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【装丁】Chord Deign Studio (コードデザインスタジオ)

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:デザイナー  »2010年08月29日 更新

デザイナーINDEX

■Chord Deign Studio (コードデザインスタジオ)

●メンバー:鶴貝好弘,大田垣良子
●仕事先 :エンターブレイン,等
●レーベル:ビームコミックス,等
●主な装丁:入江亜季作品
●雑誌デザイン:FELLOWS!
●記事作成:2010/08/28

入江亜季

縮尺の違う様々なキャラクタや物のイラストがカバーを飾り立て、さらに様々な物語が展開するであろうことも匂わせるお洒落で印象的なデザインの入江亜季『群青学舎』、そしてレイアウトがそれらと対称になるようデザインされた『コダマの谷』。作者を交え、単行本発売3ヶ月前から入念に打ち合わせを行って造られたというこの装丁を担当しているのが、極厚高密度漫画雑誌『Fellows!』のデザインでおなじみのデザイン事務所・コードデザインスタジオです。
こちらのお仕事でまず挙げたこれらの2作品は、作者の労力がうかがい知れるてんこ盛りのイラストとそれらを絶妙に配置するデザイナー手腕が人目を引き、ジャケット買いしたという声もかなり耳にする、最初に紹介するにふさわしい作品。賑やかなカバーはもちろんのこと、カバー下等にも注目して欲しいところ。カバーとは対照的に絵を用いず、シンプルで品のある文字だけのカバー下もいい味を出しています。さらに、中のデザインなどにも注目ということで、下記に掲載するのは『コダマの谷』の本編が開始されるまでの「間」。

コダマの谷

まず、本を開いて目に入るのが真紅に染まった見返し。そして余白たっぷりに
タイトルや目次等の文字だけを綴ったページが続き、漫画が始まるのは7ページから。
『群青学舎』では、各話のタイトル用にもう2ページほぼ真っ白なページが挿入されます。
本編の外で形作られる大胆な「間」。こういうところも実は、
目立たない箇所ながら豪華な装丁と言えるかもしれません。


コードデザインスタジオ1

さて、コードデザインスタジオの装丁、その印象は枠、そして非背景の装飾。

まずは枠のお話。手がけられているデザインの多くに、四方、左右両方、または片方に枠を配置する構成が見られます。上記の作品には、『スミレステッチ』を除き枠が入っているで確認してみてください。わかりやすいのが白い枠で表紙を囲んだ『レモネードBOOKS』や『ラバーズ7』。『家政婦のエツ子さん』にも目立つ横3段の区切りに隠れながら、点線の枠が配置されています。このようにして、枠効果にイラストをより表紙らしく、そしてかっこよくしたり引き締めたりするのが特徴の一つ。

次に背景を用いない装飾。こちらの単行本の表紙デザインでは、普通に風景の入った1枚絵イラストがあまり用いられていないという印象。そのようなデザインでは、代わりに装飾が多く用いられます。キャラは複数、アイテム、1ポイント的な幾何学模様、日本語・英語両方を駆使して入れられるだけ入れた文字情報、そして特徴として先に挙げた枠等、あらゆる要素をふんだんに、バランス良くレイアウトして表紙を賑わせます。そうやって出来上がった表紙はアートっぽさを感じさせながらも、しっかりコミックらしさも両立。まさにレイアウトの鬼と言ったところ。


コードデザインスタジオ2

上記の作品郡は、ベースカラーとキャラ配色を統一したタイプ。これらにも同じようにレイアウトの気配りが光かります。ちなみに、こちらの事務所の大田垣良子氏の姉は、エッセイ系の漫画家(自称「画文家」)の大田垣晴子氏。晴子氏の作品『箱庭』では、姉妹のタッグが実現しております。同じく氏の作品『セイちゃん』には「りょうこちゃん」が登場していたりするので、そちらも要チェックです。


コードデザインスタジオ3

こちらは白、またはクリーム系。何もないベタ領域が多い場合でも、
やはり白装丁など一般的なこの系統のものより盛り込まれる要素は多め。
基本的に、シンプルを極めるとは対極の位置で、技巧的なお仕事を突き詰められています。


ここからは個別に作品をピックアップ。
乙ひより『オレンジイエロー』と『水色シネマ』。

乙ひより

同一の構図を採用した双子装丁作品です。白枠や文字位置、
右下に添えられた建物などによるデザインの統一のほか、
凸加工の施された舞い散る紙の1枚一枚、その位置が両作品で一致するという心憎い演出。
背景込みの絵を用いた場合でもただでは終わらせません。


冨明仁『玲瓏館健在なりや』。

玲瓏館健在なりや

こちらも背景入りですが、背景は線画。そして文字や背景、つまりキャラ以外は全部箔押しされています。上記画像だと見づらいですが、実際は金色の目立つ煌びやかな装丁です。そしてよく観察すること、これも枠構成です。後ろのバーコード表示箇所も、角の丸まった枠で囲ませたたり定価の情報を縦にして分散させたりと、上手くデザインに取り込ませる工夫を感じれるのがポイント。美しいカバー下や文字レイアウトの面白いおくづけ(中表紙や目次、次巻へ続くのページもこんな感じに統一)も見所です。


ラストはもう1回入江亜季で『乱と灰色の世界』。

乱と灰色の世界

背景も、枠も、アイテムで構成してしまいました。美しい。


以上、コードデザインスタジオの装丁でした。


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2010年08月29日 | デザイナー | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP

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