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【装丁】Chord Deign Studio (コードデザインスタジオ)

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:デザイナー  »2010年08月29日 更新

デザイナーINDEX

■Chord Deign Studio (コードデザインスタジオ)

●メンバー:鶴貝好弘,大田垣良子
●仕事先 :エンターブレイン,等
●レーベル:ビームコミックス,等
●主な装丁:入江亜季作品
●雑誌デザイン:FELLOWS!
●記事作成:2010/08/28

入江亜季

縮尺の違う様々なキャラクタや物のイラストがカバーを飾り立て、さらに様々な物語が展開するであろうことも匂わせるお洒落で印象的なデザインの入江亜季『群青学舎』、そしてレイアウトがそれらと対称になるようデザインされた『コダマの谷』。作者を交え、単行本発売3ヶ月前から入念に打ち合わせを行って造られたというこの装丁を担当しているのが、極厚高密度漫画雑誌『Fellows!』のデザインでおなじみのデザイン事務所・コードデザインスタジオです。
こちらのお仕事でまず挙げたこれらの2作品は、作者の労力がうかがい知れるてんこ盛りのイラストとそれらを絶妙に配置するデザイナー手腕が人目を引き、ジャケット買いしたという声もかなり耳にする、最初に紹介するにふさわしい作品。賑やかなカバーはもちろんのこと、カバー下等にも注目して欲しいところ。カバーとは対照的に絵を用いず、シンプルで品のある文字だけのカバー下もいい味を出しています。さらに、中のデザインなどにも注目ということで、下記に掲載するのは『コダマの谷』の本編が開始されるまでの「間」。

コダマの谷

まず、本を開いて目に入るのが真紅に染まった見返し。そして余白たっぷりに
タイトルや目次等の文字だけを綴ったページが続き、漫画が始まるのは7ページから。
『群青学舎』では、各話のタイトル用にもう2ページほぼ真っ白なページが挿入されます。
本編の外で形作られる大胆な「間」。こういうところも実は、
目立たない箇所ながら豪華な装丁と言えるかもしれません。


コードデザインスタジオ1

さて、コードデザインスタジオの装丁、その印象は枠、そして非背景の装飾。

まずは枠のお話。手がけられているデザインの多くに、四方、左右両方、または片方に枠を配置する構成が見られます。上記の作品には、『スミレステッチ』を除き枠が入っているで確認してみてください。わかりやすいのが白い枠で表紙を囲んだ『レモネードBOOKS』や『ラバーズ7』。『家政婦のエツ子さん』にも目立つ横3段の区切りに隠れながら、点線の枠が配置されています。このようにして、枠効果にイラストをより表紙らしく、そしてかっこよくしたり引き締めたりするのが特徴の一つ。

次に背景を用いない装飾。こちらの単行本の表紙デザインでは、普通に風景の入った1枚絵イラストがあまり用いられていないという印象。そのようなデザインでは、代わりに装飾が多く用いられます。キャラは複数、アイテム、1ポイント的な幾何学模様、日本語・英語両方を駆使して入れられるだけ入れた文字情報、そして特徴として先に挙げた枠等、あらゆる要素をふんだんに、バランス良くレイアウトして表紙を賑わせます。そうやって出来上がった表紙はアートっぽさを感じさせながらも、しっかりコミックらしさも両立。まさにレイアウトの鬼と言ったところ。


コードデザインスタジオ2

上記の作品郡は、ベースカラーとキャラ配色を統一したタイプ。これらにも同じようにレイアウトの気配りが光かります。ちなみに、こちらの事務所の大田垣良子氏の姉は、エッセイ系の漫画家(自称「画文家」)の大田垣晴子氏。晴子氏の作品『箱庭』では、姉妹のタッグが実現しております。同じく氏の作品『セイちゃん』には「りょうこちゃん」が登場していたりするので、そちらも要チェックです。


コードデザインスタジオ3

こちらは白、またはクリーム系。何もないベタ領域が多い場合でも、
やはり白装丁など一般的なこの系統のものより盛り込まれる要素は多め。
基本的に、シンプルを極めるとは対極の位置で、技巧的なお仕事を突き詰められています。


ここからは個別に作品をピックアップ。
乙ひより『オレンジイエロー』と『水色シネマ』。

乙ひより

同一の構図を採用した双子装丁作品です。白枠や文字位置、
右下に添えられた建物などによるデザインの統一のほか、
凸加工の施された舞い散る紙の1枚一枚、その位置が両作品で一致するという心憎い演出。
背景込みの絵を用いた場合でもただでは終わらせません。


冨明仁『玲瓏館健在なりや』。

玲瓏館健在なりや

こちらも背景入りですが、背景は線画。そして文字や背景、つまりキャラ以外は全部箔押しされています。上記画像だと見づらいですが、実際は金色の目立つ煌びやかな装丁です。そしてよく観察すること、これも枠構成です。後ろのバーコード表示箇所も、角の丸まった枠で囲ませたたり定価の情報を縦にして分散させたりと、上手くデザインに取り込ませる工夫を感じれるのがポイント。美しいカバー下や文字レイアウトの面白いおくづけ(中表紙や目次、次巻へ続くのページもこんな感じに統一)も見所です。


ラストはもう1回入江亜季で『乱と灰色の世界』。

乱と灰色の世界

背景も、枠も、アイテムで構成してしまいました。美しい。


以上、コードデザインスタジオの装丁でした。


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2010年08月29日 | デザイナー | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP

全1巻オススメ漫画100選

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:特集  »2010年08月23日 更新

【全1|全2全3-5|全6-10|短編集】


元々の1巻、愛蔵版や新装版全部ひっくるめて、
1冊だけで物語の完結する全1巻のオススメ漫画を紹介。100作品挙げます。

【基準】
 ●お気に入り度
  ★1:割と良い
  ★2:結構好き
  ★3:お気に入り
  ★4:強くお気に入り
  ★5:すばらしい

 ●オススメ度
  ★1:気になれば(好き嫌いが激しそう)
  ★2:よければ(すき嫌いがありそう)
  ★3:オススメ
  ★4:かなりオススメ
  ★5:強くオススメしておきたい


■□■アクション/バトル/戦争■□■

Pay Off『Pay Off』
作者:むとう ひろし
出版社:講談社 ヤングマガジンコミックス
発売日:2004/03/05
お気に入り度:★★
オススメ度:★★★

「今日からヒットマン」作者の昔の殺し屋漫画。ノリの軽い兄ちゃんが粛々と依頼をこなしていく1話完結モノ。後の長期連載に通じる銃撃シーンのかっこよさも見られるが、面白いのは難局も飄々と乗り切る殺し屋のあっさりとした仕事ぶり。テンポよく話が進む。いい意味ですごく軽い漫画。





Ordinary±『Ordinary±』
作者:高橋 慶太郎
出版社:小学館 サンデーGXコミックス
発売日:2007/11/19
お気に入り度:★
オススメ度:★★




スプリンガルド『黒博物館 スプリンガルド』
作者:藤田 和日郎
出版社:講談社 モーニングKC
発売日:2007/09/21
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★★

霧深き19世紀のロンドン、連続殺人で人々を震え上らせる怪人「バネ足ジャック」の正体とは。『うしおととら』『からくりサーカス』の藤田和日郎による、ゴシックアクション。1冊で心をつかむ、勧善懲悪に収まらないある種のダークヒーローの魅力、「バネ足」という個性的なギミックをこの描き方しかないというくらいカッコよく使いこなすベテランの腕。アクションもドラマもばっちり収めた密度の高い1冊。



生活『生活【完全版】』
作者:福満 しげゆき
出版社:講談社 モーニングKCDX
発売日:2010/05/21
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★

少人数で遊び感覚で始めた悪人への"お仕置き"が町の自警団体まで生んでしまい、それらはやがて本人達の手を離れて…という、福満しげゆき初の長編ストーリー漫画。いつもの絵で描かれるアクションシーンが、意外にも秀逸。キャラ同士のヒネたユーモアあるやりとりも健在。青林工藝舎版の1巻から結末までを加えた形で、完全版として再出版。大きく広がり収集つくのかと心配だった展開も、ラストはらしいところに落ち着いた。



ヘウレーカ『ヘウレーカ』
作者:岩明 均
出版社:白泉社 ジェッツコミック
発売日:2002/12/19
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★






■□■ギャグ/コメディ■□■

マル被警察24時+『マル被警察24時+』
作者:小田 扉
出版社:小学館 IKKI COMIX
発売日:2009/02/25
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★

頭の禿げ上がったベテラン刑事・赤山が、個性的な仲間達と事件を解決したり解決しなかったりする警察コメディ漫画。静かにボケが充満していく独特の雰囲気、説教くさくない人情っぽい話、時折挿入されるSFな展開等など、小田作品の持ち味と刑事物のお約束がマッチしている。終盤のシリアスエピソードの、単にシリアスともギャグとも言いがたい独特のまとめ方にも味がある。



まとちゃん (IDコミックス REXコミックス)『まとちゃん』
作者:結城 心一
出版社:一迅社 REXコミックス
発売日:2006/11/09
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★

虫大好き小学生まとちゃんと、彼女に翻弄される周りの人々の4コマ。「むしはすきです、でもあいしてはいません」という言葉に集約される虫大好きっこの生態(一つの入れ物にびっしり集める、花火で丸焼き等など)をほのぼとと描写する非ウンチク系。昔少しでも虫と戯れた人たち(今は触れないでも可)にオススメ。続編「ちろちゃん」は、虫成分減少中。



おひっこし『竹易てあし漫画全集 おひっこし』
作者:沙村 広明
出版社:講談社 アフタヌーンKC
発売日:2002/06/19
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★





ぼくトンちゃん『ぼくトンちゃん』
作者:いましろ たかし
出版社:エンターブレイン ビームコミックス
発売日:2002/12
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★

中年男牛山五郎と子熊のトンちゃんが仙界に住むブタ仙人の下で修行に励む、武者修行のお話。コミカルなキャラたちがユーモラスな修行をするということで一応コメディの体裁をとっているが、作品には常に無常観が漂い、時に読者にキャラの苦悩を伝播させる。「人生」という項目を作って、『自虐の詩』あたりと一緒に入れたほうがいいかもしれない。



ふたりぼっち伝説『ふたりぼっち伝説』
作者:佐藤 ショウジ
出版社:少年画報社 ヤングキングコミックス
発売日:2004/12/27
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★

女トレジャーハンターと宝の番人「ガイコツ」達が、ありとあらゆる秘境で、タイマンドタバタコントを繰り広げる冒険ギャグ漫画。話を重ねる度にだんだんとアホ化が進み友情さえ感じられる二人のやりとりが微笑ましい。奇跡の「代原」漫画。今や複数の連載を持つ売れっ子の作者に「代原」を描く暇はなかろうということでとりあえず全1巻にて紹介。



HAL.jpg『HAL―Hyper Academic Laboratory』
作者:あさり よしとお
出版社:ワニブックス ガムコミックスプラス
発売日:2006/01/25
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★

博士と助手が、コント仕立てで嘘科学をちょっぴりの真実を交えて披露するサイエンスコメディ。知っている知識を取り扱ったギャグは安心して読めるが、知らないと今一嘘本当が判断つかない「嘘を嘘と見抜けない人は(略」的な不思議なギャグ作品。現在購入し辛いものの、新装版で削られた各話毎のうんちくが入った旧版(全2巻)のほうが実はオススメ。





■□■日常SF/日常ファンタジー※■□■
※世界観(主人公)を現実世界に設定した上でSFやファンタジーが展開するもの

ルート225『ルート225』
作者:志村 貴子
出版社:講談社 シリウスコミックス
発売日:2008/4/23
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★

元の世界とほとんどかわらない、しかし両親がいないパラレルワールドに迷い込んでしまった姉弟の物語。もちろん元の世界に戻ろうとする話だけれど、女性作家らしい繊細なタッチで異なる世界で与えられたきっかけによる気づきや成長など、かなり心理面に重きが置かれたせつない語り口になっている。ラストは個人的に全肯定、しかし結構好き嫌いが分かれる模様。



はるかリフレイン『はるかリフレイン』
作者:伊藤 伸平
出版社:白泉社 Jets comics
発売日:1998/08
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★

ようやく訪れた、主人公はるかとその幼馴染との両思いを引き裂く彼の事故死。そんな運命を変えるべく、悲劇の数日間をループしてしまうはるかの奮闘。進研ゼミの高一チャレンジという一風変わった掲載元の作品。そんな掲載元への配慮とか作者の思惑とかが作用しあって、切なさとコミカルのバランスが絶妙なラブコメに仕上がっている。



だいらんど『だいらんど』
作者:がぁさん
出版社:大都社 Hard comics
発売日:1999/09
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★★★
任務をしくじり大ピンチの最中、何故か夢溢れるメルヘン世界に立っていたチンピラのマサの、お伽の国のお姫様を従えた脱出行。人々が笑って暮らす死のない世界ダイランド、その終着点で待つものは何か。マイナー作羅列系のスレが3回立って1回挙がるか挙がらないかのドマイナー。しかしプロットやら世界観やら伏線やらプロローグからエピローグに至るまでのラインまで、その練りこみは完璧。多少の絵柄の好みに目を瞑ってもらってでもオススメしたい作品。


A・LI・CE『A・LI・CE』
作者:木崎 ひろすけ
出版社:角川書店 角川コミックス・エース・エクストラ
発売日:2001/09
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★




GOGOモンスター『GOGOモンスター』
作者:松本 大洋
出版社:小学館
発売日:2000/11
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★




ファンタズム『ファンタズム』
作者:雨隠 ギド
出版社:新書館 WINGS COMICS
発売日:2008/08/25
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




童夢『童夢』
作者:大友 克洋
出版社:双葉社 アクションコミックス
発売日:1983/08
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★

『AKIRA』を描いたご存知大友克洋の単巻サイキックバトル。とある団地を舞台にした、超高密度な破壊描写がこれでもかと楽しめる。後の漫画に大きな影響を与えたであろう作品。薦める人の幅は狭いと思うけれど、「漫画夜話」で紹介されたことやアマゾンレビューでの支持を考えると、オススメ度はもっと高くていいのかもしれない。




サイコスタッフ『サイコスタッフ』
作者:水上 悟志
出版社:芳文社 まんがタイムKRコミックス
発売日:2007/10/27
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★★★




■□■ちょっと?不思議※■□■
※ちょっとじゃないかもしれない

わずかいっちょまえ『わずかいっちょまえ』
作者:星里 もちる
出版社:エンターブレイン Beam comix
発売日:2003/02
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★




チナミの風景『チナミの風景』
作者:野本 明照
出版社:小学館 IKKI COMIX
発売日:2007/03/30
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




ガーデンオブエデン『ガーデンオブエデン』
作者:こいずみ まり
出版社:祥伝社 Feelコミックス
発売日:2004/01/19
お気に入り度:★★
オススメ度:★★★




おもいでエマノン『おもいでエマノン』
作者:鶴田 謙二 原作:梶尾 真治
出版社:徳間書店 
発売日:2008/05/20
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★

感傷旅行でフェリーに乗った青年と、四十億年分の記憶と共に生き続けるという彼女の一夜の語らい。
梶尾氏の原作33ページの短編を、その視覚イメージを完璧に補完する形で完璧に漫画に変換させた、隙の無い美しい1冊のSF漫画。



文車館来訪記『文車館来訪記』
作者:冬目 景
出版社:講談社 KCデラックス
発売日:2004/11/22
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★




草迷宮・草空間『草迷宮・草空間』
作者:内田 善美
出版社:集英社
発売日:1985/03
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★





■□■SF・ファンタジー■□■

エナ『エナ』
作者:磯本 つよし
出版社:双葉社 アクションコミックス
発売日:2009/06/12
お気に入り度:★
オススメ度:★★

とある未来、女性サイボーグのエナが自らの出自を探るべく探偵家業で危険なミッションに挑むアクション活劇。しっかりした世界観や買い込まれた背景にメカ描写。綺麗な絵柄とアクションシーンの迫力が両立し、とにかく安心して読むことができる。主人公の出生の秘密等とからめて物語は綺麗に締めくくられるが、語りつくせていない魅力ある設定が見え隠れしたまま終わってしまうのがちょっと残念。



未来さん『未来さん』
作者:新谷 明弘
出版社:アスキー アスペクトコミックス
発売日:1998/08
お気に入り度:★★
オススメ度:★★
人間の解凍技術が完成したり、ロボットがプロのサッカー選手と渡り合っていたり、耳に回線を接続してネットしたり、そういった遠い未来のお話。レコードがCDになっていないような、アナログがアナログのまま進化したような独特の世界観が面白く、高度に文明が発達しても結局やっていることは変わらない人々の暮らしに懐かしささえ感じられる。子供の頃思い描いたような、素敵な「未来」が1冊につまっている。



スタンダードブルー『スタンダードブルー』
作者:宇河 弘樹
出版社:少年画報社 ヤングキングコミックス
発売日:1999/01
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★★

西暦2024年、世界最大の海上都市「スタンダードブルー」で"海のなんでも屋"に家出してきた少女、志磯の様々な出会いや成長を描いた近未来海洋ロマン。4年前、海難事故で命を落とした志磯の父は、海で何を考え何を見出したのか。海の美しさと人間のドラマが重なり合った良質な1冊。



c『殻都市の夢』
作者:鬼頭 莫宏
出版社:太田出版 F×comics
発売日:2005/11/
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

グラスのように積み上げられた巨大構造郡、「殻都市」であった、歪な、真っ直ぐな、儚い愛の話全7編。おぼろげな実体を持つ未来都市の設定が1話1話のギミックを受け入れやすいものにし、その1話1話が心地よく切ない世界観を構成する。反アグネスチャン成分が多分に含まれているため、声を大きくしてオススメするのが憚られる作品。



ヴァイスの空『ヴァイスの空』
作者:カサハラ テツロー
出版社:ジャイブ CR COMICS
発売日:2009/01/
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★

「空」がなく、人工物で囲まれすべてを管理された世界で、少年ヴァイスが空を目指すSFジュブナイル。あさりよしとおっぽいレトロなメカデザインやいかにもスペースファタジーな舞台がかっこいい。学研漫画に似合わないシリアス設定を背景に、たった1巻でボーイミーツガール、スペースオペラ、そして世界系へと大きく話が展開していく。



マザー・コスモス『マザー・コスモス』
作者:杉山 実
出版社:青林工芸舎
発売日:2005/11
お気に入り度:★
オススメ度:★★

"今が古代と語られる遙か未来わずかに生き残った人間たちが楽園を探し求める異端のSFファンタジー。少年は行方不明の父親を捜すため伝説の都「マザー・コスモス」を目指す(作者HPより)"。大友克洋と士郎正宗と宮崎駿を合わせたメカメカしてファンタジーしたスケールのドでかい世界を増田こうすけが全力で描き切った、みたいなタッチ。すごい世界観が1冊に収まっている。



凹村戦争『凹村戦争』
作者:西島 大介
出版社:早川書房 Jコレクション
発売日:2004/3/24
お気に入り度:★
オススメ度:★★




プロペラ天国『プロペラ天国』
作者:富沢 ひとし
出版社:集英社 ヤングジャンプコミックス
発売日:2001/9
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★




エイリアン9『エイリアン9コンプリート』
作者:富沢 ひとし
出版社:秋田書店 チャンピオンREDコミックス
発売日:2003/05
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★

エイリアンが日常生活に居る世界で、「対策係」に選ばれた少女3名がエイリアン「ボウグ」とともに危険なエイリアンと戦う学校生活。ドリル状の触手を武器にした戦いが、効果線なく描かれる独特の描写が特徴。ほんわかとした絵柄に似合わない物理的なグロさ。そして不可侵領域を土足で踏みにじられるような精神的なグロさが好きな人には多分たまらない。





のろい屋しまい『のろい屋しまい』
作者:ひらりん
出版社:徳間書店 リュウコミックススペシャル
発売日:2008/06/20
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★




天顕祭『天顕祭』
作者:白井 弓子
出版社:サンクチュアリパプリッシング New COMICS
発売日:2008/7/26
お気に入り度:★★
オススメ度:★★★




水鏡綺譚『水鏡綺譚』
作者:近藤 ようこ
出版社:青林工芸舎
発売日:2004/05
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★





■□■ホラー■□■


うずまき『うずまき』
作者:伊藤 潤二
出版社:小学館 ビッグコミックススペシャル
発売日:2010/08/30
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★★

渦町に住む女子高生・五島桐絵に降りかかる禍々しい惨劇や怪奇現象の数々。基本は「うずまき」にまつわる様々な怪異が1話完結で描かれ、終わりにかけては続き物のエピソードが展開していく。バラバラの奇想天外なエピソードが一つに収束し、ラストはこの上なく綺麗にまとまる。怖いというより、強く引き込まれる独創的な世界観が魅力で、オススメしたいのはホラー好きに留まらない。




虹ヶ原ホログラフ『虹ヶ原ホログラフ』
作者:浅野いにお
出版社:太田出版
発売日:2006/07/26
お気に入り度:★★★
オススメ度:★

"「虹ヶ原」という土地を舞台に、小学校の同級生たちの過去と今が交差する――。子どもたちのうわさ、トンネルの中の怪物、家族の秘密、蝶の異常発生…… あらゆる糸が絡み合い織り成す、新世紀黙示録。(帯)"。物語に関わる人物達の昔と今が、断続的な悪夢のように描写されていく。解釈の難しい結末。しかし、全ての人と謎は繋がっている。超高密度伏線漫画。



くだんからの伝言『くだんからの伝言』
作者:柳原 望
出版社:白泉社 花とゆめCOMICS
発売日:2000/11
お気に入り度:★
オススメ度:★★

牛の仮面を被り"くだん"を名乗る怪人がFM局を占拠し、必中の"予言"を放送する…。「高杉さん家のおべんとう」作者の"ハイグレードサスペンス(裏表紙より引用)"。言いたいことはネタばれに繋がる。




アリスにお願い『アリスにお願い』
作者:岩館 真理子
出版社:集英社 ヤングユーコミックス
発売日:1991/06
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

"それは、5年前の事件。川べりの小屋の中で遊んでいた江利子は、土砂崩れで死んだ。扉にカギをかけられて。秘密を握るのは、両親を事故で亡くした美奈子? 女王様的存在のアリス? 圧倒的緊張感で描く名作!"(カバー袖より抜粋)寂れた映画館のスクリーンに映し出されるサスペンスのような、ほの暗く美しく、息の詰まる情景描写。ラスト1ページまで目が離せない。



グレゴリーホラーショーアナザーワールド『グレゴリーホラーショー アナザーワールド』
作者:鈴木 小波
出版社:講談社 モーニングKC
発売日:2008/09/22
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

夢を叶えるために上京してきた主人公、竹ノ塚が転がり込んだアパートは、ねずみが大家を務める化け物達の住処だったというホラーストーリー。各話ごとにゲストの化け物住人と戯れて酷い目にあわされるという1話完結の形式を取ると同時に、主人公の生い立ちに関わる本筋も並列進行。ホラーが苦手な人にも薦められるホラーと同時に1冊に上手くネタを仕込んだ伏線漫画。



ナイトメアアンドフェアリーテイル『ナイトメアアンドフェアリーテイル』
作者:FSc
出版社:飛鳥新社
発売日:2006/08
お気に入り度:★★
オススメ度:★★
物言わぬ人形"アナベル"が見てきた恐怖の、悲劇のお話。童話や寓話の"真の姿"を、人々の人ならざる者によってもたらされた悲劇が、人形によって語られていく。作者はシンガポール出身の女性マンガ家で、異国の風情を漂わせながら日本作品の影響を受け読みやすさが加わった、美しいゴシック調のホラーに仕上がっている。




■□■サスペンス■□■

アンダーカレント『アンダーカレント』
作者:豊田 徹也
出版社:講談社 アフタヌーンKCDX
発売日:2005/11/22
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★




こぐまレンサ 完全版『こぐまレンサ 完全版』
作者:ロクニシ コージ
出版社:講談社 講談社BOX
発売日:2009/01/06
お気に入り度:★★
オススメ度:★




ライチ☆光クラブ『ライチ☆光クラブ』
作者:古屋 兎丸
出版社:太田出版 F×comics
発売日:2006/06
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




プリズナー・イン・プノンペン『プリズナー・イン・プノンペン』
作者:深谷 陽
出版社:新潮社 Bunch comics extra
発売日:2005/02/09
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★




ソーダ村のソーダさん『ソーダ村のソーダさん。』
作者:湖西 晶
出版社:一迅社 ぱれっとCOMICS
発売日:2009/06/22
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

18歳の新米女性記者が炎上事件後ダムに沈んだ神社の過去にタイムスリップし、隠された真相に迫る4コマサスペンス。コントのような賑やかなやりとりの中に真面目な伏線の盛り込まれた挑戦的な作品で、下ネタなども重要だったりするのが侮れない。スターシステムで同じ?キャラが登場している前作『ソーダ屋のソーダさん』を読んでおくとより楽しめる。





■□■日常■□■

るきさん『るきさん』
作者:高野 文子
出版社:筑摩書房
発売日:1993/06
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★




中央モノローグ線『中央モノローグ線』
作者:小坂 俊史
出版社:竹書房 バンブー・コミックス
発売日:2009/10/17
お気に入り度:★★
オススメ度:★★★




花ボーロ『花ボーロ』
作者:岩岡 ヒサエ
出版社:小学館 IKKI COMIX
発売日:2005/11/30
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★




ハモニカ文庫『ハモニカ文庫』
作者:山川直人
出版社:芳文社 まんがタイムコミックス
発売日:2010/01/07
お気に入り度:★★
オススメ度:★★





■□■少年少女・学生■□■

シンプルノットローファー『シンプルノットローファー』
作者:衿沢 世衣子
出版社:太田出版
発売日:2009/05/20
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★





FLIP-FLAP.jpg『FLIP-FLAP』
作者:とよ田 みのる
出版社:講談社 アフタヌーンKC
発売日:2008/6/23
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★




ニナライカ『ニナライカ』
作者:秋重 学
出版社:河出書房新社 九竜コミックス
発売日:2001/05
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




DROP BY DROP『DROP BY DROP』
作者:松本 充代
出版社:アスキー アスペクトコミックス
発売日:1998/05
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★




アバンギャルド夢子『アバンギャルド夢子』
作者:押見 修造
出版社:講談社 ヤングマガジンコミックス
発売日:2003/11/06
お気に入り度:★★
オススメ度:★




ネムルバカ『ネムルバカ』
作者:石黒 正数
出版社:徳間書店 リュウコミックス
発売日:2008/03/19
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★★





■□■ひと夏の少年少女■□■

みずいろパーフェクト『みずいろパーフェクト』
作者:大石 まさる
出版社:少年画報社 ヤングキングコミックスデラックス
発売日:2008/10/29
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★




なつのロケット『なつのロケット』
作者:あさり よしとお
出版社:白泉社 Jets comics
発売日:2001/07
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★

学校を辞めていく先生の力になるため、少年達が思いついた世間をアッと言わせる何か、それはロケットの打ち上げ。作者得意のロケットネタをウンチク少なめに夏の情景たっぷりに描写。好きなやつ嫌いなやつの垣根を超えて、1つの目標に取り組む少年達のがんばりに心を打たれる。ラストを綺麗に締めくくった鮮やかな1冊。



森山中教習所『森山中教習所』
作者:真造 圭伍
出版社:ビッグコミックス
発売日:2010/8/30
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★

ふとしたことから未公認教習所に通うことになった無関心、無感動な青年、佐藤清高くんと元クラスメイトでヤクザの轟木、そして少し危ない連中とふれあい。作中のユーモラスな雰囲気に小田扉と通じる何かがあるが、リリカルな青春物的側面の方が強く、夏の叙情あふれる良い映画のような読後感に浸れる。





■□■異国■□■

Forget-me-not.jpg『Forget-me-not』
作者:鶴田 謙二
出版社:講談社
発売日:2003/09/22
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★




螺子とランタン『螺子とランタン』
作者:桂 明日香
出版社:角川書店 角川コミックス・エース
発売日:2004/11/26
お気に入り度:★★
オススメ度:★★★

十九世紀、英国。幼い女公爵・ココの元にやってきた、スラム育ちの青年家庭教師・二コルが、心を絆されていく物語。"「ロリコン男が幼女に癒される」というのが書きたいだけの漫画(あとがき)"、と言ってしまえばそれまで、しかし英国調の暖かい物語として、綺麗にまとまっている。本作ではあまりダークな方向に話は展開しないものの、"鬱モードボタン"を押したがっている感じが見られる気もする。



ブラッドハーレーの馬車『ブラッドハーレーの馬車』
作者:沙村 広明
出版社:太田出版 F×comics
発売日:2007/12/18
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★

近代西洋のどこか。憧れの歌劇団を目指し、ブラッドハーレー家に養女として貰われて行く孤児院の少女達の地獄。1話につき1主人公。共通のテーマを元に語られるエピソード1話1話の見せ方が実に多彩で上手。しかしその内容のエグさは、人によって作者レベルで嫌悪感を催す代物。購入を検討するにあたり、アマゾンの★1,2個程の低評価レビューは必読。



ラ・プティット・ファデット『ラ・プティット・ファデット』
作者:しかくの
出版社:東京創元社
発売日:2009/07/29
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

とある汽車で静かに探偵小説を読みふける乗客に、男が「恋愛小説」を語りだす…。「爺さんと僕の事件帖」作者のミステリー。「愛の妖精」という海外の青春小説を原作に、ミステリ要素を加え、恋愛とミステリをバランスよく配合して1冊で綺麗に終わるよくまとまった作品。尺の都合でどちらの要素も若干薄めなのが欠点と言えば欠点。



LA QUINTA CAMERA『LA QUINTA CAMERA』
作者:オノ ナツメ
出版社:小学館 IKKI COMIX
発売日:2006/07/28
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




not simple『not simple』
作者:オノ ナツメ
出版社:小学館 IKKI COMIX
発売日:2006/10/30
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★




リストランテ・パラディーゾ『リストランテ・パラディーゾ』
作者:オノ ナツメ
出版社:太田出版 F×comics
発売日:2006/05/18
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★





■□■恋愛■□■

ストロボライト『ストロボライト』
作者:青山 景
出版社:大田出版
発売日:2009/08/04
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

夜行列車に乗った小説家が振り返る、在りし日の出会いと別れ。過去と現在、空想と現実が入り混じった独特の構成に引き込まれる。展開がちょっと性急。



yesterday,yes a day『yesterday,yes a day』
作者:岩本 ナオ
出版社:小学館 フラワーコミックス
発売日:2006/12/21
お気に入り度:★
オススメ度:★★





ももんち
『ももんち』
作者:冬目 景
出版社:小学館 ビッグコミックススペシャル
発売日:2009/04/30
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★





マルスのキス
『マルスのキス』
作者:岸 虎次郎
出版社:ポプラ社 PIANISSIMO COMICS
発売日:2007/12/04
お気に入り度:★
オススメ度:★★




回遊の森『回遊の森』
作者:灰原 薬
出版社:太田出版 F×comics
発売日:2010/01/14
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★




ほしのこえ『ほしのこえ』
作者:佐原 ミズ
出版社:講談社 アフタヌーンKC
発売日:2005/02/22
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★





■□■家族■□■

長い道『長い道』
作者:こうの 史代
出版社:双葉社 アクションコミックス
発売日:2005/7/28
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★★★




響子と父さん『響子と父さん』
作者:石黒 正数
出版社:徳間書店 リュウコミックス
発売日:2010/03/13
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★★

ちょっと良いことを言いたげなお父さんと、お父さん思いの娘さんが面白おかしく掛け合う日常。お父さんがかわいい。ネムルバカを事前に読んでおくことをすすめる。



フランケンシュタイナー『フランケンシュタイナー』
作者:稲光 伸二
出版社:小学館 IKKI COMIX
発売日:2001/11
お気に入り度:★
オススメ度:★★

大物政治家の家出娘が選挙対策で軟禁されるも、父に一泡ふかそうと奮闘するお話。周りの人間を巻き込んだ、壮大な親子喧嘩が、ジョジョ風なタッチで描かれる。素行不要ながら恐ろしい知恵と行動力を持つ超ドS娘と豪胆で怪人物な父がいい味を出している。1冊で綺麗にまとまっているが、選挙妨害だけで話しが終わってしまうのがもたいない。



夕日ロマンス『夕日ロマンス』
作者:カトウ ハルアキ
出版社:ソフトバンククリエイティブ Flex Comix
発売日:2007/07/12
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

猛烈に弟好きな変体姉と、別にそういう姉が嫌いでもない落ち着いた弟のドタバタコメディー。「ヒャッコ」前の作品。読んでいて、何はなくとも楽しめるキャラの軽妙な掛け合いはこの頃すでに確立。そしてキャラの食い散らかし具合も間違いなくカトウハルアキ流。1巻で終わるのがもったいないくらいキャラが生きている。



兄帰る『兄帰る』
作者:近藤 ようこ
出版社:小学館 ビッグコミックススペシャル
発売日:2006/10/30
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




モン・スール『モン・スール』
作者:きづき あきら
出版社:ワニブックス ガムコミックスプラス
発売日:2006/07
お気に入り度:★★
オススメ度:★

「妹(小学生)、親友(大学生)おまえらまさか、うおーーー」というお話。重いテーマを真面目に描いている漫画だけれども、アグネスチャンとバックベアード様にサイドアタックをかまされるような題材なので、人を選ぶ。



ぼくはおとうと『ぼくはおとうと』
作者:小原 愼司
出版社:講談社 アフタヌーンKC
発売日:1994/09
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★





■□■ドラマ■□■

トゥー・エスプレッソ『トゥー・エスプレッソ』
作者:高浜 寛
出版社:太田出版
発売日:2010/04/21
お気に入り度:★★★★★
オススメ度:★★★★
モチベーションを失ったフランスの漫画家が、ゆきずりの関係を持った日本人女性の残したメモを手がかりに愛知県の片田舎の町へと降り立つ――。廃駅の町で小さな喫茶店や菜園を営む日本人家族と、フランス人漫画家の、ちょっと奇妙で心温まる交歓を描いた、愛と再生の物語。人間味の濃いすばらしいオッサン漫画。伏線を紛らせながら実に自然に流れる美しいストーリー。質の高い映画のような1冊。



環状白馬線車掌の英さん『環状白馬線車掌の英さん』
作者:都戸 利津
出版社:白泉社 花とゆめCOMICSスペシャル
発売日:2009/01/19
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

架空の都市環状線「白馬線」を舞台にした、青年車掌・英さんの日常、そして列車に乗り合わせた人々とのひと時。全3編。カバーからイメージできそうなファンタジーな世界はなし。ちょっとした誠意ややさしさが連鎖して、本人の与り知らぬところで誰かが幸せになる、そんな素敵な話。もっとこの世界のエピソードが読みたいと思わせる出来。でもそこらへんできっちり締めるのも良いのかもしれない。



夕凪の街 桜の国『夕凪の街 桜の国』
作者:こうの 史代
出版社:双葉社
発売日:2004/10
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★★

原爆の落とされた広島、『夕凪の街』はその10年後、「桜の国」はその60年後のお話。『夕凪の街』が発表されたとき、読みきりとは思えぬとてつもない反響がネットであったことを覚えている。この題材で教訓めいたものや説教臭さを感じさせず、ただただ心に響く漫画。そういうところを切り離して読んでも、ものすごい緻密に計算の入った恐ろしい完成度のストーリー漫画だったりする。山ほど転がるレビューを是非参考に。



ハッピーエンド『ハッピーエンド』
作者:ジョージ 朝倉
出版社:講談社 KCDX―MEPHISTO COMICS
発売日:2002/04/10
お気に入り度:★★
オススメ度:★★




しゃべれどもしゃべれども『しゃべれどもしゃべれども』
作者:勝田 文,佐藤 多佳子
出版社:白泉社 ジェッツコミックス
発売日:2007/04/27
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★






リンガフランカ (アフタヌーンKC)『リンガフランカ』
作者:滝沢 麻耶
出版社:講談社 アフタヌーンKC
発売日:2005/02/23
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★

落語家を諦めて売れないお笑い芸人を続ける男が、ファミレスで出会った相方と、唐突にお笑いのグランプリに挑むことに…。お話のモデルはM1グランプリ。題材は「お笑い」で、テーマは"居場所"とか"魂の救済"とかそんなところ。登場人物の漫才みたいな掛け合いの中で、結構シリアスなところに突っ込んでいくストーリー展開。「お笑い」を題材にした漫画で成功を収めたと思える作品の一つ。




■□■音楽■□■

『オトノハコ』
作者:岩岡ヒサエ
出版社:講談社 KCデラックス
発売日:2008/03/31
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★

弱小合唱部がコンクール出場を目指してがんばる青春ストーリー。『花ボーロ』のスピンオフ作品。隠れた才能、そして覚醒!のような派手な展開はなく、等身大の少女達が地道な努力を重ねて目標に向かいながら合唱を好きになっていく様が、淡い恋の物語を交えながらやさしく描かれている。



『あのこにもらった音楽 愛蔵版』
作者:勝田文
出版社:白泉社
発売日:2009/03/05
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★★★





北京的夏『北京的夏』
作者:松本剛
出版社:講談社
発売日:2007/12/04
お気に入り度:★★
オススメ度:★★





ダニー・ボーイ『ダニー・ボーイ』
作者:島田 虎之介
出版社:青林工藝舎
発売日:2009/08/
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★

時代の影に隠れた歌い手「イトウ・サチオ」に関する、彼を知る人たちが思いだすごくごく私的な「記憶」の話。さまざまな人の「イトウ・サチオ」と「歌」に関するとりとめのないエピソードの数々。読み直さないとわかり辛かったり、各話のテーマとなる実在の曲を調べるとより楽しめたりと、深く楽しむのに積極性を必要とされるので手放しでオススメできないが、そのハードルはネットの存在で大分低くなっている。






■□■食■□■

スパイスビーム『スパイスビーム』
作者:深谷 陽
出版社:日本文芸社
発売日:2008/02/18
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★

謎の強面オーナーシェフと露出の多いウエイトレス二人が営むタイ料理店で調理助手をすることになった青年と、多国籍なお客達との食を通じた交流。1話完結モノ。おいしい料理を食べたときの"思わず綻ぶ表情"の描き方が上手く、何やかんやが料理で解決するある種のファンタジーにも説得力がある。同じオーナーシェフが登場する前作?「スパイシーカフェガール」も合わせてオススメ。



孤独のグルメ『孤独のグルメ』
作者:谷口 ジロー
出版社:扶桑社
発売日:2008/04/22
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★

中年サラリーマンが8ページというスペースの中で、行く先々の普通の飲食店に立ち寄り、ストイックに食い物を平らげていく、そんなお話。何でもないお店に一人入り至福の時を過ごす男。男の生き様に、その名言の多さに多くの人間がほれ込み、作品への愛ゆえネットには数々のパロディが転がっている。



りんちゃんクッキーのひみつ『りんちゃんクッキーのひみつ』
作者:大石 まさる
出版社:少年画報社
発売日:2007/12/04
お気に入り度:★★★★
オススメ度:★★★★

母を早くに亡くして、父と二人で田んぼの広がる町に引っ越してきた料理大好き少女鈴と、お隣の郁子さんとの交流を描いた心温まる家族モノ。オール2色。ほんわかドラマがメインであるものの、毎回1ページ以上使われるお料理番組みたいな料理シーンが、作中の食べ物とお話に暖かさを加える。続編の「りんりんDIY」は、その名の通りのDIY漫画、そして家族モノから友情モノへ移行。





■□■猫■□■

よん&むー『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』
作者:伊藤 潤二
出版社:講談社 ワイドKC
発売日:2009/03/13
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★

ホラー漫画家・伊藤潤二氏の実録猫飼育日記漫画。猫との日常を面白可笑しく描いた普通のエッセイ的な内容なれど、絵柄・演出がいつもの伊藤潤二。猫との戯れに、奥さんの挙動に笑わされながらも、作者の猫への愛が確かに感じられるところがさすが。



ねこみち『ねこみち』
作者:岩岡 ヒサエ
出版社:少年画報社 ねこぱんちコミックス
発売日:2009/12/03
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★★




私という猫『私という猫』
作者:イシデ 電
出版社:幻冬舎
発売日:2008/07
お気に入り度:★★
オススメ度:★★





■□■自伝・エッセイ■□■


僕の小規模な失敗『僕の小規模な失敗』
作者:僕の小規模な失敗
出版社:青林工芸舎
発売日:2005/09/
お気に入り度:★★★
オススメ度:★★

『僕の小規模な生活』、『生活』、『うちの妻ってどうでしょう?』の作者が漫画家になるまでを描いた自伝漫画。言うほどダメ人間じゃない、鬱屈した作者の負の原動力が生んだ成功?への軌跡。



監督不行届『監督不行届』
作者:安野 モヨコ
出版社:祥伝社
発売日:2005/02/08
お気に入り度:★
オススメ度:★★

作者・安野モヨコが映画監督・庵野秀明とのオタク的結婚生活を綴ったエッセイ漫画。オタクネタにフォーカスを当て、作者が監督に毒されていく様子を面白おかしく告白。描写のディフォルメ色が強く、事実に漫画的な肉付けが施されているとは思うが、(主に)『エヴァの人』のオタク的側面を観察できるということで監督に興味があれば他のモヨコ作品に触れていなくともおそらく楽しめる。



ピコピコ少年『ピコピコ少年』
作者:押切 蓮介
出版社:太田出版
発売日:2009/09/17
お気に入り度:★★
オススメ度:★★

ゲームソフト購入のために開店前のお店に並んだり、ゲーセンで他校の生徒に絡まれるといった押切蓮介氏のコンピュータゲームに纏わる思い出を綴った自伝的青春グラフィティ。キャラの掛け合いの面白さは健在。ゲーム内容の紹介的な側面はなく、1980年代の、ゲームに絡めたノスタルジーと言った感じ。ゲーム(ファミコンやPCエンジンあたり)に慣れ親しんだ経験のある方にオススメ。





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2010年08月23日 | 特集 | コメント 24件 | トラックバック 0件 | TOP

2010年 9月コミック新刊チェック

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2010年 9月購入予定。
BOOKS INDEXまんが王倶楽部参照)

(注)リンク先はamazonの作品検索結果です。


3  エンマ 7  ののやま さき
3  月華美刃 1  遠藤 達哉
3  ワールドエンブリオ 7  森山 大輔
4  O/A 2  渡会 けいじ
7  モテキ 4.5  久保 ミツロウ
8  みつどもえ 10  桜井 のりお
9  将国のアルタイル 7  カトウ コトノ
9  獣の奏者 3  武本 糸会
13 青空にとおく酒浸り 4  安永 航一郎
15 かわいい悪魔  志村 貴子
15 flat 4  青桐 ナツ
17 バニラスパイダー 2  阿部 洋一
17 惡の華 2  押見 修造
17 新 仮面ライダーSPIRITS 3  村枝 賢一
17 CLOTH ROAD 9  okama
17 神様はじめました 7  鈴木 ジュリエッタ
17 まんがサイエンス 12  あさり よしとお
18 ×××のゴアちゃん  G=ヒコロウ
21 犬マユゲでいこう 新刊(仮)  石塚2祐子
22 カブのイサキ 3  芦奈野 ひとし
22 よんでますよ、アザゼルさん。 5  久保 保久
22 百舌谷さん逆上する 5  篠房 六郎
22 シマシマ 11  山崎 紗也夏
24 潔く柔く 13  いくえみ 綾
24 君に届け 12  椎名 軽穂
24 サユリ 1  押切 蓮介
25 テルマエ・ロマエ 2  ヤマザキ マリ
25 DARKER THAN BLACK‐漆黒の花‐ 3  岩原 裕二
30 おやすみプンプン 7  浅野 いにお
30 ブランコ 6  ウィスット・ ポンニミット
30 さらい屋五葉 8  オノ ナツメ
30 ちょこらん 2  にしがき ひろゆき
中 そして船は行く完全版 4  雑君 保プ

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2010年08月09日 | コミック発売日 | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP