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【装丁】ライトパブリシテイ

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:デザイナー  »2011年08月27日 更新

デザイナーINDEX

■ライトパブリシテイ

●メンバー:帆足英里子,大野瑞生,浅葉球
●仕事先 :角川書店,等
●レーベル:角川コミック・エース等
●リンク :会社
●記事作成:2011/08/27

GOTH.jpg  GOTH―リストカット事件


ライトノベル界で活躍していた乙一氏の人気を、ライトノベルの枠を超えて広げるきっかけとなった第3回本格ミステリ大賞受賞作である角川出版の小説『GOTH―リストカット事件』(画像右)と、同小説のコミカライズ作品・大岩ケンヂ『GOTH』(画像左)。黒い背景にナイフ、そしてところどころ途切れたくっきりと白いロゴが目立つ小説版の装丁と基本的な装丁を統一させた故ミック版と、これらのデザインを行っているのが、株式会社ライトパブリシテイです。

さて、ライトパブリシテイは広告制作プロダクションであり、従業員数98人(平成23年4月現在)の企業です。主に広告・CMの企画・制作を主としており、多数のクリエイターがここから独立し、彼らを目標として新たな人材が集まってきている、そんな企業となっているようです(wiki)。 そのなかで、メンバーとしてあげている数名が、コミック装丁を行って名前がクレジットされていることを確認している方々となっております。確認できたのはどれも角川出版の乙一原作作品。装丁を担当した『GOTH―リストカット事件』のコミカライズがきっかけとなり、ライトパブリシテイで角川出版の乙一原作コミックの装丁を担当することになったと思われます。ということで以下、角川出版乙一原作コミック×ライトパブリシテイの装丁を紹介していきます。

『GOTH』に話を戻すと、コミック版は、配色や大まかなアイテムの配置を小説版と統一していますが、大きく違うのはキャライラスト。漫画作品ということでキャライラストを表紙の全面に貼り付けています。しかしご覧の通り、キャライラストは透明な樹脂液によるニス引きによって描かれており、光の加減などで一見するとあたかも存在しないように配置されています。おそらく小説版とコミック版の質感を統一するために始まった、小説のカバー的なタイポグラフィを全面に推し、かつ品良く漫画作品であることも主張するこの方法が、他の作品にも取り上げられています。また、小説版のカバー裏には青木ヶ原樹海に横たわる女性の死体写真をプリントされ、これが話題となったそうですが、コミック版でもこの仕掛けが再現されているので、まだカバーを外していなかった方は是非ご確認ください。

【参考:読売ADリポート[オッホ]/ライトパブリシテイ・帆足英里子氏インタビュー】


次は乙一×清原絃『失踪HOLIDAY』(角川書店)。

失踪HOLIDAY

こちらも『GOTH』と同じように黒背景+白文字(灰色はトーン状に白を配置して実現)とニス引きのキャラ。また、『GOTH』にも採用されていますが、小口も黒く染まっていて、本全体が黒で包まれています。この作品は狂言誘拐系のお話になっており、カバーに配置された文字のフォントを、新聞や雑誌の切り抜きでできた脅迫文のような形で一字一字変えていくことでお話をデザインに落としこんでいます。表紙裏の文面は、実際に作中に登場する文面を本物のように配置したもの。これが重要な意味を持っていたりします。


乙一×清原絃『傷』(角川書店)。

傷

他人の受けた傷を自分に移せる、また自分の受けた傷を他人に移せる、そんな「痛み」なしには語れない作品。そのイメージカラーは血のような赤色。カバーの文字も小口も、画像右のカバー下も、また目次のページも真っ赤にそまっています。また、この赤い文字を載せた白いカバーにもニス引きでキャラが配置されていますが、よく見るとニス引き部分と『傷』という特大のロゴが重なる部分は、赤が削られています。キャラの線画を構成する細いニス引きの線でロゴを絶妙に削らせることで、『傷』という文字が文字通り傷つけられ、その雰囲気を深めています。


最後も乙一×清原絃で『きみにしか聞こえない』(角川書店)。

きみにしか聞こえない

心の中の携帯電話で繋がった、少年と少女の物語。これまでと同じようにキャラはニス引きで、一見文字しか見えない表紙。そして「きみにしか聞こえない」というタイトルは作者名とともに左に小さめの文字で配置されるように、右には大きく、一部が欠落した状態で配置されています。この文字の欠落した部分もよく見るとニス引きで描かれています。また、欠落した部分は、表紙裏に裏から見るような感じに反転させて配置されています。欠落した文字の意外な美しさと、キャライラストとともに目を凝らすと見えるというこの構成。作中のイメージをこの上ない形でデザインに落とし込んだ大変おもしろい装丁に仕上がっています。


以上、ライトパブリシテイのコミック装丁でした。



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2011年08月27日 | デザイナー | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP

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