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サユリ 全2巻|押切 蓮介

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:コミック感想  »2011年07月18日 更新

サユリ 2貞子、伽耶子、…(中略)…、 そして小百合。
サユリ 全2巻

お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★

作者:押切 蓮介
出版社:幻冬舎
発売日:2011/5/24 (2巻)
【⇒試し読み】

装丁:Zooham Yoxxx

景色の良い小高い丘の上に、念願のマイホームを手に入れた神木家。築40年と古めかしさはあったが、一家の大黒柱である昭雄はそれでも満足していた。長女の径子、長男の則雄、次男の俊は狭いアパート暮らしから開放され、それぞれ自室を貰う。さらに則雄の祖父母とも同居することになり、神木家は大所帯となった。しかし数日経たぬうちに、昭雄が突然死してしまう。一家を取り巻く恐怖はここから始まった……。(yahooコミックより)

ホラーギャグ、ホラーアクション、おばけ4コマ、スプラッタホラーなど、ホラーを色々な形で描いてきた押切氏が意外にもまだ描いていなかった、ジャパニーズホラー作品。ジャパニーズホラーというとリングの「貞子」、呪怨の「俊雄君」や「伽耶子」など、おなじみのキャラクターが思い出されますが、作品のタイトルになっている「サユリ」もそういった流れを汲んだ何か、というキャラクターです。

主人公一家が、一見何の変哲もない一軒家に引っ越して…というところからその「サユリ」と対峙していくジャパニーズホラー的な悲劇が展開していきますが、そこは既存の作品のホラーキャラを入れ替えたなんてモノではなく、その流れには今までいろんな形でホラーを描いてきた押切氏の強烈な個性が存在します。ホラーのお約束を踏襲しながら、怖いシーンの出し方や魅せ方が独特で、悲劇に見舞われる人達の人となりも少ないページで、出てくる作品違うなら違った形で活躍出来たんだろうと思えるぐらいにきちんと描かれているから、ついつい引き込まれてしまうんですね。幽霊の怖い顔なども、今までギャグで描いてきた面白幽霊の顔と似ていたり、たくましく活躍する人間の描写が「夕闇特攻隊」(ホラーアクション)の迫力ある敵キャラのようであったり、本作品に使われる数々のパーツが今まで培ってきたものの延長線上にありながら、それがきちんと本格ホラーに噛み合うようカスタマイズされていて、それが唯一無二の個性を生んでいて、同時に漫画が上手いな~と思わされるわけでもあります。しっかり怖い漫画です。

そして、特に個性が出ているのがラスト。ジャパニーズホラーのラストは、かけられた呪いを解いたり、成すすべもなく全滅したり、何かの気まぐれで生き残ったり、それぞれが何らかの「理不尽」に対峙し、ホラー的な見せ場を迎えて各々の結末にたどり着きます。そのラストも本作品では、「恐怖の魅せ方」や「理不尽への対峙」方法など、押切氏としての全く新しい何かが展開して、数あるホラー作品の中にあっても新鮮で、しっくりくるものが見れたと断言できます(最後に一番怖い幽霊の顔を持ってきて驚かせるマンネリの打破というか、これを映画でやったら非常に面白そうです)。


巻数は全2巻で、若干詰め込みすぎ感もあるものの、1巻の終わりで、これが映画なら1時間20分くらいじゃないのかと思えるスピーディーで絶望的な状況が、2巻から意外な方向に開けていくジェットコースターのような展開は非常に刺激的です。ホラー好きで既存の押切作品が好きなら問答無用でオススメします。



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2011年07月18日 | コミック感想 | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP

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