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この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2016 【ベスト100+α】

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:この装丁がすごい!  »2017年05月15日 更新

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良いコミックがお送りする年1企画、『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2016』の発表です。今回で通算7回目となる本企画、いつもの通り「すごい!」とか「大賞」とかガワだけはとにかく大げさに、中身は「すごーい!」「たーのしー!」ぐらいの気持ちで好きな作品を紹介していきます(軽い企画なので、うっかり作家さんに「ランクインしましたよ!」等とリプライを飛ばすと激しい「お、おう」時空が発生する恐れがあります)。

それでは紹介数ベスト100+α、どうぞご覧ください。

●対象:2015年12月1日から2016年11月30日に発売された作品
●画像をクリックするとamazonに飛びます。
●画像下にマークが付いている作品は、
 画像の上にポインタを乗せると別画像に切り替わります。

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【1位】 宇宙のガズゥ / 横内 なおき

宇宙のガズゥカバー全景
宇宙船に乗り込み、警備員として雇われた巨漢『カズゥ』を主人公に、船内で起こるドッタンバッタンの大騒動を描いたスペースオペラ作品。
作者の描くディフォルメの利いたコミカルなキャラ達が、『サイボーグクロちゃん』新装版の表紙では、シンプルな塗りわけが似合うことを見せてくれたが、本作でのアプローチはその真逆。キャラ達の丸みを帯びた可愛らしさはそのままに、大胆な陰影、細やかな塗りわけ、金属部分のメタリック感強調、グラデーション効果の多用などゴージャスな加工要素がてんこもり(装丁と共に、レタッチ、カラーリングにもデザイナーさんのクレジットあり)。「劇場版」と付けたくなるようなスケールを感じさせる表紙に仕上がっているが、本編を読むとそのスケール感が何ら間違っていないことがわかることはお伝えしておきたい。

出版:講談社
装丁:arcoinc 楠目智宏,池田悠 []

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【2位】 107号室通信 / カシワイ

107号室通信中扉をめくる
とりとめのない空想的な世界を詩的に紡いだ、18編のフルカラー作品集。
各エピソードは「植物」、「収集」「記憶」「宇宙」の4分類でカテゴリー分けされており、本編では「絵本のような…」という感想も出てくる幻想空間が展開されるが、表題作には部屋をイメージさせるものをピックアップして、表紙はドアと少女のイラストを用いたもので静かにまとめている。この余白の広いイラスト+文字+赤線のシンプルさが、縦縞の入ったカバーの手触りの良さと合わさってとても気持ち良い。見返しや開始1ページ(書影右上)には緑のページが挿入され、次のページに中表紙が出てくるが(書影右下)、中表紙は薄紙になっていて、改めて出現する扉()を透かしている。他にも裏表紙、目次、奥付など、基本は扉がつき、中の幻想空間へと誘うデザインとなっている。

出版:リイド社
装丁:クラフト・エヴィング商會

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【3位】 あげくの果てのカノン / 米代恭

あげくの果てのカノンカバー全景
高校時代から8年、片思いの先輩が既婚者になってもその姿を追い続けるメンヘラ・ウエイトレスを主人公とした恋愛作品+SF。
雨上がりの空の下、崩壊したビル街を背景に佇む、ウエイトレスの制服に雨具を羽織ったヒロイン。灰色の多い背景に彩を添えるような赤ピンクのタイトルが、変則的な配置でヒロインを取り囲み、さらにタイトルエリアに重なるように英字タイトル、作者名などの白字が配置されている。

あげくの果てのカノンカバー全景
こちらは2巻。カバー下(書影右上)に収録されたシンプルな英字タイトル+表紙背景の構成と比較すると、表紙における文字の賑やかさがわかりやすい。
過去の本企画に対して「紹介している作品の半分以上、文字が読みづらい」的な感想を見たことがって、その時にはそういう視点も大事だよな~と目からウロコが落ちた気もしたが、ウロコというものは再生してしまうもので、読ませるより先に目に飛び込んでくるようなステ振りの尖がったデザインの魅力には、やはり抗えなかった。

出版:小学館
装丁:川谷デザイン []

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【4位】 スペシャル 1巻 / 平方イコルスン

スペシャル裏表紙
田舎に引っ越してきた転校生の視点で、怪力ヘルメット女子を筆頭に、クセの強いクラスメイトの生活を眺める日常作品。
イラストはヘルメット女子を中心に据えた授業中らしき教室の1シーンになっていて、白地をベースに印刷はシルバーと黄色のみ。書影右上は本編の1ページで、作品の絵柄は線がしっかりしていて黒ベタが多く、トーンを用いずカケアミを多用しており、全体的に重たい印象を受けるが、表紙では黒部分がシルバーに置き換わることで軽くなり、そこに黄色をヘルメット、教科書1冊、文字を囲む円と的を絞って加えて、バランス良く明るさを取り入れている。絵柄の重さというか密度感は、作品としては味にあたる部分で、そこを表紙では抑えつつ、しっかり作者の絵柄をアピールしているカバーになっていると感じた。

出版:リイド社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【5位】 寝台鳩舎 / 鳩山郁子

寝台鳩舎裏表紙
戦時下の空に、機密を運ぶ任務を担いながら、無数に散っていった軍鳩(ぐんきゅう)。寝台列車を舞台に、少年と軍鳩達との不思議な出会いを描いた幻想作品。
擬人化と言うべきか、通信管を足に結わえて優雅に空を舞う奇妙な制服姿の軍鳩達。細やかな線の描き込みによって陰影を与えたイラストを青と銀で塗り分けたそれは、銅版画のような趣を備えている。
カバー下は味わいのある古書の佇い(書影右上)。本編の前後には黒いページ+銀の羽が挟まれる(書影右下)。また、本編の一部に空色を差し込むなど、構成的な見所も多い、芸術という言葉が似合う1冊。
出版:太田出版
装丁:note 芥陽子 []

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【6位】 さらば、佳き日 2巻 / 茜田千

さらば、佳き日裏表紙
とある地方都市に“新婚夫婦”として引っ越してきた「兄」と「妹」の生活を描いた、オムニバス・ストーリー作品。
夕暮れ時、雪が残った海沿いの道を歩き振り返る「兄」。今回紹介している作品の中でも特にイラストに目を奪われた1冊。白抜きのタイトルは小さくて目立つことはしないまでも無視はできない大きさで、「さよなら、」よりも強い「さらば、」そして改行して1行ほどの空白を挟んで「佳き日」。切なさが語りかけてくる。

出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:ウチカワデザイン 内川たくや []

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【7位】 ミッドナイトブルー / 須藤佑実

ミッドナイトブルー裏表紙
7編の物語を収録した短編集。
プラットホームに佇む少女のイラストを、タイトルと合わせた青系をメインとした退色的ににも見える色合いでまとめていて、リリカルな空気を感じさせる。タイトル、作者名など文字要素は概ね「そのまま」と「箱入り」で2回使われていて、さらにタイトルの語源解説が箱入りで添えられている。
書影右下は中表紙で、本編の印刷色もタイトルのように青系。書影右上、ボール紙のような質感のカバー下は各エピソードにまつわる小物が箱に収まったおまけイラスト。
裏表紙()の右端には各エピソードの1コマが並んでいて、さらに各話タイトルはコマに紐付ける形で袖に配置されている。何気にこれらのコマには時系列的に物語の後の様子が描かれていて、手に取って購入の参考にする時点でネタバレになるレベルの情報を持たせていないながらも、一通り読み終わった後ではかなりささやかなエピローグとして機能する。

出版:祥伝社
装丁:コードデザインスタジオ [/]

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【8位】 BLACK‐BOX / 高橋ツトム

BLACK‐BOX裏表紙
父親は殺人罪で服役中、兄も殺人で捕まったという“殺人一家”の次男がボクシングのプロテストに挑むボクシング漫画。
レトロを感じさせる麦わら色を下地に、黒+1色(1巻:赤、2巻:青)の3色構成。さらさらとしたカバーの質感がデザインとマッチして、ビンテージ感の出たボクシングポスターの雰囲気が上手く出ている。1巻表紙の元ネタはおそらく、モハメド・アリのポスター

出版:講談社
装丁:LOGGIA 川瀬豊

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【9位】 なんてことないふつうの夜に / 嶽まいこ

なんてことないふつうの夜に

「ふつう」の夜をテーマにした、12の連作短編集。
紺色の背景に白い点を散りばめた夜空のような背景に、枕やぬいぐるみ、本やスマホを持ってそれぞれの夜を迎えるキャラクター達。タイトル、作者名を入れた枠は枕の形。カバーの紙は裏面がまだらな薄茶色。このまだら具合と紙の質感が表面にも出ていて、白部分もちょっぴりムラがあり暗く、さらっとした線とシンプルな色分けのイラストにアナログな風味を加えている。

出版:祥伝社
装丁:Pri graphics 川名潤 []

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【10位】 彼女の季節 -少女アラカルト- / にいち

彼女の季節 -少女アラカルト-カバー全景
恋する少女達、11人のオムニバス。
春の夕暮れ時、風が吹き込んで桜の花びらが舞い込んだ教室で、少女は意を決して手紙を差し出す、というシチュエーションがわかりやすいイラスト。タイトル、作者名は白抜き。その他レーベルやローマ字の装飾が銀色で散りばめられており、ささやかに高級感を出している。これは偶然の産物か、銀色の部分を確かめるべく光にかざすと、レンズで捉えたかのように光状(もしくはグレア)を付けた夕日の白色部分がリアルにまぶしく感じられるよう目が錯覚するのがお気に入り。
フルカラーの単行本であるが、桜の花びらが添えられた開始ページ(書影右上)や目次ページ(書影右下)など、所々に入る白地の多いページの処理が丁寧で、全体がよくまとまっている。

出版:KADOKAWA
装丁:BALCOLONY. [/]

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【11位】 服を着るならこんなふうに 1巻 / 縞野やえ、 MB

服を着るならこんなふうに裏表紙
着るものに無頓着だった主人公が、妹の手ほどきを受けてオシャレの楽しさを学んでいく、ファッションストーリー作品。作中ではユニクロが実名で登場するが、このいかにもユニクロと言えるカラーバリエーションを揃えた商品の陳列棚は、とても表紙映えすることがわかった。タイトル、作者名、巻数等使える文字は一箇所に集められて、商品のタグ風にデザインされており、この本のISBNまで載せてタグらしさを演出しているのがポイント。裏表紙()は表紙のキャラなしバージョンになっていて、こちらでもバーコードエリアはタグ風。背表紙はボタンのマークをあしらったモノトーン構成で、いつもは金色の角川マークもここでは黒色。表紙の主人公のアイテムを紹介する中扉(書影右上)、チェックのパターン背景に文字エリアをラベルのように配置した目次ページ(書影右下)など、全体が品物のようにまとまっていて、清潔感が気持ちよい装丁になっている。

出版:KADOKAWA / 角川書店
装丁:D式Graphics 沼利光 []

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【12位】 ファイアパンチ 1・2巻 / 藤本タツキ

ファイアパンチ

雪と飢餓と狂気に覆われた世界で、再生能力を持つ少年がその身を焼かれ続けながら、炎を与えた男に復讐すべく旅をするファンタジー?作品(1巻時点)。
少年ジャンプ+というWEBアプリで配信され1話から話題になった作品として、そういう作品はカバーデザインも仕掛けてくるというか、面白いことが多いの期待していた。そして結果がこちら、一般的なジャンプコミックスのサイズを選びつつ、特大バストアップイラストに、顔への被りを気にしない特大タイトル、巻数が眉間に被る作者名+巻数の中心線縦配置のインパクト勝負。背表紙のタイトルと比べてみると、表紙の上では端の部分を切りつつもみっちりと治まるように大きく配置してパンチを利かせていることがわかる。
その後ちょっと驚いたのが2巻で、燃えたぎる炎を全面に出した1巻から一転して、こちらは冷たさを感じさせるような青ベースの表紙に。なるほど、タイトルに「ファイア」と明確に熱さの属性を持った言葉を入れつつも、文字の造型自体には炎らしい加工を加えていないし、背表紙のタイトルも白抜きにしているので、表紙で色を変えるのもアリなんだなと感心した。4巻からはまた少しパターンが変わるが、絵柄とタイトルのベースが好みなので今後面白いものが出てきそうな気がしている。

出版:集英社
装丁:稲妻温泉 岡下陽平

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【13位】 ぼくと姉とオバケたち 完全版 / 押切蓮介

ぼくと姉とオバケたち 完全版裏表紙
曰く付きの物件に引っ越したオバケが怖くない姉・麗子と怖がりの弟・とぼけたお化けたちで送る、にぎやかな共同生活。押切先生の好調あってか各社で数年前の作品の完全版が出されまくる流れの中、2巻分が1冊にまとまって刊行された4コマ漫画の完全版。
縁側でオバケたちに取り囲まれながら水遊びをする姉弟のイラスト。キャラがわんさかいて、塗りにムラのあるいつもの感じで着色すると濃ゆい雰囲気になりそうなものだが、今回は薄い色味のものをエリアごとに均一に塗り分けられていて、これが散りばめられた文字と交じり合って主張しすぎず、賑やかと同時に軽さを持ったバランスでまとまっている。
出版:竹書房

装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【14位】 ゴーガイ!岩手チャグチャグ新聞社 明日へ/ベストセレクション / 飛鳥あると

ゴーガイ!岩手チャグチャグ新聞社裏表紙
地方新聞社を舞台にした地域振興漫画、その新作として震災から5年、被災地の今を描いたものが『明日へ!』、既刊3巻から人気エピソード5編を選んで刊行されたものが『ベストセレクション』。
主人公の取材風景をイラストにしており、人物に焦点を当てた様に見える背景のぼかし、白枠など、イラストが写真のようにまとまっている。そこに大きなタイトルが加わって、そこにストレートな力強さを感じた。
裏表紙()は、重ねられた作中のコマの隙間に収録エピソードの解説を入れる構成になって、バーコードはなし。講談社の単行本は、バーコードが消えてなんとなく寂しいと感じることがあったが、要は慣れの問題で、きっちり設計されている場合はバーコードがない方がまとまる、とこちらの裏表紙を見て思った。
出版:講談社

装丁:arcoinc 楠目智宏 []

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【15位】 憂鬱くんとサキュバスさん 1巻 / さかめがね

憂鬱くんとサキュバスさん裏表紙
「鬱」状態の青年と、彼をターゲットに定めたサキュバスの居候生活を描いた、エッチで純粋な1ページ完結型の日常作品。
WEB媒体『となりのヤングジャンプ』で連載しており、紹介ページに行くと
・カバーは柔らかな手触りにこだわった特殊用紙使用。
・本文用紙は白味度を抑え、目に優しい読み味に。
・「ジョジョリオン」などを手がける気鋭デザイナー・成見紀子氏による、女性も手にとりやすい優しいデザイン。

と単行本の装丁をアピールしている。書影右、「無い袖は振れない」のエピソードをピンク色に染めて背景にしているが、並べてみると、下端の2コマの上のスペースを広げてキャラの腰掛けるスペースを作るという細やかな調節が確認できる。さらに、本編を丸々使用しながら、ピンクと水色の組み合わせが、黒のベタ部分が重く、個性的な作者イラストのクセの強さを和らげつつ、本編の優しい読み味を伝えられているように思える。「女性も手にとりやすい優しいデザイン」、なるほど。

出版:集英社
装丁:成見紀子

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【16位】 魔女の箱庭と魔女の蟲籠 -鈴木小波短編集 / 鈴木 小波

魔女の箱庭と魔女の蟲籠 -鈴木小波短編集+裏表紙
魔女の作った奇妙な姉弟を描いた連作短編メインの作品集。
水の中を落ちていくような逆さまの姉弟。底には朽ち果てた骸の山。ドクロ単体で見てみると結構リアルに描かれていて、背景は塗りの質感的に怖い、薄気味悪い成分を多分に含んでいるが、人物の周りに文字の蛍光イエロー、水の波紋や水泡の白色など明るい色が散りばめられることで、薄気味悪さが中和されて幻想的な空気感のみが強調される。蛍光イエローの色味が絶妙で、手に取ったときに印象が大きく変わった(上の書影より蛍光色部分が明るく際立っている)ので、現物で確認してほしいタイプの1冊。

出版:一迅社
装丁:imagejack 團夢見

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【17位】 ガイコツ書店員 本田さん 1巻 / 本田

ガイコツ書店員 本田さん0

作者であり、コミック担当の書店員を主人公に、外国のお客さん対応エピソード、営業さんとのやりとり、接客研修など漫画売りのあれこれを描いた実録エッセイ系の作品。ガイコツ、紙袋、ガスマスクと、この作品では書店員にエキセントリックな風貌をあたえており、かつ外国人エピソードが多く、表紙に描かれているのはそんな方々。キャラの説明を兼ねるタイトルは枠に入れて矢印で当人を指し、他のキャラにも枠と矢印で愛称を添えている。作者の絵柄には独特の濃さがあって、デザイン的にはこれをポップにまとめている。イラストのメインが書店員姿のガイコツということでまずインパクトがある表紙。ガイコツに書店員という属性が付くと、怖さが消えて弱々しさや哀愁が出てくるところが面白い。
出版:KADOKAWA/メディアファクトリー
装丁:arcoinc []

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【18位】 総天然色 バカ姉弟 1巻 / 安達哲

総天然色 バカ姉弟カバー全景
ご近所のみんなに愛されて暮らす、推定3歳の姉弟のほのぼのした日常を描いた『バカ姉弟』全5巻の完全新作。
メインのイラストの下の部分を上、上の部分を下に配置した、流れるフィルムのコマのように、止め絵の中に時間を感じさせる3段構成。タイトルは既刊のロゴを踏襲しているが、これにカラフルな「総天然色」の文字が加わりつつ作者名、巻数と共に白枠に収まって、アイテムとして洗練された印象を持った。
クラフト紙のような色合いのカバー下(書影右上)や遊び紙、姉弟の顔を散りばめた余裕のある各話タイトルページ(書影右下)など、ちょっとしたところが感じの良いフルカラーの1冊。

出版:講談社
装丁:-

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【19位】 宝石の国 6巻 / 市川春子

宝石の国カバー全景
灰色・白のグラデーション背景に、合金の結晶と雪が散らされ、冬の訪れを感じさせる第6巻。いつも通りに宝石ホログラムが美しい、安定の作者自装作品。

普段、誰が単行本のカバーデザインをしているか気にしていない場合は、この記事を見て、その大半がデザイナーによるものだとお分かりいただけると思うが、次に、漫画家自身がカバーをデザインする事はあるかと疑問が出るもしれない。なので、この作品はちょくちょく紹介しつつ、自著の装丁を手がけるし、小説のイラストも描くし、限定版のグッズデザインもするし、ポケモンデザインの原案をまかされる漫画家もいるという情報は入れておきたい。

出版:講談社
装丁:市川春子

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【20位】 想幻の都 1・2巻 / 梶谷 志乃

想幻の都

22世紀のフランス。死人のパーツを使った人造人間が普及し、体の代替品として、家族として、労働力として活用される街で繰り広げられる愛蔵劇を描いた作品。

街や墓地を生やしたドクロをイラストとして用いた表紙。全2巻で、背景色を黒/白、タイトル色を金/銀と対にしている。ハグルマの組み込まれたタイトル、見栄えを意識して添えられたような振り仮名、ローマ数字の巻数、散りばめられたフランス語など、装飾的な要素が強い文字使い、蛇のウロコの様な凹凸の付いたカバー表面などと合わさることで、ドクロは不気味さよりも幻想的な雰囲気をまとっている。ハルタというかフェローズ。

出版:KADOKAWA
装丁:BALCOLONY. [/]

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【21位】 Levius/est 1巻 / 中田 春彌

Levius/est裏表紙
IKKI(小学館)から、ウルトラジャンプ(集英社)へ移籍したスチームパンク作品。出版社が変わりつつも、そのデザインは引き続きgift unfolding casuallyさんが担当。
「エスト」として巻数を仕切り直すと共に、デザインも小学館版(書影左)の下地1色、線画部分1色の2色構成から一新。今回は白背景、上位レイヤーのメインイラスト(多色)、下位レイヤーのサブイラスト(単色)の3段構成で進めていく模様。緻密なタッチと濃淡の細やかなイラストが背景と溶け合って、白色部分にも質量を感じさせる白背景タイプとなっている。

出版:集英社
装丁:gift unfolding casually []

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【22位】 かなたかける 1~3巻 / 高橋 しん

かなたかける3巻を前
東京からきた転校生・かなたが箱根の町を駆けながら仲間と共に成長していく、青春駅伝作品。
青空+人+白い文字情報。地面を描かずに開放感を与えるタイプの表紙に分類できるが、そこにマラソンの要素が入ると見えない地面がはっきりと意識できて、爽やかかつ、とても力強い。ちなみに背景の雲は各巻で同じものをベースにしながら、幅方向で載せる範囲を変えており、ちょっとした調節と絵柄の置き方で見え方が変わっているのがポイント。

出版:小学館
装丁:VOLARE 関善之 []

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【23位】 アイアムアヒーロー 21巻 / 花沢健吾

アイアムアヒーローカバー全景
前回紹介した18巻はタイトルが読みづらかったが、今回はさらにエスカレートしてしまった。これは読めないと言うべきなのか、日本語のタイトルも英語の表記部分もカバー全体に大きく配置しているため、表紙だけ見るとアイ「アム」アヒーロ「ー」、I a「m a」 HEROとタイトルの一部しか写っていない。そもそもカバー全体で見ても一部の文字にはバーコードエリアが被ってしまっていて、21巻ということさえわかれば、後は読ませる気はないが見ればわかるだろうというデザインになっていると言える。そんな表紙のやりすぎ具合が貴重な本作も次巻で完結。最後はどんな表紙で作品を締めくくるのか、とても楽しみにしている(まだ見ていない体)。

出版:小学館
装丁:井上則人デザイン事務所 [/]

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【24位】 堕天作戦 1巻 / 山本 章一

堕天作戦
長い月日の中に感情を落としてしまった不死者を主人公として、魔人と旧人類との戦いを描いた架空戦記作品。
表紙は黒、灰色、金色のほぼ3色構成(+レーベル表記の白文字)で、不死者の再生過程をイメージさせるドクロ部分が煌びやかに光を反射する。このドクロ部分、一面の金の箔押し部分は鏡のように自分の顔を映すほど滑らかに加工されており、マットな質感の黒・灰色部分との差でとにかく浮き出て見える。スキャナー泣かせの箔押し表紙なので、全部黒く写った画像を見たときにはどうしたものか悩んだが、こうやって見せれば何を推しているのかはわかってもらえると思う。

出版:小学館
装丁:Beeworks 近藤雅己

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【25位】 いい百鬼夜行 / 川西ノブヒロ

いい百鬼夜行裏表紙
なまはげ、ねこまた、河童、座敷童に女子高生幽霊。優しい妖怪たちが棲む小さな町の出来事を描いた、ほんわか妖怪群像漫画。
人と妖怪、みんなで集まって同じ方向を歩くイラスト。人のマフラー姿や妖怪の足跡があって、白い背景は雪のように映る。さらにカバーには小さい星の混じったホログラムが仕込まれ、優しい雰囲気でまとまっている。
カバーイラストは三種のデザインの中からツイッターの投票によって決められており、2番目に票の多かった案は中表紙(書影右上)に使用された。フルカラー作品で、あとがき、奥付までひっくるめて丁寧に作りこまれた良い1冊。

出版:講談社
装丁:welle design []

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【26位】 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 5巻 / 浅野 いにお

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクションカバー全景
2年ぶりの紹介。紹介していない年に、「この作品みたいな装丁が紹介されていると思ったのに」というコメントを見ることもあれば、6つ上の作品に「毎回紹介しなくてもいいのに」と言った方もいて、矛で刺されたからといって盾で殴られないとは限らないんだな~、というのはどうでもいい話で、タイトルロゴが透明なため、角度によってはほとんど顔だけに見えるこちらの作品だが、5巻ではキャラが長髪の上、少ない背景エリアが紫で暗く、一層顔だけ感が強くてインパクトがあった。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香,佐藤千恵 []

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【27位】 ツインドルの箱庭 / 稚野まちこ

ツインドルの箱庭WEB掲載時との比較
双子の魔法使いのジルとジゼル。同じ杖を持ち、ものに命を吹き込む魔法を持った二人の数奇な運命に迫るダークファンタジー作品。全編フルカラー。
お立ち台の上に背中合わせで立つ弟と姉。飾り枠、金の幕を開けて舞台を見せるような構成になっており、イラストが金の箔押しで飾り立てられてとても煌びやか。
こちらの作品はWEB媒体『となりのヤングジャンプ』連載しており、本と体裁を揃えて2ページを一まとめで表示させていて、並んだページの間には装飾線が挟まれる。これをそのまま本にすると装飾線が見えづらくなってしまうので、単行本化の際には装飾線が左右に加わっている(真ん中にも線は残っていているがっほとんど綴じ代化している)。

出版:集英社
装丁:中川ユウヰチ

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【28位】 木陰くんは魔女 / 小森羊仔

木陰くんは魔女
ワガママの女子高生・夢子と団地の管理人兼魔女の木陰くん。ボロい団地を舞台に巻き起こる不思議な出来事と二人の恋を描いたファンタジー系少女漫画。
座り込むッ人物を中心に添えたファンシーな1枚絵の上に各種文字を重ねる構成で、イラストの彩度は抑えながら、絵的な装飾のない黒々しい文字との差により明るく見え、ポップな少女漫画らしさと落ち着きを両立しているように思えた。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []

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【29位】 スモーキン’パレヱド 1巻 / 片岡人生,近藤一馬

スモーキン’パレヱド裏表紙
家族と手足を失った少年が戦闘用義肢の力で、異形になった元生体移植者「スパイダー」に立ち向かっていく、バトルアクション作品。グロ中尉。
向き合う少年と一本角の男。グレーの背景、モアレのような縞の入った白いタイトル。角、兵器のような義肢と、非日常要素を少し出しつつシンプルな要素で飾り立てたスタイリッシュでシリアスな表紙。『交響詩篇エウレカセブン』、『デッドマン・ワンダーランド』に続く、草野さんデザイン。草野さんが関わるこの系の単行本は、目次(書影右下)や幕間などがいちいちカッコよくてコストパフォーマンスが高い。

出版:KADOKAWA/角川書店
装丁:草野剛デザイン事務所 草野剛 [/]

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【30位】 かつて魔法少女と悪は敵対していた。 3巻 / 藤原 ここあ

かつて魔法少女と悪は敵対していた。裏表紙
最終巻。
作者の不在を感じさせない仕上がりの美しさに、少し複雑な気持ちになる。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:コードデザインスタジオ [/]

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スティーブズ 【31位】 スティーブズ 4巻 / うめ(小沢高広・妹尾朝子)、 松永肇一

偶数巻の背景が白、奇数巻の背景が黒なので本巻は黒。そしてスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック二人の革命の物語であるが、表紙を飾るのは単独ビル・ゲイツ。2度目の黒背景ということで、1度目は二人のスティーブに白いスーツを着せて白さを際立たせていたが、2度目は黒背景+黒スーツで黒ずくし。足を組んで椅子に座る様はキャラによっては「厨二」と切り捨てられそうなほどカッコつけているが、「ビル・ゲイツ」なので納得してしまった。

出版:小学館
装丁:VOLARE []

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新装版 ウッディケーン新装版 ウッディケーン 【32位】 新装版 ウッディケーン 上・下巻 / 横内 なおき
樹木の力と木目調の体を手にした新米教師のヒーロー譚。『コミックボンボン』の連載作、上・下巻の新装版。 キャラは白黒で背景1色、文字用で1色で計4色。地面や舞台のイラストは黒ベタで、同じく黒ベタで陰影を強調したキャラと同化している。先に紹介している『宇宙のガズゥ』との塗り方は対極的。双方作品の内包する真面目な部分を上手く見せていると思う。
出版:講談社
装丁:BALCOLONY. [/]

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辺境で 伊図透作品集 【33位】 辺境で 伊図透作品集 / 伊図透

雑誌掲載作、自費出版本で出された既刊『おんさのひびき』のエピソード、未発表作等を集めた作者初の初短篇集。
レールも靴も作品で頻出し、この短編集を象徴するに相応しいイラストになっているが、中身の情報を抜きにしても、精彩に描かれたほぼ無機物のそれが、人物を普通に入れたときと同じか、それ以上に漫画として期待させる情報量を持っているとも思える。英字部分が暗い赤色で、その他はほぼ白黒に見えるが、レール部分を灰色、シルバーで色分けしていたり、枕木(レールの下に敷かれている木)の線を焦げ茶色にしているなど色使いが絶妙。
出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:新井さおり

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ぼくらのじかん。 【34位】 ぼくらのじかん。 1巻 / にしださとこ
少年少女の心が揺れ動く様をオムニバス形式で描いた、comico発のオールカラー作品。
高所の葉っぱを右下に入れて見下ろし視点を強調したイラスト。人物部分を避けて子供が落書きしたように道路に同化させたタイトル1、黒字タイトル2とタイトルを2箇所に使っていて、タイトル1が遊んでいる分タイトル2は真面目に読ませる役割を担っていると言えるが、タイトルを挟むカッコ、○で囲んだ巻数、大きめのローマ字表記など、タイトル2周りの整理された文字の集合が、暖かいイラストの雰囲気を損ねずに浮き出て、イラストを正しく漫画の表紙として完成させている。
出版:KADOKAWA
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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ヤコとポコ 【35位】 ヤコとポコ 3巻 / 水沢 悦子

3巻まで出ると、デザインのパターンが確立されて、どういうお約束になっているか説明できるようになり、この作品の場合は背景は白固定でタイトル位置、キャラ位置固定で「ヤコと」の下にヤコ、ポコの下にポコが来るのがお約束。そして「ポコ」の文字色はポコの色グレーで固定、「ヤコと」の色はヤコの服や持ち物の持つアクセントカラーと合わせられている。3巻の、黄緑+グレーの組み合わせが大変好みだった。色使い、色の構成は誰がどの段階で決めているのだろうか。うさくん?

出版:秋田書店
装丁:Pri graphics []

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つまさきおとしと私 【36位】 つまさきおとしと私 2巻 / ツナミノ ユウ



風変わりな色選びで個性を放っていた表紙で、
1巻から灰色、黒、黄色の色使いはそのままに、
紫が赤に変わったことにより一転して毒気が抜け、
愛が通じたと言って良いのかとてもハッピーな表紙になった。

祝完結。
出版:講談社
装丁:GENI A LOIDE [/]

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でぶせんでぶせん 【37位】 でぶせん 7・8巻 / 安童夕馬, 朝基まさし
『サイコメトラー』に登場した福島満が瓜二つの女性に成りすましてニセ教師として活躍するスピンオフ作品。
元々漫画形式の表紙でメタな自虐ネタを展開していたので、ドラマ化決定の際には、この美味しいネタを見逃すはずもなく、宣伝と自虐ネタを両立させるというこのフォーマットならではの遊びを見せてくれた。
出版:講談社
装丁:スラッシュ 福村理恵

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あの子と遊んじゃいけません 【38位】 あの子と遊んじゃいけません / どろり

WEBメディア「オモコロ」発。Twitterやはてブで拡散された更新情報から新作を読んで気付くと過去作も読み進めちゃってる系、人類には早すぎるディストピアギャグ短編を集めた初作品集。
白背景で、人物の配色は水色、みどり、黄色を使い分けている。表紙で「愛と平和」の象徴的にも使われる一列手つなぎをどこか違和感を持ったキャラ達にやらせつつ、タイトルの思想は差別的。ポップな見た目の中に悪意が入っている素敵な表紙。

出版:小学館
装丁:OFFICE ASK 米川裕也

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町田くんの世界町田くんの世界 【39位】 町田くんの世界 3・4巻 / 安藤 ゆき

タイトルが一度落ち着いた3巻、再び攻めた4巻。「の」の字が下端から上端にまたがったこちらの4巻や、同事務所デザインの小説『階段島』シリーズなど、「確実に読めるタイトルを添える」よりもゆるく、「ふりがな的な要素としてひらがなタイトルを添える」だけでも多少大胆なタイトルデザインは許可されるのかもしれない、とルールを想像してみると面白い。
出版:集英社
装丁:川谷デザイン []

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東京喰種:re 【40位】 東京喰種:re 5巻 / 石田 スイ



過去アップした記事を見て確認したのは、この作品を紹介していたり、紹介したくなるのは主人公が描かれているダークな表紙。「:re」で佐々木琲世という新しい主人公が登場して妙に明るい表紙になってしまったときには物足りなさを感じたが、中身は引き続き人喰いの漫画だったので表紙はすぐにダークな路線に戻り、5巻で表紙に主人公・金木研が戻ってきた。やっぱり金木研は良い。

出版:集英社
装丁:L.S.D. シマダヒデアキ []

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ニュクスの角灯ニュクスの角灯 【41位】 ニュクスの角灯 1・2巻 / 高浜寛
明治初期の長崎、異国の品々が並ぶ道具店で働く少女の物語。ニュクスの角灯(ランタン)。手描き感の出ている飾り枠にイラストを収めた、レトロな広告をイメージさせる表紙。手触りも良くアンティークのような品の良さを持っているので実物を推したいが、電子でもいいから読んで欲しいという気持ちもある。
出版:リイド社
装丁:井上則人デザイン事務所
    坂根舞 [/]


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AIの遺電子 【42位】 AIの遺電子 1巻 / 山田胡瓜

人間の領域にまで到達した機械「ヒューマノイド」達の人生を、彼らの「病」を治療する新医者の視点で描いたSF医療作品。
人とは違った頭内の構造をレントゲンのように透かして見せた女性のイラストに被せる形で、表紙3分の1ほどの透過型の縦帯を配置し、中心に「AI(アイ)」を大きくしたタイトルを載せている。続く2巻からはタイトルエリアが右に寄ってキャラが前を向く構成で定着し、少年漫画としての正当なキャッチーさを増している。それはそれで良いことだし、おそらく手探りの過程となったこの表紙はもちろん良い。

出版:秋田書店
装丁:土方芳枝

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ディザインズ 【43位】 ディザインズ 1巻 / 五十嵐大介

自然界を超越した異形の生物──HA(ヒューマナイズド・アニマル)。カスタマイズされた生物達が繰り広げるハードSF。

種別を超えた動物達が大行進するイラスト、その中心には、女の顔を持つヒョウ、そしてカエルの足を持つ裸体の女。イラストを最大限に見せるべく、文字情報は左上に集められ、英字のタイトルロゴを下に敷いてまとめられている。表紙から裏表紙の袖まで続く動物達のイラストは圧巻。カバーの質感も雰囲気を底上げしている。
出版:講談社
装丁:アーテン 福躍惠 []

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かくしごとかくしごと 【44位】 かくしごと 1・2巻 / 久米田康治

娘に仕事がばれることを恐れる漫画家が、アシスタントや編集者を巻き込んで二重生活を送るコメディ作品。「隠し事」で「描く仕事」。
父娘が腰を下ろして並ぶ風景イラストに白枠、ペン書き風のタイトルと、ピンナップ写真のような表紙。『絶望先生』『せかどろ』から続く、お馴染みのhiveさんデザイン。
出版:講談社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子 []

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亜人 【45位】 亜人 9巻 / 桜井 画門


明るい赤紫の鮮やかな背景色が、その人のような何のがありえない口の開きを鮮明に浮かび上がらせて、それが決して人ではありえないことを認識させる9巻。大きく開いた口の隙間は「亜人」の2文字タイトルが入るくらいには空いており、暗い灰色部分に重ねるよりも読みやすくなると思われるが、そうはせずにタイトルは一歩引いた形でイラストに溶け込んでいる。このシルエットで「亜人」を
認識してくれと言わんばかりに力強い。

出版:講談社
装丁:アルティザン []

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サタニスター 完全版 【46位】 サタニスター 完全版 1巻 / 三家本 礼
両拳に嵌めたナックルで殺人鬼を狩る悪魔寄りのシスター「サタニスター」の活躍を描いたスプラッターアクションバトル漫画。元ぶんか社コミックスで、『血まみれスケバンチェーンソー』映画化を記念してビームコミックスレーベルで復刻した完全版。
イラスト横使い+通常方向の文字使い。表紙の下半分でタイトル、英字タイトル、ローマ字作者名。作者名の4段を目立たせる、作者イラストに切れ目を入れず大きく配置する、この二つをイラストの横使いで実現している。全4巻でそれぞれイラストの方向が異なり、巻数の方向だけイラストの方向と合わせている模様。
出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:HONAGRAPHICS 椿山喜昭

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新装版 ミュージアム 完本新装版 ミュージアム 完本 【47位】 新装版 ミュージアム 完本 上・下巻 / 巴亮介
映画版の公開に先がけて、新エピソード付きで完本として発売された新装版。上巻はカエル男と共に建物や標識他多数のアイテムを敷き詰められ、殺人者の潜む不穏な街を構築。下巻は雨の日のカエル男で、部分的に見える素顔と共にマスクの下に潜む悪意をさらけ出している。黒+金、黒+銀とちょっとリッチな佇まいになって帰ってきた上下巻。
出版:講談社
装丁:RAZZO 稲富健

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私の少年 【48位】 私の少年 1巻 / 高野 ひと深

30歳OLと12歳小学生。この感情は母性? それとも――。『このショタが尊い!2017』大賞作品。
寝そべる少年と傍らで少年を見つめる女性。淡い色合いのイラスト、白背景、特大4文字タイトルに絶妙なまとまりを感じた表紙。2016年、名和田さんはコミティアのトークショーで「名和田さんの表紙がわかる」という意見に「自分らしさ(個性)が出てしまうのもちょっと…」的なお話をしていたが、それはそれ、これはこれ。この表紙から溢れ出ているような名和田さん感が好物な人も少なくないのではないかな、と踏んでいる。
出版:双葉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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HUMANITAS 【49位】 HUMANITAS / 山本亜季


盲目の剣士、チェス選手、イギリス人貴族。今とは違う世界で抗い続けた者たちを描いた戦士列伝。

表紙を飾るのは15世紀中央アメリカを生きた盲目の剣士。剣を片手で持ちつつ手を前に突き出した独特のポージングが目を引く。剣の全体像が見えないイラストのトリミング具合は大胆で、古めかしい異国の情緒を感じさせるタイトルロゴと合わさって、とても力強い。
出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ []

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はじまりの竜とおわりの龍 【50位】 はじまりの竜とおわりの龍 / 海人井 槙

龍と人が交わり紡がれた歴史の一端を4篇のオムニパスから覗き込む、ファンタジー叙事詩。
タイトルの中で使い分けられている作品の核、「竜」と「龍」の文字が暗い赤色で強調され、他は全て白黒で構成された表紙(背表紙や袖には銀色の印刷あり)。タイトルの一部を色付けして埋もれないようにしつつ、大きさは小さくしていて、とにかくその白黒イラストを見せるようにしている。「竜」や「龍」の存在を示唆しつつ、一般的にイメージされるそれが描かれていないのもポイントで、想像力を刺激する、という側面も持っているかもしれない。
出版:小学館
装丁:twintails 川村将

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エリア51 【51位】 エリア51 13巻 / 久正人

黄緑背景の上で、影のような黒色と
キャラのダイナミックなポージングで逆三角形を構成した、
スタイリッシュかつ力強い表紙。
回を重ねるごとに表紙が洗練されてきた
印象持っているこちらの作品は、
15巻で完結してしまう模様。
物語と装丁、どちらのラストにも期待が高まる。

出版:新潮社
装丁:crazy force []

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バトルスタディーズ 【52位】 バトルスタディーズ 8巻 / なきぼくろ

元PL学園野球部員である作者が、同校をモデルにした「DL学園」を舞台にして人生のすべてを懸ける高校球児たちを描く野球漫画。
白髪の主人公を本編の何割り増しというレベルでリアルタッチで描き、毎巻顔芸と言えるほどさまざまな表情を作っている表紙。その中でも、人物のタッチとリアルな水滴描写がかみ合った水浴びの瞬間を収めたような絵が面白いと思ったのが8巻。デザイン的には、通巻でシーム(ボールの縫い目)を装飾に用いているのが良い。

出版:講談社
装丁:田中秀幸

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さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 【53位】 さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ / 永田カビ

「行きました」部分3割、「行くことになった作者のこれまで」7割、実録エッセイ作品。ピンクと薄茶という限定的な2色を斜線、ドットパターン等を駆使して塗り分けた表紙。乳房まで描き込まれたイラストで"性"を全面的に出しつつ、卑わいさをそれほど感じさせないオシャレピンクデザイン。
同作者の新作『一人交換日記』()は小学館から刊行されたが、こちらの作品の事実上の「つづき」でもあるということで、イースト・プレスのお許しの上で川谷さんに続きのような装丁にしてもらったとのこと。
出版:イースト・プレス
装丁:川谷デザイン 川谷康久 []
一人交換日記
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恋と呼ぶには気持ち悪い 【54位】 恋と呼ぶには気持ち悪い 1巻 / もぐす

変態エリート社会人×普通なオタク女子高生。ストーカーまがいの猛アタックに罵倒で応戦する一方通行ラブコメ。

白領域が広く、一見シンプルですっきりして見えるが、手に取って間近で見てみると白領域には特殊加工で浮き出た「気持ち悪い・・・・・・」の文字がびっしり。ヒロインの心の叫びが見た目からも手触りからも伝わってくるずっしり重たい表紙に仕上がっている。

出版:一迅社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]
拡大
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とつくにの少女とつくにの少女 【55位】 とつくにの少女 1・2巻 / ながべ

黒い山羊のような姿を持つ「せんせい」と少女。人の住まわぬ地で静かに暮らす二人の物語。黒ずくめの「せんせい」白い少女、ほぼ無彩色で描かれた森の景色。文字やタイトル周りの装飾、枠にはイラストの静謐な空気を壊さない程度に表紙を目立たせる鈍い金色。異国の物悲しい童話を収めた絵本のような表紙。
出版:マッグガーデン
装丁:アルティザン 倉地悠介 []

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中学聖日記 【56位】 中学聖日記 1巻 / かわかみじゅんこ


中学生男子×担任女教師、11歳差の純情年の差ラブストーリー。

制服をラフに着た中学生主人公のイラスト+白背景+小さな紫色で1行にまとめたタイトル、巻数、作者名。水彩画タッチの淡いイラストには透明感があって、なにもない白色部分にも光が存在するかのような有の明るさを感じられる。シンプルイズベストな表紙。

出版:祥伝社
装丁:note 芥陽子 []

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山と食欲と私山と食欲と私 【57位】 山と食欲と私 2・3巻 / 信濃川 日出雄
自称単独登山女子が山と飯ライフを満喫していく作品。
最新巻の3巻までタイトル、巻数マーク等の文字位置、大自然背景、大股で鍋を挟み両手に食べ物・飲み物を持った主人公のポーズ、大量に広げた食材という構図を統一。自然で食べると飯が美味しくなる感覚に訴えかけ、ストレートに食欲を刺激してきた良い表紙。
出版:新潮社
装丁:NARTI;S 新上ヒロシ []

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レイリレイリ 【58位】 レイリ 1・2巻 / 室井大資,岩明均
岩明均先生が原作、室井大資先生が作画を担当する戦国漫画。刀を持った少女の物々しさを強調した、戦国モノとしては異色感のある白い背景。カタカナで、払いの部分にだけ毛筆感を出し、落ち着きと勢いを備えたタイトルが目を引く。『秋津』が売れないこの世界の片隅で「岩明均」の名前が輝いて、いい加減人気が出るのではないかと期待できる表紙。
出版:秋田書店
装丁:HONAGRAPHICS 椿山喜昭

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ソウルリキッドチェインバーズ 【59位】 ソウルリキッドチェインバーズ 1巻 / 環望

荒廃し、ゾンビとヒャッハーに蹂躙された世界を鉄まみれの少女が切り開く、サイバーゴシックホラーアクション。
金髪+ガスマスク+水着+義足+義手+片腕+チェーンソー+返り血というショッキングな要素満載の少女がゾンビの頭部を足蹴にするイラスト+ピンク背景。タイトルは絵の具をカラフルに重ねたようなエリアに巻数と共に配置されており、ガスマスクになっている「O」の文字に目が行く。鮮やかなピンク色がイラストのパンク具合を際立たせつつ、ピンク色の鮮やかさ、それ自体が大変目立つ。
出版:少年画報社
装丁:1LDK

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わかばのテーブル 【60位】 わかばのテーブル / 芝生かや

傷心のデザイナーと健気な幼稚園児。食を通して育まれる年の差の友情を描いた作品。
木漏れ日に満ちた森の中でテーブルを囲む大人と子供達。文字は白抜きで、イラストの中心をピックアップするように弧を描く筆記体タイトルによって枠が構成されている。食べる男子を見るマンガ『食男』掲載作で、「誰のため」や「誰と」に重きを置いているという意味で『甘々と稲妻』系といった作品であり、「暖かな食卓」をファンシーな味付けでデザインした表紙になっている。

出版:ふゅーじょんぷろだくと
装丁:野本理香

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タヌキとキツネ 【61位】 タヌキとキツネ / アタモト

ちょっぴりぬけてるタヌキと、ちょっぴりいじわるなキツネ。3コマ前後の1ページ漫画で仲良しな二匹のほのぼのとしたやりとりを眺める、twitter発のフルカラーコミック。
元々1コマ1コマに描かれているタヌキとキツネがとても絵になっているカラー作品なので、本編のノリをそのまま表紙に持ち込んでもそれだけで絵になり、かつどんなノリの作品かが一目でわかる、という表紙。3コマの漫画と、「と」を葉っぱで区切ってキャラの色を当てたタイトルのバランスも良い。

出版:フロンティアワークス
装丁:コガモデザイン chiaki-k

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兎が二匹兎が二匹 【62位】 兎が二匹 全2巻 / 山うた

死を望む不死身の女398歳、彼女と暮らす青年。永遠の絶望と希望を描いた作品。1巻は前に、2巻は後ろにと、人物にブランコを漕がせたイラスト。背景は乳白色。花弁を散らしてイラストをドラマティックに、そして動きのあるものにしている。全2巻作品として収まりの良い表紙。
出版:新潮社
装丁:SUNPLANT

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NKJK 【63位】 NKJK 1巻 / 吉沢 緑時

難病に侵された親友の自己免疫力を高めるべくお嬢様学校に通う真面目な女子高生が古今東西の「笑い」に挑む、シリアスなコメディ作品。

検査衣の少女と制服少女。横並びの二人に重なるのは、Natural Killer Joshi Kouseiの頭文字をとった英字4文字タイトル。具体性のある情報は少なめで、すっきりまとまった白背景の表紙でありつつ、明確なギャグアイテムである馬のマスクが目立って内容が気になった。中身については、「それどこ」に寄稿したマンガオススメ記事にて紹介中(宣伝)
出版:双葉社
装丁:アルティザン 倉地悠介 []
2巻
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猫のお寺の知恩さん 【64位】 猫のお寺の知恩さん 1巻 / オジロマコト

高校に進学した主人公が、親戚のお寺で同居することになった3つ年上のお姉さんの無防備さにどぎまぎさせられる、お寺と猫と尻漫画。
縁側の傍で転寝する知恩(ちおん)さんと猫たち。細かく描き込まれた作者イラストを堪能できるタイプの表紙であるが、文字と共に添えられた肉球や点線などの付加的な装飾が本の顔としての表紙らしさを地味に底上げしている。装丁は『富士山さんは思春期』からの黒木さん続投で、今作では奥付のオマケ漫画はないものの、作りこまれた次回予告や作品独自の奥付ページは、奥付をいじりやすい前作アクションKCの良さを引き継いでいると言えるかもしれない。
出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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うちのクラスの女子がヤバいうちのクラスの女子がヤバい 【65位】 うちのクラスの女子がヤバい 1・2巻 / 衿沢世衣子

女子全員が役立たずの超能力を持ったクラスで起こる出来事を描いた、コミカルな青春作品。1巻はウジェーヌ・ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』、2巻はサンドロ・ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』。クラスで作り上げている感が楽しい、テンションの高い名画パロディ。
出版:講談社
装丁:BALCOLONY.
    竹内はるか [/]


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双亡亭壊すべし双亡亭壊すべし 【66位】 双亡亭壊すべし 1・2巻 / 藤田和日郎

VS不幸を生む無敵の幽霊屋敷「双亡亭」。ホラーアクション作品。
枠+背景タイプで、人物以外を黒+白+主要色で塗り分けている。背景の隙間には屋敷の主人が詠んだ詩が差し込まれており、内容は巻ごとに更新されていく模様。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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ガーリッシュ ナンバー 【67位】 ガーリッシュ ナンバー 1巻 / 堂本 裕貴、 渡航
アイドル声優お仕事ストーリー作品。
左手をはみ出させて自撮りのポーズを決めているかのようなヒロインのイラスト。上着のボーダーと、タイトルロゴの挿し色、全体に散りばめられている模様のカラーをピンク、黄色、水色で揃えて各要素に一体感を出している(袖や裏表紙も含む)。
初期からメディアミックス作品として展開しており、アニメ版のロゴ、小説版の装丁などもBALCOLONY.が担当。関連作品のデザインが同じ方を向いているのが明確なのは良いことだと思う。
出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:BALCOLONY. [/]

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クロコーチ 【68位】 クロコーチ 15巻 / リチャード・ウー、 コウノコウジ


12巻から表紙がほぼ黒になって、15巻は黒+黄緑色。
悪い笑みを浮かべて、懐から札束をチラつかせる主人公。
ダーティー&ハードボイルドな雰囲気が出ていて、
諭吉を表紙アイテムとして使用した最近の作品の中で
特に印象に残った。

出版:日本文芸社
装丁:ベイブリッジ・スタジオ []

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ショートケーキケーキ 【69位】 ショートケーキケーキ 1巻 / 森下 suu

モブ顔の親友に手を引かれて下宿生活を始めたヒロインと男子達の出会い、そして恋模様を描いた青春作品。

赤ピンクの背景の上に、少し角度を付けた横向きの姿勢で正面に目線を向けた配置が特徴的なヒロインイラスト。イラストの上には細い英字タイトルが被せられる。黒枠にはタイトルと作者名。この黒枠はリボンの端のような形をしており、凹み部分に巻数を配置している。枠周りのデザインが気に入った1冊。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン 川谷康久 []

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アビス 【70位】 アビス 6巻 / 長田龍伯


5巻までは背景色が黒か赤で、怪物の輪郭を美しく浮き彫りにしていたデザインが多かったが、6巻は異質で、水色の部屋を舞台にして、死体の詰まった冷蔵庫からクギバットを持った怪物が出てくる様を描いている。グロテスクでホラーな表紙であることには間違いないが、クラシックなオシャレ部屋感も負けていなくて、それを行儀よく収まった怪物が邪魔していないので、一風変わったポップでホラーな表紙として新鮮味を感じた。

出版:講談社
装丁:RedRooster 福永真未 []

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能面女子の花子さん 【71位】 能面女子の花子さん 1巻 / 織田涼

家庭の事情で能面をつけて生活する女子高生・花子さんのマイペースな生き方と、彼女に翻弄される人達のあれこれをコミカルに描いた青春コメディ。

白背景で人物が際立ち、タイトルデザインに可愛げがあるほど、その背中が女子高生らしさをかもし出すほどに、めくれそうなスカートさえも空気と化し、その「能面」に目が釘付けになってしまう。表紙の中で重要なポイントがどこにあるのかが非常に分かりやすい一例。

出版:講談社
装丁:川谷デザイン 川谷康久 []

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それでもめる子 【72位】 それでもめる子 / 縁山

昨年紹介した『める子』シリーズ第2巻。
奥行きのある空間でキャラの位置でキャラごとの重み付けを変える表紙の中でも、一番目立つ手前の主人公がにょきっと横から割り込んでいるので、奥の二人はいるべきところにいる感がある、という解釈はあっているかわからないが、トリッキーな構図の中に人物配置のバランスの良さを感じた表紙。タイトルは、前作と差異となる「それども」部分を吹き出しに入れ、変わった作者名には吹き出しに読みをいれ、タイトルと作者名のアクセントに統一感を持たせているのもポイント。
出版:ワニマガジン社
装丁:アルティザン []

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櫻井超エネルギー 【73位】 櫻井超エネルギー / 櫻井エネルギー

昨年の紹介順と逆になるが、出版社的にも発売日的にも立ち位置的にも「よく一緒に購入されている商品」的にもなんとなく『める子』とセットで紹介しておきたい作品。こちらも素直に「2巻」と入れない第2巻で、タイトルの「大」が「超」にパワーアップした。表紙の仕上がりもタイトルに泣けず劣らずエネルギッシュで、露出度の高い獣耳キャラ(満月を見て変身してしまう短編主人公)にタイトルの強調ポイント「超」を持って目立たせており、最高にテンションが高い。去年と被りそうなので今年は控えめに紹介しているけれども、はっちゃけ度の上がったカバー全体も外して確認して欲しい1冊。
出版:ワニマガジン社
装丁:VOLARE []

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片翼シャトル 【74位】 片翼シャトル 1巻 / 栗田 あぐり

天才×初心者。新たな出会いが失っていた情熱を取り戻させる、、バドミントン作品。

真横視点で、ジャンプの有無で位置をずらした二名。白、赤のラインが入った黒のユニフォームのバランスと歩調を合わせるように文字は黒、一部赤。前傾姿勢のキャラと斜めの文字組みとがかっちり嵌った、熱さ優先タイプが多いスポーツ物の中で珍しさを感じたスタイリッシュな表紙。

出版:小学館
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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中間管理録トネガワ 【75位】 中間管理録トネガワ 3巻 / 萩原天晴、 福本伸行

福本伸行の作品『賭博黙示録カイジ』の登場人物の1人・利根川幸雄を主人公としたスピンオフ作品。
元の作品とそっくりな絵柄のコメディ作品として『北斗の拳 イチゴ味』の表紙と比較すると、あちらはサウザーに世界観的にあり得ない格好や行動をさせて笑いを誘っているのに対し、こちらは颯爽と走らせるだけで面白いのはずるいというか非常にコストパフォーマンスが高いと言えるかもしれない。

出版:講談社
装丁:KAKEGAWA FUJIO

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WHITE NOTE PAD 【76位】 WHITE NOTE PAD 1巻 / ヤマシタトモコ

中年男・自動車工(38)「私たち…」 女子高生(17)「入れ替わってる~!?」入れ替わって1年、女と男の人格逆転ドラマ(重い)。

白い背景には、丸めた紙を伸ばして出来るシワがイラストにもかかる形で全体に広がっている。タイトルは銀の箔押し、巻数マークは赤。手に取ったときに白多めの表紙の上で光を反射するタイトルの存在感が強く、またピンポイントに入った赤の鮮やかさが目を引く。

出版:祥伝社
装丁:GENI A LOIDE 小林満 [/]

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星野、目をつぶって。星野、目をつぶって。 【77位】 星野、目をつぶって。 1・2巻 / 永椎晃平
化粧後:1巻、化粧前:2巻という秘密を持つ人気者と、彼女のメイク係となった美術部員、その二人が紡ぐ"ボーイ・ミーツ・ガール"、と並べると内容を伝えやすい1・2巻。週刊少年マガジンに名和田さん、その1。文字の装飾は控えめで、イラストの色使いも薄い茶、赤系多めで落ち着いているが、白背景と適度に散りばめられた煌く粒のような装飾で明るく爽やかにまとまっている。
出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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てのひらの熱を 【78位】 てのひらの熱を 1巻 / 北野詠一

中学空手道部作品。週刊少年マガジンに名和田さん、その2。

背景は白、タイトルは黒。
イラストを真っ赤に染め上げて、
人物からタイトル通りの「熱」を感じさせる3色構成。
タイトルを人物に被せつつ、突き出した拳だけ上にして
奥行きを作っているのがポイント。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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サムデイ・ネバー・カムズ 【79位】 サムデイ・ネバー・カムズ / イトイ 圭

作者が心を病んでしまった日々を独特な目線で描いた、ノンフィクションコミック。
真っ黒な紙に銀の印刷。タイトル、作者名など文字は小さく、広大な宇宙には、脱出ポットに収まった主人公がぽつんと浮かぶ。登場人物はキングジョーにメトロン星人、岩、黒塗りで自身は3頭身と、奇怪な人物描写で鬱々とした日々を綴っており、そういった作品として、寂しさ、孤独、ディスコミュニケーション、闇、もろもろの負を内包した宇宙を表紙に広げている。

出版:宝島社
装丁:セプテンバーカウボーイ 吉岡秀典

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いに怪することなく 獣じつしたひび 【80位】 いに怪することなく 獣じつしたひび 1巻 / 野良しごと

怪獣好きとオトコ好き、相容れないはずがなんとなく近くにいるクラスメイト二人のちょっとした日常を描いた作品。
タイトルは、いに「かい」することなく、「じゅう」じつしたひび、で「かいじゅう」。外から窓越しに教室の中を見る視点で、人物と共に反射した空を収めた構図のイラスト。実在の映画の怪獣をお話に絡める作品であり、少女の空想を見せるように、校舎にはガメラがそこにいるように大きな影を作っている。窓の中だけ細かく描き込み、枠や壁の部分は白で簡略化。要素にメリハリが利いてる。
出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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渡英2年うめだまのイギリス自由帳 【81位】 渡英2年うめだまのイギリス自由帳 / うめだ まりこ
元はゲームのデザイナーをしていた作者がイギリスに留学&就職してカルチャーギャップ、料理、旅行、デザイン等、様々な事を綴ったオールカラーのエッセイ漫画。
舞台の上に主人公(作者)を立たせたイラストになっていて、タイトルは看板、作者名はプレート的に配置。イギリスに関係したアイテムが細かく描き込まれていて賑やか。裏表紙()には、表紙を裏から見た視点のイラストが描かれていて、建物がハリボテだったり、舞台の上の作者は人形で、下から作者が操っている、というネタが仕込まれている。
出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:arcoinc 楠目智宏,永井さやか []
裏表紙
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出会って5秒でバトル 【82位】 出会って5秒でバトル 1巻 / はらわたさいぞう、 みやこかしわ

実験モニターと称し、一人一つの能力を与えられた者たちが殺し合いを強いられる能力バトル漫画。同名web漫画のリメイク。
能力者全員に付けられる手枷を強調すべく、大胆なパースで何かを発動しそうなポーズ少年の手を大きく描き、そこにタイトルの「5秒」を重ねる形で配置している。背景にシルバーで数式が敷き詰められており、こちらは表紙のキャラの特性に合わせて変えていく模様。

出版:小学館
装丁:アーテン 井川直子 []

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はじめましてさようなら 【83位】 はじめましてさようなら 1巻 / 六多いくみ
「亡くなった人と“はじめまして”って 出会ってすぐに“さようなら”。限られた時間の中で最高の“さようなら”をしてあげることがお葬儀の仕事なんだ。」片思いの相手の実家である葬儀屋に押しかけて働きだしたヒロインを通して描かれる、葬儀のドラマ。
灰色の背景に人物のバストアップ。白い枠にはピンクの花弁。人物は灰色の背景によって厳かな雰囲気を与えられている一方で、枠が太いため、枠の柄(花弁)が大きできて、色使い的にも枠が華やかという異質な構成が目を引く表紙。巻数マークを加えることでちょうど12文字、3文字改行で“はじめまして”と“さようなら”が自然に区切られるタイトルの文字配置も気持ちが良い。
出版:講談社
装丁:コードデザインスタジオ [/]

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今日からゾンビ! 【84位】 今日からゾンビ! 1巻 / 石川優吾,荒木宰

ゾンビに噛まれてゾンビ化してしまった女子高生アイドルを主人公に、ゾンビ村での楽しい生活を描いた作品。
長編化しやすいシリアスゾンビ物が話にオチを付けるより早くジャンル化した感のあるゾンビの日常/コメディ系作品の1つということで、怖さはないけれども不気味要素を取り入れた表紙で、水着姿の主人公の眉間には一筋の血。ホラー装飾の定番、「手跡」を水着、タイトルエリアと同じ水色でカジュアルに消費しているのがポイント。

出版:小学館
装丁:SALIDAS []

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僕と君の大切な話 【85位】 僕と君の大切な話 1巻 / ろびこ

天然ストーカー体質の女子と理屈系眼鏡男子の会話劇ラブコメ。

駅のプラットホームに並ぶ二人。地面、柱、椅子、屋根など背景に描かれているものが水平、垂直と整っていて、とてもすっきりした印象を与える。タイトルの文字は大きく全体に広がりながら隙間が多く軽めの印象を与えイラストの邪魔をせず、かつ整った背景の上で見やすく浮き出ている。白背景タイプの『となりの怪物くん』から一転、今回は背景タイプということで、前作とは違った通巻デザインの展開に期待している。
出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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誓約のフロントライン誓約のフロントライン 【86位】 誓約のフロントライン 1・2巻 / 鈴木鈴(GoRA)、 佐藤ミト
人類抹殺ロボットの制御装置を手にしてしまった少年が、人類の存亡をかけた戦いに挑むロボットアクション。上端には黒いブロックを複数配置して白抜きでタイトルや作者名、スタッフ名を記述。下部には、二つ目のタイトルを、1文字以上はみ出る大きさで配置。最近、特大第2タイトル配置をちょくちょく見かける。
出版:講談社
装丁:草野剛デザイン事務所 [/]

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少女不十分 【87位】 少女不十分 2巻 / 西尾維新、 はっとりみつる

大学生時代に小学4年生の少女に拉致監禁された小説家が語る、その奇妙な1週間の監禁生活の行方。西尾維新による同名小説のコミカライズ作品。

過去の本企画を見返してみると、海、プール、水槽等など毎回大体1作品以上で誰かが"水にどぼーん"をしていて、そして今回もやはり選んでしまう。そんな水中系の中でも人物が完全に逆さで沈み込んでいくような暗さと冷たさが特徴的。

出版:講談社
装丁:G×complex

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DEAD TubeDEAD Tube 【88位】 DEAD Tube 5・6巻 / 北河トウタ、 山口ミコト

デスゲーム×YouTube作品。4・5巻は「孤島編」ということで、表紙に登場しているのは、ロックリバー島にお住まいの殺人鬼、クレイジーラスカルさん。ストレートに見せる4巻、パンツ女と対面させる形で、ドアの向こうでタイトルを挟んでちょい見せさせている5巻。どちらも良い絵面。
出版:秋田書店
装丁:芦田デザイン事務所 []

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ゆせそま。 【89位】 ゆせそま。 1巻 / kashmir

日曜朝にTV放送される番組撮影のために魔法の国に騙されて魔法少女になっていた少女が、再び続編の撮影に巻き込まれていく、メタ魔法少女作品。
ジャンルとして定着した感のある「捻じれた魔法少女もの」の表紙の一つとしてこの作品が選んだのは、「魔法のステッキを折る」という選択。タイトルは中央でイラストに重ねられながら、意図を読ませないひらがなタイトル+半透明着色で一歩引いており、イラストで内容を想像させる表紙になっている。ちなみにタイトルの由来は、あとがきより「4人組の別の話用だったんですが、改変してくうちにあまり関係なくなってしまいました」とのこと。
出版:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
装丁:里見英樹

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ローカルワンダーランドローカルワンダーランド 【90位】 ローカルワンダーランド 1・2巻 / 福島 聡
『少年少女』、『6番目の世界』、『鵺の砦』に続く、福島聡の読切シリーズ最新作。
横方向にエリアを6分割し、各々のエピソードを詰め込んでいる。見せている部分は一部ながら、横長なイラストには空間的な広がりを感じられて、たくさんの世界が入っていることが伝わる短編集デザイン。
出版:KADOKAWA / エンターブレイン
装丁:井上則人デザイン事務所 井上則人 [/]

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恋するシロクマ恋するシロクマ 【91位】 恋するシロクマ 1・2巻 / ころも
シロクマ(♂)「きみがオスでも、僕は構わない」アザラシ(♂)「僕は構う」 。恋をしたアザラシの一方通行なアプローチを面白おかしく描いた北極ラブコメディ。
キャラの純白さを際立たせる単色背景+白の水玉+ハートでピンクのアクセント。怯えるアザラシの"ブルブル"が吹き出し型の巻数マークに伝わっているユニークな表紙。
出版:KADOKAWA / メディアファクトリー
装丁:arcoinc []

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おにでか!おにでか! 【92位】 おにでか! 1・2巻 / 矢寺圭太
異星人との接触により、ときめきで巨大化してしまうことになった女子高生が悪と戦う、巨大アクション。1巻が女子高生と渋谷、2巻が秋葉原とメイド。実在の場所をベースにしたディテールの細かい風景にキャラを置いてサイズ感を明らかに。さらに上端のタイトルにキャラの頭を被せて巨大感を強調している。
出版:小学館クリエイティブ
装丁:BALCOLONY.
    荒木恵里加 [/]


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はるかリフレイン 【93位】 はるかリフレイン / 伊藤 伸平

進研ゼミ(ベネッセ)『高一Challenge』連載、1998年に白泉社のJETSCOMICSで発売、そして復刊ドットコムにて19年越しに復刊。同じ時間を繰り返すループ系作品。
描き下ろしイラスト、白背景、切断されたように切れ込みが入って所々がずれたタイトル、所々にぼかしを使って奥行きを強調したアイテム散りばめなど今風のデザインになっているが、固定電話や旧型の携帯などが目立ってどこか時代を感じさせる。当たり前だが、本が黄ばんでいないことに感動した。

出版:復刊ドットコム
装丁:柴海美里

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家族が片付けられない 【94位】 家族が片付けられない / 井上能理子

ゴミ屋敷と化した実家を目の当たりにした作者が行った片付けをきっかけに、片付けという行為自体を見つめなおしていくエッセイ作品。

ファンタジーな間取りを用いて、リアルに描写すると悲惨なことになりかねない「汚部屋」をオシャレ、とまでいかなくともディフォルメを効かせてコミカルに分かりやすく表現した表紙。3行に分かれたタイトルの中、一番目立つ位置にある「片」の文字が傾き、「できない感」がよく現れている。

出版:イースト・プレス
装丁:小沼宏之

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宇宙戦艦ティラミス 【95位】 宇宙戦艦ティラミス 1巻 / 宮川 サトシ、 伊藤 亰

宇宙規模で繰り広げられる抗争の中で、個々の生活スタイルの違いや細かい拘りによって生じる困難を描いたコメディ作品。
コックピットを舞台として、地球やタイトルを背負うように主人公が配置された構図。その無重力空間には串カツや携帯ゲーム機、ボックスティッシュなど生活感を漂わせる小物が散乱する。サムネイルレベルではとてもシリアスな表紙。
ちなみに原作者は『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』作者、あるいは情熱大陸へ執拗な情熱を傾けている漫画家、宮川サトシ先生。
出版:新潮社
装丁:crazy force []

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告白びより 【96位】 告白びより / 中村ひなた

想いが届く前のキラキラな恋模様4編を収めた短編集。

イラストは白シャツに水色のストライプが入った制服リボンを着けた少女のバストアップ。タイトルはピンク色で、大きめながらほっそりしていて重さを感じさせず適度に存在感を主張。作者名は黒で下部に横書きで配置。さらに白でさりげなく手描きの星座が散りばめられている。絵柄の綺麗さを引き立たせる素直なデザインの表紙。

出版:講談社
装丁:大澤貞子

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奈落の羊奈落の羊 【97位】 奈落の羊 1・2巻 / きづきあきら、 サトウナンキ
【生配信】が趣味の自堕落な生活を送る大学生がネカフェ住まいの援交女性と出会い、ゲスな企画を企てたことから始まるドラマを描いた作品。イラスト、散りばめられたタイトル合わせて走査線(横縞)が入りブレのようなイラスト加工、ニコニコ動画風のコメント装飾と合わせて「配信」をデザインした表紙。今までで~♪一番~♪ハレンチハレンチ~♪
出版:双葉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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本日の四ノ宮家 【98位】 本日の四ノ宮家 / 山田 果苗

一つ屋根5人兄弟の下に突然現れた若いお母さんが、みんなに家族として受け入れられるために奮闘するホームドラマ作品。
主人公となる若いお母さんを中心に、玄関の前に家族が集合しているイラスト。イラストの周囲は、黄緑の水玉パターンが敷かれた枠で囲まれている。作者名の文字を囲む四角やタイトルには。黄色とピンクを互い違いに使用。全体的に淡い色使いでまとまてるが、上部の作者名、レーベル、英字タイトル周辺が整っていて、枠がない状態をイメージしてみると、これがイラストを引き立てており、ほどよく目を引く表紙に仕上げていると思えた。
出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:林健一

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上野さんは不器用 【99位】 上野さんは不器用 / tugeneko

ドS発明少女が意中の男子に毎回辱めを受けて撃沈する片思いサイエンスコメディ。「このマン」で推したが特に賛同者が見当たらなかった『彼とカレット』から3年、今回はちょっと来てるんちゃう?という感触と淡い期待と共に1票を投じたものの結果は…ということで別途紹介したくなった。しかし、あらすじ等を交えて真面目に勧める場合、「尿を飲ませようとする」「脱いだタイツの匂いを嗅がせる」等の情報を入れるのを避けられず、手に取ってもらう以前に白い目で見られることになりかねない。なので、「キャラのオレンジの髪色と制服がビビッドな黄色背景の上で映え、ちょっとオシャレで手に取りやすそうな表紙」として推す。
出版:白泉社
装丁:30A 柴田昌房 []

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おしりマカロン 【100位】 おしりマカロン 1巻 / 青空明


お尻4割、シスコン3割、百合2割、つのだじろう1割の4コマ漫画作品。

主人公のお尻への執着具合が分かるコマを数点配置し、その上に実写で赤ちゃんのお尻がばっちり写った下半身を載せている。お尻には、羽と英字タイトルを入れたお尻マークを付けて強調。いやらしさを出さずにインパクだけを出す赤ちゃんの尻実写という采配が光った。

出版:講談社
装丁:アーテン 山上陽一 []

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ここまでがランキング発表。

最後に、カバー下や特殊加工など別なところに注目した作品を別枠で24作品紹介していきます。


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【カバー下賞】 動物たち / panpanya

動物たち

日記付き短編集。表紙イラストは「空き物件を占領する狸の群れ」(袖に説明文あり)。『蟹に誘われて』、『枕魚』から続く『楽園』レーベルの作者自装の作品。3冊目ということでシリーズ化もあり、カバー下の凝った加工ももはやお馴染み。今回のカバー下には、丸いくぼみのついた地面が広がっている(真空コンクリート舗装というらしい)。地面のくぼみ以外のエリアはざらつき、絵的にくぼんで見えるところには実際にほんの少しくぼみがリアルな質感を生んでいる。

動物たち2

裏側。『枕魚』で排水口があったあたりに、今回はマンホールが配置されている。

出版:白泉社
装丁:panpanya []

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【カバー下大賞】 微熱空間 1巻 / 蒼樹うめ

微熱空間

再婚夫婦の連れ子で、突然姉弟になってしまった同い年3日違いの二人によるほのぼのラブコメ作品。
表紙は、キャラ+枠+タイトル枠で構成され、キャラ部分とタイトル部分に光沢があるすっきりした仕上がり。カバー下大賞ということで、ここからカバーを外してしまう前に、今回はまず表紙をめくる必要がある。

微熱空間2-1

表紙をめくるとチェックの模様が入った見返し、そして風呂上りのヒロインが描かれたカラーの中表紙、ここでカバーを外すと…。

微熱空間2-2

カバー下には風呂あがりの姿を見られて恥ずかしがるヒロイン。中表紙の続き絵になっていて、タイトルロゴなど文字も寸分たがわぬ位置に配置している。カバーを外されることを見越して「見るな!」的なイラストを仕込んでおく、おまけの王道であるが、これの何が特徴かというと、中表紙の次に目に入ることを想定しているところ。カバー下におまけイラストを仕込むとき、表紙のイラストと関連付けられる場合が多いが、今回関連付けられているのは中表紙。多分こちらのほうが例は少ないと思われるが、これが思いのほか自然。というのも、おまけ等を期待して単行本のカバーを外すとき、まず表紙をある程度めくらなくてはならないので、次のページ(今回の場合は中表紙)が目に入り、めくったカバーから離れたカバー下の本体表紙が次のページに重なる形で目に入る。なので、今回のような仕掛けをいれておくと、カバーを外したときに突然2ページのパラパラ真漫画がはじまり、これまでにない「見るな!感」を味わう結果となった。巻頭にもカバー下にも当然のようにカラーを使える楽園コミックスなのでやりやすいというのはあるが、目からウロコの構成だった。

微熱空間裏

裏表紙と、そのカバー下。こちらは素直な絵柄変化形。

出版:白泉社
装丁:simazima 平谷美佐子

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【カバー裏賞】 ハイスコアガール 6巻 / 押切蓮介

ハイスコアガール

5巻の発売が2013年12月。そして、紆余曲折を経て復活を果たした本作。既刊5冊分にはタイトルに『CONTINUE』が付けられ、6巻と共に新たなデザインフォーマットで刊行された。
復活にあたり、かなり多くの修正が入っていることもあり、このリニューアルは妥当であるし、何より6巻分の描き下ろしが一気に楽しめる。…なのだけれども、前の表紙がなくなってしまうのは寂しいな、とそんな心の隙間を埋めてくれるのがカバー裏。

ハイスコア6

表紙とは別の描き下ろしイラストと共に、旧版のフォーマットでデザインされた別バージョンのカバーが裏面に印刷されている。新装版のカバー下、本体表紙に旧版の表紙を収録している作品もあるが、今回の場合は単純にカバーを2パターン収録していることになる。踏んだり蹴ったりの押切先生にさらにお手数をおかけしてしまっている気もするが、「旧版も一緒に連れて行く」という気持ちは勝手に受け取った。


出版:スクウェア・エニックス
装丁:メチクロ[SF/MHz] []

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【表面加工賞】 包丁さんのうわさ 2巻
                / ささかまたろう、 神波 裕太


包丁さんのうわさ

「たぶんおそらくきっと」で公開されているフリーホラーゲームのコミカライズ作品。
真っ赤な背景と、包丁を持った少女。少女には血がべったりとついているが、この血の部分にクリアPPが使われている。同じタイプのアイディアで涙部分をPPにしたものは何度か紹介しており、美しいアクセントを生むことを確認しているが、これが血になると、引くような生々しさが生まれる。

包丁さんPP

こちらはPP部分に光を反射させたアップ画像。このタイプの加工で、クリアPP以外の部分はマットPP(ツヤのないフィルム)になっていることが多いが、こちらの場合はクリアPP以外の部分にPP加工が施されていないため、加工された部分がより鮮明に浮き出る。もちろん1巻にも同様の加工が施されているが、2巻ではさらに先に挙げた王道の「涙+クリアPP」を盛り込んでパワーアップさせている。サクっとやってしまったあの時の、指先のするどい痛みを思い出させるような装丁。


出版:KADOKAWA / エンターブレイン
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【合体賞】 無限島 全2巻 / 中川 悠京

無限島
砂漠化した本土から自然豊かな島、"無限島"に引っ越してきた少女の不思議な体験を描いた作品。
少女、海辺、意味深なからくり人形。A5のワイド版2冊で気合いの入った2冊を繋げると強いな、という表紙。中華系の印鑑の書体にありそうな不思議な曲線の美しいロゴは、最後の文字の一部をあえてはみ出すように配置。「限」の文字の右下に伸びた部分には英字タイトルが入っていて、この無国籍感も面白い。

無限島
裏はコードデザインスタジオさん色全開。また、背表紙ではロゴが合体する。
こちらの作品は講談社Webコミックサイト「モアイ」発で出版は一迅社。一迅社はWEB漫画を引っ張ってきて面白い装丁で刊行する、ということを何度もやっていてお世話になっているが、此度の講談社の完全子会社化によってその辺の活動に影響が出るか出ないのか、気になるところではある。

出版:一迅社
装丁:コードデザインスタジオ [/]

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【帯賞】 平成生まれ3 / ハトポポコ

平成生まれ3
帯なし
シリーズ実質の5冊目であり、最終巻。
表紙の完全横使いに合わせた縦型帯。右端の2キャラを消し、タイトルの3の右、本来作者名が来るところから文章を継ぎ足すことで、タイトルを吸収した予告的・あおり的な文章を構成している。やっていることはシンプルながら遊び心が感じられてとても楽しい帯。


出版:芳文社
装丁:里見英樹

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【帯大賞】 まがりひろあきのじゆうちょう / まがりひろあき

まがりひろあきのじゆうちょう帯なし
短編集。背表紙のレーベルマーク、裏表紙のISBNコード、この二つの必須要素を除き、カバーの上から4/5程度のエリアが真っ白。帯は普通のサイズなので、真ん中らへんに何かを隠している様子はない。帯は表側がタイトル、小さなキャライラスト、キャッチコピーで、裏側が作者の別作品紹介。帯ありの状態で、外した時も同じようにシンプルな構成のものを想像させるが、帯を外してみると実際には表から裏にキャラが列をなした真の姿が現れ、「シンプル」が特徴ではなく、「偏り」が特徴になっているデザインということがわかる。
ページの上の方で紹介して帯なしをデフォルトとして構成の面白さを強調するか、このように特別枠で帯ありをデフォルトにして紹介するか非常に迷ったが、どちらにせよ、作品の好き勝手感が出た大胆なアイディアがお気に入りの1冊。

出版:講談社
装丁:VOLARE 関善之 []

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【優良誤認賞】 ポプテピピック 1巻 / 大川 ぶくぶ

ポプテピピック帯なし
以前、竹書房さんの雑誌に装丁記事を寄稿したとき、記事を読んだ担当さんから「是非この作品も見て欲しい」とお送りいただいたのが大川ぶくぶ先生の『ミッソン インパッセボーゥ』で、里見さんの工数をこんなところに使いやがってすばらしい作品を知ることが出来た、という出来事があり、今回竹書房さんと大川先生に感謝の意をこめてここに紹介する。
この作品で注目してほしいのは帯。表紙の下で「とりっびきのクソ4コマ!」「大人気打ち切りコミック!」とアグレッシブなコピーが目立つが、問題は裏表紙。

ポプテピピック帯

「重要!数多くの名誉ある賞!」という見出しで「このマンガがすごい!2016」や「マンガ大賞2016」など各種の賞を羅列しており、見た人にこの作品は多くの賞を受賞したすばらしい作品という印象を植え付けることができる。しかし、実際この作品は帯で挙げた賞と一切の関係はなく、だからこそ帯のどこにも「ランクイン」「受賞」等の情報はなく、実際には何にも言っていない文章によって巧妙に作品を大きく見せていると言える。

これは明らかに優良誤認案件であり、これがスマホゲーだったら50個程度の詫び石は必死、リアルマネー換算で3000円。つまり、この帯には3000円の価値があると結論付けることができる。

ポプテピピック中扉

カラーページには竹書房ビルと、どんより曇り空。

出版:竹書房
装丁:小石川ふに

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【変り種装丁賞】 よっちの本 1巻 / 夕タン

よっちの本カバー下
年齢不詳のちんちくりんな社会人「よっち」と猫のニャーニャーの楽しい毎日を描いた4コマ作品。
青年コミックと比較して、幅は同じだが背の低い特殊なサイズの本体。本体表紙は小麦色で、巻かれているのは本体よりさらに背が低いため帯にも見えるがれっきとしたカバー。本体表紙と表紙には色の違う同じものが印刷されていて、質感が違う部分がはみ出て色を増やし、面白いアクセントを生んでいる。イラストは本編抜粋型で、2コマ目の一部、3コマ目(台詞を削りキャラ部分を拡大)、4コマ目の一部、と断片的に切り抜いて作品の雰囲気を抽出している。

よっち2

裏表紙。カバーにはバーコード、本編4コマ、内容紹介文など。本体には猫と表とは構成が異なる。

出版:トマソン社
装丁:コニコ カヤヒロヤ []

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【パロディ賞】 Romsen Saga 1~5巻 / ゴツボ☆マサル

Romsen Saga

剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジー系コメディ作品。ご覧の通り、と言ったときにページを見てくれている方の層的にどの程度「ご覧の通り」で通用するかは少し気になるが、ご覧の通りの「ロマサガ」パロディ・デザイン。

ロマサガ1

こちらがネタ元のゲームソフトでロマサガシリーズ第1作目、『ロマンシング サ・ガ』。スーパーファミコンソフト。第1巻は、黒枠の構成、タイトルデザインなどをネタ元に近づけているが、パロディ度はまだ控えめ。

Romsen Saga 2

ロマサガ2

2巻、そして元ネタ2作目。元ネタの画像はアプリ版公式サイトのTOPページイラスト。(模様の散りばめ方からして、おそらくスーパーファミコンのソフトパッケージでなく、ソフトパッケージをベースにしたアプリ版公式サイトのTOPページイラストが元ネタ)
横に長い元ネタに合わせて表紙も横使いにして、一気に再現度を上げてきた。

4091893473

4091893473

3巻。元ネタはまだスーパーファミコン。
ゲームを知らなくても、R-1やヨシヒコが好きであれば、「井戸の中からじゃなくて~ 井戸自体が~…俺さ! 」という佐久間一行さんのネタでBGMだけ聴いたことになる方は結構存在すると思われる。

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4巻。元ネタはプレイステーションに移行。

40918934734091893473

そして完結巻。1巻のフォーマットを使った縦型に回帰しつつ、イラストにゲームパッケージあるあるでもある、元ネタの大地に刺さった剣を踏襲している。
表紙のそれっぽさを地味に底上げしていると思えるのがスクエニの「SE」マーク。スクエニの単行本において、「SE」マークは背表紙の下端に配置され、表紙に載せるというルールはないが、本作ではこれをあえてアイテムとして表紙に載せている。細かい話をすると、スクエニがスクウェアだった頃からソフトのパッケージに付いているロゴマークは文字が省略されておらず、「SE」マークがパッケージ使われているわけではないのだが、このゲームには使われていないマークが単行本の表紙のロマサガっぽいデザインに組み込まれることで、大きな「公式っぽさ」が生み出されているのは面白い。いっそのこと、このマークをソフトのパッケージに使用しても、ロゴの面積が小さくなりつつも一目でメーカーがわかって意外に強いのではないかと少し思ったりした。


出版:スクウェア・エニックス
装丁:アラスカ []

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【パロディ賞】 犬マユゲでいこう 犬まゆ~げコミックス / 石塚2祐子

犬マユゲでいこう 犬まゆ~げコミックスカバー全景
4度目の紹介となるゲームあれこれ作品。
前回の写真を使用したキャラ弁風と比べれば、漫画エリアの外に陳列される心配もないぶんやりすぎ度は抑えられた、少女漫画風。カバーは今だいぶ数が少なくなったフォーマット入れ込み風デザイン。全編フルカラーの単行本でありながら、中表紙と目次ページ(書影右)が白黒になっているのがポイント。

純情クレイジーフルーツ

タイトルに「(犬ま)ゆ~げコミックス」と入れているように、今はなき集英社の少女漫画レーベル『ぶ~けコミックス』を元ネタにしている(書影:純情クレイジーフルーツ / 松苗あけみ)。Vジャンプコミックス(←レーベル名)だけれども、犬まゆ~げコミックス(←作品名の一部)。

出版:集英社
装丁:L.S.D. 浅見ダイジュ,末久知佳 []

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【糸守賞】 あかいろ交差点 1巻 / ひのなつ海
       この靴しりませんか? 完全版 / 水谷フーカ


あかいろ交差点この靴しりませんか? 完全版

繋がった赤い糸に引っ掻き回されながら距離を縮める二人を描いた『あかいろ交差点』、女の子と女の子の初恋短編集『この靴しりませんか?完全版』。どちらも名和田さんデザインの作品で、二人を糸でつなげる、というアイディアで共通しており、どちらを紹介するか悩んでいたところで、アニメ映画『君の名は。』の空前絶後の大ヒットを眺めていて思いついた。糸と言うか、紐がキーアイテムとして出てくる『君の名は。』にかこつけて、2作品とも紹介してしまえばいいじゃないか、便乗だ便乗、そんな「糸守賞」。

あかいろ交差点

『あかいろ交差点』、こちらは表紙、裏表紙に描かれた2人を赤い糸が繋いでおり、赤い糸の部分は箔押し。

この靴しりませんか?

『この靴しりませんか?完全版』は、赤に限らない糸が、カバー全体に散らばった5組の百合ペアを繋げる。

どちらも、糸が伸びている先を意識させる、カバーの開きがいのあるデザイン。あまり便乗になっていない気がするので、次回は米をほおばっている表紙の作品を集めて、「口の中で太古のお酒を醸造しているで賞」をお送りしたいと思います。

出版 あかいろ交差点:一迅社/この靴しりませんか? 完全版 :白泉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【限定カバー賞】 こちら葛飾区亀有公園前派出所 200巻 / 秋本治

こちら葛飾区亀有公園前派出所

 2016年9月17日(土)、週刊少年ジャンプ42号で最終巻の同時発売と共に40年の超長期連載に幕を閉じた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称『こち亀』。こちらに紹介しているのは、その最終巻の発売を記念して開催された『こち亀展』配布の限定カバーとなる。
200巻達成と連載完結を祝う紅白幕を背にして並んだ麗子、部長、両津、中川の4名。紅白幕の白エリアには、金色の印刷で連載初期の4人のイラストを配置。絵柄の変化に40年の歴史を感じさせる構成になっている。タイトルデザインは100巻以前に使われていたフォーマットを使用。入手方法が限定されていたことが非常にもったいない、『こち亀』にしかできない最終巻カバーに仕上がっている。

出版:集英社
装丁:-

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【限定版賞】 甘々と稲妻 6巻 / 雨隠 ギド

甘々と稲妻

小学校のお祝いムード漂う7巻。こんなタイミングで限定版の方だけ全員集合系のイラストを使われたら、買わざるを得ないじゃないか、ずるい!と思いつつ結局買ってしまったが、実際に購入の決め手となったのは、付属のお弁当箱、の外箱。

甘々と稲妻7箱

外箱の表と裏。当たり前なのかもしれないが、これも「装丁」と言って良いのか、表は表紙のようにイラストと商品名(タイトル)、裏は裏表紙のように商品説明が配置され、作品同様にしっかりとしたデザインを感じさせる。この辺の丁寧さは、予告賞(予告ページの作りこみが素敵な作品)として紹介した1巻に感じられたものと多分繋がっている。

甘々と稲妻7箱2

お弁当箱は作中で少女が使っているものと同じ、つまり子供用サイズということで、外箱込みでサイズを単行本にぴったりと合わせているのがポイント。発売時には、こちらの限定版が書店の平台漫画エリアに普通に陳列されていた。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【限定版賞】 3月のライオン 12巻 / 羽海野チカ

3月のライオンコラボ小説全景
西尾維新コラボ小説付きの特装版。『3月のライオン』と<物語>シリーズとのコラボレーションということで、小説のデザインは<物語>シリーズ風であり、講談社BOX風。講談社BOXにおいてイラストに入った"KODANSHA BOOK"の部分は"HAKUSENSHA BOOK"に置き換わっている。

猫物語

こちらは<物語>シリーズの1作、『猫物語 (黒)』。帯の代わりにシールが貼られていて、西尾先生のお約束的な一言が載せられており、これもコラボ小説で再現していることがわかる。

月物語

コラボ小説の中表紙。今回の小説はハードカバー仕様なので、元の小説の真っ赤な本体を再現するように、中扉と最終ページを赤色にしている。裏側のあらすじ等を含めて再現度が高いが、それもそのはず、本家のデザインを手がけているVeiaさんがお仕事をしていた。


出版:白泉社
単行本装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]
小説装丁:Veia [/]


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【新装版賞】 パーマン 全7巻 / 藤子・F・不二雄

パーマン1パーマン2パーマン3パーマン4パーマン5パーマン6パーマン7


2016年中に順次刊行された、てんとう虫コミックス版全7巻。色の付いたコマを背景にした、アメコミを感じさせるような、かつコミカルなデザイン。
『パーマン』の単行本には、現在入手可能なもの、絶版のもの合わせて種類が多い。例えば下は文庫版、そして藤子・F・不二雄大全集版。

文庫版パーマン藤子・F・不二雄大全集パーマン

同じ作品でも、レーベルや版型が違えば読ませたいターゲットも変わってくるわけで、文庫版や大全集版は大人が読むことを意識しているのか、落ち着いていて、教科書的、資料的な雰囲気すら感じさせる。そういう見方で行くと、今回はてんとう虫コミックスのリニューアルということで、素直に今現在の少年コミックとして若返ったように思えた。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 田中陽介 []

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【出版社横断賞】 まどいのよそじ,これでおわりです。 / 小坂俊史

まどいのよそじ,これでおわりです。

様々な40歳が抱える悩み、夢、現実をコミカルに描く『まどいのよそじ』、「おわり」をテーマに描き出される『これでおわりです。』。どちらも非4コマのオムニバスショート。
1名を除く人物と背景が2色で描かれる構成と、茶色の縦書きタイトル。同じ作者・同時発売の2作品の装丁を同じデザイナーの手で揃えているというのがこちら。今回めずらしいのが、これが小学館、竹書房と異なる出版社から出された2作品であるという点。
作者のメモリアルシリーズとして異なった出版社で同デザインの物を刊行したり、今だと『クロエの流儀』今井大輔先生が異なる出版社から同じ作品を異なる視点で描く『古都こと』が2出版社合体表紙になったりと、そのようなコラボは存在するが、今回はもっと気楽なコラボと言うべきか、ちょっと面白いことができる選択肢が増えるというのはよい事だと思う。帯レベルでの出版社横断、横断あとがき漫画などもあり、「○○先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!」のイメージがある週刊少年ジャンプですら他紙の大御所が掛け持ち連載する時代になっているので、機会とメリットと遊び心さえあればこういったものはどんどん増えていくか、もしかするとすでに沢山あるのかもしれない。

これで&まよい裏

ついでの裏表紙比較。バーコードの右の書籍情報エリアは、左(竹書房)の方が好み。

出版:小学館/竹書房
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【完結賞】 暗殺教室 全21巻 / 松井 優征

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ニコちゃんマークをイメージさせる、ジャンプ作品の中で異質な存在感を放っていたミニマルなデザインの1巻を紹介したのが本企画の2012年版。このデザインフォーマットでネタはもつのか疑問に思っていたが、2巻でいきなり2色構成を出してまずアレンジの可能性が見えた。さらに8巻で作中のエピソードを踏まえた特殊形態を採用、アニメ化と実写映画化が明らかになった10巻にに特別感のあるホログラムを採用するなど、ある程度必然性のある状態で変化球アイディアが登場して段階的に出しても受け入れられるアレンジの範囲が広がっていった。『絶望先生』単行本の色あわせ地獄を潜り抜けたhiveさんの腕か、松井先生の発想の賜物か、作品の大団円と共に奇妙なフォーマットの単行本デザインも見納め。おつかれさまでした。

出版:集英社
装丁:hive []

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【最終巻賞】 日常 10巻 / あらゐ けいいち

日常日常


10巻ぴったりで完結。最後の表紙は1巻と同じ構図。ラストに1巻と同じ構図を持ってくる場合には登場人物やアイテムがそのままのイコールタイプ、増えた仲間を追加するプラスタイプが多いが、この作品の場合はマイナス。1巻の表紙の中からシュールギャグ成分である鹿だけを消して普通の授業中の風景にする…なるほど、とても最終巻らしくなってしまった。

出版:KADOKAWA / 角川書店
装丁:里見英樹

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【コミカライズ賞】 旧約Marchen 1巻
              / ソガシイナ、 Sound Horizon


旧約Marchen

音楽グループSound Horizon(紅白で『紅蓮の弓矢』を歌っていたRevo氏主催)のCD『Marchen』のコミカライズ作品。箔押しのハードカバー上製本が箱に入った豪華な装丁は、原曲CDパッケージを再現したものになっている。

旧約2

こちらは原曲CDの限定版。漫画本体と限定版のハードカバー歌詞カードを並べると、サイズと綴じ方向に違いはあるものの、ぱっとみ見分けが付かないレベルで同じ。ちなみに外装のイラストは、通常版CDのジャケットがベース。

出だし

歌詞カードの導入部には、

此の物語は虚構である。
然し、
其の総てが虚偽であるとは限らない。


という一節。
この導入部も、単行本で以下のように黒い見返しと合わせてトレースしている。

旧約出だし

本の中身は、全ページフルカラー。パッケージの再現度の高さによって、原曲と地続きで繋がっているように感じられる、妥協の無いファンアイテムと呼べる1冊。

出版:講談社
ロゴデザイン:葛西恵 []
装丁:G×complex []

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【イヌカレー空間賞】 ポメロメコ / 劇団イヌカレー

ポメロメコ

『魔法少女まどか☆マギカ』で魔女が潜む空間を手がけたことでお馴染み、一度聴いたら忘れられない劇団イヌカレー先生のフルカラー漫画作品。

三つ編みで繋がった双子の少女ポメロとロメコが床下に存在する王国を冒険するお話が描かれており、本体はハードカバーで、小口は赤。書影右は展示会などで限定的に付属していた外箱で、真ん中に開いた窓から双子が顔を覗かせる仕様。

ポメロメコ2

本体には、紐の長さが異なる双子の栞つき。「フルカラー」、「特殊装丁」と何を推すか迷ったが、本全体が濃縮されたイヌカレー空間そのものだったので、そのまま「イヌカレー空間賞」とした。異質で独創的な1冊であることには間違いない。

出版:ワニマガジン社
装丁:ステュディオ・パラボリカ ミルキィ・イソベ []

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【アンソロジー賞】 きのこ漫画名作選 / 飯沢耕太郎(編者)

きのこ漫画名作選

キノコ文学研究家としても知られる写真評論家・飯沢耕太郎氏が編者として送る、古今東西の「きのこ漫画」を収録した名作選。『きのこ文学大全』に続く同編者の豪華装丁本。まず、「彫刻版やエンボス( 浮き出し )版を一切使用せず、ごく一般的な箔押し版のみで表現している」という『くしゃモコ箔押し』によって、文字もイラストもパターン背景も1枚の箔押しで構成されたその表紙に圧倒される。

きのこ漫画名作選2

カバー下裏側と裏表紙。

きのこ漫画名作選3

表紙をめくると見返し・遊び紙と、もこもこしたぺージが現れた後、黄色地にオレンジ文字というアグレッシブな色彩で編者のきのこ愛に溢れた前書きが始まる。

きのこ漫画名作選4

つげ義春から始まり、松本零士、萩尾望都など大御所の短編はもちろんのこと、林田球『ドロヘドロ』(長期連載作品)内できのこが登場する1話、青井秋 「爪先に光路図 前篇」(BL作品)など幅広くフォローし、計18人の作品を収録した、本体の厚みは実測3.3cm(白川まり奈の長編『侵略円盤キノコンガ』が丸々収録されていて単行本1冊分稼いでいる)。作品毎に紙色、印刷色、はたまた紙質までも変えている。

きのこ漫画名作選5

後書きの後に目次、作家紹介が来て、カバーの袖に被さる見返しの部分に奥付が来る。この記事の冒頭で「すごい!」という言葉の使い方には予防線を張っているけれども、この本は確実に「すごい装丁」と言い切ってしまえる。

出版:Pヴァイン
装丁:セプテンバーカウボーイ 吉岡秀典

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【良いコミック賞】 銃座のウルナ 1巻 / 伊図透

銃座のウルナ

辺境の豪雪地帯を舞台に、女兵士達と異形の蛮族との戦いを描いた架空戦記作品。

降雪の中、防寒具に身を包んだ女狙撃手横顔を捉えたイラスト。タイトルは上下の黒いラインに分割して配置。さらに下の黒いラインには作者名と作品のコピーが添えられている。本がシュリンクされた状態で上下のラインが若干浮いていたので、帯の2枚使いをしていると思っていたが、手にしてみると帯と思っていた部分とカバーがくっついていた。

ウルナ開いたカバー全景

カバーを外すとその構造は一目瞭然。、カバーの表面にはイラスト、裏面には黒い下地に文字が印刷されており、カバーを三つ折にして上下に帯のようなラインを作っていたというお話。エッセイ『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』(著:菊地成孔)でも使われていたというこちらの仕掛けは、イラストが強い意味を持つ漫画の装丁にも親和性が高いと言うか、カバーがポスターになるという体験にわくわくさせられた。大きなポスターが付いた単行本ということになるが、装丁で面白い体験ができる1冊、ということもできる。
ちなみに勘違いに終わった上下ダブル帯もそれはそれで面白いことができそうと思い、変なことに挑戦できるどこかのレーベルからそのうち登場しないかなと少し期待している。



出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:名和田耕平デザイン事務所 [/]

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【良いコミック大賞】 ハルはめぐりて / 森泉 岳土

ハルはめぐりてカバー全景

好奇心旺盛な中学生の少女ハル。ベトナム、台湾、モンゴル、そして日本と、少女の一人旅と出会いを綴った連作集。
ビニールコーティングの無い白い紙の軽いカバーに、グレーと黄緑の印刷。黄緑色の背景は、訪れた場所のイラストを交えた世界地図になっている。

ハルはめぐりて中表紙

画像右、チケットやレシート、商品のタグなど、海外の戦利品が散りばめられたページを経て、シンプルな水色の中表紙が登場する。

ハルはめぐりて目次

世界地図と絡めた目次、そして持ち物リスト。

ハルはめぐりて中扉1

台湾編とモンゴル編の区切り。章を区切る中扉には黄色の紙を使っている。

ハルはめぐりて中扉2

モンゴル編は薄茶の紙に黒の印刷、上の台湾編は白い紙に青の印刷と、章吾ごとにも紙や印刷を変えている。

ハルはめぐりてカバー下

カバー下。

ハルはめぐりて帯

帯付きカバー。

後書きの後に、無声の風景漫画が数ページを挟んで本が終わるなど、見所はほかにもたくさん。作者のこれまでの作品にも見られた装丁への拘りが、旅情というテーマに遺憾なく発揮され、すべてのページに無駄が無い、旅を濃縮した1冊となった。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:セプテンバーカウボーイ 吉岡秀典

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という感じでお送りしました、
良いコミックお気に入り装丁紹介企画『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2016』。

2017年の特集でまた逢いましょう。


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良いコミックデザイン 【宣伝】 良いコミックデザイン / KT.

当ブログの管理人が著者をつとめる漫画装丁を特集したデザイン本です。

ブログの内容をまとめた本というわけではありませんが(たまに誤解される)、
管理人が紹介する作品を選び、コメントを付けているので、
アウトプットとしては二アリーイコールだったりします。
大きい書店にお立ち寄りの際には、デザイン本が充実している
ところではに1冊ほど置いてあることもございますので、見つけた時には是非お求めください。

出版:パイインターナショナル

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ほしいものリスト


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2017年05月15日 | この装丁がすごい! | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP

この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2015 【ベスト100+α】

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:この装丁がすごい!  »2016年03月22日 更新

【2015|201420132012201120102009


「年に一度はがんばるぞい」の精神で良いコミックがお送りするいつもの企画、
『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2015』の発表です。

良いコミックデザイン辺境ブログのお遊びで「すごい!」「大賞」等と大げさなタイトルを付けていますが、
中身はもちろんゆるいマンガ紹介ですよ…という具合にいつもはここのスペースに
予防線を張ることで前書きにボリューム感を出してるのですが、最近自著を
出しているのでここを宣伝スペースとして活用したいと思います。
管理人の好きな作品をエレガントな書影とさらっとしたコメントで紹介していく、
ニアリーイコール・良いコミックな漫画デザイン本、あるいは漫画装丁グラビア本。
『良いコミックデザイン』 [出版社: パイインターナショナル] 3132円(税込)
うまい棒換算284本分のお値段で絶賛発売中です⇒⇒⇒

それでは紹介数ベスト100+α、どうぞご覧ください。

●対象:2014年12月1日から2015年11月30日に発売された作品
●画像をクリックするとamazonに飛びます。
●画像下にマークが付いている作品は、
 画像の上にポインタを乗せると別画像に切り替わります。
●『良いコミックデザイン』で紹介している作品には()マークを付けています

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【第1位】黒博物館 ゴースト アンド レディ 上下巻 / 藤田和日郎

19世紀英国伝奇アクション『黒博物館 スプリンガルド』()に続く「黒博物館」シリーズ第2弾。フローレンス・ナイチンゲールの生涯に大胆なファンタジーを混ぜ込んで生み出された、幽霊(ゴースト)と淑女(レディのバディストーリー。

博物館 ゴースト アンド レディ 上

上巻。

博物館 ゴースト アンド レディ 下

そして下巻。

『スプリンガルド』から4年と10ヶ月後の刊行によって、「黒博物館」をシリーズものにした本作。その装丁は前作と同じく古びた洋書を模しており、デザインも同じく4年と10ヶ月ぶりに葛西恵さんが担当している。金の箔押しを踏襲して「Black museum」のマークを引き継ぎつつ、飾り枠を凹ませて隙間にイラストを置くという特徴的なレイアウトで今作ならではの個性も出している。さらにタイトルをなぞるように上巻を「ゴースト」、下巻を「レディ」として対応したキャラのイラストを配置すると共に、それぞれに作りこまれた箔押しの「G」と「L」という対のマークをあしらっており、上巻と下巻を美しくまとめ上げている。

出版:講談社
装丁:葛西恵 []

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【第2位】 八百万 [新装版] / みもり,畠中恵 ()

 八百万  [新装版]

駆け出しの神様とお供のお狐が織りなす大江戸捕物帳。江戸×ファンタジー×ミステリー。『しゃばげ』畠中恵による東京創元社『ミステリーズ!』掲載の未単行本化小説コミカライズ、その新装版。

人物、鳥居、狐の面、花など、数々のアイテムが列を成したイラストを右に、タイトルを左に。著者名、振り仮名、レーベルマーク、作品の一節、原作の情報、その他英語表記などを使って大きな三文字タイトルを飾り立てて、タワー状のイラストと負けないタイトルタワーとで美しくバランスを取っている。

使える文字は使えるだけ使う、にコードデザインスタジオ色を見間違えることが困難なくらい前面に出していると同時に、イラストの集合と文字の集合で対を成す、一味違った引き出しを見せてくれた。

出版:ほるぷ出版
装丁:コードデザインスタジオ []

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【第3位】 新装版 BLAME! 1巻 / 弐瓶勉

新装版 BLAME!

アフタヌーンに掲載されていたSF作品の新装版。2度にわたりTVアニメ化もされた『シドニアの騎士』の勢いに乗って出されたかと思いきや、こちらも劇場アニメ化が決定していることもあってか、気合いの入ったB5の大判(ナウシカサイズ)で刊行されている。

人物の肌にはやんわりと色を乗せつつ、色の構成はほぼ白、黒、赤。人物や文字の部分はツヤあり、ベースの白地にはツヤなし。作者名や「新装版」表記、背景装飾として直線的で記号性の高い、いわゆる「東亜重工」フォントを散りばめて、スタイリッシュで硬質な雰囲気を形成している。

三面図のように、裏表紙(画像右上)には後から、通常のコミックスより広く設けられた袖(画像右下)には左からと、表紙の人物イラストの足元のアイテムを含めた別視点バージョンを載せる構成も面白く、大判故の鑑賞性の高さとも見事にマッチ。ディテールの細かいものを前から後から眺めるのはとても楽しい。

出版:講談社
装丁:メチクロ[SF/MHz] []

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【第4位】 ダンジョン飯 1・2巻 / 九井諒子

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食料を現地調達しながら、ダンジョン奥深くに取り残された妹を助け出せ!というRPG×グルメ作品。

『竜の学校は山の上』()⇒NARTI;S、『竜のかわいい七つの子』()⇒コードデザインスタジオ、『ひきだしにテラリウム』()⇒名和田耕平デザイン事務所と、作品毎に担当が違い、どの作品も比較的に事務所のカラーが大きく出ているため、それが作者のカラーと掛け算させる形で、その作品のデザインも個性が強く出ている。そして初の長編作品となる今回。担当になったのは意外や意外、と言うかこの作品で個人的に初遭遇となったデザイナー・須田杏菜さん。検索してみると、小説方面で活躍されている方のようで、これは今後もハルタ作品で登場するフラグですよ(とフラグ回収を確認した後で言っている)。そんなわけで、もちろん装丁の雰囲気はこれまでと違っていて、今回は西欧ファンタジー的な世界観と合わせた洋書風。
飾り枠で覆われたイラストはダンジョンのどこかで、手前に料理道具を装備した1人、そして奥に仲間の構成。作者はリアルやディフォルメのタッチの切り替えが上手いが、この表紙ではメインをリアルに、奥のキャラを違和感を感じさせないレベルでディフォルメで描いてメリハリを付けている。
これまでの作品は全て短編集で、常に内容全部盛りのカバーであったため、本作の1巻時点では若干の物足りなさを感じたが、それもそのはずというか2巻時点で、そろえて楽しくなるカバーだと感じた。とは言っても出てきたものをしっかりカバーに盛り込むスタイルは長編においても健在で、今回は裏表紙、袖を使って登場した魔物を図鑑のようにコレクションし続けている()。メンバーの加入がなければパーティーは後二人、竜のお腹にいる妹もカバーを飾るのかもしれないということで、最低後3巻は続いて欲しい。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:須田杏菜

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【第5位】 鬼さん、どちら / 有永イネ

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「先天性頭部突起症」という名前を持って、三千人にひとり「鬼」のいる日常。特別視される「鬼」という存在が浮き彫りにする人間の弱さと強さの物語、5篇を収録。

着衣なし、鬼の少女が髪をたくし上げるポーズのイラスト。瞳には緑色が使われているが、目立つ色はリボンと作者名の赤鬼を連想させる赤のみ。憂いを帯びた表情にはっとさせられる、静かに印象深い表紙。

画像右上のカバー下は一面紅色。画像右下は目次で、各話には「手の鳴る方へ」をアレンジしたタイトルが付けられているが、
この目次の文字組みが特に取り上げてどうというものでもないけれども好きだったりする。

他にも、文字を傾けて行く道の迷いを表したようなタイトルが1話毎に開始ページのコマの隙間に傾く方向を変えながら挿入されていて、本編終了後におわりを記したページで初めて正しい方向を向いているなど、主張をしていないけれども作品に寄り添っているな~というところが見られる細かいところも好きな1冊。

出版:小学館
装丁:chutte

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【第6位】 宝石の国 4巻 / 市川春子 ()

宝石の国 4巻

野原に寝そべって輪を描くアレ。4巻にして既刊中一番の王道とでも言うべき構図が来たが、中心固定のタイトル配置フォーマットとの合性は良く、キャラの上半身が集まって色とりどりの髪が大きく描かれているため、草の緑色も合わさって宝石状のホログラムがいつにも増して煌びやかなものに感じられる。安定の作者自装。

出版:講談社
装丁:市川春子

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【第7位】 欲鬼 1巻 / 色原みたび

欲鬼 1巻

自身の欲望を満たすため、暴虐の限りを尽くす異能の者たち、「欲鬼」。そんな欲鬼たちを「正義欲」が求めるままに裁きの鉄槌を打ち下ろす主人公もまた欲鬼。欲望と欲望がぶつかり合う異能バトルマンガ。

自ら顕現化させた巨大なハンマーを携えた欲望の主人公。背景には交差点をわたる人の群れ。主人公と背景は別のレイヤーで描かれているのか、主人公と背景の隙間に割れた鏡のようなヒビが入れられ、空いた黒い空間に巻数や作者名ローマ字、レーベルのクレジット等が入れられている。目次(画像右上)は黒+紫の構成で表紙の主人公をシルエットとして使用。カバー下(画像右下)は、表紙イラストの人達が欲鬼化しているというおまけ。扉のカラーイラストを含め、紹介した部分には紫色を強調色として盛り込み、全体の統一感を出している。

レーベルは月刊少年マガジンコミックスながら、デザインが少年漫画らしくないというかカラーページを含めてダークな内容に合った細かい調節がなされていて見所が多かった1冊。

出版:講談社
装丁:アフターグロウ []

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【第8位】 三代目薬屋久兵衛 1巻 / ねむようこ

三代目薬屋久兵衛 1巻

漢方薬局「薬屋久兵衛」を継ぐべく修行中の漢方娘と植物好きの超人見知り青年。
漢方薬局を舞台に展開される恋愛物語。

壷を抱えたヒロイン。背景には、イラスト入りで中に入っているものが伺える壷と引き出しが並ぶ。作者イラストは草、花、きのこやヤモリなど漢方薬関連のアイテムが模様で入った枠で囲まれ、タイトルや作者名、巻数などの文字情報も、何らかの枠に入った状態で配置されている。イラスト周りの枠はピンクとゴールドで、ヒロインのそれに近い色をとっており、タイトル枠内もピンク色。また皮膚の色と枠の外の色味も近く、各要素の色使いを合わせることで要素が結びつき、種々のアイテムがイラストと一体感を出して、その色合いでアジアンな雰囲気をかもし出している。

出版:祥伝社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【第9位】 秋津 2巻 / 室井大資

秋津 2巻


「家族と友と漫画への愛の物語」、というすばらしい内容がわかりやすい、中身抜粋型のマンガ風デザイン。2巻完結で、本企画での紹介はこれで3回目。何故なんだろう。とにかく、「それでもこない漫画大賞1位」的な作品なので、うちとしては隙あらばダイレクトマーケティングを行っていきたい。

そんな室井先生の次の連載は岩明均先生とのタッグで、別冊少年チャンピオン掲載。この企画で紹介しやすい感じだとうれしい。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:Pri graphics 川名潤 []

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【第10位】 白暮のクロニクル 6巻 / ゆうきまさみ

白暮のクロニクル 6巻

「悲しき不老不死――オキナガ」が存在する世界。オキナガに起こる怪死事件の謎に新米公務員と見た目18歳中身88歳のオキナガが迫る、日常系×非日常ミステリー作品。

フォーマットが固定で色などが巻で変わっていくとき、色の好みは大きいというか、ちょうど好みにスポッとはまると魅力に気づいて遡って好きになることとかあるよね、という経緯で色と服でスポッとはまりました的な6巻。ちなみに続く7巻もかなり好き。

出版:小学館
装丁:VOLARE 関善之 []

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【第11位】 アイアムアヒーロー 18巻 / 花沢健吾

アイアムアヒーロー 18巻


『アイアムアヒーロー』はどこまで『アイアムアヒーロー』なのか、その限界に挑戦するかのような大胆なデザイン。並んだボンベに印字された数字の中、18の数字だけを濃い白色で目立たせ、巻数が18であることを理解させる、と、こちらはまだわかりやすい。挑戦しすぎなのはタイトルの方で、同じくボンベ1本につきタイトルの文字が1つずつ順番に入っているが、『ア』『ア』『ア』『イ』『イ』『イ』という形で同じ文字を2、3個増やして並べていて、なんとなくレベルでタイトルを構成。加えて『ロー』部分は裏表紙に配置されている。

例えば導入賞(かなり下のほう)の作品のように、面白くレイアウトされたタイトルロゴの一部が欠けているような場合は、読ませるためのタイトルが別に配置されていることが多く、「読みづらいタイトルロゴには読ませるためのタイトルを付ける」的なルールがありそうに思っていたが、少なくともスピリッツレーベルではこれでいけるらしい。本巻の帯には映画化の告知があってタイトルがきちんと出ていたため、帯があれば何の作品かとはっきりわかるが、それを考慮してもイラストの特徴となんとなくのタイトル配置で作品を認識させるというアグレッシブな表紙であることに間違いはない。人気作品ゆえのOKなのか、このようなアイディアはすんなり通せるものなのか気になるところである。

出版:小学館
装丁:井上則人デザイン事務所 井上則人 []

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【第12位】 無尽 1巻 / 岡田屋鉄蔵

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幕末を生きた実在の人物であり、隻腕の剣客として知られる伊庭八郎の生涯を描く本格時代劇。

『極楽長屋』に続き、こちらもコードデザインスタジオさん。例のごとく「少年画報社」「YOUNG KING COMICS」「日本製」等など必須のもの必須でないものを混ぜ込んでバランスを取っているが、見所はタイトルで、和の趣を崩さずも斬新なデザインのタイトルが型押しと共に光沢を持ってその存在感を高めている。

ちなみにイラストは月岡芳年「名誉新談 伊庭八郎」を元に浮世絵風に描かれている。

参考:太田記念美術館ツイート

出版:少年画報社
装丁:コードデザインスタジオ []

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【第13位】 僕らはみんな河合荘 7巻 / 宮原るり ()

僕らはみんな河合荘 7巻

毎回並べているし本でも推したので、言うことを被らないように気を使うと後は可愛いしか残らないというか、そもそも今までも可愛いしか言っていなかったかもしれないが、薄いパープルの色選びと泣き顔がとても可愛い7巻。今までタイトルと合わせて一直線になっていたローマ字表記のタイトルが斜めになって「河」「合」の隙間に収まっているなど、相変わらず調節が臨機応変で細かい。

ヤンキンで川谷さんにデザインしてもらった谷川先生様々というか、現在本作品を筆頭としたポップ系から『リュウマのガゴウ』のようなシリアス系、『うなぎ鬼』のようなホラー系など、ヤンキンは青年誌における安定した川谷さんウォッチポイントとなっていて、さらに上の作品のようにコードデザインスタジオさんも登場。ヤンキンレーベルが結構熱い。

出版:少年画報社
装丁:川谷デザイン []

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【第14位】 かむろば村へ 新装版 上下巻 / いがらしみきお

かむろば村へ

お金を見るだけで失神する金アレルギーになってしまった銀行マンが過疎村に移り住んだことによる騒動を描いた作品。2007年から2008年にかけて刊行された全4巻作品の、映画化に伴って発売された新装版上下巻。

上下巻で、水田の多い過疎村を見下ろす景色を繋げた装丁。タイトルは作者名とともにロゴのように円に収めつつ、上下巻でひとつになる大きなタイトルを用意している。ザリガニ、お金と作品を象徴する2つのアイテムを上下巻別々で降らせているのが印象的。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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【第15位】 いぬやしき 4巻 / 奥浩哉 ()

いぬやしき 4巻

空からの謎の飛来物によって人ならざるモノに変えられてしまった老人と青年。1巻ごとに老人+白、青年+黒の繰り返し、何漫画かをぼかしていたかのようなミステリアスな1・2巻から、人物の機械化した頭の中を開けてSF色を全面に出してきた3・4巻。4巻が特にお気に入り。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,金子歩未 []

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【第16位】 やがて君になる 1巻 / 仲谷鳰

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好きを知らない少女が出会う、一筋縄ではいかない――女の子同士の恋愛。
もちろん百合。

「キマ(略」の一行で済ませるのは確か2年連続でやっているので控えるとして、そりゃあ見逃さないよねという表紙。でも、この多くは語らずとも耳に残る印象的なタイトルとイラストが狙い撃ちしたいところを正しく狙い打ちしていることを考えれば、その一言で済ますのもあながち間違っていない気もする。
カバー全体の構成は、表紙のイラストが裏表紙に続きシチューションを明確にしつつ、背表紙は独立してシルバーで輝いており、棚で目立つ工夫あり。また、背表紙の主人公イラストは表紙や扉イラスト(画像右上)の流用なく、目線を前に向けた笑顔のものを別途用意しているのは何気に気が利いているかもしれない。ちなみに帯がまた秀逸で、これはまた別の機会に紹介したい。

出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:BALCOLONY. []

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【第17位】 岡崎に捧ぐ 1巻 / 山本さほ

 岡崎に捧ぐ 1巻

結婚する岡崎さんに捧げるために描き始めたことがきっかけとなった、雑に例えるなら「たまちゃん家の闇が深いちびまる子」的な、1990年代思い出振り返り作品。

駅のホーム手を繋いで駆け抜ける小学生時代の山本さんと岡崎さん。イラストは大まかな線画と水彩塗りで、どこか懐かしいにおいと共にやさしくまとまっている。対して、タイトルは白抜きではっきり大きく読みやすく組まれており、枠と共にアナログなイラストにメリハリを与えて、感傷成分ほどほどに丁度良い距離感を持った表紙に仕上げているように思える。カバー下は、ボール紙のような紙に背景の線画(画像右上)。本編は2色刷りで、奥付にも手入れ感あり(画像右下)。

出版:小学館
装丁:Pri graphics 川名潤 []

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【第18位】 赤瀬川原平漫画大全 / 赤瀬川原平

赤瀬川原平漫画大全

前衛美術家、漫画家・イラストレーター、小説家・エッセイスト、写真家といった複数の顔を持つ芸術家赤瀬川原平の一周忌企画で刊行された、幻の漫画作品群「お座敷」、「おざ式」、「日本お伽月報」等を収録した作品集。

カバーは黄色ですぐ見てわかる黒の印刷部分のほかに隠し文字のように白インクで印刷された箇所が多数ある。面白いのが、本に散りばめられた文字指定で、奥付の注意書きを引用すると、

※カバー、巻頭ページ、扉、扉対向ページ、奥付における文字指定は、
 本書収録作品発表当時の入稿原稿に記載されていたものです。


とあるように、カバーをはじめとしてところどころに写植や色の指定が散りばめられているが、ベタ指定でベタになっていない、手書き文字にゴチ(文字の書体をゴシック体にする)の指示があるというように、ことごとく校正前の状態、もしくは間違った状態になっている。指向性の狭すぎるギャグというか、ひょっとしてギャグじゃなくて前衛芸術なのかもしれない、という仕掛けを込めた3000円を超える漫画も世の中にはありますよというお話。

出版:河出書房新社
装丁:佐々木暁 []

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【第19位】 一杯の珈琲から シリーズ小さな喫茶店 / 山川直人

一杯の珈琲から シリーズ小さな喫茶店

甘くホロ苦いコーヒーを巡る物語集。
『シリーズ小さな喫茶店』として発売され、大きな帯をカバーのように使用していた『コーヒーもう一杯』()とは別作品ということでデザインを一新。ミニチュア感のある珈琲屋のある町並みのイラスト。日本語のタイトルを縦に、英語のタイトルを横に、互いに一部分で重なり合いながら全体に広がって雑多な印象を出している。ベースはオレンジ~茶色あたりで、人物は薄茶、日本語のタイトルは白、線画は黒、後は屋根や看板などところどころに大まかな色分け。この感覚は何と言うか、例えばラーメン博物館のようなセットの中の商店街の夜の雰囲気を感じるというか、カバーの色合いがとても気に入った1冊。画像右はカバー下で、こちらは作中に登場するお琴が描いたもの。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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【第20位】 塩田先生と雨井ちゃん / なかとかくみこ

塩田先生と雨井ちゃん

女子高生の雨井ちゃんと、担任の塩田先生。内緒のバカップルの微笑ましい毎日を綴った日常ラブコメ作品。

初出はpixivで、もちろん今生まれている作品だが、「レトロな筆致」などと紹介されるようにとにかく絵柄にレトロな個性を持った作品。絵柄で懐かしさを感じさせつつも、構図やタイトルの見栄えは今のもの。また、本の厚みを利用して、背表紙のタイトルを二行にしつつ横書きの英字エリアを入れてアクセントを付けたり、背表紙には正面を向いて生徒を抱きかかえて体格の違いをわかりやすく示した広い背表紙映えする別イラストを使ったり、昔そういうのがなかっただろうというわけではなく、レトロな雰囲気を崩さない範囲で見栄えを整えているという印象。そんな感じで装丁を見た感想は、80年代with川谷デザイン。

出版:イースト・プレス
装丁:川谷デザイン []

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【第21位】 累 7巻 / 松浦だるま ()

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1巻から継続してきた二人の顔アップ構図から一転、本巻では正面を見据える人物一人。本作の表紙の吸引力は、唇づけを意識させる独特の構図にあるという印象があったが、ここで人物一人の表紙が登場して、イラストの地力の高さをこれまで以上に意識できた。また、本巻では口紅を汚すというもう一つの「転」が入りつつ、カバー全体で見れば二人構成は続いており、大きく動く物語と共にデザインがどう進んでいくのか、楽しみにしている。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士 []

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【第22位】もっと! がんばれ! 消えるな! ! 色素薄子さん / 水月とーこ

もっと! がんばれ! 消えるな! ! 色素薄子さん

色素も存在感も薄い大学生・色素薄子さんの日常を描いた『がんばれ!消えるな!!色素薄子さん』、その後の物語。

カバーの色使いは全体で白黒。イラストはシルエット状になっていて、シルット部分はUV加工でツルツル、それ以外の部分は粒状の凹凸が広がっていてざらざら。さらにシルエットの周囲を薄い灰色でぼんやりと浮かび上がらせていて、主人公の存在感の薄さを表現している。扉には、本来の着色バージョンがあり、それでも薄い。

目次や奥付は手描きで構成されていて、全体的にほんわか感が出ている(画像右)。

出版:一迅社
装丁:WANNABIES 星野いづみ

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【第23位】 阿部洋一短編集 オニクジョ / 阿部 洋一

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悪い鬼があらわれるところ、鬼を駆除する女子高生オニクジョがあらわる。
ウルトラジャンプに掲載されたオニクジョシリーズ+1短編の単行本。

水路に降り立った吹き矢持ち女子高生と、水路にたむろす鬼たち。イラストはほぼグレースケールながら、提灯と水面に写り揺らめく提灯を黄色く染め、提灯の周りには光で照らされるように薄く黄色を載せている。背表紙のレーベルマークや袖、裏表紙にははシルバーを使っているが、表紙には使用箇所なし。扉ページ(画像右上)もカラーながら、林檎のみ着色。徹底した色の縛りの中に、怪しさと風情を感じられた1冊。

出版:集英社
装丁:POCKET 森田彩美

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【第24位】 まどろみちゃんが行く。 1巻 / namo

まどろみちゃんが行く。

頭にツノの生えた少女・まどろみちゃんのキュートで無邪気な日常を描くショートコミック。

雲、空、山という感じで抽象的に白、水色、白で分割された背景の上で、上部の白エリアには色とりどりのタイトルが入り、その下には主人公が自分をお絵かきするかのようなイラスト。表面はマットPPで、ポップなイラストと柔らかな色合いとマッチしている。扉+目次の1枚(画像右)はには薄茶色の紙を使用。すごろくのように作りこまれた目次が見ていて楽しい。

出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:SELFISH GENE セキケイコ []
ロゴデザイン:松尾由佳 []


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【第25位】 ベルリンは鐘 1・2巻 / ニャロメロン

ベルリンは鐘

最後にタイトル明らかにする4コマでお馴染みニャロメロンによる、ゆるくてサイケなキャラ達のパルプンテ系無秩序4コマ。ベルの姉と鈴の弟が主人公で、「ベル」「リン」は鐘。

表紙でフキダシを使ってギャグをやることで安っぽくなることは多々あって、そもそもギャグには好き嫌いがあるので、表紙にギャグを持ってくるのはかなりリスキーで見た目の担保がなおさら重要だよな…的なことをぼんやり考えたことがあって、そういうのを上手く処理しながらメタなネタでギャグをぶちこんできたな~という2冊。

出版:秋田書店
装丁:5GAS DESIGN STUDIO []

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【第26位】 へんてこバスと飴玉くるり 1巻 / 笛

へんてこバスと飴玉くるり 1巻

父親を探すため、少女が住まいつき4階建ての奇妙なバスの乗員となって日本各地を旅していく、ファンタジー4コマ作品。

キャラ、背景をまとめて世界を内包するように箱庭のようにまとまったイラスト。タイトルはイラストの鮮やかさに負けじと1字1字色を変えた虹色仕様で、背表紙にあっても目立つ。全面背景タイプの賑やかさを持ちながら白領域も多めで白背景タイプの爽やかさも備えているカバー。

後はデザインの話であると同時に4コマ構成の側面の方が強いかもしれないが、本作品は4コマのタイトル部分も手描き文字やイラストで飾られており、時には1コマ目のイラストがタイトルを付きぬけたり(画像右、または)、タイトル部分にフキダシがはいっていたりと、タイトル部分をマンガの一部として活用しているのも見所となっている。

出版:芳文社
装丁:里見英樹

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【第27位】 プリンセスメゾン 1巻 / 池辺葵

プリンセスメゾン

年収200万ちょっと。独身女性のお一人様理想の家さがしストーリー。

オシャレなインテリアで揃えたひとり暮らしをする女性のこだわりの部屋という感じのイラスト。白丸エリアにタイトルを入れると共に、上部にもオビをつけて英字でタイトルを入れて、表紙をより表紙らしく見せている。表紙のイラストは袖に続き、ボロい台所、冷蔵庫に積み重なった電子レンジ、床置きの炊飯器と、部屋の本当の姿が見えるという仕掛けになっている()。裏表紙と袖には部屋を上から見下ろした視点のイラストが描かれており、袖にちょとんと描かれた部屋を見上げる女性が本作の主人公。ちなみに裏表紙と袖の構成で、デザイナーさんは密かに『ワンパンマン』のカバーを意識している、とか。

出版:小学館
装丁:Pri graphics 川名潤 []

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【第28位】 私に見えない恋心 / 仙石寛子

私に見えない恋心

男の娘、百合、BL、人外にファンタジー。色とりどりな愛の形を綴った優しい読み味の13作オムニバス作品集。

エピソード毎のイラストを、角を丸めたゆるい四角にして不規則に配置。タイトルは少し大きめながら文字が細く軽やかなものをイラストに重ねつつ配置。本全体のデザインとしては、目次、各話タイトル、奥付にも角を取った四角を装飾要素に盛り込んでいる。
このカバーで自分が一番どこに惹かれたかというと、おそらく淡いイラストと文字の繊細な色あわせで、モニター越しに見ただけで印象が違うので、手に取ってもらったときに、「この色合いが好きなんだ」と確認して欲しいところ。

出版:竹書房
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【第29位】 きらぼしのはこ / 真昼てく

きらぼしのはこ

作者が同人誌で発表してきた作品に大幅加筆を加えて刊行された4編収録の百合短編集。

表紙イラストは表題作登場の、とある理由でブラをつけていない女性。イラストをはみ出させるほど大きく表紙にいれて、隙間にタイトルになるほしを少しだけ散りばめている。作者が、自分のものとサイズの違うものを表紙イラストで上手く描くためにがんばったという後書き込みで良い表紙。

出版:一迅社
装丁:伊佐ナガル[]

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【第30位】 死者の書 上巻 / 近藤ようこ,折口信夫

死者の書 上巻

古墳の闇から復活した大津皇子の魂と藤原の郎女との交感。古代への憧憬を啓示して近代日本文学に最高の金字塔を樹立した折口信夫「死者の書」の漫画化作品。

銀の背景と黒の枠。擦れが入った印鑑の書体のようなフォントのタイトル。人物の肌も白く、タイトルと合わさって強く死を意識させる装丁。カバーには指紋のような凹凸とともに光沢があり、これは『午前3時の危険地帯』でも使われてたOKミューズパールと思われ、 勝手にファンシーな作品に合う紙だと思い込んでいたが、本作品では荘厳な雰囲気を形成するのに一役買っており、使い方でこれほど効果が変わるものなのかとその認識を改めた。扉と目次(画像右)の黒紙、銀色の印刷も見所。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:井上則人デザイン事務所 井上則人 []
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甘々と稲妻(5) (アフタヌーンKC) 【第31位】 甘々と稲妻 5巻 / 雨隠ギド ()

背景はお馴染みのクリーム色。4巻・5巻は人物を大きめにレイアウトしていて、特に5巻は宮崎駿ばりの大粒の涙がクローズアップされていて目を引く(泣き度の高さは13位、20位と比較するとわかりやすい)。大泣きで感情を込めた表紙というカテゴリの中でも、泣く子と一緒にあやす大人を一緒に入れて、やさしく家族愛を感じられるところに作品らしさが出てている。。

次回は6巻を紹介する予定。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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暗殺教室 16 (ジャンプコミックス)【第32位】 暗殺教室 16巻 / 松井優征 ()


赤のタータンチェックを先生に合わせた16巻。
8巻はの丸まった(完全防御形態)先生、10巻はアニメ化を祝うようなホログラムを使用、そして12巻からは柄物デザインと、奇数巻に変顔をはさみながら、偶数巻で何気なく選択肢を増やして、今巻のように初期に登場していたら浮きそうなデザインを自然に並べることができる環境を作っている。連載ではラストへのカウントダウンが始まっていて、最終巻でデザインをどうまとめるのかも非常に気になる。

出版:集英社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子 []
17巻
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淡島百景 1 【第33位】 淡島百景 1巻 / 志村貴子

宝塚がモデルの歌劇学校を核に、オムニバス形式で関わる人間の様々な感情を切り出していく群像劇。
ネットの紹介文を参考にあらすじを参考に「少女達」とか「学園物」とか「寄宿舎物」とかわかりやすく説明しようとするとわりと例外が多くてしっくりこないような多面的な作品なのだけれど、自己の解釈でしかないけれどもそういった作品の多様な側面を全て内包できる白だと感じた表紙で、今回紹介した中で文字も最も小さく少ないが、過不足をまったく感じさせない。簡素な匙加減は中扉、目次、各話の扉でも一貫していて、1冊で静謐な雰囲気を形成している。
出版:太田出版
装丁:note 芥陽子 []
本体表紙
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俺物語!! 9 (マーガレットコミックス)【第34位】 俺物語!! 9巻 / アルコ,河原和音


『「俺より強い奴に会いに行く」、というコメントを付けたら負け感』のある表紙。

通常は斜めに傾けられているタイトルが9巻では水平に組まれ、どっしりと安定。炎と「俺」の文字を背負った主人公は、とても力強い。発売されると書店でものすごく詰まれる作品であるが、今回は何時に増して少女漫画にあるまじき濃い空気を形成していた。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []

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きみが心に棲みついたS 2 (フィールコミックスFCswing)きみが心に棲みついたS 3 (フィールコミックスFCswing) 【第35位】
きみが心に棲みついたS 2・3巻
/ 天堂きりん 


昨年既に紹介しているけれども、作者イラストとフォーマットの相性がピッタリで、巻数が揃ったときに並べ甲斐が出そうで期待している。

出版:祥伝社
装丁:コードデザインスタジオ []

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亜人(6) (アフタヌーンKC) 【第36位】 亜人 6巻 / 桜井画門 ()




「あ、今お腹蹴った!ほら、さわってみて」みたいなポーズの6巻。
6巻にして初めて全身が表紙に収まっている構図が新鮮。
背景の紫色がこれまでにないくらい明るいのに
いつもより禍々しいのが不思議。

出版:講談社
装丁:アルティザン 深海和宏 []

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箱入りドロップス (4) (まんがタイムKRコミックス) 【第37位】 箱入りドロップス 4巻 / 津留崎優


意外に自由度が高くてネタを考えるのが楽しそうな箱縛り。
ドロップの箱(1巻)、部屋(2巻)、チョコレート菓子の箱(3巻)ときて、
4巻は水槽で水中ふわふわ系。

水中アレンジとして、タイトルには泡が引っかかり、
作者名は英字表記を含めてゆらめくように崩して配置している。

出版:芳文社
装丁:コメワークス 木緒なち,苅籠由佳 []

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僕だけがいない街 (6) (カドカワコミックス・エース)【第38位】 僕だけがいない街 6巻 / 三部けい




背中合わせの現在の自分と過去の自分。
過去の自分のところにだけ雪を降らせている。
ありそうでなかった組み合わせ、かつストーリー的に最初で最後。
アニメ化発表のタイミングと重なって、とてもふさわしいと思った表紙。

出版:KADOKAWA/角川書店
装丁:VOLARE 星野ゆきお []

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ばくおん!! 6 (ヤングチャンピオン烈コミックス) 【第39位】 ばくおん!! 6巻 / おりもとみまな


こちらも6巻時点でアニメ化発表。このタイミングで来夢先輩(ヘルメットキャラ)が表紙を飾るのは中々アグレッシブと思えるが、黄緑色背景に合わせるレギュラーキャラは誰かと考えれば6巻がこうなるのは必然。そして3年を超える連載で、背景カラーは順当に『けいおん! 』単行本の赤、青、黄、紫、ピンク(雑誌付属の掛け替えカバー)、黄緑を消費し、レギュラー勢全員が表紙を飾った状態で残るは白一色。次は白!絶対白が来るよ!!!!!!(こなかった模様

出版:秋田書店
装丁:芦田デザイン事務所 芦田慎太郎 []

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ノー・ガンズ・ライフ 1 (ヤングジャンプコミックス)ノー・ガンズ・ライフ 2 (ヤングジャンプコミックス)【第40位】 ノー・ガンズ・ライフ
1・2巻 / カラスマタスク
SFハードボイルド作品。銃頭のインパクトある主人公に、人物イラストのシルエットに近い形で部分的に見える町並みを背負わせている。イラストはシックにまとめて、そこに1巻はピンク、2巻は黄色と鮮やかな色使いのタイトルを載せてアクセントを付けている。表紙の他、カバー下、目次、幕間、奥付などちょっとしたところに草野さん色が強く出ているのも見所。
出版:集英社
装丁: 草野剛 []
目次
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カフカの「城」他三篇 【第41位】 カフカの「城」他三篇 / 森泉岳土

カフカの「城」、漱石の「こころ」より“先生と私”、ポーの「盗まれた手紙」、ドストエフスキーの「鰐」。名作小説を各16ページで表現した作品。大判ハードカバー。荒々しくも緻密なタッチで描かれたカフカの「城」を想起させるイラスト、大まかで断片的な塗り、英字タイトル優先の文字配置。作品内容の紹介を読むと「アート」「文学」「文芸」のような文字が並ぶ作品なのでおおよそ「コミック」という言葉で連想される作品とは遠く、装丁も異質なのだけれども、読み味はきちんと漫画で、装丁も漫画が載っていそうと思えるので、漫画は広いな~と思いました(小並感)。
出版:河出書房新社
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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はるみねーしょん 5巻【第42位】 はるみねーしょん 5巻 / 大沖 ()



定期観測作品。
「ハワイ」と「いつもよりタイトルが曲がっている」
という情報しか言うことがないし、そこを掘り下げる気もないけれども、
こう長い記事にいつもさらっと入れておきたい。

出版:芳文社
装丁:里見英樹

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BLUE GIANT 5 (ビッグコミックススペシャル)【第43位】 BLUE GIANT 5巻 / 石塚 真一

サックスを吹く高校生を主人公とした、ジャズの音楽作品。

この作品のカバーは、タイトルのデザインや彩色の仕方を毎回大きく変えてくる、いわゆるフォーマットばらばらタイプ。5巻はステージの上でライトを浴びるピアニストを多めの黒で描き、そこにピンクの文字を入れてアクセントを付けている。単巻で十二分に魅力的だが、1巻の表紙と対になって、主人公と対面しているという旨のAmazonコメントを見て、言われてみればとさらに痺れた。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []
第1巻
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町田くんの世界 1 (マーガレットコミックス) 【第44位】 町田くんの世界 1巻 / 安藤 ゆき

人が好きで人に好かれる物静かなメガネ、町田君の日常を描いた作品。
イラスト、作者名、レーベルマーク、タイトルの振り仮名は横、タイトル、タイトルの英字、巻数は縦。箱に入った資料を運ぶという学生の地味なシチュエーションイラストを用いていながら、大胆な文字組みとイラスト配置が平衡感覚に訴えてきて、「一見普通な町田君、何か普通じゃない」を感じさせる。短編集『昏倒少女』()も白を基調としたイラスト+面白い文字組みの近しいエッセンスを持った同じ川谷さんのデザインで、こちらも面白い。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []
短編集『昏倒少女』
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サウダージ (ビームコミックス) 【第45位】 サウダージ / 田辺剛、カリブsong

古典的名作の翻案を中心とした、カリブsong(狩撫麻礼)原作の短編集。

カバーはほんのりと乳白色を帯び、女性と雪景色のイラストの印刷はグレー、文字は黒。物語は全て原作の場所に関わらず英語圏のどこかの国に移されていることもあって、小さい日本語エリアを右上に設けつつ、タイトル、原作者、作画のクレジットを別々に大きくレイアウトして表紙を飾り立て、日本離れした雰囲気を出している。

出版:KADOKAWA / エンターブレイン
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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人間交差点ベストセレクション 上 (ビッグコミックススペシャル)人間交差点ベストセレクション 下 (ビッグコミックススペシャル) 【第46位】 人間交差点ベスト
セレクション 上下巻
/ 弘兼憲史, 矢島正雄

『人間交差点』全27巻中でも評価の高い作品で構成された厳選編集決定版。上巻は男性、下巻は女性。齢を重ねた人の手を黒で浮き出させた表紙で、27冊分の歴史の重みを2冊の中に感じさせる。
出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []
写真:上田義彦 []


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鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 【第47位】 鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! / 鴻池剛


傍若無人な猫に振り回される作者の毎日を面白おかしく描いた猫エッセイ。

障子破りのイラストを使用した表紙で、 擬音を入れたタイトル、真顔のキャラと破け、集中線と、少ない要素でぽんたのキャラを表したシンプルでコミカルなデザイン。裏表紙()にはお尻が描かれ、本を障子に見立てたような表裏でワンセットの構成も面白い。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:Pri graphics 吉田健人 []
裏表紙
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よつばと! (13) (電撃コミックス) 【第48位】 よつばと! 13巻 / あずまきよひこ


道路に現れた水溜りを元気よく飛び越える一瞬。そのタイミングでその位置だと
よつばは無事飛び越えられたのか?と思った人はカバー下のチェックをお忘れなく。

2年と9ヶ月ぶりの新刊。初登場にして(メタ的な意味でも)次に何年後に会えるか分からないばーちゃんを表紙に出してくれても良かった気がしないでもない。

出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:里見英樹

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弟の夫(1) (アクションコミックス(月刊アクション)) 【第49位】 弟の夫 1巻 / 田亀源五郎
父娘二人暮らしの家に、亡くなった双子の弟の夫(カナダ人)がやってきた…という、ゲイアートの巨匠、田亀源五郎、初の一般誌連載作品。体格が良い、もっと言えばガチムチ寄りの大人二人が並んでいて、濃い素材によるそっち系の趣が出そうでこれが意外と出ていないというか、人と空と景色のバランスがよくイラストの色合いが自然で、どこにでもありそうな平凡な景色が絵になっている…とガチムチが調和して、素材のインパクトが程よく抑えられている。
もちろんこの作品はBLではなく、表紙にもBLの雰囲気はなくて、この表紙を見ていて、BL作品の表紙からかもし出されるBLの気配はどのような要素によるものなのか何となくわかった気がする。
出版:双葉社
装丁:BodyDouble こじままさき

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宇宙兄弟(25) (モーニングコミックス) 【第50位】 宇宙兄弟 25巻 / 小山宙哉



ここ数巻、表紙の背景に色が挿されていてカラフルになっている本作品。
特に25巻は、紫色のバック、空を見上げる主人公に
いつもの細やかな星のホログラムがいつも以上にかみ合って、
まさに宇宙へ。
ちなみにカバーのホログラムPPは、「スターダスト」という名前らしい。

出版:講談社
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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つまさきおとしと私 (KCx) 【第51位】 つまさきおとしと私 / ツナミノ ユウ


妖怪「つまさきおとし」の平穏を脅かすストーカー女の狂気を描いた、ハートフル病理2Pコメディ。

コミカルなイラストがよりポップになると同時に不安を煽るような、グレー、ピンク、イエローの組み合わせが個性的な表紙。とにかく発色がよい。カバー下にはおまけマンガ、さらにカバー裏にもちょっとしたアイデアが光るおまけあり。

出版:講談社
装丁:GENI A LOIDE 小林満 []

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カードキャプターさくら 【第52位】 なかよし60周年記念版
   カードキャプターさくら 1巻 / CLAMP ()


なかよし60周年を記念して刊行された豪華装丁版。
クロウカードを模した金の箔押しによる飾り枠が煌びやかで、
ピンクをふんだんに使いながらも大人びた仕上がりに。
『なかよし60周年記念版』という情報も箔押しで違和感なく
入っていて程よく特別感が出ているのも良い。
全9巻。

出版:講談社
装丁:arcoinc 楠目智宏,池田悠 []

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少年Y 7 (少年チャンピオン・コミックス)【第53位】 少年Y 7巻 / とうじたつや, ハジメ


「負けたらどうなる?」
「ゴリラに殴られる。力いっぱいね」

物理的に怖い表紙。
ヤンキー、幽霊、妖怪、ゾンビなどに比べて
ゴリラはそれほど学校を徘徊しないので、絵面としても珍しい。

出版:秋田書店
装丁:-

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山羊座の友人【第54位】 山羊座の友人 / 乙一, ミヨカワ将

ベランダに飛ばされてきたのは、イジメ加害者の殺害と被害者の自殺について書かれた未来の新聞の切れ端。乙一と「ST&RS-スターズ-」作者による1冊完結の青春ミステリー作品。
振り向きざまの主人公と後姿の友人を小さく捉えた住宅地の風景イラストに描き文字風のタイトル。文字の蛍光イエローが薄暗いイラストに浮き出て、日常から何かが外れるような異様な雰囲気を形成している。カバー下は黒と金。各話の扉、奥付など全体的にコードデザインスタジオ色強し。

出版:集英社
装丁:コードデザインスタジオ []
本体表紙
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恋は雨上がりのように 1 (ビッグコミックス)【第55位】恋は雨上がりのように 1巻 / 眉月じゅん

少女17歳⇒バイト先のおじさんファミレス店長。海辺の街を舞台に青春の交差点で立ち止まったままの彼女と人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなす小さな恋のものがたり。

「雨あがり」のワードと合わせてヒロインには傘。タイトルには英字と共に傘のマークを小さく添えている()。傘を着色することで、青空間を出さずに綺麗な青を組み入れた、白・青・ピンクのシンプルのすっきりした3色構成が目を引く。

出版:小学館
装丁:SALIDAS []
タイトル拡大
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となりの吸血鬼さん (1) (MFC キューンシリーズ) 【第56位】 となりの吸血鬼さん 1巻 / 甘党


上の作品で傘を使っていたので続けて紹介したい傘持ち表紙。こちらはイマドキの吸血鬼の日常を描いた作品ということで、傘を持つのは吸血鬼で手にしているのは日傘、そして傘を差す必要のないキャラを隣に配置。巻数マークは血の雫で、タイトルロゴも所々が赤く染まってこちらも血がしたたり有り。背景に散らばっているのは銀の丸とピンクの十字架。デザイン込みでわかりやすく可愛く吸血鬼アピールしている。

出版:KADOKAWA/メディアファクトリー
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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孤独のグルメ2【第57位】 孤独のグルメ 2巻
/ 久住 昌之,谷口 ジロー 

井之頭五郎のぶらり一人飯再び。
第1巻は1997年発売で、おそらく第2巻の予定もなかったであろうこのときのロゴは、丸みを帯びたフォントのタイトルと作者名を看板の枠の中に入れたものだったが、2008年に新装版を発売し、新規イラストと共にロゴも現在の白抜きタイプに一新。ドラマから入った人にも訴求力ありそうな、ダンディ感を押し出したイラストにもマッチしている。

出版:扶桑社
装丁:日下潤一,赤波江春菜

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水色の部屋 (上)水色の部屋<下>【第58位】 水色の部屋
上下巻 / ゴトウユキコ 
「歪んだ愛が描きたかった。暗い映画を観てるような漫画が描きたかった。」と言う通りの母と息子の性と愛の物語。「水色」を下巻に持ってくる構成に虚を突かれた表紙。可読性は添える文字に任せたと言わんばかりに大胆に崩しの入ったタイトル文字は、あのアラーキーによるもの。
出版:太田出版
装丁:セキネシンイチ制作室 森敬太 []
題字:荒木経惟 []


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グッドナイト、アイラブユー (1) (it COMICS) 【第59位】 グッドナイト、アイラブユー 
1巻 / たらちねジョン 
「私の死を、ロンドンの友人に伝えて」。大学生の主人公が、母の遺言で訪れた異国の地で家族のルーツに出会っていく旅の物語。
帯で挟まれた(カバー全体で見ると枠)、とてもリアルな海外の駅のホームイラスト、そして主人公だけは帯の部分まではみ出して配置。文字はタイプライターで打たれたようなものににじみが入っていて、巻数マークは海外の手紙の消印を模している。下の方には地図も重ねられていて、海外風というより、日本を基点として国外に赴く「旅」という感覚が感情の要素込みでデザインされているように感じた。ノート風の目次、カバー下()など拘りが見れる箇所多し。
出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:円と球[]
カバー下
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本が好き子さん 【第60位】 本が好き子さん / なるあすく


エクストリーム読書ガール「本が好き子さん」の、ほのぼのブックライフを描いた4コマ作品。

立ち泳ぎを駆使して、サメがいる海でも本を読む好き子さん。二色分割で水と空気の背景を作って1枚絵でエクストリーム読書を表現。内容が一目で分かるかつシンプルな色使いですっきり整っている。

出版:太田出版
装丁:hive 金子歩未 []

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エリア51 11巻【第61位】 エリア51 11巻 / 久正人 ()


本作品もだいぶ長期連載になってきて、久先生初の2桁突入。

タイプ的には雑踏に紛れる主人公をピックアップ、という感じの表紙になるが、紛れ先が濃すぎて百鬼夜行と例えた方が良いのかもしれない。ちなみに本巻は先生がネメシスで連載中の『ジャバウォッキー1914』(講談社)と同時発売。そしてさりげなく紛れ込んでいる。

出版:新潮社
装丁:crazy force 竹内亮輔 []
裏表紙
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怪獣の飼育委員 1巻 (まんがタイムKRコミックス) 【第62位】 怪獣の飼育委員 1巻 / 島崎無印

学校裏の森に住み着いた巨大な怪獣のお世話をする
飼育委員の日々を描いた作品。
怪獣は表表紙から裏表紙にかかり配置され、表紙に出ているのは顔のみ、そこに怪獣と対面させる形で人物を配置。サイズ感が分かり、見えない怪獣の体の部分が頭の中で大きく広がる構図も面白い。背景は破線のグリッドで分割されており、タイトルの1文字ずつ、作者名、英語の文字情報などが綺麗に収められていている。

出版:芳文社
装丁:コメワークス 木緒なち []

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百万畳ラビリンス 上巻 (ヤングキングコミックス)百万畳ラビリンス 下巻 (ヤングキングコミックス)【第63位】 百万畳ラビリンス
上下巻 / たかみち 

たかみち×宮村和生。謎めく異次元迷宮の出口を求め彷徨うSF長編。上巻が青で下巻が赤。『LO』の表紙を幼女と日本の旅行宣伝ポスターとするならば、こちらは電脳の雰囲気が漂う映画のポスター。

出版:少年画報社
装丁:5GAS DESIGN STUDIO
宮村和生[] 

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竹取オーバーナイトセンセーション 1巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)竹取オーバーナイトセンセーション 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) 【第64位】 竹取オーバー
ナイトセンセーション 1・2巻  
/ モゲラッタ 
クリエイターユニットHoneyWorksによるVOCALOID楽曲、そのコミカライズ作品。
はっちゃけ竹取物語。着物の柄にとどまらず目が痛くなるくらいに鮮やかな色を盛り込みまくったイラストが黒いタイトルでびしっと引き締まって、正しくコミックの表紙に見える、このバランス。
出版:一迅社
装丁:川谷デザイン []

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ごはんのおとも 【第65位】 ごはんのおとも / たな

路地裏の料理店「ひとくちや」に集まる人達の食とドラマを描いた、全編フルカラーのグルメ漫画。
お腹がぽっこりでた男性が、「黄身のしょうゆ漬け」をごはんに乗せて食べる、そのひと時をイラストに用いた表紙。タイトルは小さく、キャラも小さく。肝心の黄身のしょうゆ漬けごはんもそのままは見せず、大きなフキダシに入れてしまうことで、おいしいものを口にしたときに「おいしい」と言っても全部伝えきれないくらいの最大限の幸福感が伝わってくるように思えた。

出版:実業之日本社
装丁:コードデザインスタジオ []

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君死ニタマフ事ナカレ1君死ニタマフ事ナカレ2 【第66位】 君死ニタマフ事ナカレ 1・2巻 / ヨコオタロウ, 森山大輔, 倉花千夏
超能力を開花させられた少年少女が使い棄てられていくダーク戦場ロマン。白、シルバー、黒、+一色。何故か解説スペースが圧迫されているけれども、「この作品はフィクションです」をデザインに組み入れた奥付()のちょっとしたかっこよさは伝えておきたい。
出版:スクウェア・エニックス
装丁:5GAS DESIGN STUDIO
宮村和生, 小島翔太 [] 
奥付
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世界鬼(9) (少年サンデーコミックス)【第67位】 世界鬼 9巻 / 岡部閏


11巻で完結ということで、色々変わる装丁を楽しむのもこれでラスト。

9巻は、10巻の月をバックにしたものを除けば最初で最後の風景描き込み型。
世界は銅色で人物部分はグレー。文字や人物部分にはUVあり。
敵の住む異世界という背景はあるんだけれども、
それがなくても異世界感が出ている。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 石沢将人 []

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鹿娘清美婚姻譚 (ビームコミックス)【第68位】 鹿娘清美婚姻譚 / 緒方波子

人間の男性と鹿の娘。
奈良の鹿の未来を賭けた奇妙な異類婚の騒動を描いた作品。

花婿と花嫁、鹿、二足歩行鹿。鶴や亀、熨斗に紅白のしめ縄と、タイトル通りに日本の婚姻といった表紙。文字やイラストの要所の金箔が、豪勢なムードを効果的に高めており、祝儀袋のようでもある。見返し()には着物を着たコミカルな鹿パターンあり。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:林健一
見返し(拡大)
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海とドリトル(2) (Kissコミックス)海とドリトル(3) (Kissコミックス) 【第69位】 海とドリトル 2・3巻 
/ 磯谷友紀 

大学の研究室を舞台にした海洋動物と恋の物語。
昨年紹介している1巻は白背景で表現した水中。
2巻はペンギン祭り、3巻はファンタジーな水中。
←こうシリーズで並べたくなる綺麗な表紙で、
さようならむつきちゃん』(やはりarcoincさん)と
どちらを紹介するか迷った。

出版:講談社
装丁:arcoinc 楠目智宏 []

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ランド【第70位】 ランド 1巻 / 山下和美
その村では、人は必ず50歳で死を迎える。因習に縛られた村を舞台に…(ネタバレ注意)という作品。
目を見開いた少女。背後には獣の皮を被った大人たち。下地が黄色で印刷が黒、緑、オレンジ。明るい色合いと物々しいイラストの組み合わせで凄みのあるカバーに仕上がっている。カバーには蛍光色のような明るさを持った黄色の紙が使われているが、公開講義の時の新上さんの話では、裏表紙のバーコードエリアが無くなり、白いインクを使わなくていいので黄色い紙でもコストを抑えられているとのこと。なるほど、バーコードエリアが無くなったことによる意外な選択肢の増加を知った。
出版:講談社
NARTI;S 新上ヒロシ []

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セトウツミ 4 (少年チャンピオン・コミックス) 【第71位】 セトウツミ 4巻 / 此元和津也


男子高校生2人が、川べりでひたすらダベるマンガ。

入道雲、海、自転車。
いい構図だな~というのと同じくらい、
いい空気感。
映画は7月2日(土)全国ロードショー。

出版:秋田書店
装丁:芦田デザイン事務所 芦田慎太郎 []

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アフターアワーズ(1) (ビッグコミックス) 【第72位】 アフターアワーズ 1巻 / 西尾雄太

クラブから始まるガールミーツガール青春譜。

文字小さめでじっくり見せる、
上方向×下方向頭寄せ合いの構図。
床や小道具をきっちり描きこんでいるため、
オシャレ構図の割りに芝生上や謎空間で同じポーズをするよりも
キャラクターの存在が感じられる。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室 森敬太 []

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A子さんの恋人 1巻 (ビームコミックス) 【第73位】 A子さんの恋人 1巻 / 近藤 聡乃

先延ばしと思考停止が招いたA子さんの奇妙な三角関係を軸に展開する、
面倒くさい人間模様をコミカルに描いた作品。

野暮ったい人物説明感が面白い表紙。主人公の英子=A子を始めに、A太郎、A君(アメリカ人)とAで呼ばれる三角関係の3人を配置。各々に辞書のような人となりの説明が添えられている。裏表紙にはU子、K子、I子友人達の人物紹介あり。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:芦田デザイン事務所 芦田慎太郎 []

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ライプニッツ (ヤングキングコミックス) 【第74位】 ライプニッツ / 大石まさる


宇宙と猫と人の心が交差する、近未来肉球SF。

中身は、表紙の女性が猫とエウロパに向かうばりばりの宇宙SFで満たされいるが、この通りイラストは油絵のような塗りで、写実的な女性と猫と海。タイトルだけ「i」の部分に衛星が回っているようなデザインを組み込んで、宇宙要素を隠し味程度に盛り込んでいる。中々に大胆。

出版:少年画報社
装丁:big body 萩原栄一 []

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葛城姫子と下着の午後<葛城姫子と下着の午後> (ビームコミックス(ハルタ)) 【第75位】 葛城姫子と下着の午後 / 畑田知里

女生徒たちが下着姿で集い、情報交換やコミュニケーションを行う「ランジェリー同好会」が舞台の学園コメディ。

大きく開けた引き出しの中には、色とりどりのランジェリーと下着姿でくつろぐ同好会のメンバーたち。引き出しを見下ろした構図によってイラストが段組でエリア分割されているように目に映り、枠や帯を配置したときのような整った印象を与える。見返し、遊び紙にはレースのように細かく蔦の模様が入っている。

出版:KADOKAWA / エンターブレイン
装丁:須田杏菜

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ねーちゃんとオレと、ときどき先生。 1 (バンブーコミックス) 【第76位】 ねーちゃんとオレと、ときどき先生。
1巻 / TOもえ 

マセガキ弟×天然姉×変態JK家庭教師、トライアングルコメディ4コマ。3人のメインキャラの肩書きを特大の文字で配置。これがタイトルより目立って個性になっている。肩書きにはキャラに合った見った緑、ピンク、黄色の3色を使い、「マセガキ」「天然」「変態」と属性を入れたフキダシを添えて、装飾と説明を同時に行っている。背表紙、裏表紙にも、3人に関連する文字に対応するカラーを充て、必然のある形でアクセントを付加。さらに袖の作者コメントのエリアには「漫画家」の文字を大きく配置し、表紙との統一感を出している()。
出版:竹書房
装丁:CHProduction 内古閑智之 []

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マキーナ (ビッグコミックス) 【第77位】 マキーナ / ムライ ()

少女とロボットのハートフルワンダーストーリー。

ハグルマの上を元気に駆け回る少女と奇妙な形のロボット。背景にはハグルマがびっしり。用紙はクリーム色で、ベージュや薄いグレーで色づけされ、下の文字の部分だけが緑。手描き感が溢れる高密度のイラストが低彩度の色味で構成されて、レトロで懐かしい雰囲気を出している。構図が2Dアクションゲーム的と言うか、足場のハグルマ良い記号になっているように見える。

出版:小学館
装丁:葛西恵 []

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お酒は夫婦になってから 1 (ビッグコミックススペシャル)【第78位】 お酒は夫婦になってから 1巻
/ クリスタルな洋介 
「ぷしゅー先輩」に続け!寡黙なキャリアウーマンが、家では漏れ出る「しふく」の声と共に可愛くお酒に飲まれてしまう、夫婦酔いデレコメディー。イラストエリアと文字エリアをぎざぎざしたラインで分割。イラストには飲んだ瞬間に発せられる「しふく」発動シーンの中で、基本形となるものをピックアップしている。文字エリアは紺色と暗め、イラストエリアは明るめの彩色、タイトルは1文字1文字ネオンのように色を変えてカラフルにと、お酒の入った楽しい夜のひと時を連想させる。扉と演出をそろえた、手が加わった奥付()が地味にうれしい。
出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ
   志村泰央(カバー) 本橋真規子(本文) []

奥付
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椿町ロンリープラネット 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 【第79位】 椿町ロンリープラネット 1巻 / やまもり三香


ビンボー育ちな高校2年生・大野ふみは父親の借金返済のため、ぶっきらぼうな小説家の家に住み込み家政婦をすることに。心が触れ合っていく共同生活を描いた少女漫画。

バストアップの人物絵、ディフォルメされた椿のパターン背景、枠でまとまったタイトル+巻数+作者名。枠の中の文字組みがさりげなく凝っていて華やか。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []
タイトル拡大
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World 4u_ 1World 4u_ 2 (ジャンプコミックス)【第80位】 World 4u_ 1・2巻
             / 江尻立真


おなじみの怪談や都市伝説をひねりをきかせた形で紹介していく、オムニバス形式のホラー作品。
洋書のような背景を背に怪談に誘う案内役。真ん中には、「何か」が写りこんだ不穏な町並み。整っていて程よく不気味な少年コミックにぴったりのデザイン。

出版:集英社
装丁:バナナグローブスタジオ
     阿部亮爾 []


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俺とヒーローと魔法少女(3) (ポラリスCOMICS) 【第81位】 俺とヒーローと魔法少女 3巻 / 九段そごう

変身すると魔法少女になってしまう男の活躍を描いたWEB連載のヒーローコメディ。

2巻までは全体に2行で特大配置していた「魔法少女」の文字を左に1行配置。主人公が躍動感を感じさせるポージングでパンチを繰り出したその拳の先には、表紙をはみ出す形でピントのずれた怪人を置かれ、擬似的に立体感が出た構図が面白い(片目で見ると脳の錯覚で怪人が浮き出て見える)。

出版:ほるぷ出版
装丁:川谷デザイン []

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機動戦士ガンダム アグレッサー 2 (少年サンデーコミックススペシャル) 【第82位】 機動戦士ガンダム アグレッサー 2巻
/ 万乗大智,矢立肇,富野由悠季 

ジオン公国からの亡命兵で構成された地球連邦軍アグレッサー部隊を
主役とした、『機動戦士ガンダム』スピンオフ作品。

小学館のスピンオフ仲間『サンダーボルト』と歩調の揃った、パッケージ感のある白枠デザイン。「この後敵機が爆発します」的な決めの踏み込みポーズを縦長の1枚絵に収めた地面斜めの構図がかっちりとはまっていて気持ちいい。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 志村泰央 []

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心が叫びたがってるんだ。 1 (裏少年サンデーコミックス)【第83位】 心が叫びたがってるんだ。 1巻
/ 阿久井真,超平和バスターズ 

『あの花』スタッフのメインスタッフが再集結して制作されたアニメーション映画、そのコミカライズ作品。
──手書き風、もしくは素朴な感じのロゴにしたいとのご依頼でした。(ベイブリッジ・スタジオブログ)と『あの花』同様、まず映像作品のロゴデザインを黒木さんが担当していて、コミカライズもそのまま担当。漢字が黄緑色で木の葉を添えたタイトルロゴに合わせて、木の葉を少し散らした白背景+白制服+黄緑色のすっきり爽やかな表紙。
出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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まほろばきっさ(1) (バンブーコミックス MOMOセレクション) 【第84位】 まほろばきっさ 1巻 / tugeneko

アホ属性の英国メイドが他人の空き喫茶店を勝手に再開して変な店員が集まっていく、仕事しない系ゆる喫茶4コマ。
文字は全て黄色。イラストは全体的に低彩度で、空、空が映った建物の窓、ティーカップの水面、店長の瞳、アクセサリーなど部分的に差し込まれた水色が澄んだ空気感を出している。ポップな絵柄の4コマ枠のなかでも色使いが個性的で目を引く表紙。扉()では店員が背の順に並んで「前へならえ」をして、こちらは白背景。

出版:竹書房
装丁:VOLARE 関善之 []

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シンメトリーズ (1) (電撃コミックスNEXT) 【第85位】 シンメトリーズ 1巻 / シバユウスケ


人格入れ替わり能力を持った双子を主人公とした、
女子学園新聞部ドタバタコメディ。

このタイトルならこれしかないでしょ、と思える
双子のシンメトリーデザイン。
一人だと風変わりすぎるくらいのポーズが二人で対称になるとピタッと収まる。

出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:LIGHTNING

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銀狼ブラッドボーン 1 (裏少年サンデーコミックス)銀狼ブラッドボーン 2 (裏少年サンデーコミックス)【第86位】 銀狼ブラッドボーン
1・2巻 / 雪山 しめじ, 艮田竜和

吸血鬼退治の英雄(70歳)が”骨食い”の化け物に挑む、ダークファンタジー作品。背景はシルバーでイラスト部分はグレー。1巻は赤、2巻は青と、アクセントの1色をタイトルに使うと共に、キャラをカラーライトで照らすように部分的に着色。限定した色使いの中でもイラスト部分が力強く、デザインに負けていない。
出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ
        石沢将人 []


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ヤスミーン 1 (ヤングジャンプコミックス)【第87位】 ヤスミーン 1巻 / 畑優以


この表紙を見て、二足歩行で歩くライオンが絶対王政を敷き、虐げられている動物が反撃の狼煙をあげるストーリーは想像しないだろう…という作品。

フサフサのたてがみと共に表紙を埋め尽くす猛々しいライオンのアップには間近にせまるような迫力あり。「ス」と「ミ」の字の上に動物達のシルエットを載せた、タイトルの一工夫が洒落ている。

出版:集英社
装丁:五十嵐卓也
タイトル拡大
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駄目な石【第88位】 駄目な石 / 平方イコルスン

作者2冊目、1話4,5ページのショートショートな作品集。日本語タイトルの下に石のようなエリアを作ってタイトルフランス語表記と作者名、そして石を抱えてうつ伏せになったキャラ。大胆な余白使いが面白い表紙。一応表題作はあるが、友達の妊娠と結婚発覚から取りとめのない話がはじまり、最後に「花でも贈ろう」「いや石だ」と川辺で石探しを始めて終わる…というお話になっていて、そこからこの表紙、そして裏表紙()、なるほど意味がわからない。カバー下は表紙と間逆のハイテンションカラーイラスト、見返しには『楽園』作家による「駄目な石」習字コレクション。妙な力の入れどころがロックかもしれない1冊。
出版:白泉社
装丁:30A 柴田昌房 []
裏表紙
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忘却のサチコ 1 (ビッグコミックス)忘却のサチコ(2) (ビッグコミックス) 【第89位】 忘却のサチコ
1・2巻 / 阿部潤 

結婚式で相手に逃げられた主人公が美味しいものを食べた時に得られる”忘却の瞬間”を求めて美食を追いかける、美食探求コメディ。
通巻でタイトル固定、構図固定。タイトルの隙間を通すように料理を手に持ち、真顔でよだれをたらしながら正面を見据える。「食べる」気合いを全面に押し出したデザイン。
出版:小学館
装丁:川谷デザイン []

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戦闘破壊学園ダンゲロス(8)<完> (ヤンマガKCスペシャル)【第90位】 戦闘破壊学園ダンゲロス 8巻
/ 横田卓馬,架神恭介 

毎回、この企画には少年ジャンプ作品が不足しがちということもあり、今年は期待の『背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~』を並べて爽やかメジャー成分を強化しようと思ったものの、手元になかったので代わりに 横田先生の別作品を並べてみた。
大体の人物が物語から退場してしまっている状態の、死屍累々の大集合イラストで飾られた最終巻。お疲れ様でした。

出版:講談社
装丁:banjo 坂上和也

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現代魔女の就職事情【第91位】 現代魔女の就職事情 1巻
/ はま,相沢沙呼 

現代社会における半人前魔女のお仕事探し奮闘記、
いわば「黒髪魔女子さんによろしく」。
慌てて箒で飛び立つ魔女、持ち忘れた弁当を手に呼び止める友人達。メインを大きく、サブを小さく配置した表紙は多いと同時にバランスを取るのが意外に難しい気がしているけれども、こちらはシチュエーション的にも構図的も必然を持たせて、それを上手く実現しているように感じられた。

出版:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
装丁:BALCOLONY. 嶋美弥 []

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妹ができました。 (ウィングス・コミックス)【第92位】 妹ができました。 / 芥文絵


8話構成の百合短編集。

表紙には、親の再婚で義理の姉妹となった表題作「妹ができました。 」の二人が縁側で佇む趣きのある朗らかなイラスト。タイトルは「。」で閉じられている通り文章になっていて、装飾的な加工のない文字として整然と大きく並べられており、澄んだ声でナレーションが聞こえてくるようにも感じられた。

出版:新書館
装丁:arcoinc 楠目智宏 []

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IT’S MY LIFE 1 (裏少年サンデーコミックス) 【第93位】 IT’S MY LIFE 1巻 / 成田芋虫

お家大好き元騎士隊長×魔法少女の日常ファンタジー。「剣と魔法のファンタジー」の世界観が浸透している現在増えてきた変化球ジャンルで、マイホームで平穏に暮らしたい騎士が主人公。厳つい悪者の雰囲気さえ感じさせる騎士と耳長の少女の完全なファンタジーイラストに、勇ましさもギャグっぽさもない等幅文字のプレーンなタイトルを載せて作品らしさを出していて、最近アンテナにひっかかる「幼い子+ギャップの大きいキャラ」の組み合わせを用いた表紙の中でも特に目を引いた。

出版:小学館
装丁:Beeworks 近藤雅己 []
目次
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ホクサイと飯さえあれば(1) (ヤングマガジンコミックス)ホクサイと飯さえあれば(2) (ヤングマガジンコミックス)【第94位】
  ホクサイと飯さえあれば
1・2巻 / 鈴木小波 
売れない漫画家が縫いぐるみの相方と共に、日々の飯と全力で取り組む、グルメ漫画というか飯作り漫画『ホクサイと飯』の前日譚で、大学生時代のお話。出版社は変わりつつデザインは川名さん続投で、ロゴデザインのエッセンスを引き継ぎつつ今回はさっぱりとした白。塗りの個性が際立っている。
出版:講談社
装丁:Pri graphics 川名潤 []
『ホクサイと飯』
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同居人はひざ、時々、頭のうえ。(1) (ポラリスCOMICS) 【第95位】 同居人はひざ、時々、頭のうえ。1巻
/ みなつき,二ツ家あす 

人間嫌いな小説家と世話焼きな広い猫。一つのエピソードを人と猫二つの視点で見せる猫暮らし漫画。

「時々、頭のうえ」を再現した、猫、人の頭、本という縦3段の構図が面白い表紙。背景や中の装飾アイテムに猫の足跡を多用していて、見返し()にもさりげなく散りばめるなど、細かいところで可愛く猫感を上げている。

出版:ほるぷ出版
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []
見返し
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ヴぁるばいと! 1巻 (まんがタイムKRコミックス) 【第96位】 ヴぁるばいと!1巻 / あまー
女子高生コンビにバイト4コマ。セブンイレブンはオレンジ、赤、緑。ファミリーマートは水色と緑。ローソンは青と白。このコンビニにはこれ、という色使いがあるが本作品のコンビニ「ヴァルハラ」のそれは青とオレンジ。タイトルや作者名、キャラの制服はもちろんのこと、棚に陳列されたタバコにも沢山の青とオレンジ。上端の青+オレンジライン配置も合わせて、これでもかというほどコンビニ感を醸し出している。作者名は張り紙風。タイトルや裏表紙のバーコードは吊り下げパネル風。奥付はノートに貼り付けたレシート風()。装丁とは少しズレるけれども、「本日のシフト表」として各話毎に誰が登場するか掲示しているところも面白い。
出版:芳文社
装丁:装丁:コメワークス 高橋忠彦 []
奥付
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ムシヌユン 2 (ビッグコミックス) 【第97位】 ムシヌユン 2巻 / 都留泰作

亜熱帯のエロバカ昆虫ハードSFホラーミステリー(推定)。

一応説明すると、表紙のイラストは未知生命体が進入した沖縄の島を消滅させるべく沢山の核ミサイルが打ち込まれたシーンで、左端には誰かを犯すべく森を彷徨う主人公が描かれている、と言ってもなんのこっちゃという感じかもしれないが、「よくわからないけれどもスペクタクル」な感じが好みな表紙。文字部分や手間の主人公周辺の植物にエンボスあり。

出版:小学館
装丁:河野未彩 []

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ポイズンガール 2 (バンブーコミックス) 【第98位】 ポイズンガール 2巻 / 瀬野反人



「煽っていくスタイル」、というコメントを一回使ってみたいと思っていたところに、それは私にこそ相応しいと言わんばかりに現れたのがこちらの2巻。「脳に食べるほうのミソ入ってるの?」と毒を全方向に向けていた1巻、対して2巻は矛先を手に取った読者にだけ向けるというメタなやり方でアイディアの切れ味を増したように思う。

出版:竹書房
装丁:hive 久持正士 []

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溶解教室 (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ もっと!) 【第99位】 溶解教室 / 伊藤潤二

奇怪な妹と謝る兄、二人が現れるところ人間が溶けだす。どろどろぐちゃぐちゃのホラー作品。
教室、主人公兄妹、床を埋め尽くす仲良くゲル状に成り果てたクラスメイト達。タイトル、作者名はもちろん、レーベル名、出版社名等の文字は全てチョークで描かれたように黒板に配置。イラストは裏表紙まで繋がっていて、背表紙のタイトル、裏表紙のあらすじ等も黒板に描かれた体裁を取っている。グロテスクな光景が広がっているが、全体的に色が明るく手に取りやすいコミカルさを感じられる。
出版:秋田書店
装丁:Pri graphics 川名潤 []
裏表紙
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透明人間↑↓協定 2 (ビッグコミックス) 【第100位】 透明人間↑↓協定 2巻 / 克・ 亜樹

安心してください、穿いてませんよ。
(↑まだまだ元ネタ込みで通じるはすの2016年3月)
毎回100位は裸を扱ったデザインを紹介していますよと言わないと多分わからない、というか自分でも何故100位に裸ネタを持ってきているのか忘れかけている状態なのだけれども、例えば本作では「透明人間をテーマに扱っている⇒裸でも認識されない」といいたように何らかの理由でコンスタントに1冊以上裸を使ったアイディアが出てくるので毎年ネタには困らない。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ []

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ここまでがランキング発表。

最後に、カバー下や特殊加工など別なところに注目した作品を別枠で24作品紹介していきます。


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【見返し賞】 ジゼル・アラン 5巻 / 笠井スイ ()

ジゼル・アラン 5巻

昨年はお休みだったので、2年ぶりとなる年刊ジゼル・アラン見返し通信。

何気に表紙のジゼルのスカートと色おそろいとなっている花柄のパターンで、4巻の見返しには小鳥が仕込まれていたが、今回は飼い猫のアルセーヌが紛れ込んでいる。袖に隠れる部分も含めて計3箇所。ポーズは別々で、それぞれ蝶々を追いかけたイラストになっている。裏側の見返しのにも3箇所アルセーヌと蝶々がいて、こちらも全て別ポーズ。最後はうずくまったアルセーヌに蝶々が止まって少しほっこりする。

ちなみに5巻の見返しに関する芥さんのツイートで本作の見返しが2色印刷であることを意識した。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:note 芥陽子 []

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【カバー下賞】 つるまき町 夏時間 / コマツシンヤ

つるまき町 夏時間

少しヘンテコなつるまき町で暮らす、少年みつるのひと夏の物語。

作品には植物にまつわる不思議な出来事や冒険が描かれており、カバーには植物の異常発生で緑色に埋め尽くされたファンタジーな町並みが広がっている。この緑豊かなカバーの下には同じ構図のイラストが収録されているが、そちらは植物の異常発生前の
イラストになっており、空の青と建物の白のコントラストが映える。

つるまき町 夏時間

イラストは1枚目がカバー全体を覆っており、裏表紙のエリアも同様に2パターンを楽しめ、カバーと本体でキャラを変えるなど細かい演出も見られる。

こういう仕掛けが遊びとして成立するのは本がカバーと本体と言う2重構造を持っているからであり、これを電子書籍でやるとして、ただカバー下を収録しても同じ効果はでないと思われ、隠し操作で表紙イラストが入れク替わる…的な仕掛けを忍ばせれば再現できるだろうか、などと考えてみたりもしたけれど、やはり紙は良い。

出版:新潮社
装丁:アーテン 福躍惠 []

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【カバー下大賞】 枕魚 / panpanya ()

枕魚

『楽園』本誌、ウェブ増刊に掲載された作品を中心に、同人作品を加えた計22篇収録の作品集。カバーを外すと、そこには一面のタイル。タイルはUV加工ツヤでツルツル、凹んだタイルの継ぎ目はマットPPでサラサラ。まずタイルの印刷がリアルで光を反射するのもタイル部分のみ、触っても形状を感じられて、気分はとてもタイル。

枕魚2

裏側に排水口。
ちなみにカバーにはキャラの服とタイトル部分と背表紙の楽園マークにだけ赤が挿されており、あとは黒のみで、こちらのデザインももちろん面白い。カバーはさらさら(ブンペル ナチュラル)で本体はツルツル。この変化の大きさも大事なとこと言える。

出版:白泉社
装丁:panpanya []

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【グラビア賞】 とんかつDJアゲ太郎 1巻 / イーピャオ、小山ゆうじろう

とんかつDJアゲ太郎  1巻

「とんかつもフロアもアゲられる男になりたい!」異色のとんかつ × DJ 青春作品。表紙はマットPPで、とんかつの表面は衣のようにデコボコ、レコードの表面はレコードUV加工はツルツルして指でなぞりたくなる質感。レコードを使う作品の内容にも、イラストの持ち味味にも合ったレトロでアナログな味を持ったカバーデザインが目を引くが、今回紹介したいのはページの最初に挟まれているとんかつグラビア。

とんかつグラビア

目次よりも扉よりも先に、読者が目にすることになるのがこの二つ折りとんかつグラビア。1巻の写真は東京都台東区の名店「すぎ田」で撮影。表にはとんかつの写真、裏には店構えや店内、調理の風景写真をレイアウトしている。もちろん作品ととんかつは切っても切れない関係にあるが、貴重なフルカラーを使って純粋グルメ漫画でもわざわざ付けなそうな飯テロを引き起こすレベルの美麗とんかつ写真を単行本のおまけにしてとんかつの名店をリスペクトしているのは最高に意味不明で、クールとしか言いようが無い。

出版:集英社
装丁:宮崎希沙 []
撮影:行竹亮太

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【帯賞】 ポム・プリゾニエール / 鶴田謙二 ()

ポム・プリゾニエール

イタリアの古都ヴェネチアを舞台に、廃墟、猫、裸をふんだんに盛り込んで自堕落な女性の日常を描いた漫画であり、以前、2巻は出ないだろうと全1巻のオススメ作品として適当に紹介してしまった『Forget-me-not』の1.25巻とでも言ってもいいかもしれない作品。

裸の王様と言わんばかりに、裸体のまま王冠を身につけ王座に持たれかかる女性。女性の下半身には赤色と金色の上品な帯が巻かれ、あらぬ妄想がかきたてられるが、帯を外すと「にゃ~ん(笑)」と鉄壁のガードをした猫が現れる。少しエッチなイラストを帯で隠すという王道の仕掛けが、カバーや帯の紙質、美しいデザインによって上品に仕上がっている。

出版:白泉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【表裏賞】 彼女はろくろ首 1巻 / 二駅ずい

彼女はろくろ首 1巻

妖怪マンガというわけでもなく、首をニョキニョキと伸ばしがちな高校一年生の日々を追った青春コメディ。


裏表紙はどうなっているでしょう、ともったいぶって隠しているわけではなく、もちろん表紙から裏にかけて首が"にょろ~ん"と伸びているわけではあるが、やはり最初は表紙だけ見て欲しい。表紙では少女の不自然な首の写り方と首を隠すポーズで「ろくろ首」を匂わせつつ、裏表紙を確認させる雰囲気を作って、カバー全体で見てみるとわかってはいても印象が変わる、というカバーを楽しむ流れを自然に構成できているように思う。











ろくろ首全2jpg

カバー全体。「ろくろ首」のイメージにあわせた英字の文字レイアウトも洒落ている。

装丁:川谷デザイン []

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【表裏賞】 たびしカワラん!! 1巻 / 江野スミ

地上と地獄を行き来する呪術師と大学非常勤講師。
“呪い”という縁に導かれた、歪な愛の物語。

たびしカワラん!!

呪術師である主人公は作中で自らの意思で地獄にもぐり、呪術のために魔物に喰われる。
表紙にはそういった主人公が落ちていく地獄の景色が、描かれている。それで、裏には何があるかというと、左右対称の地獄。

たびしカワラん!!全

そして対称が続き、面白いレイアウトだと思ったカバー全体。
R-TYPEの時機が飛んでいても違和感なし。
画像には上手く出ていないのだけれども、実物は赤系の蛍光色が綺麗に出ていて、
地獄の細かい書き込みが際立って見えて広げたときのインパクトも大きかったので是非。

出版:小学館
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【表裏大賞】 orange 5巻 / 高野苺

orange 5巻

完結。
同じ空を眺める「今の私達」と「10年後の私達」。
カバーを外すのもお忘れなく。

出版:双葉社
装丁:-

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【導入賞】 銀河ロケットにお葉書ください 1巻 /
                太田垣康男 スタジオ・トア,太田優姫


銀河ロケットにお葉書ください

『10か月後、人類滅亡は決定的となりました』。隕石の衝突による地球消滅へのカウントダウンの中、日本政府は遠い銀河へ人々の生きた証を届けるべく、国民一人一人からの最期のメッセージとなる葉書を集め始めた。終りを知った一人一人の最後のドラマを描くオムニバス作品。

銀河ロケット表紙

縦置きの英字とハガキを手にした手を載せたすっきりした扉。

銀河ロケット目次

ポストを置いたシンプルな目次、そしてプロローグが始まる。

銀河ロケット導入

作品の世界観を説明するのに20ページ弱、そして
文字だけの見開き。

銀河ロケット文字

『最後の落書に皆さんは何を書き…何を残しますか?』

銀河ロケットカラー1

「銀河ロケット事業団」宛の落書、そしてカラーページが挟まれる。

銀河ロケットカラー2

人類滅亡のニュースを目にした、とある家庭の1シーン。

銀河ロケットタイトル


そしてプロローグの終り。ここで作者名を添えたタイトルページが登場する。タイトルコールをためてためて最後にドーン…というタイプの演出をカラーページを組み合わせて行ったとても凝ったプロローグが物語を盛り上げる。

散らばった文字の表紙、整った文字のタイトルページと、同じフォントを使いつつ目的の違いで大きく見せ方の違う二つのタイトルもポイント。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:川谷デザイン []

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【完結賞】 せっかち伯爵と時間どろぼう 6巻 / 久米田 康治 ()

せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (講談社コミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(2) (週刊少年マガジンコミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(3) (週刊少年マガジンコミックス)
せっかち伯爵と時間どろぼう(4) (週刊少年マガジンコミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(5) (週刊少年マガジンコミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(6) (週刊少年マガジンコミックス)


時を越えて現れた長帽子の伯爵と、稀代の面倒くさがり屋の少年。せっかち×ゆっくり、時間をテーマにしたギャグ作品。
前回も大きく取り上げているけれど、完結して綺麗にデザインの揃ったものを並べておきたかった全6冊。こうしてみると、白黒+1色、影絵、文字盤の他、人物が全員行儀よく左に向かってるのも美しく整って見える要因になっているかもしれない。

ちなみに巻数表記は1巻から3巻までがローマ数字で4巻から6巻までは普通の数字(アラビア数字)。ローマ数字はかっこいいけれども巻数が多くなると認識がワンテンポ遅れたり使いどころが意外と難しい気がする。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,金子歩未 []

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【完結賞】 聲の形 7巻 / 大今良時 ()

聲の形 7巻聲の形(1) (週刊少年マガジンコミックス)聲の形(2) (週刊少年マガジンコミックス)聲の形(3) (週刊少年マガジンコミックス)聲の形(4) (週刊少年マガジンコミックス)聲の形(5) (講談社コミックス)聲の形(6) (講談社コミックス)

こちらも完結で、やはり最後に並べておきたかった全7巻。写真に収めたような景色のなか、二人の体の向きが、その心の距離を知縮めるように少しずつ外向きから内向きになって、最後は向かい合わせに。また、7巻の、ロゴの縁の部分に2色のグラデーションを持たせたほんのりと鮮やかなアレンジが実に最終巻の雰囲気を出している。ちなみに本作品の映画公開は2016年秋とのとで、こちらも作品的に文字周りを凝っていそうで期待している。

出版:講談社
装丁:RedRooster 高木紗耶 []

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【最終巻賞】 天体戦士サンレッド 20巻 / くぼたまこと

天体戦士サンレッド 20巻
悪の組織(悪い人とは言っていない)VS正義の味方(良い人とは言っていない)、川崎市ヒーローコメディもついに完結。最終巻となる20巻には、これまでの歴史が積み重なって、というかこれまでの19冊分の表紙が直接的に並べられている。ロゴやイラストの雰囲気を大胆に変えてきた、自由奔放なデザインの継続があってこそ成立している最終巻のデザインと言える。本企画ではデザインが好きな作品を紹介しているというのは当たり前の話だが、本作品についてはデザイン自体の良し悪しよりむしろ、この作品にしかでいないようなアイディアを通して最後を締めくくれたこと自体が良い作品であったことを象徴しているようですばらしい。そして、19冊の帳尻をピッタリ合わせられて、20巻完結で本当に良かった。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:2725 渡辺宏一 []

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【合体賞】 闇に恋したひつじちゃん 上下巻 / 長蔵ヒロコ

闇に恋したひつじちゃん 上巻<闇に恋したひつじちゃん> (ビームコミックス(ハルタ))闇に恋したひつじちゃん 下巻<闇に恋したひつじちゃん> (ビームコミックス(ハルタ))

魔女の少女と転校生としてやってきたウィッチハンターの少年の出会いから始まる恋とバトルの物語。『ルドルフ・ターキー』作者のデビュー作で、富士見書房版では未完の第3巻分も収録した上下巻。

完全版の2冊同時発売ということでやりやすい表紙合体。イラストは主人公の住まいをミニチュアハウスのように描いて、ちんまりとディフォルメの効いた登場人物達を散りばめている。8年近く前の作品ということで、現在の絵柄で当時のキャラを描くとギャップが発生していたかもと思ったりしたけれども、そういった面でもディフォルメキャラ描き下ろしの表紙は上手いやり方かもしれない。(といいつつも、下巻ラストに収録された今の絵柄による追加エピソードがすごく良い)

ひつじ裏

裏表紙も合体。イラストの部分だけ光沢あり。

ひつじ1ひつじ2


カバー下は、上下巻で色使い反転。おしゃれな上下巻。

出版:KADOKAWA / エンターブレイン
装丁:林健一

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【裏合体賞】 かたくり 上中下巻 / マイカタ

かたくり 上巻かたくり 中巻かたくり 下巻

IT企業に勤めた経験を持つ作者が笑えることも笑えないことも面白おかしく描いた、IT系会社日常あるある漫画。掲載はWebコミックサイトモアイで、出版は一迅社。上中下巻同時発売で、さてどこが合体するのかというと…。

すごろく

カバー裏、上中下巻3枚を合わせると50cm×62cmの世知辛いWEBすごろくが完成する。カバー下にはコマやサイコロあり。カバー下やカバー裏のおまけ好きとして、おまけが隠れていたら普通は「おまけがあった、ラッキー!」程度しか思わないが、これぐらい作りこんでいるのを見ると、こういう仕掛けは誰がどのくらいの手間をかけて作りこんでいるのか気になってしまう。

ちなみに裏で縦合体があるなら表でも縦合体があるんじゃない?ということでピンときた方はよろしくお願い致します。

出版:一迅社
装丁:井上則人デザイン事務所 安藤公美 []

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【合体大賞】 中村明日美子コレクション / 中村明日美子

中村明日美子コレクションI コペルニクスの呼吸 1中村明日美子コレクションII コペルニクスの呼吸 2中村明日美子コレクションIII 鶏肉倶楽部 (中村明日美子コレクション 3)中村明日美子コレクションIV Jの総て 1 (中村明日美子コレクション 4)

中村明日美子コレクションV Jの総て 2 (中村明日美子コレクション 5)中村明日美子コレクションVI中村明日美子コレクションVII ばら色の頬のころ (中村明日美子コレクション 7)中村明日美子コレクションVIII

中村明日美子デビュー15周年として、太田出版でA5判で発売された初期作品、『コペルニクスの呼吸』『鶏肉倶楽部』『Jの総て』『ばら色の頬のころ』『2週間のアバンチュール』をB6判の新装版で刊行。なので計5作品、8冊の合体。別作品をコレクションとして同一シリーズとして発売。上部に個別タイトルとコレクションとしての巻数エリアを設けつつ、下は存分に合体するのみで、違う作品が繋がっていくから構図が大胆に変化していく。当たり前だけれども違う作品がこれだけの物量で繋がる、これが実現できるにはものすごい好条件が揃っていなければないというか、15周年おめでとうございます。

出版:太田出版
装丁:内川たくや []

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【オレサマ オマエ マルカブリ賞】
 中原くんの過保護な妹 1巻 / ほっぺげ 2015/6/5
   お前ら全員めんどくさい!3巻 / TOBI 2015/6/12


中原くんの過保護な妹 1 (バンブーコミックス WINセレクション)お前ら全員めんどくさい!(3) (メテオCOMICS)


片や妹がベタベタと兄の世話をする4コマの1巻、片やめんどくさい生徒達がが先生に群がるハーレムコメディの3巻、そしてこのかぶり具合。

桜でんぶのハートをご飯に載せた弁当を片手に、卵焼きを箸でつまんで「はい、あーん」のポーズ。加えて学生服に白背景、縦型のタイトルレイアウト、丸で囲まれた巻数マークと、他の幾つかの要素にも共通項があるため、綺麗に揃った印象を受ける。『中原くんの過保護な妹』は同じ学校の妹が、毎日弁当を持って兄の教室に押しかけていて、この表紙。『お前ら全員めんどくさい!』は1巻につき表紙1ヒロインで、先生という属性が好きで弁当を差し入れにくるヒロインに順番が回ってきてこの表紙。発売日が6/5⇒6/12と非常に近く、「かぶり」としか言えない状況が逆に紹介しやすいし、むしろ天然物のコラボレーションとして推してみたい。

中原くんの過保護な妹 出版:竹書房 装丁:5GAS DESIGN STUDIO []
お前ら全員めんどくさい! 出版:ほるぷ出版 装丁:BALCOLONY. []

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【新装版賞】 ゆるゆり 1巻 / なもり

ゆるゆり (1) 新装版 (IDコミックス 百合姫コミックス)ゆるゆり (1)

百合姫コミックスが普通のコミックスよりひと回り大きいA5サイズから、青年コミックスでお馴染みのB6サイズへシフトを始めた2015年。単行本がA5サイズで13巻まで出ていた『ゆるゆり』も、1巻からB6新装版として刊行された。紹介する1巻を新旧並べてわかるように、背景色を白のままに、ロゴデザインやイラストの構図が旧版の流れを汲む新装版になっている。旧1巻発売から新1巻発売まで約2年8ヶ月、この期間を長いとみるか短いとみるか、比べて思ったのは「強くてニューゲーム」。新装版では、作者の自画像キャラであるクラゲがお茶目にロゴに組み込まれている。

俺の嫁なんていねぇ!: 1 (百合姫コミックス)百合

百合男子も新装版をゲットした模様。ちなみに旧版11巻時点でロゴやデザインはリニューアルされてるが、11巻以降の新装版についても当然のように描き下ろしイラストを使用。相変わらず仕事量が恐ろしい。

出版:一迅社
装丁:BALCOLONY. []

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【アンソロジー賞】 大斬―オオギリ― 西尾維新原作読切集
            / 暁月あきら,小畑健,池田晃久,福島鉄平,山川あいじ,
              中山敦支,中村光,河下水希,金田一蓮十郎


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西尾維新が9本の御題を元に創造した原作を9名の漫画家が各々の個性をもって描き切る、短編漫画集。大斬、つまり大喜利。『週刊少年ジャンプ』『ジャンプSQ』『週刊ヤングジャンプ』『別冊マーガレット』四誌合同企画。

特大タイトルでエリア分けして文字の隙間に嵌める形で漫画家9名のイラストを競演させた表紙。金の箔押しも多く、お祭り感覚でとても豪華。

アンソロジーの単行本は代表作家の一人がカバーイラストを担当することが多く、表紙としてまとまるのは当然として、イラストを描いた漫画家のイメージが本について、中身全体としてギャップが出ることも(超主観)。一方、収録されている作家のイラストを全部組み合わせるというのはおそらく面倒だし難しい。そういうのをやってしまったのがこの単行本で、エリア分けが結構強引な気がしないでも無いけど、そこにも勢いがあって西尾先生らしさも出ているように思える(小説など読んだことがない状態でとりあえず言ってみる)。

出版:集英社
装丁:L.S.D. シマダヒデアキ []

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【実写化賞】 俺物語!! 10巻 / アルコ,河原和音

俺物語!! 10 (マーガレットコミックス)俺物語!!

毛色が違う、紹介したい方法も違う9巻と10巻。どちらを紹介しようと迷った結果、ランキングと別枠とで2回紹介してしまうことにした『俺物語!!』。10巻と並べて紹介するのは映画ノベライズで、10巻と構図、デザインをあわせている。30キロの増量で、コスプレの域を超えてリアル猛男を誕生させた主演・鈴木亮平。10巻とノベライズがコラボするようにここまで寄せられたのは役作りに定評のある主演の役者魂あってのものと言えるかもしれない。

ちなみに5月14日に公開される「変態仮面」第2弾、こちらも主演・鈴木亮平。新装版と映画ノベライズをこんな感じで出してください。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []
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【HO★MO★SHOW!】 手巻き寿司課長と覆面男 / 山口ツトム

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作品内容は裏表紙参照↑な「エロス狂気の痛快コメディ」。この企画では基本的にBLを紹介していないため、「バイキンマンが天丼マンの中身を貪り尽くすのをBLとは言わない」という詭弁を考えていたものの、前回「ホモ賞」を作っていたのでその枠に入れればいいか的な作品。
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に映画泥棒の写真集が真っ先に表示されるのもさもありなんと思える手巻き寿司頭の課長。頭に盛られた大粒のいくら、潰れて滴り落ちたいくらの雫はUV厚盛りで、艶めかしい光沢を放っている。

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見返しには突っ込みどころの多い作中の台詞を袖に、ぎりぎり重ならない範囲で大きく配置。
隣にはカラーイラスト。

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次のページには見返しの続きの台詞を、見返しとは逆に小さく配置。
次にタイトルページ。

手巻き目次

目次はあえて区切りよく改行しないことで斜めに中黒丸が並んで目立つ。
そして本編。印刷は紫色。

手巻き袖左


奥付。見返しには、袖で隠すようにオマケイラストを仕込んでいる。

手巻き本体

カバー下本体。
「カバー下なんて誰も覗かない」系のおまけネタの仕込みとデザインを両立。

手巻き帯

帯付き表紙。
表紙のインパクトもさることながら、本編開始まで1ページ1ページのデザインを大きく変えた遊びの多い構成、紙選び、印刷など豪華で見所の多い1冊。ばかばかしくて勢いがあって楽しめて課長がちょっと好きになってしまったけれども、中身のオススメは特にしない。

出版:ふゅーじょんぷろだくと
装丁:コードデザインスタジオ []

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【装丁まんが賞】 まんがの装丁屋さん 1巻 / 小石川ふに

まんがの装丁屋さん

ついに登場した、マンガ装丁にスポットをあてた4コマ作品。
頬杖をつき、赤ペンを上唇に挟んで憂鬱な表情を浮かべるデザイナー。カバー全体には赤紫で辞書のように、マンガ装丁に関係のある用語とその説明を、小ネタを挟みつつ散りばめている。

装丁屋さん2

袖に入るデザイナーの名前には「カバーデザイン:」「装丁:」と添えられるのが一般的だが、この作品では中身にちなんで「このまんがの装丁屋=」と少しお茶目な表記を取っている。扉には自分で作品の表紙別パターンを眺めるメタなイラスト。背景色違い、タイトルのフォント違い、ペンの角度の違いなど、このページだけでもまんが装丁にちなんだネタが楽しめる。

装丁屋さん3

人物紹介のページは赤ペンで修正の入った原稿の体裁を取っている。

まんがの装丁屋さんカバー下

カバー下には、実際のデザイン事務所の風景とネタの多い解説。他にもカバーデザインの打ち合わせの様子やラフ案がわかるおまけ漫画など、マンガ装丁に着目した作品として期待してしまうネタが盛りだくさんな1冊。

作者は漫画家であると同時に、前回の記事では『パレードはどこへ行くの?』でも紹介しているようにデザイナーでもあるが、本作品では漫画家に専念しており、装丁を担当しているのはBALCOLONY.さん。デザイナーがデザインに関する漫画を描いて他のデザイナーがデザインを担当する構図がコラボ的というか、なんとなく豪華で良い。

出版:芳文社
装丁:BALCOLONY. []

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【良いコミック賞】 櫻井大エネルギー / 櫻井エネルギー

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エロマンガ雑誌にある「一般マンガ枠」の作品、その1。徹夜明けのハイテンションでひたすら狂気を突きすすむようなギャグ短編集。作者の名前を取り入れたタイトルは人物イラストと絡ませつつ特大に配置。「エネルギー」の勢い良く伸びた横線、白、ピンク、黄色のとにかく明るい色選びと不純物の混じった胡散臭い装飾アイテムの日本らしさが合わさり、作中の異様なテンションが上手く表現されている。

▲<


見返しと扉は水色。
「エネルギー」の横線は2ページをまたがって通常よりも広い袖まで続いており、
袖を取るとさらに長く伸びていく。

▲<


終りの見返しも同様の水色+タイトル。

大エネルギー本体

カバー下には黄色ベースの濃い登場人物。

大エネルギー帯

帯付き表紙。
ピンク、水色、黄色と全体的にビビッドな色使いで明るく、
文字通り大きなエネルギーを感じられる1冊。

出版:ワニマガジン社
装丁:VOLARE 星野ゆきお []

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【良いコミック賞】 だいたいめる子 / 縁山

める子

エロマンガ雑誌にある「一般マンガ枠」の作品、その2。『櫻井大エネルギー』を買っていてこのブログをよく見る方は大体こちらも買っている気がしているワニマガジン社仲間のCOMIC X-EROS巻末・ショートコメディ。
ピンクと黄緑のペンキのような何かで満たされた空間の中に、キャラや本編ネタが乱雑に放り込まれたカオスな表紙イラスト。黒い大きな円の中にはタイトル作者名、また小さい円を作ってキャラ名を入れている。

める子


見返し+扉。見返しは、カバーイラストと交じり合うようなピンクと黄緑のマーブル模様の空間、そして扉はキャラが空間から抜け出てきたような演出。

める子目次
目次も黄緑、ピンクそして黒い円を使った構成で人物紹介を兼ねており、レギュラー3人の伸長差を強調している。

める子本編
そして1Pマンガ、本編の繰り返し。区切りのように使われる1Pマンガには、これまでと同じ感じのマーブル模様。

める子

ラストの見返しも同様にピンクと黄緑のマーブル。
こんな感じでどろっとしたマーブルによる一連のデザインが印象に残った1冊。
ちなみにカバー下にもこの空間を「カオスの海」「この漫画の全てを生み出した混沌」として
メタなネタを扱ったオマケ漫画が収録されており、kindle版での扱いはわからないが、
デザインの流れでカバーの下に隠れていてこそのおまけだよな~と思ったりもした。

出版:ワニマガジン社
装丁:arcoinc 楠目智宏 []

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【良いコミック大賞】 ビーンク&ロサ / 模造クリスタル ()

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放棄されたキャンピングカーに住み、怪人の一味の手伝いをする少年・ビーンクと 少女・ロサの日常を
シュールな脱線多めで描いた作品。

最後は装丁の良さと内容の良さが自分の中でごちゃっとしているので
全体をさらっと見てもらって終わります。

ビーンク袖

見返しには肉。第2話が焼肉回。

ビーンク目次

目次。

ビーンク中身

お話の開始ページ。ページのコマの外左下に話数、コマの外右にタイトル。

ビーンク袖2

奥付には作中登場のぬいぐるみ。文字情報は、ぬいぐるみにあっぱくされるように狭いところに敷き詰められている。
袖の下には、本体価格が税別822円なので税込み888円という主張。

ビーンク本体
カバー下は黒地に蛍光色のイエローでタイトルと三角が描かれている。


ビーンク表紙帯

そして帯付き表紙。おしまい。

出版:イースト・プレス
装丁:コードデザインスタジオ []

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という感じでお送りしました、
良いコミックお気に入り装丁紹介企画『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2015』。

2016年の特集でまた逢いましょう。


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2016年03月22日 | この装丁がすごい! | コメント 2件 | トラックバック 0件 | TOP

この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2014 【ベスト100+α】

このエントリーをはてなブックマークに追加 カテゴリ:この装丁がすごい!  »2015年03月22日 更新

【2014|20132012201120102009

良いコミックが年1回お送りする時間泥棒企画、『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2014』の発表です。

想定所要時間は2秒~15分くらい。いつも通りにいつも通りな内容となっておりますが、今回はデザイン事務所やデザイナーさんのサイトや担当作品を並べた本棚など、公式情報が掲載されたページのリンクを付けてみたので、特定のデザイナーさんが気になった方にご活用いただけるかもしれません。紹介数ベスト100+α、どうぞご覧ください。

●画像をクリックするとamazonに飛びます。
 作品の内容の方が気になった方はそちらをご参照ください。
●画像下にマークが付いている作品は、
 画像の上にポインタを乗せると別画像に切り替わります。

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【第1位】 デッドデッドデーモンズ
             デデデデデストラクション 1巻 / 浅野いにお 


デデデデ


侵略者を乗せた円盤が空に浮かんでいても、毎日はそれほど変わらない、そんな少女×日常×ディストピア作品。

メガネっ娘の顔、そしてクイッという音が聞こえてきそうな仕草だけを最大限大きく見せるイラストの横配置。タイトルと作者名は口のしたあたりに配置されているがとても小さいため、ぱっと見こちらを覗きこむような顔だけ写った表紙に見えるが、手に取ってみると、さらに半透明のロゴが大胆に顔に重なって印刷されていることがわかる。この半透明のロゴの存在感はとても強く、アップイラストのインパクトとロゴのインパクトが同時に存在している。また、可読性を度外視したロゴを使う場合には読ませるためのタイトルも加える物が多く、こちらの表紙の口の下の文字がそれにあたるが、読ませるための文字が米粒ほどの大きさというのもなかなかに大胆、かつ良い位置に配置されていて意外に目立って読みやすい。

表紙をめくるとカラーでドラえもんのオマージュ的な作中作が始まる(画像右上)。目次ページでは半透明のロゴ部分がどういう形になっているか確認できる。半透明のロゴ部分に箔押しを使う案もあったという話だが、結果的に今までにないくらい浅野先生の人物イラストを素直に全面に出した表紙になって良かったと思う。そもそも浅野先生の作品でキャラを大きく配置した表紙が画集寄りの『Ctrl+T』ぐらいだったので、素直な人物イラストの表紙に苦手意識があるのかと興味があったが、その辺のことは『MdN Voi.248』の本作品のデザインについてのインタビュー記事で触れられていた。ちなみに同書では、先生の単行本のデザインはかなりご本人が指定しまうので、デザインを担当している黒木さんに非常に申し訳なく思っているという旨が語られていたが、分担の量はどうあれ、デザイナーが違えば炒飯を作っていたらピラフなるくらいの変化は起こりうると思え、何と言うべきか、いつもおいしい炒飯ありがとうございます。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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【第2位】 春風のスネグラチカ / 沙村広明

春風のスネグラチカ

舞台は極寒のロシア。謎多き少女と従者の宿命と歴史のロマンが折り重なる、そんな1冊完結作品。

表紙には、寒空の下で車椅子の少女に眼帯の従者がひざまずき、その手に忠誠のキスを捧げる1シーンが描かれている。横斜めのイラスト配置によって、姿勢の違う二人が大きく表紙に収まり、情報をそぎ落とすことなくその二人の関係性を語っている。加えてイラストの斜めの角度は、縦置きの整ったタイトル文字によって強調されつつ、静かな一枚絵に落ちるような不安定感を与えることで、物語のドラマティックな展開を予感させている。トリミングの威力を感じさせるデザイン、と言いたい。*

出版:太田出版
装丁:内川たくや []

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【第3位】 パレードはどこへ行くの? / 鈴木志保

デデデデ

さまざま動物たちが仲良く暮らす、サーカス島の不思議な日々を描いた1冊完結作品。

裏表紙から続く人の腕の上に列をなす愛らしい動物達。カバーには、モノクロに加工された写真が使われている。手は実写で動物達は切り抜き。虚構のキャラを遊ばせた本物の手はまるで創造主のものであるように目に映り、色の無い世界でその指差す方向に動物達が足を踏み出す様は、問いかけるようなタイトルと重なって、儚げで幻想的で、酷く暗示的でもある。その先には何が待っているのか。とても冒険しているデザインで、でもこれしかないと思えた。*

ちなみに、表紙に用いられた手は鈴木先生ご自身のもの。ボニータ編集部のツイートで、撮影の裏側が紹介されている。

出版:秋田書店
装丁:deconeco 小石川ふに,太田虎一郎(撮影) []

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【第4位】 せっかち伯爵と時間どろぼう 1~3巻 / 久米田康治

せっかち伯爵と時間どろぼう

時を越えて現れた長帽子の伯爵と、稀代の面倒くさがり屋の少年。せっかち×ゆっくり、時間をテーマにしたギャグ作品。

黒枠と時計盤、影絵ののような人物イラスト。ほぼ白黒で、1巻はオレンジ、2巻はグリーン、3巻はパープルと、アイテム1つと沢山ある数字の中でその巻を示すの文字だけが違う色を付けられている。ギャグ漫画としてスタイリッシュに仕上がりすぎたのか、1巻の後書きには「サブカル気取ってこんな表紙にしたわけではないんです」という作者の弁。インク代削減でたまたますごいオシャレになった、それなら仕方ない。*

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,金子歩未 []

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【第5位】 きみが心に棲みついたS 1巻 / 天堂きりん

きみがこころに棲みついたS1

Sacrifice(サクリファイス/生贄)という物騒な英語の頭文字を引っさげて復活を果たした、『Kiss PLUS』(講談社)からの移籍作品。

煌びやかなホールでドレスから艶かしい生足をさらけ出し佇むヒロイン。窓の外からは、王子様や森の動物達が冷たい視線を投げかける、そんなイラスト。文字情報はイラストの外に散りばめられ、所々が涙の跡のように滲んでいる。

無印版のメルヘンで可愛らしい絵本のようなデザインによってオブラートに包まれていた作品の悪意成分がむき出しにされて、美しくシリアスな衣替えとなった。彼女の未来は、今だ明るくない(もちろん良い意味で)。

出版:祥伝社
装丁:コードデザインスタジオ []

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【第6位】 All You Need Is Kill 全2巻

/ 桜坂洋,竹内良輔,安倍吉俊,小畑健 

All You Need Is Kill

人類が「ギタイ」と呼ばれる化け物との戦争を続けている世界で、初年兵が一日を繰り返すループに巻き込まれて死にながら成長していく、同名のSFサバイバル小説、コミカライズ作品。

同時発売の全2巻で、青と赤の対構造で主人公とヒロインをそれぞれ振り分けた表紙。コミカライズ作品ということで、クレジットすべき名前が4人と多めだが、英文タイトルに合わせて名前が全てローマ字表記になっていて、表紙には日本語が一切ない。おかげで複数クレジット配置時によく発生する野暮ったさをまったく感じさせていない。背表紙は日本語で表記されているものの、これはかなり大胆。逆に作者名を見付けづらいというデメリットは発生するかもしれないが、一目で「小畑健」だとわかるバストアップイラストを採用しているので多分まったく問題はない。

ちなみに本作品はヤングジャンプに掲載されていたが、流通やターゲットを想定してか、単行本はジャンプコミックスサイズになっている。しかし、表紙の文字部分や血の後が浮いている加工や、カラー印刷された見返し、幕間に挿入される原作小説の1節が書かれた黒ページなど、こだわり具合は青年コミックのそれだった。

出版:集英社
装丁:ジェニアロイド []

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【第7位】 白い本の物語 〔新装版〕 / 重松成美

白い本の物語


父を亡くした少年は、二人の若き職人と出会いによって美しい製本の世界の扉を叩く。「IKKICOMIX rare」レーベル作品の、新装版。

こげ茶色の線で詳細に描かれた本作りの工房の風景。黒い文字の大きなタイトルは3文字、1文字、2文字の独特の分割で目立ちつつも、軽やかなフォントの使用でイラストと調和して落ち着いた雰囲気を出している。カバー全体の色合い、手触りが上品で、「製本」を扱った作品によりふさわしいリニューアルになった。ちなみにイラストの中で少年が手に持っている本のタイトルは、作者の連載作品『BABEL』になっている。


そんなこんなで、スピリッツの増刊号として生まれながら独自の装丁デザイナー生態系を築き、一味違った本のデザインで楽しませてくれた月刊IKKIが休刊。ありがとうございました。しかしIKKIさんがいなくなると、本企画で紹介したい作品が減ってしまうことは確定的に明らか。これはいったいどうしたものか…。

ヒバナさん「おいすー」

出版:小学館
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【第8位】 イズモがゆく。 / 新めぐみ

イズモがゆく。

作者の実家で飼われている二頭の犬とのあれこれを語った犬エッセイ作品。

主線が太く、塗りわけがはっきりした白部分が多めのイラストに、読みやすい柔らかなロゴが合わさって、洗練されたシンプルさを感じさせる表紙。
犬⇒犬⇒作者の「最小EXILEのアレ」とでも呼びたい位置をずらした1列の構図で犬の存在感を最大限に引き出しながら、妙に後ろの作者も目立たせる位置取りの絶妙さは、同じイラストを使った背表紙や中扉で、何を見せたいかでイラストのバランスが変えてあることからもよくわかる。

巻末のおまけマンガには関さんも登場していて、このカバーはとんとん拍子に決まっているとか。

出版:小学館
装丁:VOLARE 関善之

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【第9位】 レビウス 1巻 / 中田春彌

レビウス

人体と機械を融合させて戦う「機関拳闘」という格闘技が行われている、スチームパンク的な世界におけるバトル作品。

緻密で硬質なイラストを際出せるオレンジ色の背景色と青色の印刷。このシンプルな構成にマンガらしからぬブランド品のロゴのようなタイトルが載せられて異質な美しさを強調している。世界を視野に捉えるべく、全編=横書き&左開きというグローバルスタイルを採用している、ということで背表紙も左に来ていている。また、表紙のタイトルには振り仮名が付いているが、作者名はローマ字表記のみ。とことんシンプルなデザインになっているが、バランスのためか文字でCHPER(話数)や掲載誌のURLが載っていたりと、使えるものは有効に活用するという姿勢もうかがえる。

こちらもIKKI掲載作品で、ウルトラジャンプへの移籍が決まっている。

出版:小学館
装丁:gift unfolding casually []

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【第10位】 お前ら全員めんどくさい! 1巻 / TOBI

お前ら全員めんどくさい!1

教師×生徒×生徒×生徒の、めんどくさいハーレム作品。

白衣三つ編黒髪メガネ娘のあっかんべーイラスト。イラストの上にはキャラが作中で喋った台詞が描き文字として散りばめられていて、白背景とイラストのシンプルな組み合わせに一味違ったアクセントを加えると共に、そのキャラのめんどくさい個性も紹介していることになる。白系が元々好きなのはあるけれども、最近そこになにか一手間加えた白+系が自分の中で熱い。

カバー全体の使い方も面白いと思ったポイントで、台詞の描き文字は表紙をめくると見える左の袖にまで続いていて、キャライラストは左の袖、背表紙、裏表紙へとはみ出して広げたときに楽しめる連続性を作りつつ、左の袖は作者自画像とコメント、裏表紙は作中のコマを抜粋して綺麗にレイアウトした作品紹介エリアになっていて、単独でも見栄えが良い。手元にある人は、2巻と合わせてカバー全体を眺めてどういうフォーマットを形成している把握してみると、言いたいことが伝わるかもしれない。

出版:フレックスコミックス
BALCOLONY. []

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【第11位】 夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない
/ 宮崎夏次系 

夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない

人間のあらゆる種類の「さみしさ」を描いた九つの物語が収録された短編集。

灰色で描かれた森、奥には一人の少女。さらに奥は真っ黒に塗りつぶされているが、黒いエリアにはぽつぽつと色とりどりの々が散らばっていて、夜空や宇宙が広がっているようにも感じられる。本記事内の紹介作品の中でも特に印象的な長文タイトルは、大胆に崩れたいびつなフォントで大きく載せられている。このタイトルのデザインに、タイトルのニュアンスや作中の人物に共通する不器用さが感じられると共に、タイトルが表紙を飾るためオ洗練されたオブジェクトとしても有効に機能していると思える。

出版:講談社
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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【第12位】 累 2~4巻 / 松浦だるま

累 2~4巻


昨年の1巻紹介から1年で3冊。1巻で、複数案がある中で大きく顔をクローズアップしたデザインが採用されて改めて良かったと思える。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子 []

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【第13位】 Q[クー] 1巻 / シヒラ竜也

Q

巨大生物が溢れて多くの都市が廃墟と化した世界で不思議な少女が大暴れする、特撮風SFアクション。

表紙いっぱいに描かれた巨大生物の残骸、その上に乗っかったドーナツの袋と異形の手を持つ少女。少女のイラストは中扉に掲載されているもの(画像右上)と同じものがそのまま小さく載せられていて、暗い部分が多い背景の中、空の白いラインに重なって目立っている。巨大生物を含め背景部分がとても暗いため、何が描かれているのだろうと良く見ようとすると、黒い部分に仕込まれた細かい星のホログラムがキラキラと光る、このホログラムを気づかせる構成が秀逸。また、タイトルの「Q」の文字はキャラの上に配置され、そこから読みや作者名が一列に並んで斜めに伸び、
巻数は「Q」の中に入っている。かなり変わったことをしている気がするが、それが悪目立ちしたり、情報の認識を妨げたりすることはなく、綺麗に収まっているのが地味にすごいと思える。

出版:集英社
装丁:成見紀子

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【第14位】 蟹に誘われて / panpanya

蟹に誘われて

日常と非日常の入り混じった世界に読者を誘う、奇妙でどこか懐かしいお話の集まった短編集。タイトル、風景イラスト、表題作のあらすじと地図。豊富な装飾要素がグレースケールで硬くまとめられていて、それは一見無骨で小難しそうな海外の翻訳本のように見える。しかし、よくよく読んでみるとあらすじが面白おかしいことが書いてあり、タイトルもばかばしいことになってくる、そんなユーモアが仕込まれている。とにかく個性的な著自装の1冊。ちなみに左上には楽園コミックのシンボルマークが赤と白で大きく配置されているが、もはやカニにしか見えなくなってしまった。*

出版:白泉社
装丁:panpanya []

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【第15位】 おもちゃの教祖さま 1巻 / 高崎ゆうき

おもちゃの教祖さま 1巻


見た目は子供、実年齢37歳、職業:「永遠教」教祖。ロリババァ新興宗教コメディ。『のじゃロリ&ロリババァ』(←検索して漫画界の懐の深さを知った)と『月刊コミックバース』掲載作品。

人物を横に配置して、その空いたスペースには沢山の文字。文字には黒のほか、銀色も使われている。スペースが足りないというわけでもなく、タイトルの大きな「教祖」の文字に嵌める形で作者名を配置するなど、独特のレイアウトが目を引く。左下には教祖様のありがたい訓言。カバーを全体で見てみるとキャラがエロかっこよくなる。

出版:幻冬舎コミックス
装丁:コードデザインスタジオ []

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【第16位】 夜とコンクリート / 町田洋

夜とコンクリート


短編集。

収録作「夜とコンクリート」を表題に使用。紺色のスペースに、白の線画で描かれた建物と黄色の文字、黄色の窓。一般的に通じる意味でのデフォルメと言ってしまうと何となく違うようにも思える、簡略化・抽象化されたビルの立ち並ぶ、無機質なはずの景色が何故かとても優しく見える。

作品内の絵柄が想像しにくいタイプの表紙ということもあって、面白く読めたことが表紙への好感を大きく上げているし、内容が面白いと思えたからこそ紹介したくなった表紙という側面はあるものの、この独特の町並みの造型、それ自体が作者の持ち味を雄弁に語っていると言えるかもしれない。

出版:祥伝社
装丁:坂脇慶

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【第17位】 魔犬 ラヴクラフト傑作集 / 田辺剛

魔犬 ラヴクラフト傑作集


クトゥルフ神話の創始者とも言われるラヴクラフトの傑作をコミカライズした作品集。収録作品は「神殿」「魔犬」「名もなき都」の3編。

イラストは表題作「魔犬」のもので、表紙から裏表紙にかけて、打ち棄てられた廃墟と無残な墓場が広がっている。松明をもった人物は薄い黄色で着色。陰影の強い写実的な背景に重厚感があって、タイトルやボックスに着色された明るい黄色もこれを和らげることなく、毒々しさを加えている。右上の黄色いボックスの情報の英語表記は元の作品の海外らしさを出しているが、このボックスは裏表紙にまで続き、そのままバーコードを配置するエリアになっていて、バーコードもあまり気にならない()。

中のデザインは画像右上がカバー下、右下が中表紙で、どちらも黒色と銀色。装丁も、物語も心が休まるポイントが存在しない硬質な作品。心なしか、本自体も重たいものに感じられる。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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【第18位】 賭ケグルイ 1巻 / 河本ほむら,尚村透

賭ケグルイ 1巻


ギャンブルに強いものだけが人間であることを許される、狂気の学園賭博バトル作品。

普段はガンガン系作品として違和感のないすっきりした絵柄の人物達が、感情を露にするときリアルに表情をゆがめる、
そんな顔芸を駆使する作品ということもあり、表紙のイラストも顔芸発動時寄りのリアルタッチで描かれている。
バックの白色によって人物イラストの暗さが強調されていて、その暗さの中で目や爪に挿された赤色が目立つ。
また、さらにカバーにはキャンバス地のような凹凸があり、この凹凸が色の暗い領域での方が白味がかるため、
赤色部分が浮いて光っているという錯覚すら起させる。

ホラーマンガでもないのにそれに近い凄みが作品の狂気を上手く表現していると言えるが、
背表紙単体で見るともはや、普通にホラーマンガのそれになっている気がする。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:川谷デザイン []

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【第19位】 彼女とカメラと彼女の季節 5巻 / 月子

彼女とカメラと彼女の季節 5巻

キマシTOWER!!!!!!!!!!(感無量)

出版:講談社
装丁:NARTI;S 新上ヒロシ []

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【第20位】 おじさんとマシュマロ / 音井れこ丸

おじさんとマシュマロ

マシュマロ大好きおじさんと、マシュマロ大好きおじさんが大好きなOLの、ラブ(未満)オフィスコメディ。Pixiv掲載の大人気シリーズ、フルカラー書籍化作品。

おじさんとOLの周りの無地の部分には、エンボス加工で浮き出たマシュマロが散りばめられている。エンボス加工の部分は無色にも関わらず陰影だけでくっきり目立っていて、マシュマロがとてもマシュマロらしい。加えてカバーの手触りがしっとりとして個性的であり、気がつくとマシュマロ部分を指でなぞっている。

出版:一迅社
装丁:井上則人デザイン事務所 安藤公美 []

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【第21位】 レストー夫人 / 三島芳治

レストー夫人


毎年二年生の7クラスが「レストー夫人」という同じ演劇を違う台本で上映する学校を舞台にした、とあるクラスの生徒たちの物語。

白とシルバーの上下二色分割構成。文字の置き方が控えめで飾りなく、そのシンプルさで文学作品のような雰囲気を持ちつつ、イラストの目立たせ方はマンガ的とも思え、アオハルレーベルのコミックの中でも異質な静けさを放っていた。人物イラストは、作中から切り取られたものになっているが、実際のシーンでは微笑んでいたものが、表紙に用いられる際には口と共に表情が消された、ニュートラルな状態で用いられて、それが波の無い静謐な空気を形成しているように感じられた。

出版:集英社
装丁 art direction and design:AAA Ddesign
   editorial producer:里見英樹


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【第22位】 月刊すてきな終活 / 小坂俊史

月刊すてきな終活

14歳女子中学生から、78歳無期懲役囚まで。17人の「終活」オムニバス4コマ。

沢山のキャラが、自分の遺影を抱えているイラスト。それぞれのキャラには名前と年齢が添えられている。背景は、大切な人に読んでもらうエンディングノートの1ページになっていて、名前を書くスペースに作者名を配置している。タイトルロゴは、クレヨン描き風。同じように、死を扱った『薄命少女』(装丁:里見英樹)が自分の遺影を自分で持たせるデザインになっていたが、あちらはブラックユーモア寄りでこちらは前向きなニュアンスが強い。とは言いつつも、中扉の方は遺影がずらっと並んでいてブラックなインパクトがあり、こちらが表紙になっていたら手に取っていたかと想像してみるとちょっと面白い。ちなみに奥付も遺影風にデザインされている()。

出版:竹書房
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【第23位】 いぬやしき 1・2巻 / 奥浩哉

いぬやしき

『GANTZ』の次の作品。そのタイトルが『いぬやしき』で表紙にはおじいさんの笑顔。あらすじを見ていなかったこともあり、ネットで書影を見て「大量の犬を一軒家で買う無責任な老人の話」なのかと明後日の方向に妄想を膨らませたが、実物を手に取った瞬間、全体に浮かび上がった細かい球体状のホログラムがその雰囲気を大きく変えて、妄想が間違っているであろうことを瞬時に悟った。ホログラムが手前で浮き出て見えて、何気に不思議な表紙に仕上がっている。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子 []

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【第24位】 恋は光 1巻 / 秋★枝

恋は光_1

特定の条件を持つ女性の周りに煌く「恋の光」が見える男性の能力を軸にした、キャンパスライフ・ラブストーリー。

白と銀色の二色で構成された大学構内の風景が一面に広がったカバー。そこに表紙に描かれたヒロインを含め、メインキャラクターだけを色づけして目立たせている。ヒロインの周りやタイトル部分には同じ形の光。さらに、本の角度を変えると一部分がパールのように光を反射する()。その光がささやかで上品。そして作者名に入った「★」がもっとも良く馴染んでいるカバーになっているかもしれない。

ちなみに、主人公が見える光は裏表紙のあらすじで「恋の光」と呼ばれているが、作中ではっきりと「恋をしている女性の周りに見える」
と解明されているわけではないので上の紹介文が回りくどい言い方になったが、そういうところを踏まえて続く2巻の表紙がまた面白いことになっていた。

出版:集英社
装丁:GENI A LOIDE 堀井奈々子 []

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【第25位】 ギリギリアウト 1巻 / ソウマトウ

ギリギリアウト1


ヒロインが尿意と戦い、そして黒星を重ねるおもらしラブコメ作品。

発売されたのが2014年1月下旬で、3月発売のウルトラジャンプに掲載されるコラムの候補として、『せっかち伯爵と時間どろぼう』『レビウス』と共に挙げていたのがこの作品。しかし、3作共にすごく見所がある作品という感覚でいた自分に対し、編集さんはこの作品だけヒロインが可愛い表紙という印象を持っていてピンときていなかった。「そうじゃないんだよ」という想いを胸に、休日の喫茶店の隣のテーブルで優雅に談笑する奥様方を気にしながら、「おもらし」「尿意」などの必須ワードを盛り込み、「3コマと信号色」、「1コマだけでは何故ダメなのか」(カバー下には3コマ目の全身イラストあり)、「コマ割系デザインの発展型としての表紙」等などのポイントを説明して、この表紙が内容に合ったすばらしいものであるということを伝えるために30分間の議論を行った。結果、「紹介してもいい」というところまで持ち込めた。その後『せっかち伯爵と時間どろぼう』をどう紹介するかをさらっと決めて、その日の打ち合わせを終えた。

出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
装丁:コメワークス 高橋忠彦 []

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【第26位】 運命の女の子 / ヤマシタ トモコ

運命の女の子


女刑事が大量殺人犯と対峙するホラーサスペンス『無敵』。苦い初恋の呪縛から逃れられない青年をリリカルに描く『君はスター』。使命を背負わされた少女と少年の冒険譚『不呪姫と檻の塔』。長編読み切り3編を収録した作品集。

表題作はなく、3作品を総括するような形で『運命の女の子』というタイトルがつけられている。表紙の人物は、ホラーサスペンス『無敵』に登場するが、少し乱れた髪、覗き込むような視線、そして大胆なトリミングが合わさって、見ていてどことなく不安になってくる。人物の瞳の中には赤ホロ箔。この赤ホロ箔は背表紙のタイトル部分にも仕込まれているが、表紙の中ではタイトル部分に使われず、瞳だけが浮き出ている。デザイナーさんは「瞳にゆらぐ焔を、赤ホロ箔で表現しました。」とコメント。「瞳に宿す強固な意志的なアレね~」と解釈して読んでみたら、そうではなかった。

出版:講談社
装丁:note 芥陽子 []

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【第27位】 かつて魔法少女と悪は敵対していた。 1巻 / 藤原ここあ

かつて魔法少女と悪は敵対していた。

無防備で人懐こい魔法少女と、彼女に一目ぼれしてしまった悪の参謀、愛と葛藤の4コマ。斜めのラインで少女と悪を対峙させたイラスト。

タイトルの「かつて」から「して」までが空いたスペースに等間隔ですっきりと収められることで、そこから逸脱した「いた。」の文字から大きさに見合ったインパクトが出ている。さらに「敵対」と「して」の部分が花を避けるように離されていて、「敵対、して、いた。」とリズムを生んでいる。美麗なイラストの邪魔をせず、かつ印象に残る文字配置。ライトノベルのような長文タイトル、その料理方法の可能性を見た。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:コードデザインスタジオ []

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【第28位】 燐寸少女 1巻 / 鈴木小波

ギリギリアウト1


妄想を見るのはお客さん。持ち主の身に余る不思議アイテム販売系作品、燐寸(マッチ)限定版。

年代物のマッチ箱のようにデザインされた表紙。色は主に茶色、黄色、赤色、クリーム色。アナログ感の強い作者イラストや作品タイトルがデザインと馴染んでいるのは当然として、「Kadokawa Comics A」のレーベル表記従来のフォントそのままで意匠の一部ように溶け込んでいて、探さないと見つからない。カバーの手触りも良く、作中で少女が口にする、「レトロ調でオシャレ」という表現がとても似合っている。

出版:KADOKAWA/角川書店
装丁:LALA HANDS 佐々木基 []

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【第29位】 幸子に幸あれ 1巻 / 生春巻

幸子に幸あれ 1巻

貧乏で不幸な暮らしの中で病的な健気さが染み付いた女子高生、その日常を描いた4コマ作品。

その表紙は、右にイラスト、左に4コマと、まさに4コマ漫画の第1話のように見える。それもそのはず、表紙のベースは第1話の1ページ目(画像右下)。そこに、元のページにはないアオリが過剰に詰め込まれていて、なんだか本物の第1話よりも第1話らしく感じられるのだから面白い。さらに、アオリが自然に作品の内容を説明する役割も果たしている。作品が4コマ漫画であることも含めて、大事なことが非常に分かりやすい表紙になっているということは、ヤングマガKCレーベルに所属する作品としてとても重要。そもそも4コマ作品は表紙に4コマを載せるとその作品が4コマ作品であることがわかりやすいというのは当たり前の話ながら、4コマという絵面は表紙に使う素材としては扱いが難しいように思える。それをこの作品では4コマという素材を第1話の1ページ目という大きな枠組みごと持ってきたのでパーツを切り貼りした感じがないのが上手なところかもしれない。

ちなみにカバーの表面には手触りのよいつぶつぶがついていて、質感を底上げしている。おそらく『惡の華』4巻~6巻のカバーで使われている加工と同じタイプのもので、本企画でも何回か取り上げていると思われる。この加工は折られる部分で取れて白く剥げやすいという弱点がある。そこを今回のカバーでは折られる部分だけ折られる部分だけつぶつぶが付いていなくて、痛みが目立ちにくくなっている。この何気ないダメージ対策の改良にうれしくなった。

出版:講談社
装丁:banjo 坂上和也

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【第30位】 文房具ワルツ / 河内遙

ギリギリアウト1


擬人化された文房具が悩める持ち主達を見守る、穏やかな短編集。紺色の下地とクリーム色の背が目立つ、ノートのようなデザイン。写真を切りぬいたようにイラストを収めたひし形の枠は、絵の密度を高める一方で紺地の余白を広く見せ、ノートらしさを印象づけている。タイトルやイラスト部分は光沢のある加工がされており、表紙に華を添えると共に手触りの違いによって、さらりとしたノートの感触を思い起こさせる。カバーの質感は作品を読む手にも感じられて、持つこと自体が心地よい。良い文具のように愛着の沸く、1冊。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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甘々と稲妻(3) (アフタヌーンKC)【第31位】 甘々と稲妻 3巻 / 雨隠ギド

1,2巻では一塊になっていたものを分割してきっちり縦に配置したタイトル。
タイトルが落ち着いていて、その分人物の元気よさが際立つ。

少女の瞳や靴・ネギの緑色や、買い物袋の黄色、
スイカシャツや半ズボンの赤色など、
小物の鮮やかな差し色がクリーム色のカバーの上で調和していて、
眺めていて飽きがこない。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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長閑の庭(1) (KC KISS)【第32位】 長閑の庭 1巻 / アキヤマ香

文学教授(64歳)と大学院生(23歳)、年の差 恋愛未満ストーリー。

イラストを囲む植物の飾り枠、タイトル、作者名の枠、巻数表記の囲み、イラストの窓枠。整った美しいデザインであると同時に、作中のモノローグの枠やコマワリの線に工夫がされた作品にとても馴染んでいる。
表の飾り枠と形を合わせた裏表紙のデザインは、
バーコードが無くなったことをとても上手に利用している。

出版:講談社
装丁:コードデザインスタジオ []
裏表紙
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Sunny 5 (IKKI COMIX)【第33位】 Sunny 5巻 / 松本 大洋

晴れの日でも傘を差す少年は、顔アップの表紙でも傘差し。
傘で目を隠してしまうことで、もじゃもじゃの髪や
鼻水、タートルネック、ランドセルなどキャラを構成する要素が
より強調されている。
傘があることによって、本来文字を置きにくい
顔のおでこあたりの良い位置にタイトルが来て
赤と黒でいつもよりも目立っている。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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おかゆネコ 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) 【第34位】 おかゆねこ 2巻 / 吉田 戦車






1巻は黄色と黄緑、そして2巻は黄色とピンク。
このシリーズの色合わせはとても気になる。

出版:小学館
装丁:cozfish 祖父江慎, 福島よし恵 []

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スティーブズ【第35位】 スティーブズ 1巻 / うめ(小沢高広・妹尾朝子),松永肇一

ジョブズとウォズニアック。史実を元に描かれた、二人のスティーブによるアップルコンピュータ革命譚。
人物二人と齧られた林檎。服装がシンプルで、林檎が良く目立っている。巻数、タイトル、林檎部分には光沢があり、表紙の中央にも無色のタイトルロゴが仕込まれている。巻数表記の後ろにある作品にぴったり似合いすぎるドットは、編集さんのタイプミスから生まれたらしい。参考:関さんのツイート

出版:小学館
装丁:VOLARE 関善之

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聲の形(5) (講談社コミックス)【第36位】 聲の形 5巻 / 大今良時

『このマンガがすごい!WEB』さんのゲスト企画でお題を決めて3作品紹介することになり、チョイスしたのがこちらと『亜人』5巻、『累』3巻。「次巻のデザインが気になる」かつ「内容もオススメできる」という縛りを独自に設けた結果、他の紹介者の個性的なラインナップと比較してずいぶんと「普通に話題なっている」作品を選んでしまったかもと少し後悔したすぐ後で、チョイスした3作の新刊の表紙の、これまでの流れを踏襲しつつその巻の特徴を出した素敵な仕上がりを確認。そうそう、これよこれ。

出版:講談社
装丁:RedRooster 高木紗耶 []

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ジュウマン 1 (ビームコミックス)【第37位】 ジュウマン 1巻 / 羽生生純


混沌の巨大戦隊ヒーロー作品。

戦艦を模したコスチューム(作業服)を着て仁王立ちしたオッサン。オッサンを囲んで無地の背景を埋めるタイトル、その隙間には作者名や煽りが添えられる。右上に小さく人が描かれていて、それくらいオッサンが大きいというのは分かりづらいが、文字組みで人物がそそり立つ雰囲気が良く出ているように感じられる。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室 []
ロゴ拡大
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現代魔女図鑑 1【第38位】 現代魔女図鑑 1巻 / 伊咲ウタ

現代に生きる魔女達の日常を描いた、オムニバスストーリー作品。
魔女/魔法少女モノその1。
青空、無味な階段、制服などの現代要素、帽子、箒、長い髪、黒猫などの魔女要素。程よく現代の日本感を出した魔女達のイラスト。
背景の枠や、単語ごとに分割された漢字のタイトル、辞典で使われそうなフォントによるふりがなの装飾が、さりげなく表紙を図鑑のようにまとめている。
中表紙は白黒+青のイラスト。明⇒暗の流れが気持ち良い。

出版:一迅社
装丁:imagejack 團夢見 []
中表紙
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幻想ギネコクラシー(1)【第39位】 幻想ギネコクラシー 1巻 / 沙村広明

SFにファンタジー、エロ、グロ、パロ。圧倒的な画力で描かれる突拍子もない12の物語が収録された短編集。猫耳の目立つリアルなタッチの女性に、各エピソードに関連したアイテムを無節操に絡ませて、まったく意味不明かつ妙な凄みのあるイラスト。その余白を埋める控えめなタイトル。背景を無地にして、イラストのインパクトで勝負したシンプルなデザインに見えるが、カバーにはキャンバス地の布目風な凹凸と色むらがあり、これが絵画のような質感を持つ作者イラストの魅力を最大限に引き出している。見て、眺めて、触ってほしい。*

出版:白泉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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瑠璃宮夢幻古物店(1) (アクションコミックス(月刊アクション))【第40位】 瑠璃宮夢幻古物店 1巻 / 逢坂八代

大体バッドエンド直行古道具販売系作品。

手間の黒猫が、奥に座る女店長を見つめる構図。
タイトル・作者名を含め、キャラを避けるように散りばめられた
文字が、猫と女店長の存在を強調している。
幕間には作中に登場した個物の解説ページが挟まれており、
本全体でコードデザインスタジオ成分が強い。

出版:双葉社
装丁:コードデザインスタジオ []
キャラアップ
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俺物語!! 5 (マーガレットコミックス)【第41位】 俺物語!! 5巻 / アルコ,河原和音

純白のスーツに身を包み、薔薇の花束を携える強面主人公。
主人公のキャラが分かっているため普通にカッコよく見えてしまうけれども、
(電通の匂いがする方の)「壁ドン」が似合いそうなキャラにこれをやらせても、
ここまでパンチのある表紙にならないであろうことは予想できる。

影と組み合わせた「アルコ×河原和音」とレーベルマークも
既刊の中で最も有効利用されていると思える。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []

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新装版 UMA大戦 ククルとナギ(1) (KCデラックス )新装版 UMA大戦 ククルとナギ(2) (KCデラックス )【第42位】 新装版
 UMA大戦 ククルとナギ
1・2巻 / 藤異 秀明 
昨年発売された同作者の『真・女神転生 デビルチルドレン』新装版がゴールドだったのでこちらはシルバー。こちらの作品を含め、当時の読者を対象にしているのか、『ボンボン』復刊作品のデザインの気合いの入りようがとても興味深い。

出版:講談社
装丁:arcoinc 楠目智宏,池田悠 []

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カオスノート【第43位】 カオスノート / 吾妻ひでお

日記形式の妄想シュールギャグ作品。
どてっと立ったペンギン、その足に潜り込む形で、
吾妻先生が木箱を机に漫画を描いている。
表紙のほとんどが白と水色で占められているが、
先生の部分を指で隠してみると、
股下にちょこっと先生がいるだけでぺんぎんが可愛いイラストが
ユーモラスな表紙として完成していることがよくわかる。

出版:イースト・プレス
装丁:鈴木成一デザイン室

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亜人(4) (アフタヌーンKC)【第44位】 亜人 4巻 / 桜井画門

不気味さと凄みを兼ね備えた、ファイティングポーズの異形。その登場数わずか2ページ、計4コマ(部位だけのコマを含める)。そして「しかし亜人4巻表紙キャラの活躍しなかった感もすごい」というツイートをしたところ、担当デザイナーさんにふぁぼられるという事案が発生した。

現在ドラム缶の中でオヤジ汁を醸造していそうな本体(消防士、妻子持ち)の5巻、飛んで6巻以降の活躍に期待する。

出版:講談社
装丁:アルティザン 深海和宏 []

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The Mark of Watzel (ヤングジャンプコミックス)【第45位】 The Mark of Watzel / 武富智


武富先生のリクエストにより実現した草野さんデザイン。

TVドラマ『怪傑ワッツェル』で人気を博した元俳優ジェイソンのもとに「病で寿命を宣告された娘・エリンを騙してほしい」との依頼が…と余計なネタバレをぜずにあらすじをまとめるのが面倒な作品なのだけれども、情報がなくとも映画のポスターのようにわくわくできる表紙だと思う。

出版:集英社
装丁:草野剛デザイン事務所 草野剛 []

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子供はわかってあげない(上) (モーニング KC)子供はわかってあげない(下) (モーニング KC)【第46位】
 子供はわかってあげない
上下巻 / 田島 列島
味のあるイラストを邪魔せず読みやすい、タイトルの巻数表記と合わせた4×3全体配置。上巻は水色で下巻は黄緑と、カバーイラストの基調にカバー裏や見返し、目次や帯の色も統一されている。各話のタイトルの入れ方や区切りの黒ページなどシンプルで丁寧な作りこみを感じさせる2冊。
出版:講談社
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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ドミトリーともきんす【第47位】 ドミトリーともきんす / 高野文子

架空の学生寮を舞台に、母子が偉業を成し遂げた科学者達の若かりし姿と対面し、その交流によって科学者の思考や視点に迫っていく作品。

大判で大体ナウシカサイズ。このぐらいのサイズになると細かいイラストの本が増える中、シンプルすぎるくらいシンプルなイラストとシンプルな色使い、大胆な空間の使い方が異彩を放っている。サイズがシンプル感を際立たせた、懐かしくて洗練された新しい表紙。

出版:中央公論新社
装丁:服部一成

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NEW GAME! (1) (まんがタイムKRコミックス)【第48位】 NEW GAME! 1巻 / 得能正太郎



「このコントローラー欲しい!」というのが第一印象。

同時期に発売されたKRコミックスの中でも際出だっていた表紙の感じの良さは、(参考:ジャケ買いの種/2014年2月後半)、きっと「今日も一日がんばるぞい!」で興味を持った読者の購入を大きく後押ししたと思っている。

出版:芳文社
装丁:コメワークス 加賀谷遥 []

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テガミバチ 18 (ジャンプコミックス)【第49位】 テガミバチ 18巻 / 浅田弘幸

明るい景色と人物の引き具合でいつもと雰囲気が異なり少し新鮮な風が吹いた18巻。
以前、海外の人が向こうの掲示板らしきところで、過去の本企画を目にして「テガミバチが入っていないなんて、ちょっとありないよボブ」みたいなことを言っていたことがあったが、「何巻も出ている長編作品だと以前の紹介の有無や前巻との違いなど、色々紹介しやすさが変わってくる、そういう問題ですよ」と、相手が国外の人だと何故か丁寧に教えたくなる。

出版:集英社
装丁:-

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ねこ背を治したいにゃー (コミックエッセイの森)【第50位】 ねこ背を治したいにゃー / はませのりこ

姿勢改善について綴られた猫マンガ、もとい猫「背」マンガ。

小田扉絵に通じるゆるいタッチのイラストにマッチした、
気負いのない、脱力系描き文字タイトルデザイン。
大きな「にゃー」の文字が、
左端から飛び出した猫が発しているように見える構成が
じんわりと面白い。

出版:イースト・プレス
装丁:川谷デザイン []

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orange(3) (アクションコミックス(月刊アクション))【第51位】 orange 3巻 / 高野 苺

別マ発、月刊アクションから再出発した少女漫画作品。
未来から手紙が来るストーリーから、手紙をモチーフに1・2巻が繋がるコラージュ形の表紙になっていたのが旧版。対して再出発版の1・2巻は同一構図で1巻に現在のキャラ、2巻に未来のキャラを描く時間に焦点をあてた表紙になった。続く3巻では、表紙から裏表紙に一本の道が続き、表紙に現在の自分達、そして裏表紙にはそれを見つめる未来の自分達が描かれている。デザイナーさんの公表がなくてもどかしい。

出版:双葉社
装丁:-
裏表紙
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ニッケルオデオン 青 (IKKI COMIX)【第52位】 ニッケルオデオン 青 / 道満晴明


1冊目が「赤」、2冊目が「緑」で、こちらは実質的な3巻であり最終巻となる「青」。主線のない切り絵のような木々や木の葉が重なったような森の背景。キャンバス地のようなカバー上に発色の良い青色が載っていて質感がとても良い。

多分、こちらと18位、39位のカバーは同じ紙を使っていて、
どれも紙の違った魅力を引き出している。

出版:小学館
装丁:nist 柳谷志有 []

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ミミクリ【第53位】 ミミクリ / ai7n

お皿に盛り付けされた少女たちが目を引き手に取ってみたら、文字通り少女たちが食べられる作品だった(料理的な意味で)。

グロありエロありで人を選びすぎてオススメするのを慎重にせざるをえない作品でも、少女達が盛り付けられた構図とさらりと添えられたタイトルが印象的とか本の手触りが良いというアピールポイントを持ってさらりと紹介できるのは、この企画の便利なところだと思っている。

出版:太田出版
装丁:hive 久持正士,土橋聖子 []
拡大
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凪を探して: 『猫がいない』短編集 (リュウコミックス) 【第54位】凪を探して: 『猫がいない』短編集 / 脇田茜

愛する「猫」という存在を通して、5人の女性の心の機微を、優しく、鮮やかに描き出した作品。
作中ではあらゆる理由で猫が素直に出てこない作品ばかり収録されていて、猫マンガなのだけれども『猫がいない』短編集、という個性的な副題が印象に残る。表紙の上では、『猫がいない』の文字の隣に作者名が配置され、作者名の名前と苗字、さらに「猫が」と「いない」を分ける形で作者名のローマ字表記が入り、大事な副題を目立たせるべくささやかなひっかかりを加えている。

出版:徳間書店
装丁:装丁:VOLARE 関善之

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魔犬 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス)【第55位】 いちえふ 1巻 / 竜田一人

福島第一原発作業員が描く原発ルポルタージュ漫画。

脳裏に焼きついたお馴染みの建屋のカットに、
大きく配置された4文字タイトルに、赤字で内容を強調した副題、
散りばめられた灰色の煽り。
作品の内容は世間を煽るようなものではない、と前置きしながら、
下品さのないセンセーショナルなデザイン、と表紙を褒めたい。

出版:講談社
装丁:セキネシンイチ制作室 []

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主婦を休んで旅に出た よくばり世界一周! 上 (朝日コミックス)主婦を休んで旅にでた よくばり世界一周!  下 (朝日コミックス)【第56位】 主婦を休んで旅にでた
 よくばり世界一周! 上下巻
/ 東條さち子

一人旅エッセイ作品。世界地図の背景と、くるくる回りそうな地球に乗っかった作者。「世界一周」がこの2冊に入っているということがとても明確にわかるデザイン。副題の入れ方にも何気に個性が出ている。

出版:朝日新聞出版
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)月に吠えらんねえ(2) (アフタヌーンKC)【第57位】 月に吠えらんねえ
1・2巻 / 清家雪子

萩原朔太郎や北原白秋らの作品から受けた印象をキャラクターとして創作された、詩人たちと近代日本の業と罪と狂気の物語。
旧字体の古めかしいフォントを使った沢山の文字が散りばめられたカバー。薄くて読みづらいそれは、読むより早く脳に飛び込んできて、詩人の苦悩に似た圧迫感を与えてくれる。
出版:講談社
装丁:note 芥陽子 []

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アオハライド 10 (マーガレットコミックス)【第58位】 アオハライド 10巻 / 咲坂 伊緒


シンプルでスッキリした白タイプのデザインは6巻まで続き、7巻からはそこに鮮やかな水彩が付加されいく。さらにこちらの10巻からは、深みを増す長編ストーリーに呼応させるように、より複雑に色が重ねられるようになった。背景に色か付いて、代わりに白抜きになって見やすくなったタイトルを見て、今更ながら描き文字のようなタイトル、振り仮名的なローマ字配置、英文とそこ構成が面白くまとまっていることに気づいた。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []
ロゴ拡大
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こいのことば【第59位】 こいのことば / 緑のルーペ

女子中学生がエロ漫画家の部屋に入り浸って爛れた逢瀬を重ねる、これしかるべきマーク付かないの?ならばここで紹介してしまおう、というラインの作品。
制服も下着も脱ぎ散らかして、布団の上でメモをしたためようとする少女。この温い光の差し込んだ甘ったるいイラストを、一部がすっぱと切れた白いタイトルがシャープに引き締めている。
各話の扉ページに、話数・各話のタイトルと共に入った「Words of love」がちょっと好き。

出版:太田出版
装丁:草野剛デザイン事務所 草野剛 []
拡大
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恋愛ラボ (10) (まんがタイムコミックス)【第60位】 恋愛ラボ 10巻 / 宮原るり


10巻到達というキリの良いタイミングで、『僕らはみんな河合荘』で繋がりの出来た川谷デザインにより、デザインのフォーマットもリニューアルされた。

一箇所にまとまったポップなロゴは細くスタイリッシュなタイプに変わり大きく配置され、ロゴに含まれていたハート成分は巻数表記に以降。巻数マークには可愛い個性が付いた。

出版:芳文社
装丁:川谷デザイン []
巻数
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はなしっぱなし 上はなしっぱなし 下【第61位】 はなしっぱなし
上下巻 / 五十嵐 大介

アフタヌーン発・幻想短編系作品、その復刻版の新装版。
白系から風景系になって、より怪奇なムードが伝わるようになった。ちなみに今回の表紙イラストは前回袖に分割で収録されていたものとなる。

出版:河出書房新社
装丁:坂野弘美

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箱入りドロップス (3) (まんがタイムKRコミックス)【第62位】 箱入りドロップス 3巻 / 津留崎 優


箱入り娘、初めてづくしのスクールライフ4コマ作品。

表紙で何らかの箱に収まっているヒロインの3巻での収まり先は洋風の菓子折りの1スペース。チョコのブラウン色と箱の紺色の多いビターな色合わせで1・2巻より少し大人っぽく、タイトルと作者名の入れ方も既刊の中でもとてもスマート。

出版:芳文社
装丁:コメワークス 木緒なち []

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さくらの園 1 (少年チャンピオンコミックス・タップ!)【第63位】 さくらの園 1巻 / ふみ ふみこ

絵柄はゆるふわな百合SF作品。

奇妙な植物が生い茂る森で寝そべる少女達を中心に点対称で配置された、
ブロックを切り出したような面白い文字を使ったタイトルと作者名。
文字のバランスの取り方が面白くも、大きい作者名に違和感はないが、
紹介しているほかの作品を眺めてみると思いのほかこの表紙の
作者名が突出して大きいということがわかり、意外だった。

出版:秋田書店
装丁:Pri graphics 川名潤 []

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かわうその自転車屋さん 1 (芳文社コミックス)【第64位】 かわうその自転車屋さん 1巻 / こやまけいこ


店長はかわうそさんで店員は羊さん。坂の上にあるカフェみたいな自転車屋の物語。

オシャレな佇まいの自転車屋さんと、普通の自転車より小さいかわうそ店長の
愛くるしいイラスト。お店に続く道が自然と帯状のタイトル配置エリアの役割を果たしている。

出版:芳文社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 2 (少年チャンピオン・コミックス)【第65位】 セトウツミ 1・2巻
/ 此元 和津也


男子高校生2人が、川べりでひたすらダベるマンガ。

男二人が出てオシャレなカバーデザインとなると、友情とは別方向の匂いがしてしまうことが多いので、この空気感は貴重。

出版:秋田書店
装丁:芦田デザイン事務所 芦田慎太郎 []
拡大
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星の案内人 1 (芳文社コミックス)【第66位】 星の案内人 1巻 / 上村五十鈴


小さな町のプラネタリウムを舞台に繰り広げられる、人と宇宙の優しい物語。

自転車を引き、空を見上げる少年。右手には小さな私設のプラネタリウム。文字が折れる場所が丸まっていて、隙間があり、ところどころが星座のように繋がっている、そのタイトルロゴは朗らかで、手描き感のあるロゴとは違った優しさが出ている。芳文社のHCレーベルは何気に行き届いたデザインの作品が多い。

出版:芳文社
装丁:arcoinc 楠目智宏 []

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新世紀エヴァンゲリオン 14【第67位】 新世紀エヴァンゲリオン 14巻 限定版 / 貞本義行,カラー

エヴァ搭乗者揃い踏みの最終巻・限定版。銀色の少し入ったちょっとリッチな表紙を眺めていると、装丁がどうのと言うか、「コミックス版も面白い」と1・2巻を手渡されたときに「このペースでいったら完結するまで何年かかるかわからないよね」と口にしたのを思い出した。



出版:KADOKAWA/角川書店
装丁:BE-ENTO 鹿住忠広
裏表紙
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橙は、半透明に二度寝する(1) (講談社コミックス)【第68位】橙は、半透明に二度寝する 1巻 / 阿部洋一


荒唐無稽でグロほっこりする、船溜まりの町のオカルトオムニバス。

寄り添う少女と生首の満面の笑顔。オレンジ色のタイトルや飾り枠で暖色系でまとめられた色あせたようなイラストがくしゃくしゃにシワのついたわら半紙のような下地に貼られているようなデザインになっていて、ほんのりと文学の香りが漂う。

出版:講談社
装丁:RedRooster 下山隆 []

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ヤマトダイブラザーズ 【第69位】 ヤマトダイブラザーズ / 日高チトセ

兄弟でバンドを結成している3兄弟の日常を描いた、BLレーベルにおける非BL作品。

白地の背景に同一キャラを沢山配置したキャラ散りばめ系。3兄弟を1セットにして、さまざまなシチュエーションを散りばめているのが特徴になって、このタイプのデザインの賑やかさを備えつつ、類系の中でもまとまりがあってすっきりしているように感じられる。キャラやタイトルの部分にはツヤあり。

出版:ふゅーじょんぷろだくと
装丁:野本理香

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一畳間の純チャン (近代麻雀コミックス)【第70位】 一畳間の純チャン / 野村 宗弘

とある雀荘に集う訳ありシスターと迷える子羊たちの、ちょっぴり狂ったほのぼの麻雀漫画。人物のイラストも小さめに、緑色を基調として金色の飾り枠や十字架形のタイトル枠を設けた表紙は、聖書のようでとても厳か。しかし、これは麻雀漫画なので麻雀牌もあるし、シスターが持っているのも点棒、飾り枠には牌の模様まで入っている。聖書と麻雀と、何とも罰当たりな組み合わだが、その違和感を感じさせないほど丁寧なデザインの仕事ぶりが面白い。麻雀漫画の中でも異色なこだわり装丁。ひとつ出ると二つ目も出るもので、面白い試みが次に繋がるかもとわくわくしている。*
出版:竹書房
装丁:hona graphics
拡大
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ふらいんぐうぃっち(1) (講談社コミックス)【第71位】 ふらいんぐうぃっち 1巻 / 石塚千尋

青森を舞台にしたほのぼのまじょまんが。
魔女/魔法少女モノその2。

木漏れ日の降り注ぐ神社の境内に少女一人、黒猫一匹。。
ひらがなタイトルの最初と最後が伸びてロゴを特徴付けている。
のどかな雰囲気の中に、ほんのりと確実に魔女っぽさを加えた
クセのない優しい味わいの表紙。

出版:講談社
装丁:RedRooster []
拡大
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ラーメン大好き小泉さん 1 (バンブーコミックス)【第72位】 ラーメン大好き小泉さん 1巻 / 鳴見なる

ラーメン大好きな女子高生・小泉さんの日常。
背景は、調理場をカウンターが囲むラーメン屋の店内。主人公は小さく描かれているが、イラストの中心で。モブの上に大きく重ねられた長いタイトルの隙間で存在感を強く出している。

表紙のお店は第1話で登場する『ラーメン二郎三田本店』らしく、googleで画像検索を行ってエア胸焼けを起した。

出版:竹書房
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []
キャラ拡大
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クジラの子らは砂上に歌う 2 (ボニータコミックス)【第73位】 クジラの子らは砂上に歌う 2巻 / 梅田阿比



巨大な遺跡の船で砂漠の海をたゆたう人々の物語。

通巻で、バストアップの繊細なイラストの頭の上に重なるように
縦書きの長いタイトルを載せてしまう大胆な構成をとっている。
世界観を結晶化したようなタイトルの造型がお気に入り。

出版:秋田書店
装丁:コメワークス 木緒なち []

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よんでますよ、アザゼルさん。(11) (イブニングKC)【第74位】 よんでますよ、アザゼルさん。
11巻 / 久保保久

イラストのタッチとデザインを合わせて、昭和のジャンプ作品を連想させるレトロな雰囲気を演出している表紙。袖にもジャンプコミックスらしい作者の自画像が載っていて、作者と同姓のジャンプ作家を連想させる。しかし骨折しそうなほどひねりを効かせていて、よく見るとさ

店員「それ以上いけない」

出版:講談社
装丁:L.S.D. シマダヒデアキ []

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お前はまだグンマを知らない 1 (BUNCH COMICS)お前はまだグンマを知らない 2 (BUNCH COMICS)【第75位】
 お前はまだグンマを知らない
1・2巻 / 井田ヒロト

群馬県の「あるある」ネタいじり倒し作品。
追い詰められた表情の男を閉じ込めるかのように、怖いフォントを使ったタイトルと血を被せてホラーなデザインに、群馬を秘境としていじる「グンマー」ネタの認知が加わって完成するギャグ表紙。
出版:新潮社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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あしたのファミリア(11) (ライバルKC)【第76位】 あしたのファミリア 11巻 / 樋口彰彦


最終巻。

これまで風景なし+人物が表紙から裏表紙に掛かるダイナミックな構図というフォーマットで続いてきたので、人物が直立で背景が作品の拠点+青という第1巻的な王道要素が、逆にラストを飾るのにふさわしく感じられる。おつかれさまでした。

出版:講談社
装丁:5GAS 宮村和生 []
第1巻
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リュウマのガゴウ 5 (ヤングキングコミックス)リュウマのガゴウ  (6) (ヤングキングコミックス)【第77位】 リュウマのガゴウ
5・6巻 / 宮下裕樹



5巻は黒背景、6巻は背景が写る隙間も無いクルーズアップ。こうしてみてみると、文字位置を頑なに変えていないのにどちらの構図でもカッコよく成立させているのが大胆で面白い。

出版:少年画報社
装丁:川谷デザイン []

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死神ナースののさんの厄災【第78位】 死神ナースののさんの厄災 1巻 / 麦盛なぎ


死神と噂されるナースと、隔離棟に収容された謎の少年。
昭和初頭のサナトリウムを舞台にした怪奇サスペンス。

レトロな印刷感を出す、黒、薄茶、赤でまとめた色使い。
ナースと少年のイラストのいたるとろに、体の部位や着衣、道具の名称が
旧字体で記載されていて、興味を引く不気味さを演出している。

出版:マッグガーデン
装丁:simazima 平谷美佐子 []
拡大
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天地明察(7) (アフタヌーンKC)【第79位】天地明察 7巻 / 槇えびし,冲方丁






上下逆さま系は見たとき脳がびっくりするのだけれども、
それが水面だとわかると落ち着いて美しいものだと認識される。

出版:講談社
装丁:SPICE 柳川価津夫,大野裕介 []

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アルテ 1 (ゼノンコミックス)【第80位】 アルテ 1巻 / 大久保圭

16世紀初頭・フィレンツェ。画家を目指す女性の物語。

絵画が関連する作品ということで、イラストはフレームに入って飾られているが、フレームが硬質感を感じさせるものになっていて、女性がひとりで生きて行くことに理解のなかった時代、主人公が困難に立ち向かう物語に相応しい「堅さ」を出しているように思える。
ロゴもすっきりしていて見やすい。

出版:徳間書店
装丁:crazy force 竹内亮輔 []
ロゴ
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昇る朝日にくちづけを (ヤングジャンプコミックス)【第81位】 昇る朝日にくちづけを / TNSK

日本の地方の風景と、その地で生きる人々の“禁断の恋"を繊細に描き出す連作短編集。2話の独立した短編の後に、締めとして3話連続の表題作が収録されていて、表紙のイラストは表題作3話目の印象的なシーンがモチーフになっている。タイトルの青、イラストの薄い着色、薄い青色の太陽。朝をまとった日の出の空気が良く出ている、というか朝日というアプローチがそもそも珍しいのかもしれない。YJ系のコミックとしては珍しく中表紙、目次ページに加え、奥付()にも手が加えられていて、統一感のある中のデザインもさりげなく印象が良い。

出版:集英社
装丁:arcoinc 楠目智宏 []
奥付
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ノストラダムス・ラブ (IKKI COMIX)【第82位】 ノストラダムス・ラブ / 冬川智子

1999年7月、世界が終わるはずの10日前の物語。
クラフト紙のような薄茶色のカバーに黒い印刷の文字とイラスト+蛍光色の黄色。少ない素材とシンプルな味付け、そこにTVが点いたままの暗い部屋がある。
発売前にAMAZONに出ていた白背景の仮バージョンの書影をブログに載せいたところ、それを見たデザイナーさんからわざわざ完成版を送っていただいた。これも一つの愛かもしれない(仮書影の差し替えはお忘れなく)

出版:小学館
装丁:note 芥陽子 []
拡大
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北斗の拳 イチゴ味 2 (ゼノンコミックス)北斗の拳 イチゴ味 3 (ゼノンコミックス) 【第83位】 北斗の拳 イチゴ味
2・3巻 / 徒妹,河田雄志
原哲夫,武論尊

本物以上に本物らしいイラストと本物らしいデザインで本物にも許されていて、笑わせてくるのがとてもずるい。田中圭一よりもずるいしドリヤス工場よりもずるい。ついでにドリヤス工場のクロスアンジュもずるい。

出版:徳間書店
装丁:crazy force 竹内亮輔 []

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滅子に夜露死苦(1) (IDコミックス REXコミックス)【第84位】 滅子に夜露死苦 1巻 / クール教信者

「顔には出てないのにお腹が結構きてるね」体型のケンカ師を主人公にした新感覚ヒロインコメディ。

ボテっとしたお腹と共に仁王立ちする主人公の存在感に負けない、ピンクと黄色のロゴ。右側は3文字で左側4文字。右側の開いたスペースを巻数や作者名など使える文字で埋めて、表紙にどっしりとした安定感を生み出している。
不敵に笑う「苦」の文字のデザインが面白い。

出版:一迅社
装丁:arcoinc 楠目智宏 []

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群青戦記 グンジョーセンキ 2 (ヤングジャンプコミックス)【第85位】 群青戦記 1巻 / 笠原真樹



校舎丸ごと戦国タイムスリップ作品。

胴鎧の上に上着を羽織って戦地に赴く学生。
作者の本来のイラストの個性はそのままに、
ほんの少しのタッチの差で人物が戦国風になっている。

出版:集英社
装丁:五十嵐卓也

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書かずの753 1 (ビッグコミックス)【第86位】 書かずの753 1巻 / 相場英雄,中山昌亮

『震える牛』相場英雄×『不安の種』中山昌亮、地方新聞社ドラマ作品。

新聞紙風の表紙。中には主人公の女性記者が北海道の弱小新聞社への出向を命じられるという話導入がイラスト部分を含めて記事の体裁でまとめられている。下に見出しが載っている記事も、作中のエピソードに関わるもの。斜めのレイアウトと赤いタイトルで、報道の緊張感と臨場感が生まれている。
書くと「祟られる」とか、そういう「書かず」ではなかった。

出版:小学館
装丁:セキネシンイチ制作室 []
拡大
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刻刻(8)【第87位】 刻刻 8巻 / 堀尾省太

最終巻。
基本的なデザインはそのままに、巻数が右上から左下に移り、デジタルな形の英字タイトルが下に寄せられることで重心が下がって安定。これが落穏やかなイラストと組み合わさって、最後らしい落ち着いた雰囲気の表紙に仕上がった。

20位の作品など、2014年は新上さんが作品の個性を引き出していた講談社青年系の作品が幾つか綺麗に完結してしまい、少し寂しい。

出版:講談社
NARTI;S 新上ヒロシ []

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おしえて!  ギャル子ちゃん 1 (MFコミックス)【第88位】おしえて! ギャル子ちゃん 1巻 / 鈴木健也

気立ての良いギャル・オタ娘・天然お嬢様の3人組、女の子Q&Aマンガ。

蛍光カラーが特徴的なオールカラー漫画であり、柱の人物紹介を含めて
中身をそのまま持ってきたような表紙になっていて、
とてもわかりやすく、そして個性的。
表紙のマンガのフキダシの中では台詞が絵で表現されて、
表紙をめくるとそれが何を喋っているのかすぐにわかる仕掛けになっている。

出版:KADOKAWA/メディアファクトリー
装丁:Aoki Kenichi
1ページ目
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満ちても欠けても 2【第89位】 満ちても欠けても 2巻 / 水谷フーカ

午後11時のラジオ番組を中心に、届ける人、聞く人、支える人等、さまざまな角度からラジオを愛するエピソードを紡いだ作品。
深夜のビルの屋上に並んだ番組スタッフのみなさん。夜空には、星と共にさりげなく音符が混じっている。カバーのポイント何と言っても表面の質感。さらさらしてして鈍く光るカバーで、夜空も星も明るく見えて、がんばる人達がいる賑やかな夜の空気が形成されているが、この空気感がカメラにどうしても映らないのが今回困ったところでもある。なので手に取ってみてほしい作品の1つ。

出版:講談社
装丁:G×complex 久遠敦司 []

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ごきチャ (3) (まんがタイムKRコミックス)【第90位】 ごきチャ 3巻 / るい・たまち



背景色との差でコミカルなタイトルが既刊より目立った3巻。

「小さい生物」ならではの構図で描かれた、見る機会のないアングルの、
しかしその雰囲気を覚えている祭りの景色。
34位、そしてこちらと祭りネタ一つにしてもその作品の味が出る。

出版:芳文社
装丁:BALCOLONY. []

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ばくおん!! 5 (ヤングチャンピオン烈コミックス)【第91位】 ばくおん!! 5 / おりもとみまな

『けいおん!』の単行本カラーをなぞり続けて早くも5巻。highschool編の黄緑色が来るか?という予想を外し、使われたのは『まんがタイムきらら』付録である4巻用カバーのピンク色。元ネタのカバーのキャラはミュージシャン由来の中野さん、そして本カバーのキャラはレーサー由来の中野さん。
かくして、中野さん(ツインテール)から中野さん(ツインテール)にバトンは託された。そして残るネタのストックは(多分)2冊分で黄緑と白。どうする?どうなる?ばくおん8巻。

出版:秋田書店
装丁:芦田デザイン事務所 芦田慎太郎 []

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ホリミヤ 6巻 初回限定特装版ラバーストラップ付き(SEコミックスプレミアム) (Gファンタジーコミックス)【第92位】 ホリミヤ 6巻 限定版 / HERO,萩原ダイスケ



付属したラバーストラップと同じ格好をした、
アニマルフーディのキャラクター達。

通常版は制服キャラを並べた通常運行ということで、
これは良い差別化。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:caro design 橋本清香
通常版
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穴殺人(1) (講談社コミックス)穴殺人(2) (講談社コミックス)【第93位】 穴殺人 1・2巻 / 裸村


水着など露出の多い服を着た人物の非着衣部分を、水玉をくり貫いたような壁で隠すことで、空間補完効果により元絵が裸体であるかのような錯覚を引き起こさせる。写真もイラストもその適用を免れない。「水玉コラ」、それは悪魔が授けた奇跡のコラージュテクニックである。

出版:講談社
装丁:futaba NISHIHARA HIROYUKI

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ばけもの町のヒトビト(1) (アクションコミックス(月刊アクション))ばけもの町のヒトビト(2) (アクションコミックス(月刊アクション))【第94位】
 ばけもの町のヒトビト
1・2巻 / くまのとおる

人とばけものが共存ずる町の、日常コメディ。
横2色分割構成。横長のエリアに普通の人間の全身が収まる縮尺で、キャラを一列に配置。絵に収まりきれないキャラクターを入れて、サイズ感を強く出している。

出版:双葉社
装丁:Lightning
タイトル,帯
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死役所 1 (BUNCH COMICS)【第95位】 死役所 1巻 / あずみきし

死者の行き先を振り分ける、あの世とこの世の境にあるお役所の仕事を描いた作品。

白いイラストエリアを黒い縦帯で挟み込んだ、鯨幕を連想させる構成とタイトルで作品のあの世的な要素を匂わせ、顔の半分がなくなった女性の痛ましい姿でインパクトを出しつつ、すっきりしたデザインで目を背けたくなるほどの怖さは抑えられたバランスがちょうど良い。

出版:新潮社
装丁:ARTEN 石川照美 []

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魔法少女さん (ジェッツコミックス)【第96位】 魔法少女さん / 縛

ゆるキャラな風貌とオッサンの精神を持つ、魔法少女同居4コマ。

赤一色の背景と、主線と塗りのくっきりしたイラストが、
よく出来た商品パッケージのようによく目立つ表紙。
作者名は縛(ふぅ)。この1文字の作者名は縦書きのタイトルの下に
英字を挟んでハンコのように配置され、
作者名であることが自然に伝わるようになっている。

出版:白泉社
装丁:fabric engine
作者名拡大
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金魚屋古書店 16 (IKKI COMIX)【第97位】 金魚屋古書店 16巻 / 芳崎せいむ

16巻では『藤子.F.不二雄ミュージアム』がお話の舞台として登場。

なだれを起して店員に圧し掛かる大量のドラえもん、
そのインパクト。
ドラミちゃんは1個。

正しく使えば、版権は強い。

出版:小学館
装丁:葛西恵 []

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妄想高校教員 森下 (1) (ヤングガンガンコミックス)【第98位】 妄想高校教員 森下 1巻 / 西渡槇


「YES妄想、NO TOUCH」がモットーの変態紳士・森下先生の脳内お花畑作品。

はだけた胸元から見える分厚い筋肉、軌跡を描く鋭い眼光。
只者ではない雰囲気を放つ教員の力強いイラストと
変態まっしぐらなフキダシのギャップ。
そしてメガネには女性達の姿が映っている。

出版:スクウェア・エニックス
装丁:On Graphics []
メガネ拡大
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レムルローズの魔女 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)【第99位】レムルローズの魔女
/ 神江ちず,霜月はるか,日山尚

霜月はるか・日山尚が送るファンタジーボーカルアルバム『レムルローズの魔女』(CD作品)のコミカライズ。
二重の枠状になった背景、キャラクター、そしてタイトルロゴの枠。細かく描かれた美麗なイラストに、作り込まれたタイトルロゴの枠が非常によく馴染んでいる。多数の四角の枠によって縦横の規律がはっきりした空間に入った剣の斜めのラインが美しい。

出版:一迅社
装丁:imagejack 團夢見 []
ロゴ
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俺とSEXすれば売れる 2 (ゼノンコミックス)【第100位】 俺とSEXすれば売れる 2巻 / 香穂





男魂さえ描かれていなければセーフというレギュレーションは
どういう文化圏で適用され得るものなのか。
私、気になります。

出版:徳間書店
装丁:アフターグロウ 寺田鷹樹

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ここまでがランキング発表。

最後に、カバー下や特殊加工など別なところに注目した作品を別枠で22作品紹介していきます。




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【表裏賞】 さかな&ねこ / 森井ケンシロウ

猫と魚は大の仲良し、でも猫は魚を食べる、それが全てのシンプルな4コマ作品。

家で、会社で、学校で、どんなに仲良しな猫と魚がいても、4コマ目には魚は猫の胃の中にいる。「その関係に行き着くまでに魚は食われてなきゃおかしいだろ!」という無粋な突っ込みをするタイミングもなく、テンポ良く食物連鎖の犠牲となっていく魚。そんな作品の個性が濃縮されているのがカバーの裏表。

さかな&ねこ


まず、表紙にはタイトルと作者名をなるべく小さくして、黄色い背景に魚と猫を描けるだけ描き込まれていて、食う側と食われる側が集まって仲良く会食する、シュールでコミカルな景色が広がっている。そして裏表紙にもまったく同じ構図が描かれているが、そこには魚だけがいない、というオチが付く。

さかな&ねこエンボス


イラスト部分はエンボス加工によって盛り上がっており、ツルツルのカバーの上でイラストの輪郭が光に反射する。このためキャラの存在が際立ち、描き込まれた猫の数、魚の数に見合ったインパクトが生まれている。エンボス加工が特に効果的に作用していると感じたカバーでもある。

出版:竹書房
装丁:VOLARE 関善之

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【カバー外し賞】 バベルの図書館 / つばな

バベルの図書館


紙に触っただけでそこに書かれる全ての文章を読む力を持つ少と、天使の存在を信じる平凡な少女。少年が少女と一言一句まで同じ作文を書いたその日から、ひとつの物語が始まった――、という作品。

ムラがある形でほんのり色づいた背景、手を繋ぐ少年と少女。少年には不気味なシミが重なっている、これが表紙で上の画像の左半分。そして画像の右半分がカバーの表紙部分の裏側。カバー裏には古文書のように言語不明の文字とイラストがみっしりと描き込まれており、表紙のシミは裏表紙の一部が染み出たものになっていることがわかる。

バベルの図書館


カバー下には青空が印刷されている。カバー下に青空があると大抵ストレートに爽やかなものになるが、古文書と組み合わさると意味深なものに感じられる。カバー裏の古文書は、いくつかの素材をパターン的に配置するように構成されているが、丁寧に作りこまれていて見ごたえあり。

出版:太田出版
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【特殊装丁賞】 サヨナラフラグ / マキヒロチ

サヨナラフラグ


別れをテーマにした作品を多く収録した、作者の初作品集。

白シャツ、女性の青い髪とショートパンツ、黄色い付箋。青、白、黄色でまとめた表紙。カバーは半透明。カバーにもカバー下にも黄色の付箋が散らばっていて、2層に渡る付箋がさりげない奥行きを形成する。作中で沢山の付箋が登場する物語は「あなたがかえるまえに」。作品をまとめるに府さわさしい物語を表題作に選びつつ、違う物語のアイテムを表紙イラストのモチーフにしているのがポイント。

出版:祥伝社
装丁:川谷デザイン []

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【エクストリーム装丁賞】 犬マユゲでいこう かんたんいぬまゆげ / 石塚2祐子

犬マユゲでいこう  かんたんいぬまゆげ


本企画で紹介するのも3度目で、相変わらず漫画であるかどうかすら判別できないゲームあれこれ作品。

今回のデザインはキャラ弁風で、料理写真撮影研究家・山下コウ太による出来た弁当写真が表紙に用いられているが、
もちろん作中の内容との関係は一切ない。誰のイラストにしたら手にとってもらえるか、どういう構図にしたら内容がわかりやすいかと悩んだり、帯という付属品のために本来のデザインが制限されるという逆転現象に気を使ったり等、多分苦労しているであろう普通の作品とは別の次元にいて、どこに向かっているのかはさっぱりわからず、作中でも「誰得」という自虐すら入っているデザインではあるが、誰かが全力で楽しんでいるのはわかる。

出版:集英社
お弁当撮影:山下コウ太
何でも撮影隊:和田篤志,長谷部英明
装丁:ビーワークス 木内早帆理


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【ホラー賞】魔の断片 / 伊藤潤二

魔の断片

伊藤潤二の8年ぶりのホラー物の新刊コミックス。

収録作品に関連した人物や怪異が「ムンクの叫び」風にまとめられたイラスト。ストレートにホラーな表紙と言えるが、手に取ってみると、何か変なものが映りこむ。

魔の断片


光にかざしてみると、隠れていたる悪魔の姿がはっきりと浮かび上がる。どれくらい隠れているのかと目を凝らしてみると、カバー全体にびっしりと悪魔が潜んでいた。

魔の断片3

カバー下には透明の加工で隠れていたイラストが印刷されている。こうしてわかるように、1枚のカバーのために、2枚分の全体イラストが描き下ろされていることになる。

出版:朝日新聞出版
装丁:Rocket Bomb 簑原圭介 []

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【HO★MO★SHOW!】 菊門高校モテ部 1巻 / 絶蝶

菊門高校モテ部 1巻
基本的にBL作品を紹介しない本企画において、紹介したくなった本作品。紹介文などで「創作BLweb漫画」と銘打たれて逃げ道がないな~と思いつつも、内容的にこれはBLでなくBG(Boy's Gag)だと自分だけ納得させてここに紹介する。

本作品の発表媒体は創作サイトやpixivで、そのときのタイトルはダイレクトに『菊門高校ホモ部』。それが商業化するにあたって、
『菊門高校モテ部』というマイルドなタイトルに改題され、表紙にはちりばめられた作中のコマの上に『モテ部』の文字が載せられた。
『菊門高校』4文字と『モテ部』の3文字が分かれていて、『モ』の上が空いているのが気になるが、『モテ』と『部』の縦のラインがずらされていることと合わせて、そういうデザインなのだろうと思えてくる。しかし、この空いている部分を見てみると…

モテ部仕掛け

透明な印刷で隠された『ホ』の文字。さらに、タイトルの『テ』以外の文字はツルっと膨らんでいる。
光に当てれば、そこに『菊門高校ホモ部』が現れる。

出版:マッグガーデン
装丁:コードデザインスタジオ []

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【LO★LI★SHOW!】 薄花少女 2巻 / 三浦靖冬

薄花少女

昨年と同様に、この作品を「目次賞」として真面目に紹介する、という選択も考えていたものの、今回紹介したいポイントは真面目に解説だけすると意図しない形で草が生える可能性がある。そのため、HO★MOとセットで紹介しておけば何か知らないけれどプラマイゼロ的なアレになるであろうと踏んだ結果のコレ。

そんなわけで、休刊したIKKIから『のじゃロリ&ロリババァ』『サンデーGX』に移籍した本作品。カバーデザインはほぼそのままで、背表紙の一番下で枠に収まり収まったGXのロゴがIKKI時代の名残をとどめている。そして、1巻で注目していたオシャレな遊び紙のデザインはどうなっていたというと、なにやら湯煙の向こうで少女(80歳家政婦)が着替えている。やばい、これは丘野上ヒナゲス・チャン大使激おこ案件か?と緊張が走る。そして恐る恐るページをめくると…。

薄花少女2-2

はい、大丈夫でした。これにはチャン大使も苦笑い。

というくだらない前置きは置いておいて、シルエットの周りが透けていた1巻とは真逆になっていて、遊び紙越しに想像できるイラストと、実際に見えるイラストが違う、という仕掛けになっていた。仕掛けの種類で分類すると、93位の水玉コラ(93位の作品の中表紙にも表紙の元イラストが掲載されている)と同系と言え、水玉コラの原理を応用したアイディアとも思える。ホラー系作品とも親和性の高そうな仕掛けかもしれない。

出版:小学館
装丁:chutte

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【アイディア賞】 モリミテ / 中野シズカ

モリミテ


花を配達した帰りに道に迷い、闇深い森へと誘い込まれるように足を踏み込んだカズシとリュック。不思議な少女達に出迎えられた二人がそこで見てしまった森に閉じこめられた真実とは…。いくつもの伏線から導き出される幻影の森の物語。(アックスストア解説文より)

闇に包まれたような暗いカバーに浮かび上がるように描かれた一人の少女の線画。よく見てみると、その少女を取り囲むように沢山の少女が描きこまれていることがわかる(オンマウスで書影拡大)。

モリミテ現

見えやすい中心の少女に対して、周りの少女達の色はは背景色に近い。

モリミテ消

さらに、さらさらとした質感のカバーに光を当てると、ぼんやりと全体的に白みがかるため、
カバーを見る角度によって、少女達が見えなくなるが、
見え方が結構極端なので、少女達が暗い森の中で突然現れたり消えたりと面白い視覚効果を体験できる。

出版:青林工藝舎
装丁:永井ミキジ []

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【合体賞】 リピートアフターミー 2巻 / ヤマモトマナブ

 リピートアフターミー


ここで唐突に自分が『このマンガがすごい!2015』に投票した作品を振り返ってみる。まず『子供はわかってあげない』、これは各方面で名前が挙がっていてもう何も文句がない。『レストー夫人』は38位でめでたい。『ぷらせぼくらぶ』は『このマンガを読め!』の方で7位とこれもめでたい。
『ラブラブエイリアン』は『すごい』の方でちょっとピックアップされていたし、きっと2巻も出るし良しとする。

だがしかし、1位に推した『リピートアフターミー』が全然どこでも目立っていない、これはちょっとよろしくない。「ヤリナオシ」と1000回唱えてみても全然すっきりしない、これはいかんともしがたい、表紙だってせっかく全2巻で合体してるのに!そんな怒りの合体賞。

そんなわけで2014年もいくつかの合体表紙が登場していて、その中でこの作品は全2巻に登場する沢山のキャラや出来事を2冊分のスペースに落としこんでよくわからないけどドラマティックで賑やかな表紙しているのが特徴的だった。1巻と2巻の発売には半年程度間が空いていて、そのため上下巻にもなていないが、最初からプロットをしっかり定めた上での全2巻なので、このように綺麗に合体している。

とは言うものの、上で言っている「よくわからないけど」という部分はやはり弱点で、この表紙だけを見ても、この作品が同じ日を何回も繰り返すループ物で、繰り返しによる学習を最大限に有効活用して大事件に立ち向かっていく映画のようなストーリーラインを持つ作品だ、ということが伝わらないのは非常にもったいない(←回りくどい作品紹介)

超有名作品と比較してこの作品が売れてないのはおかしい的な主張をする気はさらさらないものの、この作品を楽しめるけれども作品自体を知らない人は結構いそうだなとも思える作品なので、これを読んだ人の中でが一人くらいは本書を手にしてみて、「結構いいじゃん」と思ってくれる、それくらいの期待はしたい。

出版:マッグガーデン
装丁:株式会社ビイピイ 鈴木佳成

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グレイトフルデッド【合体大賞】
  グレイトフルデッド
     上下巻 / 久正人



清朝末期の中国・上海を舞台に、女霊幻道士がキョンシー相手に大暴れするアクション活劇。マガジンZに連載されていた全2巻の作品が、同作者の連載作品『エリア51』『ノブナガン』の好調を受け、長い絶版期間を経て復刊した。

今回の作品レーベルはシリウスKCとなっており、出版社は同じ講談社ということで、デザインは引き続きSPICEが担当。そして今回は上下巻2冊同時発売ということもあって2冊の合体表紙になったが、特徴になっているのが解説するまでもなく見ての通りの縦合体。キョンシーが犇く夜の上海を女霊幻道士が飛翔する縦長のイラストに、作品の持つ力強さが凝縮されている。

ちなみに、既にかっこよかった旧版単行本の表紙イラストは、2冊分下巻にカラーページで収録されている。

…ここまでコメントを埋めてもスペースがだだ余りなので、過去に書いた作品紹介でも置いておきます。
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気弱な少女売春婦と凄腕女霊幻導士という二つの顔を持つ少女が化け物相手に夜な夜な死闘を繰り広げる、中華テイストな爽快バトルアクション。お約束の盛り込まれた王道の妖怪退治物であると同時に、版画みたいなスタイリッシュな絵柄や、売春婦が男性からの精力を霊力にして戦う等癖のある奇抜な設定を使いこなす強いオリジナリティーを持っている。他に類を見ない希少な作風で、はまる人はきっと強くはまる。
⇒全2巻オススメ漫画50選
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出版:講談社
装丁:SPICE 柳川価津夫,大野裕介 []


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【帯賞】 くうのむところにたべるとこ / ヤマシタ トモコ

くうのむところにたべるとこ

『食』というお題ににフェティシズムやエロスを絡ませた、『食』と『欲』のオムニバス作品。

銀色のリッチなバックと豊満なバストでピチピチのTシャツを歪ませた女性。女性の露出した下半身を隠すように、キャッチの書かれた特製ベーコン帯がでろっと巻かれる様は、とてもエロティック。初回限定という触れ込みのあるこの帯は、ベーコンらしさを出すべく流線型に切り出されていて、『特製』と謳われているのも納得の出来で、帯が目を引き本書を手にしたという感想も多数確認できた。

カバー下にある、美味しさとは別のところを狙ったピンクのベーコン写真も強烈(画像右上)。また、話数の単位は「dish」になっているが、この「dish」の文字が奇妙に並んだ目次の、潔いデザイン最優先感が面白い(画像右下)。

出版:集英社
装丁:川谷デザイン []

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【帯賞】 タケヲちゃん物怪録 7巻 / とよ田みのる

タケヲちゃん物怪録 7


完結巻。

曲線のついた大型帯。虹の輪に主人公一人が描かれたしんみりした表紙。
帯を取ると賑やかな大集合イラストが現れる。
裏表紙も、帯を取るとキャラの赤いシルエットが解除されるような形で優しく変化する。
表紙上では赤い主人公のイラストの主線を帯で黒くする、表情を変える等の工夫もあり。

帯の下から何が出てくるか予想ができつつ、外すと期待に全力で答えてくれる、
ラストを飾るに相応しい帯となった。

出版:小学館
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 白山仁,徳重甫 []

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【帯大賞】 きょうの思春期 3巻 / こだくさん

きょうの思春期 3巻

一昨年に紹介した1巻には、何でもないものを嫌らしく見せるモザイク帯がついていた。2巻では表紙で人間ピラミッドを形成していて裏表紙にブルマが並ぶというネタをやっていたので、帯は普通。そしてラストの3巻の帯は、少し大きめ。しかしイラストがおしとやかなので、
表紙の邪魔をせずキャッチを載せた大人しい帯に見える。

そして帯を外すと、キャラがわんさか出てくる。

きょうの思春期 3巻

カバーはイラスト1枚絵全面タイプで、教室がワイドに描かれている。
キャラも帯で隠れるところ全てにびっしり。なかなか気合いの入った遊びになっている。
現在は店頭に帯がない本も並び、1つの教室に何故か大量の生徒が中腰で集合しているという
よくわからないけれどインパクトのある結果だけが残ってしまっているので、
こんな仕掛けがあったという事実をここに残しておきたい。

出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【他人の空似賞】
 ヤコとポコ 1巻 / 水沢悦子 にゃん天堂 1巻 / うさくん


水沢悦子にゃん天堂

100以上の作品をまとめて紹介する場合に、バラエティ豊かなラインナップを取り揃えようと少しは気を使うものの、そこは所詮個人の好み。どうしたって大きな偏りが出てくる。そこで困るのが、イラストやデザインが近い2作品があって甲乙付けづらくどちらも選びたい場合。続けて紹介しても面白くないため、順位を大きく離したり、片方のみを紹介したりする。でも、たまにはそういう作品をまとめて紹介してみるのもあるかもしれないと思い、作者が違うながらそこそこに傾向の似た2作品を並べてみた。

左は『花のズボラ飯』でデビューを果たした新進気鋭の女性漫画家・水沢悦子による、少女漫画家とそのアシスタントのネコ型ロボットの日常モノ。右はロリ漫画雑誌に連載を持つエロエロ漫画家うさくんの新作で、旧世代ゲーム機の新作を開発するおかしなゲーム会社のコメディ。どちらも無表情なディフォルメの効いたキャラとポップなロゴ、白の余白部分の広さが特徴的で、すっきりとしていながらどこか印象に残る部分が共通している。よく似ていることもあってか、AMAZONで一方の作品検索すると、もう一方の作品も表示してくれる。ともあれ、女性漫画家・うさくん、エロエロ漫画家水沢悦子、どちらも応援していきたい。

ヤコとポコ 出版:秋田書店 装丁:Pri graphics 川名潤 []
にゃん天堂 出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 装丁:虻川貴子

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【扉賞】 いとへん / 宇仁田ゆみ

いとへん

若い職人と押しかけ見習い。古びた仕立て屋さんの手しごと物語。
キャラの周りに沢山の裁縫グッズが散りばめられた可愛らしい表紙をめくると…。

いとへん1

裏側の透けた薄紙。

いとへん2

そして花柄のページ。最初の2ページが型紙と布を模したデザインになっている。

いとへん3

奥付の後にも、花柄のページと薄紙が入る。(使用されている花柄は最初のものと別)
ボール紙のようなグレー見返し(本体部分)、そして袖の端のメジャーも合わさって、
これら仕掛けのページは全体で見ても整っていて収まり画が良い。

薄紙の部分は「遊び紙」と言っていいのか、とにかく入り口と出口で作品にぴったりの遊び心が楽しめる。


出版:祥伝社
装丁:ベイブリッジ・スタジオ 黒木香 []

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【導入賞】 ストレッチ 1巻 / アキリ

ストレッチ

先輩(OL)×後輩(大学生)、ストレッチを中心に回る二人暮らし生活を描いた作品。
クリーム色+青系でまとめたシンプルな表紙。
ゆったりとした部屋着+椅子+ストレッチ+クリーム色の背景で、
雰囲気は室内。

ストレッチ1

ページをめくると突然の青空と共に始まるプロローグ。
雰囲気は一転して屋外、そして日中。

ストレッチ2

黒枠で回想らしさが出ている回想が描かれた2ページ。

ストレッチ3

「頭にモノが当たる」をトリガーにした現代引き戻し。
黒枠の効果が回想らしさでなく夜らしさに置き換わる。

ストレッチ4

もう一人の住人が帰ってくる。

ストレッチ5

そして1ページ目の「学校+青空」と対照的な「マンション+夜空」が
目次ぺージとして登場。プロローグはスムーズに第1話に繋がり、
「夜のストレッチ」が始まっていく(全年齢的な意味で)。
ストレッチを通したほのぼのしたやり取りが特徴であると同時に
シチュエーション的に夜が多く、暗さも潜んだ作品として、
導入で上手く「夜」を作っていると感じられた。

出版:小学館
装丁:note 芥陽子 []

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【アンソロジー賞】コミティア30thクロニクル 第1集 / コミティア実行委員会

コミティア

1984年11月18日に第1回を開催した創作マンガ同人誌即売会コミティアが、2014年、30周年を迎えるにあたり刊行されたアンソロジー書籍。全3巻で
1冊あたり二十名以上の作品が収録されていて、その厚さ4.5cm強。極厚の本体を、プラスチックのような質感の上品な白いカバーが覆っている。タイトルロゴは半透明になっていて、カバー下が透けて見える。

コミティア2

カバー下の本体には、現在『ティアズマガジン』という呼称が付いたコミティアのカタログ誌の書影がぎっしりと並べられている。

コミティア3

見返しにはイベントの写真が印刷されている。

厚みとを持った本体をカタログ誌が包み、それらが模様としてロゴを形成するカバー。
収録されている作品は、コミティアで発表された作品の極々一部なれど、
手に持った本の重みに、そのデザインに歴史を感じることができる。

出版:双葉社
装丁:名和田耕平デザイン事務所 []

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【完結賞】 惡の華 10・11巻 / 押見修造

惡の華(1)惡の華(2)惡の華(3) (講談社コミックス)惡の華(4) (講談社コミックス) 惡の華(5) (講談社コミックス)惡の華(6)惡の華(7) (講談社コミックス)惡の華 (8) (講談社コミックス)惡の華(9) (講談社コミックス)惡の華10惡の華11


モノクロ特大フキダシ3冊、「華」を仕込んだ単色カラーの黒系三冊、水彩画タッチ3冊、そしてラスト2冊は油絵風と色鉛筆。10巻カバーはツヤあり、1巻カバーはツヤなし。

惡の華 コミック 全11巻完結セット (少年マガジンコミックス)

「目」で揃った背表紙。祝完結。

出版:講談社
装丁:hive 久持正士,土橋聖子 []

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【グルメマンガ賞】 先生のおとりよせ / 中村明日美子,榎田ユウリ

先生のおとりよせ表紙

美少女マンガ家(男)と官能小説家(男)。出版社のコラボ企画として、実在する「おとりよせグルメ」を軸に話が展開するグルメ作品。リレー形式でマンガと小説が交互に進んでいく。

先生のおとりよせ2

袖、見返し、中扉。作者の一言が載った袖には宅配便の取扱い注意シール。見返しは茶色で、お取り寄せ商品の写真が印刷されている。

おとりよせ目次

登場する商品の写真がセットで並んだ目次。黄色い円の中には各話のタイトル、ページ数のほか、おとりよせの商品名、作品の初出情報などがレイアウトされている。

先生のおとりよせ3

中の紙はほんのりと色を帯びていて、印刷は茶色。各話の最後に載った商品解説ページには、価格や消費期限、購入先のURL等が掲載されている。

先生のおとりよせ4

小説パート。構成の特殊な本なので、フォントイジリも馴染みやすく、視覚的に面白い。

先生のおとりよせ奥付

奥付はラストページに配置、そして隣に見返し。BL系出版社、ダブルBL作家、グルメ系、とここまで揃えば装丁にこだわらないわけがない。

出版:リブレ出版
装丁:内川たくや []

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【良いコミック賞】 夜よる傍に / 森泉岳土

夜よる1

眠ることのできなくなったカメラマンと夜しか目が見えない少女。夜に囚われた二人が正しく夜明けを迎えるための物語。

カバーは紙自体が黄色い。そして、人物や風景は黒、さらに作中のキーアイテムとなる絵本のイラストが光を反射するような白インクで印刷されている。

夜よる2

カバー下の本体も黄色いため、見返しも同じく黄色。そして開始4ページの導入部分のページも黄色い。

夜よる3


目次はなく、本編が20ページほど進んだ後で出てくるタイトルページが画像右。
黒ページに白抜きで、とても小さい。

夜よる3-3

ラストのページに再びタイトル、そして「The END」の文字。最後は白。

夜よる4

夜よる5

そして本編終了から再び黄色いページが入り、後書きや奥付、著者の作品紹介ページから最終ページの見返し、袖まですべて黄色。


作品は、夜を冒険する物語であり、「夜」や「夜明け」というワードが頻出する。そんな作品のイメージカラーとも言えるのが黄色(+黒)。黄色いページが厚みをもって本を包み込むような構成が、作品の持つ幻想性を高めている、と言えるかもしれない。

出版:KADOKAWA/エンターブレイン
装丁:セプテンバーカウボーイ 吉岡秀典

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【良いコミック賞】 史群アル仙作品集 今日の漫画 / 史群 アル仙

今日の漫画


Twitterで発を発表媒体とした昭和の画風の1ページマンガが話題を呼んだ作者、初の単行本で、本体はハードカバー仕様。まず、表紙イラストは1ページマンガ「今日の漫画」から抜粋されている。表紙には出版社名なし、そして作者名が作品のタイトルにはいっている場合は「○○短編集,著:○○」といったように2箇所作者名が入ることが多いが、本作では表紙、背表紙共に作者名は1箇所だけ。フキダシの文字やタイトルの周りには金の箔。黒が多いシンプルな構成ゆえに金の箔がよく目立っている。

今日の漫画2

袖は白黒のハーリキンチェックで、ところどころから兎が顔を出している。見返しはピンク色で動物が散りばめられている。

今日の漫画3

目次にもデフォルメの効いた人間らしい動物が帯を成す様に並べられている。

今日の漫画4

本編の1ページマンガ「今日の漫画」は全て、黒いページに白い線で構成された「今日の絵」とセットで並んべられている。「今日の漫画」の収録分、右が黒、左が白いページが続き、本を開いているときは右ページの小口も真っ黒く見える。

今日の漫画5

終りの見返しは水色。

昭和の画風を持った作品にふさわしい、昔から存在していたように思えるような佇まいを持つと同時に、例えば美しく見える背表紙、表紙、袖の繋ぎ方や最初と最後で色を変えた見返し、白と黒のコントラストが印象的なページ構成、独特の手触りが気持ち良いカバーなど、行き届いた設計はまさしく今のもの。こういう本は、いつまでも手元に残しておきたい。

出版:ナナロク社
装丁:名久井直子 []

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【良いコミック大賞】 かごめかごめ / 池辺葵

かごめかごめ1

静謐で美しい光の中に見え隠れする不穏な世界。『どぶがわ』『繕い裁つ人』の著者が全篇フルカラーで魅せる、修道女の愛の讃歌。

まずカバー。表面はビニールコーティングがなく、さらさらと紙の良さを感じられる。イラストには光が差し、デザインとして枠が配置されている。この光、枠が重要。

かごめかごめ2

袖、見返し、中扉。

かごめかごめ3

目次、中扉。このように、話数と副題が入ったページが1話毎に挿入される。

かごめかごめ4

左が本編の1ページ。本編の1コマ1コマは、絵画として飾られるように飾り枠に収められている。戻ってみると、表紙や袖、中表紙などもにも枠が使われ、1ページ1ページが飾られていることがわかる。また、イラストとしての着色とは別に、本自体が歴史を持った書物であるかのように、作品を邪魔しない程度にシミのようなものが散らばっているが、これも表紙から続いている。

かごめかごめ5

かごめかごめ6

かごめかごめ7

この作品は光が特徴的。とにかくあらゆる場面に光が差して、人物達の感情を、世界の寂しさ、美しさを映し出す。(などとカッコよく言い切ってしまいたいけれども、アマゾンレビューなどを見てみると、「絵は、上手い訳ではない。ひたすらに味があると言える。」、「控えめに言っても、単純な画力は高くない作家さんだと思うが、こと漫画的作画でいえばピカイチだ。」等と高い評価を付けている人も予防線を張っていたりして、画の議論はむずかしい)

かごめかごめ10

神がかり的な光の表現に惹かれて紹介してる部分が大きく、これは装丁としてアピールすべきか、マンガの内容としてアピールすべきか悩ましいところだけれども、装丁がすばらしい作品かどうかと言われれば、間違いなくYESと言うことができる。オールカラー、作者の力量、物語を閉じこめる装丁。全てがかみ合った1冊。

出版:秋田書店
装丁:Pri graphics 川名潤 []

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*ウルトラジャンプで掲載されたコラムを転載、または加工して掲載しています




という感じでお送りしました、
良いコミックお気に入り装丁紹介企画『この装丁がすごい!~漫画装丁大賞~2014』。

2015年の特集でまた逢いましょう。


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2015年03月22日 | この装丁がすごい! | コメント 0件 | トラックバック 0件 | TOP