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チュウチュウカナッコ|あらいあき

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:コミック感想  »2011年01月29日 更新

チュウチュウカナッコ 人生下手でもマイペース。ぼんやりカナコは今日も行く
チュウチュウカナッコ

お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★

作者:あらいあき
出版社:青林工藝舎
発売日:2010/8/30
【⇒試し読み】

装丁:ゼンマイアタマ(荏本朋・あらいあき)


アナログ式ラジオに赤電話、室内アンテナの付いたブラウン管テレビ。雑多な商店街には今にはない活気が溢れる、そんな70年代終わりの頃。中華・福々軒で働くことを決めた貧乏一人暮らしの女性、カナエカナコ。コミュニケーション能力ほとんどゼロでどんくさいヘマも多々。出前のラーメンをこぼして他の店でラーメンを補給したり、お代を貰い忘れて自腹を切ったり、そんなときも考えているのは食べ物のことというとぼけたカナコの日常のお話。絵柄はちょっと水木しげるの入ったレトロで、癖があるが味があるタイプ。

リーゼントの店主・洋ちゃんや、70年代少女漫画風の容姿をしたからかうのが趣味のA子、悪魔的ルックスと性格を持ったバンドボーカルアザミなど、癖のある人達にからまれたり、気にかけられたりしながら、ぼんやりとマイペースを貫くカナコの生き方に漂う哀愁。大事件もいかにもなイイ話も、恋愛すらもないけれど、ほっこり暖かく、クスリと笑える。

興味深いのが、前半と後半のちょっとした変化。ひとみしりで協調性にかけるという『作者=カナコ』みたいなヒロインに自己を強く投影させた前半、そこから漫画が描けなくなって連載が中断された5年間を挟み、作者がヒロインと距離を取り始めた後半。「カナコ⇔人々」という構図から「カナコと人々」へと世界と物語が広がっていく。あとがきを交えながら5年で変わったこと、変わっていないことを意識して読んでいくと面白い。

5年間の中断を挟みながら、連載から10年近くの歳月を経ての単行本化。お話はまだ続くということなので、次をかなり気長に待つ。



【装丁】

時代を感じさせる商店街をちまっと歩く主人公のイラストに手描きのロゴが乗っかった、表紙には出版社名すら載せていないレトロな雰囲気のカバー。微かな凹凸が一味違う手触りを生むカバーの質感やイラストの構図など、ところどころが洗練されていて、不思議と古臭さは感じさせない(質感は『乙嫁語り』のものに近い)。

また、カバー下の別カバー風なイラストや目次など、総じてアナログな仕上がり。奥付では、作者が「描けなくなった(連載中断)時期」を指差していたりする。

チュウチュウカナッコ全

装丁でクレジットされている「ゼンマイアタマ」は、作者のあらい氏と荏本朋氏のサークル名。作者と、近しい間柄の関係者でデザインされていて、商業作品ながらアットホームな雰囲気が出ている感じの良い本になっている。

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2011年01月29日 | コミック感想 | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP

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