店 1 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)【第81位】 謎のあの店 1巻 / 松本英子


色あせた雰囲気を出すオレンジ色の配色、年季を感じさせる何かのお店、
店内の様子を伺うボール頭の作者キャラ、
そしてこの大きなタイトル。

気にはなっているけれども入るまでいかなかったあそこの店に突入してしまおう的な漫画かなと思って手にしたら予想を裏切らなかった。

出版:朝日新聞出版
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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台風の日: 真造圭伍短編集 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)【第82位】 台風の日 真造圭伍短編集 / 真造圭伍

面白い短編集。
見下ろし形の視点で、一見日常っぽい景色のなかに
各エピソードのキャラを仕込んでいて、
イラストレーション的な配色も手伝って
気持ちのいい非日常感が出ている。
個性的で連続しそうになくて、
これぞ短編、という装丁。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室

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ふたがしら 1 (IKKI COMIX)ふたがしら 2 (IKKI COMIX)【第83位】 ふたがしら 1・2巻
/ オノナツメ

悪党ふたりの珍道中を描いた『さらい屋五葉』スピンオフ作品。
和風のエリア分割2キャラ構成デザイン。普通の横ならび2キャラ構成よりも人物イラスト大きく描いていてイラスト密度が高く、2人の等価な関係性がより強調されたかっこいい表紙。

出版:小学館
装丁:山本淳洋

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BLACK★ROCKSHOOTER THE GAME (1) (角川コミックス・エース 365-1)BLACK★ROCKSHOOTER THE GAME (2) (カドカワコミックス・エース)【第84位】 BLACK★ROCKSHOOTER
THE GAME 1・2巻 / TNSK 

同名作品のゲーム版コミカライズ作品。
元々英字のタイトルと元々英字の作者名。元々黒尽くしのキャラ、そして白尽くしのキャラ。素材の甘みを最大限に生かした雑味なしの研ぎ澄まされたデザインがとてもクール。

出版:角川書店
装丁:I.S.W DESIGNING 柊椋

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星屑クライベイビー (マーガレットコミックス)【第85位】 星屑クライベイビー / 渡辺カナ

爽やかで甘酸っぱい4つの恋愛模様が収録された短編集。

傾いた窓から見える傾いた町並みと星空。
宙に浮かぶ現実・非現実入り混じったアイテム、
うっすらと涙を浮かべた少年。
表題作のタイトルイメージをファンシーに膨らませた表紙デザイン。
これは表紙買いされる。

出版:集英社
装丁:大澤貞子

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ゼクレアトル~神マンガ戦記~ 1 (裏少年サンデーコミックス)【第86位】 ゼクレアトル 神マンガ戦記
1巻 / 阿久井真,戸塚たくす 

普通の少年が「漫画の主人公」となったことから始まる、
メタ構造ファンタジー作品。
妖精か悪魔か、可愛い何かが開いている漫画雑誌の表紙にいるのが主人公。
デカデカと載せられた漫画にとっての最悪事態を台詞。
中身を知らなければなんのこっちゃで興味を引き、
読んだ後はなるほど上手い、そういうデザイン。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジスタジオ 志村泰央

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南国トムソーヤ  1 (バンチコミックス)【第87位】 南国トムソーヤ 1巻 / うめ

最果ての島・羽照那島、都会っ子×地元の子の友情と冒険の物語。

日焼け具合や目線の飛ばし方、眼鏡の有無と、
二人の特性を際立たせる横並び。
アイスや半袖の服、黄緑のタイトルなど、
背景を入れないさっぱりとした表紙に間接的に形成する南国の空気。
サムネイルで左のキャラが一瞬ツインテールに見えた。

出版:新潮社
装丁:crazy force 竹内亮輔

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いんてる先輩 (2) (REXコミックス)【第88位】 いんてる先輩 2巻 / ゆーじ

おいてけぼりボケ倒し系の不条理ギャグ漫画。
ゲーム系デザインその1。お城っぽいステージでキャラ達が成型された吹き出しでしゃべる、オンラインゲームのような表紙。文字という文字は全部吹き出しの中にゲーム中の会話に見える大きさで収まっていて、ここまで徹底するととても異質な感じに。ちなみに今回の企画でタイトル、作者名、巻数表記など各々が吹き出しに入っているデザインがちょうどそろっていて、巻数吹き出しは使いやすいのか割りと多い。

出版:一迅社
装丁:5GAS 宮村和生

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星が原あおまんじゅうの森3 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)【第89位】 星が原あおまんじゅうの森 3巻 / 岩岡ヒサエ





1巻が森、2巻が森と湖ときて、3巻は燃えるように赤い森。
(燃えてはいるのだけれども)
赤いベタの単色背景よりもインパクトが強い。

出版:朝日新聞出版
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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港町猫町 3 (フラワーコミックス)【第90位】 港町猫町 3巻 / 奈々巻かなこ




通巻を通して猫と海と空が入り、L字のエリアに挟まれるような形で
見え方の限定された空の構成の仕方が何気に特徴的だった本作。
全3巻で、カバーの時間を夜⇒夕⇒日中と逆から攻めてきたが、
最後が一番明るいというのも、とても味わい深い。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジスタジオ 黒木香

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召しませキモノ【第91位】 召しませキモノ / スタジオクゥ ひよさ&うにさ

四季に合わせた「キモノのある生活」の楽しさを描いた、
オールカラーのコミックエッセイ。

手触りのよい紙のカバーに着物の柄があしらわれた和の装丁。
枠の中に、タイトルや作者名のほか作者イラストまで収めてしまうことで、
柄が単なる背景として埋もれることなく、主役として主張しているように
前へ出ている。

出版:イースト・プレス
装丁:井上則人デザイン事務所 村松のぞみ

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つなぐと星座になるように(3) (KCデラックス)【第92位】 つなぐと星座になるように 3巻 / 雁須磨子



赤い魚とタイトル枠が
アクセントとなっている水色の水族館ような背景。
腰を下ろした女性が、ぬっと顔を出したクジラと
顔を合わせているようで視覚効果がユニークな表紙。
裏表紙まで合わせて見て、ああ成程、となる。

出版:講談社
装丁:ZELAS 越沼由美子

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恋愛しませんか? 1 (カドカワコミックス・エース)【第93位】 恋愛しませんか? 1巻 / タチバナロク


突然の告白から始まった、アキバ三角関係恋愛物語。

ゲーム系デザインその2。
吹き出しや背景の加工でイベント発生!
的なゲーム画面のように装飾された表紙。
裏表紙のあらすじもゲームの情報ウィンドウらしく仕上がっている。

出版:角川書店
装丁:BBD 大塚幸司

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空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)【第94位】 空が灰色だから 1巻 / 阿部共実

“心がざわつく”オムニバスショート。

単行本前から話題になっていた作品ということで、
どう攻めて来るのだろうと気になっていて、結果がこちら。
赤い水玉、そして赤いアイテムで着飾った人物。
水玉が絶妙に大きくて、可愛いのに素直に可愛いと言えない
居心地の悪さが、奇妙な作品の雰囲気を上手く表している。

出版:秋田書店
装丁:-

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委員長お手をどうぞ(完全版)【第95位】 委員長お手をどうぞ 完全版 /
山名沢湖 

とある高校の様々な委員長にスポットを当てたオムニバス作品の完全版。文具チックなグリッド状の背景に散りばめられたさまざまな委員長には、ローマ字で委員長名が添えられている。表紙全体に広がった金箔のタイトルが煌びやかで、品良く華を添えている。最近は、ぶ厚い完全版系作品の背表紙にも個性が発揮されるようになってきて面白いが、旧版で2冊分あるこちらの背表紙も、ゆったり余裕を持った2行タイトルやスカートの広がったキャラの配置など厚みを有効に活用していて目立っていた。
出版:太田出版
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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教師諸君!! (2) (まんがタイムコミックス)【第96位】 教師諸君!! 2巻 / 駒倉葛尾




参考書のようなデザイン+コスプレということで、
2巻はクレオパトラ風。
背景の古代エジプトの壁画風で、
地味に凝っているというかかなり作りこんでいる。

出版:芳文社
装丁:葛西恵

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バベルハイムの商人 001 (BLADE COMICS)【第97位】 バベルハイムの商人 1巻 / 古海鐘一

悪魔と人間を繋ぐ通貨「運命金貨」を手に入れて悪魔の交易世界に
組み込まれた人達、それぞれの顛末のお話。
螺旋階段を下りる悪魔商人と、宙を舞う金貨。
螺旋階段の隙間からは淡いステンドグラスのような色彩で悪魔達が顔を覗かせている。
タイトルの黄色の発色がとても良い。
1枚絵カバー全体も手が込んでいて見ごたえあり。

出版:マッグガーデン
装丁:imagejack 團夢見

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ちろり 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)【第98位】 ちろり 2巻 / 小山愛子


大開港時代、横濱の小さな喫茶店で働く少女と小さな四季の物語。

雪の降る、遠き日の横濱の風景。遠景でヒロインの愛らしさのアピールを抑え目に、灰色の多い渋い色のまとめ方で雪の日の情緒を閉じ込めた表紙。雪や人物などに凹凸が付けられていて、実物にはささやかな立体感が感じられるが、手触りを面白くする効果の方が大きいかもしれない。

出版:小学館
装丁:田口孝敏

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侵略!イカ娘 12 (少年チャンピオン・コミックス)【第99位】 侵略!イカ娘 12 / 安部真弘




アニメ塗りと大胆なパースで目立たせたいところが
きちんと目立っている、元気のある表紙がいいな~と思うわけで、
イカちゃんがただイカちゃんかわいいだけの表紙ではないことは
去年の紹介分と合わせて強く主張しておきたい。

出版:秋田書店
装丁:須田幸子

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バカが全裸でやってくる (1) (カドカワコミックス・エース)【第100位】 バカが全裸でやってくる 1巻 / 井田ヒロト





装丁のささやきに耳を傾けた。

「ボクガオチダヨ」

出版:角川書店
装丁:LIGHTNING

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ここまでがランキング発表。

最後に、カバー下や見返しなど別なところに注目した作品を別枠で23作品紹介していきます。



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【見返し賞】 ジゼル・アラン 3巻 / 笠井スイ


ジゼルアラン3

見返しに凝っている作品は少ない、そもそも見返しとはっきり呼べる、柄のついた見返しが多いレーベルが圧倒的に少ない。そこから実際に手に取って美しい見返しの存在を確認できる機会はごく僅か。そんな中、確実に購入予定に入っていて、真っ先に見返しの確認をすることが楽しみになっている作品がこちら。3巻まで出て見返しも3種類目、そして紹介も3回目。今回はしきりがなく開放的な花束のパターンになっていた。

と、本作品はいつもこの枠で紹介しているが、カバー自体のイラストとデザインが既に素敵なことはもちろんのこと、目次、ノンブル(ページ数)、間に挟まれるイラストページなど、物語の外でデザインされる全てが作品の雰囲気に合わせて非常に丁寧に作りこまれている。奥付が面白い作品は、高確率でその装丁全体に気合が入っている、というのはよく思っていることだが、印象に残る見返しがある作品にも、同様のことが言える気がしてきた。(今回の紹介の範囲だと、他には東京メイツ、向ヒ兎堂日記、etc…)

出版:エンターブレイン
装丁:note 芥陽子

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【裏表紙大賞】 家電の女 1巻 / 西山優里子

家電の女下


家電好きで男性恐怖症のキャリアウーマンを、人の姿を得た家電製品が励ましていく、擬人化系コメディ+リアル家電紹介作品。

裏表紙は製品のパッケージに記載されている仕様欄のようなデザインになっているが、書かれている内容は、「本書について」という項目があらすじだったり、「読書上のご注意」という項目には冗談が書かれていたり、その下には、奥付等に記載されているリアルな注意事項が載せられていたりと、虚実入り混じっていて、なかなかユーモラスに仕上げられている。

ちなみに表紙に載っている家電製品は、その巻に登場する製品であり、カバー下には擬人化バージョンの表紙が仕込まれている。

出版:講談社
装丁:小林朋子

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【カバー下賞】 2まいめ 1巻 / アサミジョー

2まいめ1


2まいめの男性達が登場し、2ページ目で落ちがつけられる2ページギャグ作品。
表紙イラストにも落ちが用意されているが、それはどこにあるかと言うと…カバー下。

ちなみに作品のラストには、悪い顔をした名和田さんが登場する。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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【横使い賞】 夜さん 1巻 / 佐原ミズ

夜さん 1 (ゼノンコミックス)

小さな不思議を起こす美術の先生、夜(いつや)さんのお話。

本のサイズはA5版で、本を横にして見る表紙になっている。広いスペースを横に使ってゆったり寝そべる夜さん。
彼女の周りに散りばめられた星にはタイトルと共に銀箔が当てられ、キラキラと光を反射する。これと表紙の横使いによるパノラマ感が手伝って、星のまたたく幻想的な夜がそこに広がる。大きな版の選択に表紙の横使い、銀箔とやけにこだわりを感じる演出は、ブレイク間近の作者への応援のためかも、というのはファンの贔屓目かもしれないが、それほどの気合を装丁に感じることができた。

出版:徳間書店
装丁:crazy force 竹内亮輔

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【連結装丁賞】 恋文日和 愛蔵版 上下巻 / ジョージ朝倉

愛蔵版 恋文日和(1) (ワイドKC)愛蔵版 恋文日和(2) (ワイドKC)

ラブレターを題材にしたオムニバス、全3巻の既刊作品を上下巻にまとめた愛蔵版。

白い背景の上で色のないキャラを鮮やかに取り囲む花、花、花。花は1巻から2巻へと流れていき、1通のラブレターを運ぶ。1巻はバストアップ、2巻は全身像と人物の描き方も、花の構図も違い、それぞれが独立して美しい。そして繋がった時、また違った印象を与えてくれる。

出版:講談社
装丁:GENI A LOIDE 小林満

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【幕間賞】 しずかの山 3巻 / 松本剛,愛英史

しずかの山1

極限の山岳サスペンス作品、完結巻。油絵のようなイラストの上手さは相変わらずだが、3巻ではカバー以外の部分で、装丁的に面白い演出が見られた。


しずかの山2

まず、表紙をめくると、見返しと言うか真っ白なページ。


しずかの山3

そして次のページ。
真っ白なページに、黒い一本の線が現れる。
これは一体なんなのだろう…。



しずかの山4

黒い線に描かれた、米粒のような人間の姿。
それは、登山家が上る90度の絶壁だった…と、ここから本編が始まる。

このような乙な演出ページが、3巻にはこれを合わせて3箇所存在していた。

出版:講談社
装丁:bueno

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【表裏賞】 山賊ダイアリー 1巻 / 岡本健太郎

山賊ダイアリー1


狩猟の世界にはまった作者のレポート作品。

自然のイメージを一色で表したかのような黄緑色の単色背景。表紙にはウサギと罠。罠の棒に括られたひもは、背表紙をまたいで、裏表紙の主人公の元へ…。表紙・背表紙・裏表紙という本体に付けられたときのある種の3次元的空間を上手く使って、狩人と獲物の攻防の空気を形成しているように感じられた。

出版:講談社
装丁:ARTEN 山上陽一,井川直子

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【裏表賞】 トーチソング・エコロジー 1巻 / いくえみ綾

トーチソング・エコロジー前


日本の漫画は右から左に進む。なので、カバーに続き絵で漫画を形成すると、漫画は裏表紙から表紙に進んでいくことになる。そんなわけでこの作品の表紙は、裏表紙の漫画のオチになっている。ハンバーガーを食べようとした男が、白いシャツの男の顔に顔を覗き込まれ、ハンバーガーを落としてしまう。何故そのような状況になったのか、それは本編を参照いただきたい。

出版:幻冬舎
装丁:cozfish 佐藤亜沙美

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【ノーイラスト賞】 ビストロ・パ・マルの事件簿 1巻
/ 原尾有美子,近藤史恵 


ビストロ・パ・マルの事件簿


とあるレストラン周辺で起こる事件を料理にからめて解決するその作品。作者イラストを使わない表紙のなかでも、特に印象的だったのがこちら。

傾けた文字エリアの中でタイトルを縦に、料理名の入った作中のエピソードのタイトルを横書きで並べ、1枚のメニューを見下ろすかのようにデザインしている。サンデーGXの作品の中にまぎれても、まず手に取らせてしまうような異質さがあり、次に作者のイラストを確認したい、という要望については裏表紙で答える形になっている。

出版:小学館
装丁:グラフィオ 川染博之

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【カバーレイアウト賞】 ハームフル・ビューティフル
1巻 / 高崎ゆうき 


ハームフル・ビューティフル


袖・表紙・背表紙・裏表紙・袖と、カバーを5つのエリアで分けて考えたとき(表1,表4って何ですか?)、全部繋げる(例えば1位)、全部別々に使うあたりを基本として、表紙と背表紙だけ連続させる(8位)、背表紙と裏表紙を繋げる(30位)、背表紙と裏表紙を白で繋げ、背表紙の白を一部表紙いにかける(上の賞)など、エリアの使い方が個性的な作品が増えたと最近感じるようになってきた。

それではこちらはと言うと、きれいな真っ二つ。袖の真ん中から左がピンクで右が黒ずんだ茶・紫がかった色になっている。作品は、エロを売りにしたマンガ家が殺される中でエロ漫画を描く高校生が、クラスの美少女の誰かに命を狙われる…といった内容になっていて、キャラや作品がチラつかせる二面性をカバーに表した面白いデザインになっていると言える。

出版:芳文社
装丁:OverDriveDesign

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【特殊装丁賞】 ディメンションW 1・2巻 / 岩原裕二

ディメンションW


無尽蔵のエネルギーを取り出す「コイル」がエネルギー問題を解決した近未来に、不正コイルの回収屋と女性アンドロイドがコイルの裏に迫っていくSFアクション。

ハグルマの描かれた背景の青を基調として、薄暗い闇に人物が身を置くようなイラストが載せられている1・2巻。人物の体や服についた蛍光色の部分には実際に蓄光インクが仕込まれており、これがタイトルロゴと一緒に暗闇の中で光る。巻数表記も、光らせるために人物の頬に小さく、また1巻では服、2巻では手に持ったアイテムと、イラストに組み込みこまれており、光ったときにより主張するデザインとなっている。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:海老原哲也

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【特殊装丁大賞】 ぼおるぺん古事記 一 天の巻
/ こうの史代 


ぼおるぺん古事記

ボールペンで綴られていく「古事記」のお話。

作品の最初の数ページには古事記の原文が書かれているが、その原文のページは日本古来の書物を演出するかのように、和綴じで構成されている。わかりやすく言うと、なかに何も書かれていない袋とじページを使うと両面印刷のない昔の印刷物の雰囲気が出る、と言えば伝わるだろうか。次巻では無くなってしまったけれど、粋な演出だった。

出版:平凡社
装丁:cozfish 佐藤亜沙美


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【パロディ賞】 KAPPEI 1巻 / 若杉公徳

KAPPEI 1 (ジェッツコミックス)ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)


今の時代には持て余る世紀末覇者、的なコメディ作品。

比較として、同じく2012年に発売されている『ガラスの仮面』49巻。を並べてみたが、並べて見なくても一目瞭然というか、花とゆめCOMICSのカバーフォーマットをほとんどそのまま使っている。花とゆめCOMICSのデザインはパロディとして真似されることがあるが、大概は上部の3色の配色を変更するなど、雰囲気レベルでのパロディに止められるが、今回は同じ白泉社。ここまで同じくしても大丈夫、というのを見せ付けてくれた。

出版:白泉社
装丁:-

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【水木しげるで賞】 あやかし古書庫と少女の魅宝 1巻
/ ドリヤス工場


あやかし古書庫と少女の魅宝 (1) (REXコミックス)ゲゲゲの家計簿 上 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)


ひなびた古本屋で暮らす少年が出会ったのは、不思議な力で刀を操る少女だった…。
ラノベ的な能力バトルが展開していくストーリー漫画。

現役として作品を発表し続ける漫画界の長老・水木しげるの持つ独特のタッチを習得して描かれた作品、ということが一目でわかる表紙。水木作品の絵柄で面白おかしいことをして笑いを取るわけでもなく、ラノベ的なオリジナルを描いていくというこの作品の一風変わった真摯な姿勢はデザインにも現れていて、例えば、同じく2012年に発売された本物の水木作品『ゲゲゲの家計簿』と比較したときに、徹底的に水木作品を真似てパロディ的な受けを狙っている印象はない。その古風な持ち味を尊重さした上でのシックな配色と、現代の作品らしいすっきり整ったロゴは一つのオリジナル作品に向けられているように感じられた。水木作品タッチのインパクトがすさまじいことは言うまでもない。

出版:一迅社
装丁:KOMEWORKS 木緒なち

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【カバートラップ賞】 罪と罰 2・3巻
/ 漫F画太郎,ドストエフスキー


罪と罰 2 (バンチコミックス)罪と罰 3 (バンチコミックス)


まだまだ続くよ表紙詐欺。2巻は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のかんざきひろ、3巻は『バキ』でおなじみの板垣恵介。シリアスなドストエフスキーの罪と罰が描かれるのではないかという1巻に対して名前だけ同じキャラがエロコメを展開しそうな2巻、肉弾バトルが勃発しそうな3巻と、ゲストの色が出すぎて罪とか罰とかがそっちのけの詐欺とは何か状態。ロゴも絵柄に合わせてシリアス⇒ポップ⇒デジャラスとこの遊びに加担できて、デザイナーさんも楽めているのではないだろうか。

出版:新潮社
装丁:crazy force 竹内亮輔

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【コラボレーション賞】 マコちゃんのリップクリーム
7巻 / 尾玉なみえ 


マコちゃんのリップクリーム(7) (シリウスKC)ハチミツとクローバー 6 (クイーンズコミックス―ヤングユー)


羽海野チカ先生による、『ハチミツとクローバ』6巻っぽい7巻。

こちらも他の作家にイラストを描かせているという点では共通しているが、『罪と罰』の狙いが罠であることに対して、こちらはむしろイラストの寄稿を表紙でアピールしており、遊びの行き着いた場所という側面が強い、マンガ家の面白いコラボ企画でると同時に、羽海野×名和田タッグが続いているので、貴重な羽海野×葛西コラボの側面もあるとひそかに思っている。

付け加えておくと、8巻には柏木ハルコ先生が登場した。

出版:講談社
装丁:葛西恵

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【帯賞】 きょうの思春期 1巻 / こだくさん

きょうの思春期帯


渾身のモザイク処理により、本をとても如何わしく変質させるヘンタイ帯。帯を取ると、そこには…何だかよくわからない。帯が無くなったら、そのコンセプトがきっとなんだかよくわからなくなってしまうんだろうな~というカバー。帯とセットで完成系。そのチャレンジ精神、嫌ではない。

また、作品は一人のキャラに焦点を次々と当てていく1ページギャグ作品となっていて、どのページも学級日誌になっている(図右下)。左の余白には必ず新規のキャラ紹介が入るなど、手の込んだ単行本になっている。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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【帯大賞】 となりの怪物くん 10巻 / ろびこ

となりの怪物くん10


アニメ化するときの帯は、ダブル帯かリバーシブル帯にしてくれと願うことも忘れていた今日この頃。同じくアニメ化して同じように名和田耕平デザイン事務所がデザインを手がける『好きっていいなよ』とともに実装されたダブル帯。手前にはアニメ化を大々的にアピールした帯、下には通常運転でキャッチコピーを優先した帯が巻かれている。アニメ化帯の方が幅がせまくなっており、通常帯の「想いは広がる」と「一緒に幸せになりたい」という文の続きがアニメ化帯の有無により変化する仕掛けが面白い。

アニメ化帯のこのようなかたちの工夫はこれが始めてなのかはわからないが、付属品未満の扱いで、美しい連続性をごく普通に破壊していくアニメ化帯が普遍的に存在するなか、こういうささやかな気配りをしてくれたアニメ化帯を好きな作品で確認できたのは非常に大きい。こういう流れが広まってくれるといい、とサイレントなマイノリティーは思った。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所

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【続編賞】 けいおん! college / かきふらい

けいおんcollege

ご存知『けいおん!』で高校を卒業した4人の大学生活が1冊分描かれた作品。

デザインフォーマットをこれまでの4冊から一新しつつも、Tシャツの色を既刊の背景色と合わせるという洒落た繋がりを作った。これまでの作品が1冊一人の4冊で終了したこと、本作品がエクストラな感じで1冊でまとめらたことと、ちょうど良い条件を上手く利用したデザインになっている。

出版:芳文社
装丁:5GAS 宮村和生

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【新装版賞】ドラゴンクエストモンスターズ+ 全5巻 / 吉崎観音

ドラゴンクエストモンスターズ+ 新装版(1) (ガンガンコミックス)ドラゴンクエストモンスターズ+ 新装版(2) (ガンガンコミックス)ドラゴンクエストモンスターズ+新装版(3) (ガンガンコミックス)ドラゴンクエストモンスターズ+新装版(4) (ガンガンコミックス)ドラゴンクエストモンスターズ+ 新装版(5)(完) (ガンガンコミックス)


ゲーム『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』の後日談を描いた作品の、9年越しの新装版。

右にはキャラを手前に、左にはロゴを奥に。略称ロゴが太く大きいため、背景を装飾するように通巻でカバーがカラフルなものに仕上がった全5巻。元のゲームがゲームボーイで、今回3DSでリメイクされたことに合わせての刊行と思われるが、単行本の装丁もGBから3DSに進化したように垢抜けた。第6巻が出てもいいんですよ?

出版:スクウェア・エニックス
装丁:-

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【ストーリー賞】 坂道のアポロン 9巻 / 小玉ユキ

坂道1-9

ボーナストラックを残しつつ、まずは一つの完結を迎えた9巻。表紙についても主人公がそのラストを飾った。物語の始まりからもう何度目かの春。伸びた髪と、以前より丸みを帯びた表情、明るい未来を示唆するような、最初で最後の白いシャツ。春の訪れを演出するたった1枚の花びら。良い時間の流れを感じさせる締めくくりの表紙。表紙以外にも、乙なカラーページが挿入されているなど、良い最終巻だった。

話は変わるが、これまでの背表紙にはキャラの背のラインが斜めに入り、上は背景の色、下は黒や紺色など暗い色がくるように統一されている。白いシャツを着せている9巻についても上着を背負わせて背表紙部分を切り出したときにはやはり同じように見えるように工夫されて、ここには、通巻で背表紙をきれいにまとめるための明らかな拘りを感じさせる。真の最終巻とも言えるボーナストラック巻では表紙に3キャラが収められているが、背表紙部分の見え方については、やはり同様の工夫がされている。

出版:小学館
装丁:名久井直子

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【長期連載漫画賞】 岳 17・18巻 / 石塚真一

岳 (1) (ビッグコミックス)岳 (2) (ビッグコミックス)岳 (3) (ビッグコミックス)岳 4 (ビッグコミックス)岳 5 (ビッグコミックス)岳 6 (ビッグコミックス)岳 7 (ビッグコミックス)岳 8 (ビッグコミックス)岳 9 (ビッグコミックス)岳 10 (ビッグコミックス)岳 みんなの山 11 (ビッグコミックス)岳 12 (ビッグコミックス)岳 みんなの山 13 (ビッグ コミックス)岳 みんなの山 14 (ビッグ コミックス)岳 15 (ビッグ コミックス)岳 16 (ビッグ コミックス)岳 17 (ビッグ コミックス)岳 18 (ビッグ コミックス)


構図や色合い、上り方などをひとしきり試し、裸に切り絵にドアップと趣向を凝らして10巻。登山道具を広げてみた11巻、タイトルロゴでロッククライミングをさせてみた12巻とユーモラスな方向を責めながら巻を重ねて16巻は天然温泉。やれることは全部やったと言わんばかりに17巻は原点に立ち戻るような雄大な山を描き、18巻はトドメの合体。万感。

出版:小学館
装丁:VOLARE 関善之

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【長期連載漫画大賞】 さよなら絶望先生 30巻
/ 久米田康治 


さよなら絶望先生完結

「私たちの日常はこれからも続く」ラストでも許されると個人的には思う、時事ネタあるあるネタ多目の1話完結ギャグマンガを続けながら、最後は大風呂敷長編マンガ家が嫉妬しそうなくらいに美しい流れを持って物語を完結させた本作。

文字位置固定、表キャラ一人、裏キャラ一人の和のデザインフォーマットを頑なに守り続けて30巻。一人の教師と一人の少女の出会いから始まった物語とカバーは、一人の教師と一人の少女によって幕を閉じた。なかなか出来ることではないと思える。おつかれさまでした。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子

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*ウルトラジャンプで掲載されたコラムを転載、または加工して掲載しています



という感じでお送りしました、
良いコミックお気に入り装丁紹介企画『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2012』。

デザイナーさんをカウントしてみると、大体同じような分布になっていて、
まあいつも通りの好み1色の記事に仕上がっておりました。

「この順位は納得」「これはもっと上」「あれを入れたい」など色々感想は出てくると思いますが、
そんなことはもちろん当たり前。むしろ、ここまで読んでくださった方が、
これをきっかけに今回紹介した作品、しなかった作品の区別無くその思い入れをtwitterなど
で呟いたりしてくれると、人の装丁語りが聞けて大歓喜、とこっそり期待しておきます。


もうすでに紹介したい作品がたまり続けている、2013年の特集でまた逢いましょう。





【関連記事】
●この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2011 ベスト200/300
この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2010
この表紙がすごい!2009
コミックス装丁 デザイナーINDEX
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2013年01月22日 | この装丁がすごい! | コメント 8件 | トラックバック 0件 | TOP

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2013年01月23日 / #【編集

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2013年01月23日 / #【編集

32位の東山翔さんは『prism』でも盗作が発覚し芳文社から連載中止&絶版されてます。その表紙も写真トレスを指摘されてますので受賞に相応しくないと思いますよ

2013年01月23日 / Yop #-URL【編集

自分の好みで選びましたって感じだな。
同じタイプが目立つね。

2013年01月23日 / # #mQop/nM.URL【編集

ご報告ありがとうございます。経緯を確認しました。
掲載の継続に問題ありと判断し、欠番と致します。

2013年01月23日 / KT. #-URL【編集

個人的に、
「春になるとウズウズしちゃう」藤村歩実 / 装丁:草野剛
が上位にあると思ってサイトページ開いた。

2013年01月26日 / 名無しさん #-URL【編集

>名無しさん

それはちょっと気が早い話かもしれませんね。

2013年01月26日 / KT. #-URL【編集

村田先生作画「ワンパンマン」の折り返しギミックも面白いと思ったけど入ってなかったか

2013年01月27日 / samui #-URL【編集

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